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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
会場の水天宮 日本橋劇場(中央区日本橋公会堂)は久しぶりでした。市馬三の独演会で何度か訪れた場所だったので、脊髄反射的に人形町に来てました。チケット見て「あれ、日本橋だった?」と焦りました……会場名にちょっと混乱しましたが、やはり日本橋公会堂で、人形町から歩いて10分以内なので、結果オーライでした。
 菊之丞さんがマクラで説明されていましたが、もともと池袋演芸場でやっていた二人会、会場に100人も入らないので手狭に感じて日本橋劇場に移ってきて2回目だそうです。池袋演芸場では入りきらない人数とはいえ、この会場のキャパにしてはちょっと寂しい入りでした(;o;)……20人で一列の5列目まではかなりぎっしりでしたが、10列目ぐらいになると半分の入り……15列ほどまである1階席の後方は空席が目立つ感じ……2階席はたぶん空けていません。ざくっと計算して170人ちょっとという感じでしょうか。氷雨が降る、天候不順の日とはいえ、前売り先行の落語会なので、この顔付けなのに勿体無い……と思います。



子ほめ/市丸

初天神/市馬
 市馬さんが前座ネタの初天神をかけるのは新鮮です。金ちゃんが飴、団子、凧をせがむという長めの展開でした。

愛宕山/菊之丞
 昨年9月以来の菊之丞さんです。好きな落語家さんのひとりではあるのですが、正直、レパートリーが限られているように思い、間を空けておりました。
 愛宕山、江戸から旦那と幇間の一八が京都見物に行っての設定というところは、先代文楽が構築した江戸落語のスタイルをベースにしていて、古今亭志ん朝さんの語り口に一番影響を受けているのが丞さまスタイルでしょうか。華やかで軽くて時にはオーバーアクションのネタが菊之丞さんには合っていると思います。

中入り

紙入れ/菊之丞
 これまた菊之丞さんの得意ネタ。ニンに素晴らしく合っているのは間違いないのですが……ちょっと聴き過ぎたようです(汗)、またか感が避けられない……。

花見の仇討/市馬
 市馬さんの「花見の仇討」はライブで聴くの2回目ですが、季節の先取り(今日の午前中は東京で霰とか雪とかいってる寒さでしたよ……)だからこそ、余計に楽しかったです。
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2009年の暮れに突然『芝浜』が聴きたくなり、落語にはまって明けて2010年1月の志の輔らくご in PARCOを見たのが決定打で、それから年間40本以上は生落語を聴きに行くことになろうとは……。


落語協会の正月興行で今年から市馬さんがトリということで行って来ました。

漫才/ニックス

漫談/木久扇
 前半は喉頭癌を放射線治療した時の体験談(一回3分ぐらいだそうな)。後半はちょこっと彦六伝。

漫談/しん平
後半は「神様セット」かぶりものして客席に福を呼んでくれました。

?/小さん
 メモ取り忘れ。

ギター漫談/ぺぺ桜井

松山鏡/歌る多

?/円丈
 あれ、メモ取ったのに字が汚くて読めない……(^_^;)。

味噌豆/伯楽

奇術/ダーク広和

漫談/菊志ん
 浅草演芸ホールと池袋演芸場の客席の模様。特に満員の時の池袋、喬太郎さんトリでぎゅうぎゅう詰めだった時のことを思い出して大笑い。

男の井戸端会議/馬風

(中入り)

松づくし/歌る多他2名
 歌る多さん、美るくさん、日るねさんと3人で、見事に舞ってくれました。

浮世床/圓太郎
 『太閤記』のところ、本多と真柄の一騎打ち……一尺八寸の「いっしゃくう……」でサゲ。

?/歌司
 あれ、メモ取り忘れちゃった(^_^;)

ガーコン/川柳
 今日も美声です。

熊の皮/志ん橋

太神楽/仙三郎社中

片棒/市馬
 市馬さんトリを目指して来てよかった……何と初「片棒」に出会えました。ケチのお噺と聞いた瞬間にガッツポーズでした。
 特に銀二郎のところでは市馬さんの美声で神田まつりの出囃子をたっぷり、そして「お祭りマンボ」が出てきてワッショイでした。

えーと、この会のタイトルに突っ込んでいたのは白酒さんか。新春、花形はいいとして、若手はもうないだろう、とか。何せトリは落語協会会長となられた市馬さんだし、喬太郎さんは藤本義一さんみたいな銀髪だし、みたいな。
 でもこのメンバー(三三さん加えると、結局、年末の市馬落語集の常連ゲストになりますな)は安定して面白いからいいんですよ。喬太郎さんが古典新作どっちやっても中入り後に白酒さんが古典落語の雰囲気に戻してくれて、市馬さんでめでたくトリっていう展開で。


無精床/わん丈

時そば/一之輔
 地元ネタがおかしかった。一之輔さんが二つ目の頃、豊島園の近くのマンションに住んでいたということで、まだ一歳だった息子をベビーカーにのせてこの辺りに散歩にきていたこと。つつじの季節につつじの蜜を吸って「ミツバチ親子」と言われていた……はさすがにネタだろう。
 あと、ピンポンダッシュがいまだに子供達の遊びになるっていうのも。「小朝でも昇太でもない」落語家が住んでいるらしい、とピンポンダッシュの標的にされた(笑)。
 そして年末から続いているペヤングのネタ。ペヤングのソースでご飯炊いて食べる。そうするとソースのないペヤングがひとつできるから、また買ってくる……その連続で、一之輔さん最後の晩餐は……。
 やや押し気味で、二八そばのネタふって時そば。あまりマクラでどっかんどっかんやり過ぎて、ちょっと時間押していたかも知れません。

稲葉さんの大冒険/喬太郎
 年明けて30席ぐらいやっているけど古典はまだ3席だそうです。前から聞きたかった稲葉さんの大冒険に当たって嬉しいです。
 いつもの日、いつもの時間にいつもの通り通勤して、いつものように仕事して、いつものように家庭に帰ることが生活のやすらぎな稲葉さんが、風俗のティッシュをもらって始末しようとしたばかりに、大変な冒険に。
 犬のペスを連れて散歩している爺がいいキャラしている。

替わり目/白酒
 鈴本の初席千秋楽、今日は休んで白酒さんはこちらへ。でも代演の一之輔さんはここでトップバッター務めて鈴本へ?
 白酒さんの「替わり目」べろべろ亭主とバケべそ(でも実はちょっとした美人)奧さんが大好き。今日は奧さんがおでんを買いに行っている隙にうどん屋にお燗をつけさせて、本来の「替わり目」のサゲが出てくるところまでやってくれた。

妾馬/市馬
 新春なので相撲甚句をおまけにつけて、おめでたい「妾馬」。後半、八五郎が都々逸のみっつも歌って、ようよう。「外へ行くか、殿公」で八五郎出世なる「妾馬」。
人生二度目の歌舞伎見物は、張り込んで正月の特別番組に。運よく入手できた一等席で、正月らしい晴れ着のお客様もちらほら見かけて普段より一層華やいだ客席。
 風邪気味で、途中で咳き込んでしまってすみません……(; ;)。

松竹創業120周年壽初春大歌舞伎
一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)
青山播磨 吉右衛門
腰元お菊 芝 雀
並木長吉 桂 三
奴権次 吉之助
柴田十太夫 橘三郎
放駒四郎兵衛 染五郎
渋川後家真弓 東 蔵

◆愛に命をかけた男女の潔さ
 旗本の青山播磨は、犬猿の仲の幡随院長兵衛の子分たちと出くわし、喧嘩を始めたところ、伯母の真弓が現れ諌(いさ)めます。相変わらず喧嘩三昧の播磨に、真弓は以前に話した縁談を勧めますが、かねてから腰元のお菊と恋仲なので、その気はまったくありません。しかし、お菊は縁談の噂に気をもみ、播磨の本心が気になり落ち着かない様子。そこで播磨の自分への思いを確かめるために、お菊は青山家の家宝の皿をわざと割ってしまいます。それに気づいた播磨は…。
 旗本と腰元の身分を越えた純愛ゆえの悲劇を描いた、岡本綺堂の代表作のひとつです。

 時代を明暦にし、旗本奴の水野十郎左衛門と町奴の幡随院長兵衛が男伊達とかぶき者を競った時代。青山播磨は、水野十郎左衛門の白柄組に属している。

 愛する男を信じたくても信じきれなかった女。
 惚れた女に信じてもらえなかった男。
 
 お菊の心の疑いは晴れても、最愛の女に疑われた自分の無念は晴れない、と、お菊を斬り殺す播磨。
二、女暫(おんなしばらく)
巴御前 玉三郎
蒲冠者範頼 歌 六
清水冠者義高 錦之助
女鯰若菜 七之助
茶後見 團 子
手塚太郎 弘太郎
紅梅姫 梅 丸
家老根井行親 橘三郎
局唐糸 笑 也
成田五郎 男女蔵
轟坊震斎 又五郎
舞台番辰次 吉右衛門

◆女方が見せる荒事の様式美
 平家追討に功をあげ、今や権勢を誇る蒲冠者範頼は、大勢の家臣を引き連れて北野天満宮で宴を開いています。家来たちが口々に祝儀を申し立てる中、居合わせた清水冠者義高は、傲慢な態度を取る範頼を諌(いさ)めますが、激怒した範頼は成田五郎らに命じ、義高一行の命を奪おうとします。そのとき、「しばらく」と声がかかり現れたのは巴御前。女ながら武勇に優れた巴御前は、義高たちの危機を救おうと範頼に意見をし…。
 荒事の『暫』を女方が演じる趣向で、歌舞伎ならではの演出として、幕外での巴御前と舞台番のやりとりも華やかな舞台をご堪能ください。

 七之助さんの女鯰若菜が美しいなぁ。

 そして、玉三郎様の巴御前。スーパー美しくて強い。けど、舞台番(吉右衛門さんだ〜)に六方を教わって踏む時の力強さ、「おお恥ずかし」と照れるところの可愛らしさ。
三、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)
   
老女岩手実は安達原の鬼女 猿之助
山伏大和坊 門之助
強力太郎吾 寿 猿
山伏讃岐坊 男女蔵
阿闍梨祐慶 勘九郎

◆自らの罪業に苦しむ老女が現す本性
 芒(すすき)の生い茂る奥州安達原。日が暮れる中、諸国行脚の途中の阿闍梨祐慶一行は、岩手という老女の家に一夜の宿を請います。糸繰り唄を唄い、一行をもてなす岩手は、自らの不幸な身の上を語り始めると、祐慶の言葉に心が救われます。岩手は一行に奥の一間を決して見てはならないと忠告し、薪を取りに出かけます。しかし、強力(ごうりき)が一間を覗いたと知った岩手は豹変、安達原の鬼女の本性を現し、祐慶たちに襲いかかり…。
 古典の中に近代の技法を取り入れた舞踊劇にご期待ください。

 今日の圧巻は猿之助さんの新舞踊。第二景、三日月の冴え渡るススキの原で、阿闍梨から仏の道を説かれ心の曇りが晴れた岩手が、童女の頃を忍び月に戯れて無心に踊る姿に、息を詰めた。

 そして阿闍梨祐慶、勘九郎さん凛々しくて清々しい。

 感動を言葉に表したくてもなかなかいい言葉が見つからないもどかしさ。
たまたまチラシに入っていて、会場が地元に近いし、ゲストも含めてお買い得な落語会(前売り1800円、当日2000円)だと思いました。私のような初めてのお客さんも多かったようで、「今日なんでこんなに多いの?」と常連さん。
 そりゃ、この木戸銭で一之輔さんと正楽さんがゲストだからではないでしょうか。

 主催は、大田区出身の3人。
三遊亭歌太郎 歌武蔵門下。山王出身。
三遊亭時松 金時門下。中央出身。
柳亭市江 市馬門下。石川台出身。

弥次郎/市助
 市馬さん門下の前座さんも一席。北海道に旅して何もかもが凍るとか、恐山で山賊に遭うとか、罪のない法螺話をぱぁぱぁ。

初天神/歌太郎
 明るくてわかりやすい芸風ですね。歌武蔵師匠門下だから技術もしっかりしていると思います。
 アメ、団子で、蜜にポッチャンでサゲ。

笠碁/一之輔
 客席で、大きな声で高座の噺家さんと「会話」するおばちゃんがいたんですよ。私もひとりで自分の部屋にいると、うっかりテレビ画面と「会話」しちゃうんですが、そのおばちゃんはひとり大声で目立ってました。一之輔さんは「お母さん、いいタイミングで合いの手入れていただいてありがとうございます。ただ、ここからお話はこちらが致しますんでお任せください」とやんわり引き取ってました。さすが真打ちともなると客あしらいが上手です。
 ここまであまりどっと笑う場面がなかったのですが、マクラの東武野田線=アーバンパークラインねたでどっと笑わせました。
 お子さんが碁将棋に凝っているという話題から「笠碁」へ。
 ゲストで中入り前で、しかも他の出演者はネタ出している状態で一之輔さんがどんなネタをかけるか、わくわくしていたのだけど、やっぱ一之輔さんらしい「笠碁」でした。
 ひとつは、一之輔さんなりの工夫。喧嘩して帰って行った碁友Bがタバコ入れを忘れた設定にして、碁友Bもそれを取りに来るという口実で碁友A宅を立ち寄ることができるというもの。もうひとつは、ABが子供のころ、Bと遊んでいたAがBを空き地で待っていて雨に降られて風邪を引いて寝込んでいたという設定。これがオチに聞いてくる。
 一般的なサゲ「笠から碁盤に雨のしずくが」だけではわかりにくいので、雨漏りかと思ってみればBが笠を外してなかったという説明を加え、それだとサゲにならないので上記のエピソードにかけたサゲにしてふたりの友情をくっきり。

蒟蒻問答/時松
 大好きな噺のひとつ。これはライブかビデオで見ないとオチが楽しめないネタ。
 権助の歌が入るバージョンは初めて。

紙切り/正楽
 羽根付き、相合い傘の後はリクエストに応じて。かえるの餅つき、初日の出、出初め式、七福神。全部目出度いお題でした。

禁酒番屋/市江
 市馬さん門下の市江さんも二つ目でもう五年。声が太いので武家が多く登場するこのネタは、ニンに合っていますね。
 登場人物が多く、また番屋の当番がだんだん酔っ払ってくる様子の描き分けとか、結構なトリねたでしたが、堂々としてました。酒が入って酔ってくると頬に赤身がさすのはどうやったらできるのでしょうか。

 新春らしい落語会を満喫しました。
生の談志師匠を最後に見たのは2010年の年忘れ市馬落語集だったでしょうか……落語はかけられないけど昭和の歌謡曲が好きな家元、市馬さんの年末の落語でトークに出演して楽しそうでした。確か人形町だったと思います。
 今は1200人を収容する新宿文化センターで一晩の昭和歌謡曲祭りとなりました。手元の記録だと昨年に続いて2年目の経験しかないようですが、なぜか毎年見に来ているような気がします。。



厄払い/市馬
 今日一番の主役が前座ポジションで高座にあがって、短い噺でそそくさとサゲ。
 ライブで見聞きしたのは初めてかも知れない。市馬さんの与太郎がかわいい。

時そば/一之輔
 ペヤング焼きそばの製造中止ねたで爆笑を誘う一之輔。ペヤングのソースを炊き込みご飯に使ってしまったばかりに、延々と食べ継ぎ、いまわの際のペヤングに麺があってもソースの粉がない(汗)。
 そして、一之輔さんで聴く時そば。ひょっとして初? 麺をすする音を聞いただけでも楽しい。

釜どろ/三三
 おーい、皆さん、持ち時間の15分より短く、軽く、爆笑ネタでつないでいるんですか?
鼠小僧次郎吉、石川五右衛門のエピソードをふって。

喧嘩長屋/白酒
 すもうネタをちょっと振って、爆笑もののアクション付きのこのネタに。

第二部 昭和歌謡大全集
 市馬さんは私より一歳年下なはずなのに、ラインナップされた古い昭和歌謡、私は二曲ぐらいしか知りません(汗)。家元が好きだったという「建設の唄」とか「赤い夕陽の故郷」とか、全然わからない……えりちゃんとのデュエット「一杯のコーヒーから」はかわいかったです。喬太郎師匠が熱唱する「東京ホテトル音頭」は楽しかったです。

月に一度のこの会の定連席を確保して3年目になります。次年度更新するかどうか、そろそろ悩む時期になりました。落語を演芸としてライブ感を楽しみたい自分には、ちょっと雰囲気が違うんですよね……今日などは声出して笑ったら隣の客に睨まれました(^_^;)。

雪てん/さん弥
 さん喬門下、来春の十人同時真打ち昇進のひとり。「柳家さん助」を襲名するそうだ。先代は2011年に亡くなった三代目なので四代目を名乗られるのかな。
 「雪てん」ってネタ名は初めて聴いたけど「雑俳」のバリエーションのひとつなのね。「初雪」お題で雑俳してオチが関係するネタ名でした。季節感ありますね。

朝友/三之助
 読み方は「ともふさ」と三之助さん。ネット検索すると「あさとも」とふりがな振っている記事もあるので、どんな由来か聞いておきたかったかな。
 お互いに恋患いで亡くなった男女が三途の川で夫婦約束して閻魔様の前に引き出されるが、横恋慕した閻魔様に妾になれと言われた女が奪衣婆の家に監禁されて。男が何とか女を連れ出して脱出し、ふたりとも現世に蘇るという噺。途中の地獄の描写は関西落語の「地獄八景亡者戯」にも通じるところがある……寄席は出て来なかったが、芝居小屋のネタが似てた(^^)。

芝浜/鯉昇
 解説によると鯉昇さんの「芝浜」は三代目三木助の型だそうだが、談志の芸がちょっと絡んで、登場人物の了見がちょっと変わるというエピソード。「亭主はバカだから仕事始めたら面白くなっちゃった。カミサンは亭主がいつ飲むかわからないから、無理して店を出した。そして気がついたら三年、亭主は今も飲みたくてしょうがない」……笑。
 でも魚勝とかみさんの関係が重たすぎなくていい。
 「足の折れたちゃぶ台」が小道具として出てくるのだが、そうすると江戸時代の噺じゃないね。増上寺の時の鐘と、時代考証が……苦笑。

不孝者/金時
 今日は「朝友」「不孝者」と初めてライブで聴くネタがあって、これがTBS落語研究会ならではの楽しみではある。
 柳橋の芸者、欣弥……あまり色気むんむんしない金時さんだからいいのかな。菊之丞さんが演じたらどんな感じかなー。
 柳橋は、天保の改革で水野忠邦が深川などの岡場所を取り締まったため、対岸の柳橋に逃れたことで花街として発達した……という流れからすると、辰巳芸者の「粋」「張り」を尊ぶすっきり気風が混じっているのかしら。明治維新後、新橋が官僚などに人気あったのに対して、柳橋は江戸からの商家に贔屓されたとか。

初天神/小三治
 今週は小三治独演会と当会と、生の小三治さん三昧。今日の「初天神」は団子と凧でした。
 前座も高座にかけるし、小三治師匠がトリでかける「初天神」だが何が違うか、ぽやんと考えながら見ていた。前座さんクラスの金坊はとにかく力が入る。小三治さんの金坊は余計な力がかかっていない。おねだりする時も、駄々をこねる時も、余計な力は入ってない。でも自然体で子供だ。芸として昇華されると余計な力は必要ないということかな……。
 まぁ、こちらも自然体で、余計な力をかけずに、小三治さんの芸に浸りたい。


演劇好きな友人を初めての落語会にお誘い。反応が気になったけど自然に笑っていました……けっこう気に入ってくれた模様。

妻の旅行/はん治
 前座として高座に上がって、座布団返しもめくりも自分でやってらっさいました。
 文枝師匠の創作落語。沖縄旅行に行く妻に文句たれる夫、それを諌めるはずの息子が父親の壮大な愚痴を聴くという構図……ですかね。文枝師匠の元ネタのオチまでは行かず、途中でサゲているせいか、サゲは切れが今ひとつでした。
 でも、真打ちのはん治師匠が、座布団返しやお茶出し、めくりをするのを見るにつけ、落語って本当にコストパフォーマンスがよいジャンルです。

時そば/小三治
 マクラその一は、二八そばの由来は2×8=16文説か、蕎麦粉8割うどん粉2割の二八説か、に始まり。当時の一文とか一両は今の貨幣価値にしていくらか、という蘊蓄を長めに語り。夜鷹そばともいわれる、夜鷹の蘊蓄も少々。
 すでにマクラで「時そば」当たり感でした。シコシコして喉越しのいい細蕎麦をすする様子が飯テロでした。私は今日の昼食が蕎麦だったので、反芻した感じでしたが。

野ざらし/小三治
 いきなり「……選挙ですよ」に始まるマクラ。直近の選挙について、政治家について、ぼやきというか批判というか。私は「えっ、そこまで言っていいんかい(^_^;)」と内心思いつつ、共感できるところは拍手してノリました。
 こんな話をするつもりじゃなかった、とか言いつつ、20分マクラに費やしたせいか、袖から
はん治師匠が膝をついて出てきて「あと15分です……」という刹那。
 残り15分だったら、小三治師匠で大好きな「小言念仏」「かんしゃく」でもいいと思いました。でも一番大好きな「野ざらし」がかかったので、「時そば」とのコンボで万々歳です。
 「……というわけで、八っつぁん、あれはこの世のものではないのだよ」とか、「つかつかつかつかつー」とか、音源を何度も聴いて半分は暗記しているぐらいなのに、リアル小三治師匠の八公がコツ釣りに行く様子、何度聴いてもフレッシュに笑えるのです。

4,000円はちょっとだけ高いが、広瀬和生プロデュースで、白酒・白鳥・三三・文左衞門と粒ぞろいで、恵比寿ザ・ガーデンホールって普段落語かけない小屋で、ワインなど普段800円ぐらいするアルコール含むワンドリンクがフリー……って、なかなかお得感あると思います。
 でも何よりのお得感は、長講四席。白酒師匠の「芝浜」こそ軽めだったけど、冬のトリネタのオンパレード。7時開演で、10時半閉演ですよ。こじゃれたパイプ椅子だったので腰痛くなりましたよ。でも師走らしいがっつりした長講に大満足でしたよ。



初天神/ふう丈
 圓丈師匠の弟子だけど真っ当な「初天神」団子でした。

芝浜/白酒
 芝の浜で財布を拾う場面をばっさり切った芝浜。でも夫婦が臭くなくてほんのり甘い感じで、全体に軽くって、私は好きだなぁ。

隣の町は戦場だった/白鳥
 CD収録されているので聴いていたが、生では初めて。白鳥さんの故郷、新潟県高田市の豪雪がどんなに凄いか。雪下ろしさせられるのは決まって次男という不幸……この「次男」を中入り後に三三師匠が拾いまくって爆笑編にしてくれた。
 高田市の農業高校の分校に通っていた指折りの不良を、先生が口車で借金のかたに自衛隊に入隊させたのが発端。自衛隊は集団的自衛権がごにょごにょでイラクで平和的後方支援活動をやっているはずが、反政府ゲリラに撃ちまくられて孤立。そこでサソリに刺された地元の美少女バディーちゃんの命を救うために、故障してガソリンもないホンダスーパーカブに奇跡を起こし、さらに亡くなった父ちゃん母ちゃんの霊もひと働きして、360度砂だらけの砂漠を爆走スルぜ夜露死苦……みたいな噺(汗)。
 最近の白鳥さんの作品は、三大噺の伏線ネタがひとつひとつ集まってくるドラゴンボール的なカタルシスがある(^^)。

富久/三三
 三三さんの噺は好きだが、疲労のピークがここに来て、幇間の久蔵があざとく感じられた。あーあ、そうやって酒飲んでお客様に絡んでちゃしくじって客を失うのも当然だわ、という具合に。全然感情移入できなかったので、一番くじに当たったのに火事で燃えてしまって賞品と交換ができない、という悲哀にあまり共感できなかった。
 白鳥さんの「次男に生まれたばかりに」というネタを散りばめたあたりはとても笑えたのに、ねぇ。まぁでも、近所の頭が神棚を布団などと一緒に運び出してくれたので、めでたしめでたしで後味はいい。

文七元結/文左衞門
 文師が高座に上がった時には9時半回っていたので普通の夜席ならはねてる時間帯(汗)。しかも長講三席でお腹いっぱい。これから文七か〜……と溜息混じりに聴いたら、これがまた、いいんだなぁ。
 いろいろな名人が文七をかけてきた。現代の名人では、談春師が佐野槌のおかみさんに自分の競艇での経験をたっぷり染みこませて説教する場面に説得力があって好きだ。今回の文師のは、ばくちにはまってダメダメになった文七が、娘をかたに佐野槌の女将から借りた五十両を見ず知らずの若者にやってしまう場面の説得力に、おそれいった。
 ところで、お久を請け出してもらって、五十両も手元に戻って、果たして長兵衛は左官として立ち直ることができたのか……噺の〆がお久と文七が夫婦になって元結屋を開いて成功した、という方に飛んでしまったので長兵衛のその後には触れられていないが、心を入れ替えて元の凄腕の左官屋に戻ってくれていますように。



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