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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
スタンディングオベーション。カーテンコール3回。主演の幸四郎丈は、原作のみなもと太郎さん、脚本演出の三谷幸喜さん、客演の八嶋智人さんに感謝を述べた。

 風雨、脆弱な和船での漂流、漂着、寒さと飢えの危機、壊血病、ロシア語、氷上の長旅、ロシア人の人なつこさに和んでも延々と続くお役所仕事、次々死んでいく仲間達……挙げればきりのない困難の中で、日本を離れて10年もの年月を、大黒屋光太夫は日本に帰るという一念で、チームを引っ張った。

 ただ、17人いた乗組員のうち、日本に戻ってこられたのは2人だけだった。

 その中で、帝政ロシアの地に日本語教師として残ると決めたふたりとの別れは、哀切を極めた。

 マンガ『風雲児たち』大黒屋光太夫編の中でもクライマックスのこの場面を頂点に、三谷かぶきの歌舞伎座デビュー作品はスタンディングオベーションで迎えられた。やっぱし歌舞伎役者が演じれば何でも歌舞伎になるんだなぁ。「カムチャッカ」とか「イルクーツク」とか、ロシアの地名でも義太夫になっちゃうんだから。

 歌舞伎座の普段の作品ではない洋装も素敵。特にエカテリーナ女帝は全身光っていた。ポチョムキンもロシア史屈指の人物である存在感。一方、犬橇を引いたシベリアンハスキーたちの衣装(着ぐるみというのは憚られる本気度)は歌舞伎座スタッフの本気を見た。

 10年もの歳月、見知らぬ土地を漂流しサンクトペテルブルクまで決死の旅を繰り返し、仲間達のほとんどを失いながらも日本まで還りついた光太夫と礒吉と他の面々を分けたのは何だろう。

 家族3人を見送って最後のひとりを生きる自分には、最後のランナーを生きることに勇気を与えてくれる作品だった。
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落語と歌舞伎ブログになって久しいです。なかなか幕末関係の話題をまとめる時間が取れないですが、5月には日野に行き(今年の正月に行けなかったのは、大晦日に生後2-3ヶ月のにゃんずが我が家にやってきて、翌日の元日にお留守番させられなかったためです。結果、正月の神社仏閣のお参りは全部断念しました)、和泉守兼定を今年も拝んできました。
 ようやく、にゃんずをケージに入れなくても家の中に放し飼いで(それぞれ4.2キロになったので、これからの季節に2にゃんずをケージにぎゅうぎゅう入れて留守番させるのは酷です)、多少の悪戯はありながら、ほぼ終日留守番できるようになってきました。もちろん時間になったら適量がトレイに吐き出されるカリカリマシーンスペシャルと水飲み器、トイレが機能していれば、また室温26度を超える時は空調を適宜セットしておけば、です。
 これで来週に予定している歌舞伎座夜の部『月光露針路日本』を、猫の留守番を心配することなく、鑑賞できる環境になったとほっとしております。

 さて、掲題。久しぶりの小三治さん。2017年9月の大田区民ホールアプリコ大ホール(蒲田)以来でしょうか。

道灌/三之助
 きゅりあんから徒歩十分ほどのところに住んでらっしゃる三之助さん(大田区で落語会を定期的に開いているので大田区在住になると思います)ですが、会場直行直帰ではなく師匠の送り迎えがあるのだそうです。
 隠居さんとは何者かという噺の中で、最近悠々自適の身になった、あの方こそ「ご隠居さん」らしいのではないか、と。

千早ふる/小三治
 ちょっと長いマクラがあって。
 知ったかぶりの人についていろいろ言っている時に。「最近、あの人評判悪いですよ。山口の人が福岡に引越を考えているそうですよ」と、ちょっと政治ねた。
 熊さんに知ったかぶりの先生が話すトンデモ「千早ふる」の訳。

転宅/小三治
 高座に上がる時に転倒しかけて、声にならない悲鳴が出かかりました。80才だというし、持病の痛みもあって高座で正座のサポーターを置いてるとはいえ、上がり下りで転倒したら、骨折してしまうリスクもあるわけで。
 座布団でこけたのは初めてです、とぼやくともなく。
 石川五右衛門の蘊蓄の後に、「でも泥」から「転宅」へ。2年前とネタは同じだけど、今日この日この会でしか聞けない、力の抜けた「転宅」。至高。

TBS赤坂ACTシアタープロデュース志の輔らくご。2013年以来7年連続で見に来ている。

第一部: 大忠臣蔵〜仮名手本忠臣蔵のすべて
歴史上の赤穂事件と文楽や歌舞伎の作品である仮名手本忠臣蔵とは違う、ということから始まり、後者の作品解説。作品化されたのは赤穂事件から47年後(偶然なのか四十七士にかけての47年後なのか……?)。「仮名手本」の由来は、仮名手本のようにわかりやすい、いろは四十七文字と四十七士をかけた(しかも、いろは仮名を「と」で折り返すように縦書きすると、一番下の文字は「とかなくしてしす(咎なくして死す)」となる)、など諸説あり。大序から第四段までは季節が春、第五段と第六段は夏、第七段は秋、第八段以降は冬と一年の季節を描いている。など小ネタを含めた全自十一段のあらすじ紹介。ちなみに、これは後半の「中村仲蔵」を理解するために必要な仮名手本忠臣蔵第五段のご紹介で料金外のサービス、なのだそう(笑)。毎年聴いているけど、毎回新鮮。

第二部:落語「中村仲蔵」。
持ちネタにしている方は多いけど、志の輔さんはACTシアターの特性をつかって演出しており、芝居の場面ではピンスポットが花道に当たったり、ツケや太棹の音が響いたり、演劇的なところが素晴らしい。血筋によって役者の身分が決まっている時代に、稲荷町から名題にまで出世した中村仲蔵が、名題としての初役に忠臣蔵五段目の斧定九郎一役のみという嫌がらせを受けながら、従来のお役とはまったく異なる新しい斧定九郎の演出をつくりあげていく話。ブレークスルーに至るまでの呻吟、柳島の妙見様に願をかけて三七二十一日め、雨に降られて入った蕎麦屋で出会った浪人の姿にインスパイアされ、白塗り黒羽二重に赤い鮮血したたる斧定九郎を演じる。観客席から反応がなく失敗かと落胆するが、あまりの斬新さに声も出なかったというオチ。そして、今でもこの演出が色悪という新たなカテゴリーの悪役としてスタンダードに。

6時半開演なのに終演9時20分という長い公演。ダレ場が一箇所もない、素晴らしい公演。
ネタだしされてい「吉住万蔵」は初めて。
 圓生師のネタということで検索してみたら、もとは人情噺だったのが講談ネタになって、圓生師が講談の先生からいただいてまた工夫したらしい。今回、一時間半の長いお噺でどうも前半と後半で味わいが違うなと思ったら、前半は『通夜の烏』という怪談噺で独立した噺という演じ方もあるようで(圓生師の弟子、圓窓の五百席より)、これだと万蔵は怨念で殺される展開。
 談春さん版は鳴り物師をバンドマンにたとえて、女性が惚れてはならない3B(バンドマン・バーテンダー・美容師)のひとつ(どれも接客業から女あしらいがこなれているところがポイントかも)、万蔵も女の稼ぎを当てにするダメ芸人だけど魅力があったんでしょうと説得力をもたせる。前半、お稲が死んで怨霊となり万蔵が死の恐怖をクリアした後に夢オチ(ええっ)、後半に。吉原に出たお稲は万蔵を間夫としてふたつの見世を移り替えながらかなり阿漕な商売をし、彼女の営業トークを本気にした客のひとりに無理心中を仕掛けられ殺されてしまう。その通夜に絡んだしょうもない駄洒落がオチ……はは、近代小説のロジックでは無理筋な展開も落語ワールドならありですね。主人公格の万蔵が花魁に寄生しているダメ芸人で、まったく共感できないのですが、圓生師の時代には男性客中心に受け容れられたんでしょうか。

「百川」のマクラで、東日本大震災の年に日本橋三井ホールのこけら落としで、祭礼自粛のために使われなかった四神剣しじんけん(または四神旗しじんき)をホールに掲示したという談春さんの思い出話、その落語会に私いました。
 江戸で指折りの料亭「百川」(ペリー一行の二度目の来航の時に幕府の命でおもてなし料理担当のひとつになるほど名店)に山家育ちの百兵衛がお勤め初日で体験入店したところ、不具合が重なって築地の若い衆にご用を伺いに出て、とんちんかんなやり取りがいくつも起こるという噺。談春さんの「ぴいーっ」が可愛くて可笑しい。
年末に二匹の猫と暮らし始めてから、月イチの歌舞伎を控え始めています(歌舞伎は外出時間が長くなるため、猫の留守番の負担が重くなるため)。そこまで外出時間が長くない落語は月1-2回ペース。

 「よってたかって」シリーズは好きなのですが昼の部は売り切れて買えなかったので夜の部のみ。しっとり古典派祭でした。

平林/市若

新聞記事/兼好
 軽くていいなぁ。
 芸風は違うけど、三遊亭圓生を継ぐなら兼好さんがいいな。

星野屋/三三
 去年の夏に歌舞伎化された星野屋。なるほど、こういう話でしたっけ。

替わり目/白酒
 『替わり目』夫婦の何気ない日常。今日はおでん屋には大根と玉子とこんにゃく。「ばけべそ」と罵りながら、陰では弁天様と女房を愛している亭主が好き。

佃祭/市馬
 たっぷりドキュメンタリー。情けは人のためならず。

待ちに待ったシネマ歌舞伎。4月5日に封切られた頃から私の脳内には時々O mio babbino caroがリフレインしていたのが、スクリーンで観てやっと止まった。。

シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』
特設サイト シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』
 野田さんが「薨(みまか)りし後の夢」と勘三郎さんにトリビュートしてる作品。勘三郎さん作品として実現していたら、勘九郎主演七之助主演のこの作品は成立していただろうか。

2017年8月に歌舞伎座で生を見た時の感想はこちら。「まぁ歴史劇でなく寓意劇だし、テーマはむしろアーティストである耳男とミューズであり破壊神である夜長姫の関係だろう。『阿弖流爲』で立烏帽子と鈴鹿とアラハバキ神の三役を演じることで女性の三面を描いた七之助さんが一役で女性の神性(この場合はミューズと破壊神・戦争神)、あどけなさ無垢さと非情さ残酷さの二面性がよく表現されていた」
 おぉ、結構いいこと言ってる私。

 サヨナラの挨拶をして、それから殺して下さるものよ。私もサヨナラの挨拶をして、胸を突き刺していただいたのに。  (坂口安吾『夜長姫と耳男』より)

 美しく末期の舞をして桜が散るように死ぬ夜長姫の美しさよ。




市馬さんの落語会はファン層がおっとり上品なシニアなので、安心してくつろげる。

転失気/市坊
 顔が長いところが師匠に似てる。声大きいし。
 前座は受けることを狙わずに素直に演じることを第一にして欲しいが。

花見の仇討ち/市馬
 花見の噂から長屋連中による花見の仇討ち。

粋曲/小春
 梅は咲いたか、さのさ、両国風景、かえるひょこひょこ、など。

竹の水仙/市馬
 後味が爽やかな左甚五郎もの。


前の予定が延びてしまって、始まってから着席した落語会。周囲の方々、チケット待っていた連れ、ごめんなさい。

双蝶々/談春
 これは、談春を聴きにちょくちょく行く私でも初めてじゃないだろうか。根が悪で、商家に奉公に出されて有能と認められるも、番頭と小僧を殺して百両奪って逐電する長吉の噺。
 歌舞伎とも違う、芝居噺の世界。
 道具立てを使う林家彦六の後を継ぐ人はいないそうだ。んー、私、あの芸風が好きじゃないからなぁ。。

中入り

大工調べ 序/談春
 珍しく三択で観客に選ばせる。「黄金餅」は「双蝶々」の後に思い。「お若伊之助」は狸が化けてって噺だけど、お若さんが孕まされてしまうので後味がよくない。というわけで私は「大工調べ」に拍手した。非常に僅差で「大工調べ」。
 棟梁の啖呵のところを何回か会話に仕立てて、一気にまくしたてるのではなく喧嘩越しの会話で訊かせる。あと、おっと思ったのは、棟梁と与太郎の下話で、棟梁が大家さんのところに行かない理由が明かされている点。与太郎を立てて、という気持ちと、なるほど棟梁は大家みたいに守銭奴で人徳がなくて町役の権勢をかさに着る奴がきらいというのが前段にあるとこじれるのがよくわかる。
大田区民ホールアプリコ大ホール。蒲田駅から徒歩数分。かつて蒲田の住人だったので懐かしい気持ちになった。

寿限無/小はだ
 はん治さんの二番弟子。ちなみに一番弟子は小はぜ。

愛宕山/菊之丞
 東京の旦那が幇間の一八と京都見物という設定。ニンに合っている。

締め込み/三三
 改めて「うん出刃」に爆笑した。おしゃべりなおかみさんが可笑しい。

中入り

井戸の茶碗/権太楼
 私は権さまの芸風はあまり好きではないが爆笑させられてしまった。
さだファンくらぶ入会の野間みつねさんにチケットを分けていただき、参加しました。

2019年2月25日(火)開演16時
於・日本武道館

番組/敬称略
第1部
MCさだ/青木
「らくごカフェに火曜会」余芸
入船亭小辰/蝦蟇の油(口上)
春風亭一蔵/競艇予想屋
橘家文吾/競艇客
柳家わさび/紙芝居らくご)味噌豆
三遊亭天どん/ヤクルトファン
◯イケメン四人衆の踊り
古今亭文菊/なすかぼ
柳亭市弥/深川
金原亭馬玉/かっぽれ
神田志ん陽/パンダかっぽれ
橘家文蔵/通りかかった通行人(飛び入り)
◯昭和歌謡(火曜)ショー
林家たけ平/mc
柳家小せん/GT
三遊亭わん丈/秋桜
立川談春/いちゃもん
柳亭こみち/茨の木

◯落語
春風亭一之輔/堀の内
 いつも以上に爆笑度高めなのは武道館全体に伝えなければならなかったからかしら。

◯火曜会メンバー一同
蜃気楼龍玉/代表挨拶
さだ/三本締め

仲入
2部
さだまさしコンサート
案山子/雨やどり/秋桜/償い/関白失脚
 さだファンのみつねさん曰く、「償い」は重い曲なのでコンサートにかかることはほとんどなく、珍しいとのこと。

仲入
◯落語・歌のコラボ
談春/紺屋高尾
 何度も聴いているけど、第一部からのネタを入れたり、毎回少しずつ違う。親方の描き方に力を入れているように聞こえる。
さだ/歌)いのちの理由

仲入
◯落語・歌のコラボ
志の輔/新・八五郎出世
 久しぶりに聴けて嬉しい。八五郎のヤンキー兄ちゃんっぽいところが好き。
さだ/歌)父親の一番長い日
お開き
終演時間は21時を回っていた。落語や歌舞伎で長い公演になれている私でもどっと疲れた。みつねさん、お誘いいただきありがとうございます。
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