新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
「その4」では、第28話「そして池田屋へ」での平助くんの奮闘から、第31話「江戸へ帰る」で江戸に隊士募集のため下向した平助くんが伊東先生と再会して「抑圧」の表情を見せ始めるところをカバーする。
14.第28話「そして池田屋へ」〜「主はおるかっ。御用改めである!」〜
平助くんの語録集にまず外せないのは、ちょっと声うわずり気味の「主はおるかっ。御用改めである!」だろう(笑)。
この回はアクションが多くて平助くんの心の軌跡を台詞から拾うことはできないが、二階の廊下で奮闘している場面、庭で額を割られる場面は、平助くん名場面集からはまず外せまい。
近藤さんから自分の隊に指名された感激もあり、がむしゃらに闘う平助くん。
15. 第29話「長州を討て」〜「気合いを入れろ〜っ!!」〜
長州との戦を目前に、平隊士たちをしごく平助くん。額の包帯が痛々しいが、顔は晴れやか。
「もっと腰を入れろ!!」
「気合いを入れろ!!」
ひしゃく(?)を投げつける。
「浅野!武八郎!まだ終わりじゃねえぞ!」
「もう、勘弁してください」
「何を言ってる!」
「私たちは監察方で……」
「敵がそんな言い訳で見逃してくれると思っているのか!」
「どうせ、戦では役に立ちませんから」
「苦手なんです」
浅野くんに、水バシャーン^_^;。
「いいから早く立て! 気合いを入れろー! もっとーっ!!」
実戦の恐ろしさを肌身で知った平助くん、怪我のために屯所に下がってはいるが、ダメダメな隊士たちを鍛え上げようと必死。一見して年上の浅野さんや葛山さんも呼び捨て(しかし、一方が「浅野」で、もう一方が「武八郎」……笑)。
16. 第31回「江戸へ帰る」〜「忘れはしません」〜
江戸に下向する近藤さんに先だって、隊士募集のため江戸に来ていた平助くん、試衛館で近藤さんたちと再会。
そして、松平伊豆守邸でご老中の拝謁を待ちながら、近藤さんは平助くんにだけわかるエピソードを話しかける。
「覚えているか? 以前ふたりで講武所に行き、あの松平主税介に追い返された日のことを」
「忘れはしません」
「それが、今ではこうしてご老中にお目通り許される身……世の中とは面白いものだ」
「先が、楽しみです」
試衛館で、伊東先生が近藤さんと面会。
「新選組の働きぶり、藤堂が逐一報告してくれました」と伊東先生。
「そうだったのか」と近藤さん。
「はい」と平助くん。
「我が門人、藤堂平助の格別のお引き立て、感謝致します」
ちょっと意外な平助くんの表情。たぶん内心は「伊東先生、『お前、どこにでも行ってよし』と見切りをつけたんじゃなかったんですか」と、若干の疑いを持っていると思われる。でも、師匠に反感を抱いた自分の感情を押さえつける抑圧の表情。
「近藤先生の国を思う気持ち、この伊東大蔵、誠に感じ入りました。我が伊東道場、門人を引き連れ、お仲間に加わりましょう」
「新選組局長としてこれ以上の喜びはありません」
「この乱世、我ら心をひとつにして日本のために尽くしましょう」
「ありがとうございます」
思い通りに行ったと、こぼれる笑みを押さえきれない(笑)伊東先生。その背後にいる平助くんは、完全に表情を殺している……自分の気持ちを伊東先生の前では出せない抑圧状態が続いている。
その平助くんの気持ちに気づくことなく、伊東先生。
「いよいよ我々も歴史の表舞台に乗り出す時が来たようだ」
振り返って、にんまり。
「でかしたぞ、平助」
「……は」
抑圧の表情。初めて伊東先生が名前を呼んでくれたという感激はなさそうだ……むしろ、自分を見切って試衛館に移籍を認めた自分を、「我が門人」と強調する伊東先生に割り切れない思いを抱いていると思われる。
近藤さんのもとを辞去し、辺りを伺って、伊東先生。
「新選組加入を足がかりにして、新しい世は、この伊東大蔵が切り開く」
伊東先生、「この伊東大蔵」が多いんですよね(苦笑)。己れの才覚を信じる者のプライドの高さと思いきや……第40話では、意外にも己に自信がないというところを明らかにしてしまうのだが(苦笑)。
いずれにしても、伊東先生の複雑な心理は、この時点の平助くんにはわからない。そして、伊東先生のやり方に疑問を抱きながらも、それを口にすることはない。
「忙しくなりそうだ」
……自分の素の気持ちをほとんど口にしない伊東先生にしては、平助くんには結構無防備だと感じるのですが(^^ゞ。平助くんには、多分そこまで気づかないんだろうな……(嘆息)。
☆★☆★
白牡丹が平助くんについて掘り下げてみたくなったのは、第31回の、この場面での平助くんの表情から。
伊東先生が「我が門人、藤堂平助の格別のお引き立て、感謝致します」と発言した当たりから、自分としてはそんなつもりはないのに殊更に「伊東道場の門人」として新選組に加わっていることを伊東先生に強調されて、でも師匠の面子を潰すわけにもいかないから、口を挟むわけにはいかない……と、自分の自然な感情を押し殺す抑圧の表情になった。そして、「でかしたぞ、平助」と言われた後も、その表情。白牡丹、プライバシーの事情があるので詳しく言えないが、逆らっちゃいけない相手に違和感や異論を抱いて自分の感情を押し隠す平助くんの表情の裏にある感情が、よくわかるのだ。まさに、「あなたは、私です」byふでさん、という感じで(^^ゞ。
そして、平助くんが伊東先生に抱く感情について、中村勘太郎さんの談話、『ステラ』10/9-10/15号より引用。「僕は平助がどうして伊東にひかれるのか、納得できない部分がありました。彼は平助の名もろくに覚えない人だったのですから。でも作者の三谷幸喜さんから『伊東は、すごく嫌いな親父だと思えばいいんじゃないか』と説明されて、ふに落ちました。伊東は平助の恩人です。平助は幼いころに両親を亡くしているので、伊東に拾われたという気持ちが強いんです」
この、「すごく嫌いな親父」という表現が、また、白牡丹には、個人的に……(^^ゞ。
ただ、浪士組出発の頃の平助くんを見ていただければわかる通り、平助くんは伊東先生を文武両道優れた人物として尊敬してはいるのだ。平助くんの不満は、第40話での総司くんとの会話で明らかな通り、自分の気持ちに関心を示さないという一点で、自分の気持ちを汲み取って叱咤したり励ましてくれたりする近藤さんとの対比において、ますます鬱屈しているだけ……その心境は、第40話の前後で掘り下げたい。第27話「直前、池田屋事件」で近藤さんに「しかし平助は平助だ」と言われ、自分の限界を受け容れつつも自分に自信を回復して伸び伸びと活躍する平助くんから第31話での萎縮、その心境を第40話できちんと説明してくれる三谷脚本に感謝。
14.第28話「そして池田屋へ」〜「主はおるかっ。御用改めである!」〜
平助くんの語録集にまず外せないのは、ちょっと声うわずり気味の「主はおるかっ。御用改めである!」だろう(笑)。
この回はアクションが多くて平助くんの心の軌跡を台詞から拾うことはできないが、二階の廊下で奮闘している場面、庭で額を割られる場面は、平助くん名場面集からはまず外せまい。
近藤さんから自分の隊に指名された感激もあり、がむしゃらに闘う平助くん。
15. 第29話「長州を討て」〜「気合いを入れろ〜っ!!」〜
長州との戦を目前に、平隊士たちをしごく平助くん。額の包帯が痛々しいが、顔は晴れやか。
「もっと腰を入れろ!!」
「気合いを入れろ!!」
ひしゃく(?)を投げつける。
「浅野!武八郎!まだ終わりじゃねえぞ!」
「もう、勘弁してください」
「何を言ってる!」
「私たちは監察方で……」
「敵がそんな言い訳で見逃してくれると思っているのか!」
「どうせ、戦では役に立ちませんから」
「苦手なんです」
浅野くんに、水バシャーン^_^;。
「いいから早く立て! 気合いを入れろー! もっとーっ!!」
実戦の恐ろしさを肌身で知った平助くん、怪我のために屯所に下がってはいるが、ダメダメな隊士たちを鍛え上げようと必死。一見して年上の浅野さんや葛山さんも呼び捨て(しかし、一方が「浅野」で、もう一方が「武八郎」……笑)。
16. 第31回「江戸へ帰る」〜「忘れはしません」〜
江戸に下向する近藤さんに先だって、隊士募集のため江戸に来ていた平助くん、試衛館で近藤さんたちと再会。
そして、松平伊豆守邸でご老中の拝謁を待ちながら、近藤さんは平助くんにだけわかるエピソードを話しかける。
「覚えているか? 以前ふたりで講武所に行き、あの松平主税介に追い返された日のことを」
「忘れはしません」
「それが、今ではこうしてご老中にお目通り許される身……世の中とは面白いものだ」
「先が、楽しみです」
試衛館で、伊東先生が近藤さんと面会。
「新選組の働きぶり、藤堂が逐一報告してくれました」と伊東先生。
「そうだったのか」と近藤さん。
「はい」と平助くん。
「我が門人、藤堂平助の格別のお引き立て、感謝致します」
ちょっと意外な平助くんの表情。たぶん内心は「伊東先生、『お前、どこにでも行ってよし』と見切りをつけたんじゃなかったんですか」と、若干の疑いを持っていると思われる。でも、師匠に反感を抱いた自分の感情を押さえつける抑圧の表情。
「近藤先生の国を思う気持ち、この伊東大蔵、誠に感じ入りました。我が伊東道場、門人を引き連れ、お仲間に加わりましょう」
「新選組局長としてこれ以上の喜びはありません」
「この乱世、我ら心をひとつにして日本のために尽くしましょう」
「ありがとうございます」
思い通りに行ったと、こぼれる笑みを押さえきれない(笑)伊東先生。その背後にいる平助くんは、完全に表情を殺している……自分の気持ちを伊東先生の前では出せない抑圧状態が続いている。
その平助くんの気持ちに気づくことなく、伊東先生。
「いよいよ我々も歴史の表舞台に乗り出す時が来たようだ」
振り返って、にんまり。
「でかしたぞ、平助」
「……は」
抑圧の表情。初めて伊東先生が名前を呼んでくれたという感激はなさそうだ……むしろ、自分を見切って試衛館に移籍を認めた自分を、「我が門人」と強調する伊東先生に割り切れない思いを抱いていると思われる。
近藤さんのもとを辞去し、辺りを伺って、伊東先生。
「新選組加入を足がかりにして、新しい世は、この伊東大蔵が切り開く」
伊東先生、「この伊東大蔵」が多いんですよね(苦笑)。己れの才覚を信じる者のプライドの高さと思いきや……第40話では、意外にも己に自信がないというところを明らかにしてしまうのだが(苦笑)。
いずれにしても、伊東先生の複雑な心理は、この時点の平助くんにはわからない。そして、伊東先生のやり方に疑問を抱きながらも、それを口にすることはない。
「忙しくなりそうだ」
……自分の素の気持ちをほとんど口にしない伊東先生にしては、平助くんには結構無防備だと感じるのですが(^^ゞ。平助くんには、多分そこまで気づかないんだろうな……(嘆息)。
☆★☆★
白牡丹が平助くんについて掘り下げてみたくなったのは、第31回の、この場面での平助くんの表情から。
伊東先生が「我が門人、藤堂平助の格別のお引き立て、感謝致します」と発言した当たりから、自分としてはそんなつもりはないのに殊更に「伊東道場の門人」として新選組に加わっていることを伊東先生に強調されて、でも師匠の面子を潰すわけにもいかないから、口を挟むわけにはいかない……と、自分の自然な感情を押し殺す抑圧の表情になった。そして、「でかしたぞ、平助」と言われた後も、その表情。白牡丹、プライバシーの事情があるので詳しく言えないが、逆らっちゃいけない相手に違和感や異論を抱いて自分の感情を押し隠す平助くんの表情の裏にある感情が、よくわかるのだ。まさに、「あなたは、私です」byふでさん、という感じで(^^ゞ。
そして、平助くんが伊東先生に抱く感情について、中村勘太郎さんの談話、『ステラ』10/9-10/15号より引用。「僕は平助がどうして伊東にひかれるのか、納得できない部分がありました。彼は平助の名もろくに覚えない人だったのですから。でも作者の三谷幸喜さんから『伊東は、すごく嫌いな親父だと思えばいいんじゃないか』と説明されて、ふに落ちました。伊東は平助の恩人です。平助は幼いころに両親を亡くしているので、伊東に拾われたという気持ちが強いんです」
この、「すごく嫌いな親父」という表現が、また、白牡丹には、個人的に……(^^ゞ。
ただ、浪士組出発の頃の平助くんを見ていただければわかる通り、平助くんは伊東先生を文武両道優れた人物として尊敬してはいるのだ。平助くんの不満は、第40話での総司くんとの会話で明らかな通り、自分の気持ちに関心を示さないという一点で、自分の気持ちを汲み取って叱咤したり励ましてくれたりする近藤さんとの対比において、ますます鬱屈しているだけ……その心境は、第40話の前後で掘り下げたい。第27話「直前、池田屋事件」で近藤さんに「しかし平助は平助だ」と言われ、自分の限界を受け容れつつも自分に自信を回復して伸び伸びと活躍する平助くんから第31話での萎縮、その心境を第40話できちんと説明してくれる三谷脚本に感謝。
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