新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
6月17日記事「立川流広小路寄席」続きです。
「子ほめ」春太
満員御礼の挨拶後、権助の小噺「このままじゃ山は雪だんべぇ」「山は火事だんべぇ」をマクラにして、「子ほめ」。
ライブで何度も聴いている前座噺だけど、サゲが「どう見ても生まれたように見えません」というのは初めて。初めて聴いたサゲだったこともあって、よく聴く「どう見ても半分」よりも落ち方が悪いように感じた。
「豆や」松幸
前座がふたりというのも珍しい。それでなくても出演者が多いのだが(苦笑)。
初めて聴く噺。いろいろな売り声が聴けるところはなかなかに江戸情緒を感じられてよかったのだけど、豆屋にすごむ長屋の住人ふたりがどちらも一本調子。
「浮世根問・名古屋弁バージョン」平林
名古屋文化圏出身ということで、名古屋の食文化を紹介してくれた。朝は小倉トースト、昼はすがきやのラーメン(関西在住時に一度食べたことがあるので、だしが鶏だかとんこつだかよくわからないという点がツボ)、夜はあんかけスパ。
手羽先やみそカツ、ひつまぶし、そしてコメダ珈琲についても聴きたいです。
本題は「浮世根問」の一部を名古屋弁でやるというもの。ご隠居がみゃーみゃー、ふりゃーだぎゃー言ってるのが笑えた。
「健康落語・新米泥棒(夏どろ改作)」らく朝
高田文夫さんのエッセイで知ってたのだけど、改めて自己紹介を聴いて感じ入りました。医学博士で内科医、46才で志らくさんに入門して前座修行して50才で二つ目昇進という超遅咲きというか、医者と落語家という二足のわらじを履くひと。
お医者さんというバックグラウンドを活かして古典落語を改作し、「健康落語」と称して啓発活動をされているとか。
今回は「夏どろ」を現代に置き換えた「新米泥棒」。泥棒教室の初心者コースを受講している新米泥棒が、体験レポートを書くために、鍵もかけていない安アパートに侵入し、そこの住人にお説教を食らったあげく有り金を提供させられる羽目になるという噺。狭心症は薬をちゃんと飲めば改善できるというメッセージが織り込まれているところが健康落語でしょうか。
改作の能力もあるし、お人好しの新米泥棒と貧乏ゆえにしたたかな住人の描き分けややりとりの妙を聞かせるし、二つ目クラスとしてはかなりのもの。またどこかで別の作品を聴かせていたただこうかしら。
「錦の袈裟」泉水亭錦魚
おなじみの艶笑ものというか、下ネタものというか。
作品そのものがあまり好きではないので、どうしても自分の目は厳しめになってしまうのだけど……満員御礼ということで、熱演だったと思います。
「看板のピン」談慶
満員の聴衆、前の出演者たちの熱演ぶりに触発されたのか、やはりノリノリでした。
若い頃に博打をさんざんやった挙げ句に足を洗った親分が、中途半端に博打にはまっている若い者たちを諭すために久々にツボを振る、というところで親分の風格が結構出ていた。その分、親分の真似をして失敗する若い者の間抜けぶりがおかしいわけで。
「もう半分」談四楼
古典落語バージョンで聴くのは初めて……って、三遊亭白鳥さん版の「メルヘンもう半分」しか聴いてない(汗)自分が変。でも、スナフキンとミーが酒場をやってて、ムーミンがやってくる白鳥版は元の怪談噺をメルヘンアニメのパロディで味付けて、不気味さを緩和してくれるから聴ける。でないと、怪談噺やホラーやスプラッタ苦手な自分には、けっこうきつい。
でもさすが談四楼師匠。善良な居酒屋の主人が、常連客の爺さんが置き忘れた大金に目がくらみ、腹黒いおかみさんのそそのかしに負けて、金を取りに戻った爺さんにしらを切るという場面における人間の業とか欲深さなど……それを違和感なく嫌悪感なく聴かせられるというのは相当な力量と人生経験の厚みがないとできないことだと思う。
娘が吉原に身を売ってつくった大金を取り返せず、借金を返せないことを悲観して(そして、やさしく接してくれていた居酒屋の主人が、金欲しさに手のひらを返した態度を取ることに絶望して)自殺してまう爺さんとか……吉原に身を売ったまま救われることのない娘さんとか……救いのない展開だよなぁ。
その悲劇をつくった居酒屋夫婦の業の深さに報いたかのような、赤ちゃんの誕生……この辺りは、楳図かずおか、水木しげるか。生まれたばかりの赤ちゃんの描写に、自分の頭には子泣き爺が浮かびました(汗)。
中入り
「家見舞い(肥瓶)」志ら乃
まだ聴いたことがなかったので、壺を買いに行くという展開まで「壺算」かなと思っていた自分はまだまだ初心者ですorz。
兄貴分の新築祝いに水瓶を買いに行った文無しふたり、有り金で買えたのは中古の肥壺だった……という、下ねたというよりスカトロ噺です。サゲも「さっきまで鯉(肥)が泳いでた」という、えんがちょ(汗)。
「無精床」土橋亭里う馬
これまた初めて聴く噺。滅多に客がこない床屋さんにうっかり入ってしまった客が、元結をほどくとか、水桶で髪を濡らすとか普通は床屋さんのすることをセルフでさせられてしまう(しかも、水桶の水は開業以来取り替えたことがないそうで、ぼうふらが湧いている)とか……ちっとも気が入らない小僧と床屋のおかげで月代にカミソリを当てられると血まみれにさせられてしまうとか……犬が尻尾ふって寄ってくるのはかわいいけど、前の客がカミソリで耳を半分切られたのを銜えて行って味をしめている犬なんだとか、ブラックでスプラッタなんだよな(汗)。
でも肥瓶とは違って、自分には口開けて安心して笑える噺だ^_^;。暇そうに自分の髭をぷちぷち抜いている、ものぐさな床屋の仕草とかが面白かったし。
「酢豆腐(ちりとてちん)」談幸
おなじみの噺だけど、ライブでは初めて。天然でよいしょできる松公と、嫌みで嫌われ者の竹公が登場。隠居の振る舞うご馳走に感激して世辞を弾む(天然なのかな? 女中には嫌われている)松公を見ていたご隠居が、竹公をぎゃふんといわせようと、腐った豆腐を到来物の珍しい食べ物と偽って、知ったかぶりの竹公に食べさせる。
理屈ぬきで素直に聴いて面白い噺だし、談幸さんもノリノリ。いい感じで聴けた。
「たがや」談笑
今回のお目当て、やはり、トリの談笑師匠です。
一日3時間のウォーキングをしているそうで、すっかり精悍になりましたね。頬から顎にかけてシャープになって、ちょっと無精ヒゲが生えているところなんざ、ちょいワルオヤジです(笑)。
冒頭、たっぷり、隅田川の花火にかかわる俗謡のコンピレーション(というんでしょうか、元ネタを知らないのですが、いくつかの演目がミックスされているのはわかります)をひとくさり。途中息継ぎをどうやってるのかという、落語でいう「言い立て」風とのところもあり、面白かったです。
師匠にいわせると、立川流で真打ちを家元に認めてもらうには落語以外に音曲もこなさなければならないのだけど、うまいかどうかは別にして、こういう技で真打ちを認めてもらったとか。
「たがや」、隅田川の花火の晩にうっかり道具箱をかついで両国橋に来てしまった職人にからむ居丈高なお武家の一行を職人が
「北斗の拳」よろしく返り討ちにしてしまうという噺です。
「北斗の拳」よろしく、という辺りは、実際にはありえないって大太刀廻りをマンガちっくに描いてます。談笑さんお得意のノリで、笑い転げてました。
そして、ラストは、マクラで参加型とかいわれて「た・が・や~」とかけ声の練習をさせられた甲斐あって(爆)、みんなで「た・が・や~っ!!」と大合唱。最近では三遊亭白鳥さんの「はじめてのフライト」でもオーディエンス参加型の場面があったのですが、単純な仕掛けながら一体感を味わえるんですよね。「た・が・や~っ!!」で盛り上がってお開き、というところが夏らしい寄席でした。
☆★☆★
……はぁ、何とか、記憶が消える前に書けてよかったです。
「子ほめ」春太
満員御礼の挨拶後、権助の小噺「このままじゃ山は雪だんべぇ」「山は火事だんべぇ」をマクラにして、「子ほめ」。
ライブで何度も聴いている前座噺だけど、サゲが「どう見ても生まれたように見えません」というのは初めて。初めて聴いたサゲだったこともあって、よく聴く「どう見ても半分」よりも落ち方が悪いように感じた。
「豆や」松幸
前座がふたりというのも珍しい。それでなくても出演者が多いのだが(苦笑)。
初めて聴く噺。いろいろな売り声が聴けるところはなかなかに江戸情緒を感じられてよかったのだけど、豆屋にすごむ長屋の住人ふたりがどちらも一本調子。
「浮世根問・名古屋弁バージョン」平林
名古屋文化圏出身ということで、名古屋の食文化を紹介してくれた。朝は小倉トースト、昼はすがきやのラーメン(関西在住時に一度食べたことがあるので、だしが鶏だかとんこつだかよくわからないという点がツボ)、夜はあんかけスパ。
手羽先やみそカツ、ひつまぶし、そしてコメダ珈琲についても聴きたいです。
本題は「浮世根問」の一部を名古屋弁でやるというもの。ご隠居がみゃーみゃー、ふりゃーだぎゃー言ってるのが笑えた。
「健康落語・新米泥棒(夏どろ改作)」らく朝
高田文夫さんのエッセイで知ってたのだけど、改めて自己紹介を聴いて感じ入りました。医学博士で内科医、46才で志らくさんに入門して前座修行して50才で二つ目昇進という超遅咲きというか、医者と落語家という二足のわらじを履くひと。
お医者さんというバックグラウンドを活かして古典落語を改作し、「健康落語」と称して啓発活動をされているとか。
今回は「夏どろ」を現代に置き換えた「新米泥棒」。泥棒教室の初心者コースを受講している新米泥棒が、体験レポートを書くために、鍵もかけていない安アパートに侵入し、そこの住人にお説教を食らったあげく有り金を提供させられる羽目になるという噺。狭心症は薬をちゃんと飲めば改善できるというメッセージが織り込まれているところが健康落語でしょうか。
改作の能力もあるし、お人好しの新米泥棒と貧乏ゆえにしたたかな住人の描き分けややりとりの妙を聞かせるし、二つ目クラスとしてはかなりのもの。またどこかで別の作品を聴かせていたただこうかしら。
「錦の袈裟」泉水亭錦魚
おなじみの艶笑ものというか、下ネタものというか。
作品そのものがあまり好きではないので、どうしても自分の目は厳しめになってしまうのだけど……満員御礼ということで、熱演だったと思います。
「看板のピン」談慶
満員の聴衆、前の出演者たちの熱演ぶりに触発されたのか、やはりノリノリでした。
若い頃に博打をさんざんやった挙げ句に足を洗った親分が、中途半端に博打にはまっている若い者たちを諭すために久々にツボを振る、というところで親分の風格が結構出ていた。その分、親分の真似をして失敗する若い者の間抜けぶりがおかしいわけで。
「もう半分」談四楼
古典落語バージョンで聴くのは初めて……って、三遊亭白鳥さん版の「メルヘンもう半分」しか聴いてない(汗)自分が変。でも、スナフキンとミーが酒場をやってて、ムーミンがやってくる白鳥版は元の怪談噺をメルヘンアニメのパロディで味付けて、不気味さを緩和してくれるから聴ける。でないと、怪談噺やホラーやスプラッタ苦手な自分には、けっこうきつい。
でもさすが談四楼師匠。善良な居酒屋の主人が、常連客の爺さんが置き忘れた大金に目がくらみ、腹黒いおかみさんのそそのかしに負けて、金を取りに戻った爺さんにしらを切るという場面における人間の業とか欲深さなど……それを違和感なく嫌悪感なく聴かせられるというのは相当な力量と人生経験の厚みがないとできないことだと思う。
娘が吉原に身を売ってつくった大金を取り返せず、借金を返せないことを悲観して(そして、やさしく接してくれていた居酒屋の主人が、金欲しさに手のひらを返した態度を取ることに絶望して)自殺してまう爺さんとか……吉原に身を売ったまま救われることのない娘さんとか……救いのない展開だよなぁ。
その悲劇をつくった居酒屋夫婦の業の深さに報いたかのような、赤ちゃんの誕生……この辺りは、楳図かずおか、水木しげるか。生まれたばかりの赤ちゃんの描写に、自分の頭には子泣き爺が浮かびました(汗)。
中入り
「家見舞い(肥瓶)」志ら乃
まだ聴いたことがなかったので、壺を買いに行くという展開まで「壺算」かなと思っていた自分はまだまだ初心者ですorz。
兄貴分の新築祝いに水瓶を買いに行った文無しふたり、有り金で買えたのは中古の肥壺だった……という、下ねたというよりスカトロ噺です。サゲも「さっきまで鯉(肥)が泳いでた」という、えんがちょ(汗)。
「無精床」土橋亭里う馬
これまた初めて聴く噺。滅多に客がこない床屋さんにうっかり入ってしまった客が、元結をほどくとか、水桶で髪を濡らすとか普通は床屋さんのすることをセルフでさせられてしまう(しかも、水桶の水は開業以来取り替えたことがないそうで、ぼうふらが湧いている)とか……ちっとも気が入らない小僧と床屋のおかげで月代にカミソリを当てられると血まみれにさせられてしまうとか……犬が尻尾ふって寄ってくるのはかわいいけど、前の客がカミソリで耳を半分切られたのを銜えて行って味をしめている犬なんだとか、ブラックでスプラッタなんだよな(汗)。
でも肥瓶とは違って、自分には口開けて安心して笑える噺だ^_^;。暇そうに自分の髭をぷちぷち抜いている、ものぐさな床屋の仕草とかが面白かったし。
「酢豆腐(ちりとてちん)」談幸
おなじみの噺だけど、ライブでは初めて。天然でよいしょできる松公と、嫌みで嫌われ者の竹公が登場。隠居の振る舞うご馳走に感激して世辞を弾む(天然なのかな? 女中には嫌われている)松公を見ていたご隠居が、竹公をぎゃふんといわせようと、腐った豆腐を到来物の珍しい食べ物と偽って、知ったかぶりの竹公に食べさせる。
理屈ぬきで素直に聴いて面白い噺だし、談幸さんもノリノリ。いい感じで聴けた。
「たがや」談笑
今回のお目当て、やはり、トリの談笑師匠です。
一日3時間のウォーキングをしているそうで、すっかり精悍になりましたね。頬から顎にかけてシャープになって、ちょっと無精ヒゲが生えているところなんざ、ちょいワルオヤジです(笑)。
冒頭、たっぷり、隅田川の花火にかかわる俗謡のコンピレーション(というんでしょうか、元ネタを知らないのですが、いくつかの演目がミックスされているのはわかります)をひとくさり。途中息継ぎをどうやってるのかという、落語でいう「言い立て」風とのところもあり、面白かったです。
師匠にいわせると、立川流で真打ちを家元に認めてもらうには落語以外に音曲もこなさなければならないのだけど、うまいかどうかは別にして、こういう技で真打ちを認めてもらったとか。
「たがや」、隅田川の花火の晩にうっかり道具箱をかついで両国橋に来てしまった職人にからむ居丈高なお武家の一行を職人が
「北斗の拳」よろしく返り討ちにしてしまうという噺です。
「北斗の拳」よろしく、という辺りは、実際にはありえないって大太刀廻りをマンガちっくに描いてます。談笑さんお得意のノリで、笑い転げてました。
そして、ラストは、マクラで参加型とかいわれて「た・が・や~」とかけ声の練習をさせられた甲斐あって(爆)、みんなで「た・が・や~っ!!」と大合唱。最近では三遊亭白鳥さんの「はじめてのフライト」でもオーディエンス参加型の場面があったのですが、単純な仕掛けながら一体感を味わえるんですよね。「た・が・や~っ!!」で盛り上がってお開き、というところが夏らしい寄席でした。
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