新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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また明日から天気が崩れそうなので、別記事の通り、ぼたん園に夏牡丹を見に行ってきました。
北海道
【白老】連休は目の保養に 短刀の魅力展
胸を張り旗振り練習【野外劇】
山形
命日に近藤勇の143回忌供養祭 頭部埋葬説ある米沢・高国寺
浮世絵展:北斎ら、幕末描写の150点--天童市美術館 /山形
福島
戊辰戦没者供養祭典/会津若松市
埼玉
郷土の偉人の足跡知って 熊谷・根岸家で友山まつり
千葉
武者や姫君200人練り歩く
歴代藩主や稚児行列も 佐倉で時代まつり
東京
龍馬ゆかりの品 展示会開催
神奈川
咸臨丸の業績顕彰、塩飽水夫も紹介/横須賀でフェス
山梨
龍馬と新撰組 県内の足跡たどる
山梨文化学園が史跡めぐり
滋賀
鮮やかに行列再現/草津宿場まつり
広島
博物館で備後の歴史学ぶ
愛媛
龍馬が乗った「いろは丸」オランダ購入説覆る
坂本龍馬:「いろは丸」購入契約書、実像解明へ「宝物」--大洲 /愛媛
高知
容堂へ上洛要請、長州征伐で慶喜が書状
ブックレビュー
明治維新 1858-1881 坂野潤治・大野健一著 ~江戸期の民間経済は通説以上に発展していた
文化芸能
堺雅人、龍馬に迫ってバランスがとれた
IT
docomoより、『防衛ゲーム剣豪 近藤勇』他、サッカー、アドベンチャー等、話題のゲームアプリが6本登場!
北海道
【白老】連休は目の保養に 短刀の魅力展
仙台藩白老元陣屋資料館で、春のテーマ展「日本刀の輝き~短刀の魅力」が始まった。日本製鋼所室蘭製作所の刀匠・堀井一門の作品をはじめ、美しい短刀30振りが展示されている。5月9日まで。
日本刀展は7度目で、短刀は初登場。日鋼製作所瑞泉鍛刀所4代目刀匠として、作刀技術の継承に取り組む堀井胤匡さんが監修し、明治時代に宮内省(当時)御用刀匠も務めた堀井胤吉の作品や、白老元陣屋の統括者であった幕末の仙台藩士・三好監物の短刀も見ることができる。
開幕の24日は、室蘭市のむろらん刀談義主宰・鳥羽達一郎さん(80)が会場を訪れ、作品を解説した。鳥羽さんは、短刀の用途には護身用以外に、一家繁栄のお守りや髪を切るものとされた、と紹介し、「刀身」「さや」「つか」「つば」の各部に専門の職人がいて、「(製作を)分業化することによって、刀は一つの作品として芸術性を高めた」と解説した。
胸を張り旗振り練習【野外劇】
7月9日に開幕する第23回市民創作「函館野外劇」に向け、全体オリエンテーションが25日、函館千代田小学校体育館で行われた。フラッグダンスシーンの出演者30人が初めて顔を合わせ、旗の持ち方などの基本を覚えた。
開港シーンで繰り広げられるフラッグダンスは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアの4カ国の旗で、華やかに舞台を彩る。今年は小学3年生から70代までが出演。全体でのダンスのほか、4カ国別にそれぞれダンスシーンがある。
練習では演出コーディネーターの石川泰隆さんが「旗を持つ時は胸を張って、斜め45度に傾けて」などと基本姿勢から指導。旗を左右に振ったり回転させたりする技にも挑戦した。練習後、石川さんが「日本一、世界一の野外劇にしたいので頑張っていきましょう」と励ました。
昨年に引き続き、劇の進行を担う妖精「コロポックル」役でも出演する千代ケ岱小6年の岡元駿介君(12)は「旗は重いけど思ったより簡単で思いっきり振ると気持ちいい。今年もなるべく多く出演したい」と笑顔で話していた。
この日は、コロポックル役や、殺陣のけいこも行われた。公演まで毎週末けいこに励み、6月初旬には会場の五稜郭公園の堀に設営される水舞台での練習に移る。出演希望者は事務局TEL0138・56・8601へ。
山形
命日に近藤勇の143回忌供養祭 頭部埋葬説ある米沢・高国寺
新選組局長の近藤勇(1834~68)の頭部が埋葬されているという米沢市鍛冶町の高国寺(西山啓志住職)で25日、近藤の143回忌の供養祭が行われた。
命日(旧暦4月25日)にちなみ、近藤勇のロマンを語る会(大友久太郎会長)が2005年から毎年営んでいる。処刑された近藤の頭部をめぐっては、京都・三条河原にさらされた後、行方不明になったというのが通説。その後について諸説あり、同会によると、米沢で織物業を営んでいた親せきの近藤金太郎が持ち出して焼き、同寺に埋葬したという。
この日は会員ら約40人が参加。法要後、首が葬られたとされる墓に手を合わせ、剣豪の遺徳をしのんだ。29日の米沢上杉まつり・米沢時代行列で近藤勇に扮(ふん)する、飲食店経営宇井清美さん(40)=同市舘山5丁目=は「尊敬する歴史上の人物。しっかり演じてみせると墓前に誓った」と話していた。
浮世絵展:北斎ら、幕末描写の150点--天童市美術館 /山形
江戸時代の大衆文化を生き生きと描写した「幕末浮世絵アラカルト 大江戸の賑(にぎ)わい 北斎・広重・国貞・国芳らの世界展」(天童市、テレビユー山形など主催)が天童市美術館で開かれている。画家で国際浮世絵学会常任理事の中右瑛(なかうえい)氏のコレクションから約150点を展示した。
幕末に流行した旅行、芝居、怪奇物語、風刺画などの文化を鮮やかな色彩と自由な発想で紹介している。葛飾北斎の富嶽三十六景、歌川広重の東海道五十三次のシリーズや初公開となる広重の肉筆画「両国の月」などがある。5月30日まで。入場料は一般500円。【湯浅聡】
福島
戊辰戦没者供養祭典/会津若松市
戊辰戦争の犠牲となった会津藩士らを弔う春季祭典は23日、会津若松市の阿弥陀寺と長命寺で行われた。
会津弔霊義会の主催で毎年、春と秋に慰霊の式を執り行っている。
阿弥陀寺の祭典では石州流宗家会津支部による献茶献菓の後、読経に続き、会津弔霊義会の芳賀公平理事長があいさつした。
また、会津吟詠会が詩吟を奉納した。
引き続き、長命寺でも祭典が行われ、会津藩士の霊を慰めた。
埼玉
郷土の偉人の足跡知って 熊谷・根岸家で友山まつり
幕末から明治にかけて政治・文化面で活躍した根岸友山・武香親子の業績を広く知ってもらおうと、熊谷市冑山の根岸家で「友山まつり」が24日行われた。地元商工会などが実行委員会をつくって開催しているもので、今年で4回目。
天保年間(1830-1844年)に建てられた長屋門を会場に、根岸友山と武香の資料写真などを展示。庭では大正琴や尺八を演奏。タケノコ狩りや、熊谷産小麦を使ったケーキや郷土料理のフライの販売なども行われた。この日は天気にも恵まれ、大勢の人たちが春ののどかな一日を楽しんだ。
根岸友山は江戸後期に名主の家に生まれ、治水や近郷の子弟の教育に力を注いだ。尊皇攘夷派の志士との交流もあり、新選組の前身の浪士組に参加。長州藩への出入りも許され、吉田松陰の門下生の久坂玄端も根岸家を訪れたことがあるという。武香は友山の次男で、埼玉県議会第2代議長。吉見百穴の発掘や「新編武蔵風土記稿」の刊行など、文化面でも多大な足跡を残した。
実行委員会会長の大久保照夫さんは「友山は北辰一刀流の門人だったので、(同門の)坂本竜馬も根岸家に来たことがあるかも」と想像を膨らませる。長屋門は市の助成も受けて改修中だが、子孫の根岸友憲さんは「地域の皆さんの協力を得て、守っていきたい」と話していた。
千葉
武者や姫君200人練り歩く
歴代藩主や稚児行列も 佐倉で時代まつり
「佐倉11万石時代まつり」が25日、佐倉市の新町通りをメーン会場に開かれた。さわやかな青空の下、殿様や姫君、武者などの装束に身を包んだ市民約200人が練り歩き、城下町・佐倉を再現した。
同まつりは市制45周年を記念し1999年にスタート。12回目の今年は、佐倉藩初代藩主・土井利勝が入封してから400年目に当たることから、利勝をはじめ、日米通商修好条約締結に尽力した堀田正睦ら歴史上にも名を残す歴代藩主20人の行列が登場。江戸型山車を引く、かわいらしい稚児行列とともに注目を集めた。
時代行列にはほかに、勇ましいよろい武者、大砲隊、新撰組と官軍、華やかな着物姿のお姫様などが参加。旧城下町通りはカメラを手にした観光客でにぎわった。
東京
龍馬ゆかりの品 展示会開催
幕末の志士で今も幅広い世代に人気がある坂本龍馬の直筆の手紙や写真など、貴重なゆかりの品を一堂に集めた展示会が27日から東京の江戸東京博物館で開かれます。この展示会は、ことし6月6日まで東京で開かれたあと京都や高知、長崎でも開かれます。
神奈川
咸臨丸の業績顕彰、塩飽水夫も紹介/横須賀でフェス
幕末に塩飽諸島の水夫らを乗せ、日本の軍艦として初めて太平洋を横断した咸臨丸。その業績を顕彰する「咸臨丸フェスティバル」(同実行委主催)が24日から神奈川県横須賀市で始まり、各種の資料展や体験航海などさまざまなイベントが市民を楽しませている。
咸臨丸がサンフランシスコに渡ったのは1860年。フェスティバルは毎年、出発地となった同市浦賀で開かれているもので、横断から150年の今年は、例年1日だけのフェスティバルを2日間に拡大。25日までの日程で、咸臨丸の横顔を紹介する資料展や巡視船による体験航海、艦船ウオッチ、水運びレースなど盛りだくさんな催しを予定している。
このうち、咸臨丸ゆかりの土地を紹介する友好都市のブースには、咸臨丸に乗船した35人の水夫の出身地である丸亀市、坂出市、多度津町のPRコーナーも設けられ、愛好家が作成した水夫の墓地マップや研究報告、観光パンフレットなどを展示。
会場には多度津町から咸臨丸子孫の会の西山市朗さんらも訪れ、立ち寄った市民に塩飽の島々の様子や水夫の経歴などを丁寧に説明していた。
秋には多度津町などで150年の記念イベントが予定されており、西山さんは「こういう機会に県外の人に興味を持ってもらって、塩飽を訪ねてほしい」と話していた。(東京支社)
山梨
龍馬と新撰組 県内の足跡たどる
山梨文化学園が史跡めぐり
山梨文化学園(野口英一理事長)の2010年4月史跡めぐり「坂本龍馬と新撰組の足跡を訪ねて」が25日、行われた。
35人が参加し、石川博山梨郷土研究会理事が同行し講師を務めた。一行は、甲府市の清運寺や舞鶴城・小田切謙明の碑、甲州市のぶどうの国文化館、大日影トンネル、ワインカーブ、柏尾坂戦場跡、近藤勇像、護念寺などを訪ねた。
清運寺では、龍馬と婚約したといわれる千葉佐那の墓などを参拝。柏尾坂戦場跡付近では、会津藩士柴田八郎の墓参もした。参加者は幕末の時代に思いをはせながら、石川講師の解説に熱心に耳を傾けていた。
次回は5月28日に「江戸城と国立博物館、根津美術館」と題し、萩原三雄山梨郷土研究会事務局長が同行して行う。
滋賀
鮮やかに行列再現/草津宿場まつり
旧東海道と中山道が合流する宿場町として江戸時代に栄えた草津市の旧街道筋かいわいで25日、「草津宿場まつり」が開かれ、約7万人(主催者発表)の観光客でにぎわった。
メーンイベントの「草津時代行列」は、幕末に京から江戸へ向かった皇女和宮ら一行の行列を再現。市内外から公募で選ばれた参加者約150人がきらびやかな衣装に身を包み、商店街などを練り歩いた。行列を見るのは初めてという同市平井2丁目の小川初美さん(30)は「行列はきれいだし、沿道の出店もにぎやか。町全体が元気になるのがうれしい」と話していた。
広島
博物館で備後の歴史学ぶ
広島県立歴史博物館(福山市西町)は25日、博物館大学「変革期の歴史を学ぶ」を開講した。初回は、広島大大学院の西別府元日教授(59)が講演し、市民たち約120人が聞き入った。
西別府教授は「安芸・備後地域における律令(りつりょう)国家の成立」と題して、7~8世紀に安芸国と備後国が成立した経緯を紹介。「備後国が安芸国を統括していた」と話し、両国の関係性を解説した。
本年度の博物館大学は、古代と幕末をテーマに11月までの全5回。2回目以降からでも参加できる。無料。同館=電話084(931)2513。
愛媛
龍馬が乗った「いろは丸」オランダ購入説覆る
幕末の志士・坂本龍馬らの乗船で、航海中、広島県福山市鞆町沖で沈没した幕末の蒸気船「いろは丸」について、これまで通説とされていたオランダ人から購入したものではなく、長崎のポルトガル領事から購入していたことが、愛媛県大洲市が進めていた購入契約書の翻訳でわかった。
船は契約の翌年に沈んだため、資料はあまり残っておらず、翻訳にあたった専門家は「非常に重要な史実」と評価している。
イギリスで造られた「いろは丸」は、大洲藩が購入して土佐藩に貸し出し、1867年、龍馬が率いる海援隊の操船で長崎から大阪へ向かう途中、鞆町沖で紀州藩の「明光丸」と衝突して沈没。龍馬が巧みな交渉で、紀州藩から多額の賠償金を勝ち取った“日本初の海難審判”を行ったことで知られる。
購入契約書は昨年12月、東京都内の個人宅で見つかった。包み紙に当時の大洲藩主らの名があるが、中身はポルトガル語で書かれていたため、大洲市は東大史料編纂(へんさん)所の岡美穂子助教(近世初期対外関係史)に翻訳を依頼していた。
岡助教によると、1866年9月22日に在長崎ポルトガル領事館事務局で契約が交わされ、売り主は在長崎ポルトガル領事のジョゼ・ダ・シルヴァ・ロウレイロ、買い主は大洲公代理人の国島六左衛門で、代金は4万メキシコ・パタカ(約1万両)などと記されていたという。
これまで、いろは丸は、大洲藩がオランダ人から購入したとされるなど、購入の経緯がはっきりしていなかった。これについて岡助教は「当時、各藩の外国船購入は長崎奉行の許可を得て行わなければならなかったはずで、虚偽の届け出が行われた可能性もあるのでは」と推測している。
坂本龍馬:「いろは丸」購入契約書、実像解明へ「宝物」--大洲 /愛媛
◇地域おこしに期待
謎多き龍馬の船に一歩近づいた--。海援隊が操船中に事故で沈んだ蒸気船「いろは丸」の購入契約書から新事実が明らかになった23日、大洲市関係者は地域おこしへの期待を寄せ、専門家も「俗説に包まれた船の実像を解き明かす手がかり」と評価した。
大洲市の依頼を受けた東大史料編纂(へんさん)所がポルトガル語の契約書を解読。大洲藩がオランダ商人から購入したとの通説を覆し、領事兼任のポルトガル商人・ロウレイロから買ったことが判明した。岡美穂子・同編纂所助教は「長崎奉行所にも薩摩藩が船をロウレイロに売却した記録があり、大洲藩への売り主で間違いない」と述べた。
この他、代金は通説の3万~4万両とかけ離れた1万両だったことや、契約時に代金が完済していたとの記述も通説を覆し、龍馬が活躍した損害賠償交渉にかかわる新事実。
河野達郎・おおず街なか再生館専務は「市民に元気を与えてくれる宝物」、清水裕市長も「歴史の大きなピース」と喜んだ。また、保谷徹・東大史料編纂所教授(幕末維新史)は「大洲藩の入手経緯を示す根幹文書」、現代龍馬学会の渋谷雅之理事も「積み荷など不明点が多い『いろは丸』を知る手がかり」と評価した。
契約書の写真などは来年3月31日まで、大洲歴史探訪館(大洲市大洲)で公開される。入場無料。【中村敦茂、門田修一】
高知
容堂へ上洛要請、長州征伐で慶喜が書状
〈幕末の四賢侯〉として名高い第15代土佐藩主、山内容堂(豊信)(1827~72)の足跡をたどる企画展が、高知市丸ノ内の県立文学館で開かれている。
同市鷹匠町にある土佐山内家宝物資料館の開館15周年を記念して開かれ、初公開資料19点を含む54点が展示されている。6月27日まで。
初公開資料は、坂本龍馬が、長州藩の志士・久坂玄瑞から預かり土佐藩に持ち帰った武市瑞山(半平太)あての書状をはじめ、14代将軍・家茂の名代だった一橋慶喜が容堂に、長州征伐のため上洛(じょうらく)を要請する書状など。
慶喜の書簡からは、土佐藩が西南雄藩の一つとして注目される一方、徳川家一門が外様大名にまで助力の書状を送らなければならなかった幕末の混乱ぶりが読み取れる。
容堂の豪快な人柄をしのぶ展示物には、巨大な数珠をあしらった緋(ひ)色の陣羽織がある。「鯨海酔候(げいかいすいこう)」(南海の酔いどれ大名)とも号し、酒豪で知られる容堂自らが描いた、酒を入れるひょうたんの掛け軸には「世の中は只(ただ)このもの(酒)がありてこそ」と書き添えられており、昔も今も酒に親しむ土佐の気質を感じさせる。
企画展初日の23日には、文学館近くの高知城ホールで、資料館開館15周年の記念式典が開かれ、山内家19代当主の豊功さんや尾崎知事ら約100人が出席し、節目を祝った。渡部淳館長は「ひたすら前を向いて走ってきた。これからも学芸員と一緒に資料に向き合っていきたい」と決意を新たにした。
ブックレビュー
明治維新 1858-1881 坂野潤治・大野健一著 ~江戸期の民間経済は通説以上に発展していた
評者 河野龍太郎 BNPパリバ証券チーフエコノミスト
途上国が世界システムに組み込まれる際、経済、社会システムは大きく変容する。これがグローバリゼーションの衝撃にほかならないが、150年前に途上国であった日本もその例外ではなかった。開国をきっかけに、武士階級を中心に政治改革が始まり、それが徳川軍事政権の崩壊だけでなく、封建制や身分制を否定する明治革命にまで至る。本書は、日本政治史の泰斗と気鋭の開発経済学者が、歴史上類まれな、途上国の変革の成功例である幕末維新期の政治メカニズムを解明したものである。
通説では維新期を、天皇を戴いた排他的な藩閥政権が、憲法・議会の設置をできるだけ遅らせ、経済と軍事の近代化に邁進した時代とし、戦後のアジア型開発独裁の原型ととらえることが多い。本書はこれを否定する。幕末維新期には複数のリーダーが登場し、自らの掲げる目標を達成すべく、互いに競合した。アジア型開発独裁が一人のカリスマによる単一目標型の硬構造を持つのに対し、著者らが「柔構造」と呼ぶ幕末維新期の政治構造は、極めて複雑な局面展開をもたらすモデルである。
幕末期には、富国強兵と公議輿論の二つが中心的な目標として掲げられ、それが維新期には富国(大久保)、強兵(西郷)、憲法(木戸)、議会(板垣)の4派に分かれる。各派とも単独で主導権を獲得し得ないため、他派と連携し、自派の目標を追求するとともに、数年ごとに訪れる状況変化に対応して連携を組み替える。
幕末維新期に多くの逸材が現れ、複雑な展開を見せ、わかりづらいのは、この柔構造に原因があったのである。複雑な展開は幕末維新ファンにとり、たまらない魅力の一つと言えるが、「柔構造」仮説でそれを読み解くことも新たな楽しみとなる。
ところで開国直後の日本がなぜスムーズに産業革命を成し遂げたのか、評者はずっと疑問に思っていた。政治的統一性や安定性だけでなく、農業の発展、物流システムの発展、商業・金融の発展による富裕層の台頭、各藩による産業振興、手工業の発展、教育の普及などが、すでに19世紀後半に整っていたという。これらは成長のための条件というよりも、成長の成果そのものと言えないか。現代の新興工業国でも、これらすべての条件を満たしている国は少なく、サブ・サハラアフリカではすべてを欠く途上国も多いという。
江戸期の民間経済は多くの人が考える以上に発展していたのである。徳川軍事政権の旧来型の重農主義や規制主義は成長の足かせになり、人々は新体制・新政策を求めていたのであろう。ペリー来航はきっかけに過ぎなかったのかもしれない。
ばんの・じゅんじ
東京大学名誉教授。専門は日本近代政治史。1937年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。文学修士。東京大学社会科学研究所教授、千葉大学法経学部教授を経る。
おおの・けんいち
政策研究大学院大学教授。専門は開発経済学、産業政策論。1957年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、スタンフォード大学にてPh.D.取得。筑波大学助教授、埼玉大学教授を経る。
講談社現代新書 777円 227ページ
文化芸能
堺雅人、龍馬に迫ってバランスがとれた
俳優の堺雅人が23日、神奈川県内でナビゲーターを務めたフジテレビ系「知られざる“龍馬伝” 世紀の英雄・坂本龍馬 最大の謎と秘密の暗号」(5月8日、後9・00)の会見を行った。龍馬暗殺の謎に迫った堺は「演じ手から見たら、龍馬ほど出来すぎたキャラはいない」と分析。過去に大河ドラマ「新選組!」で山南敬助、「篤姫」では徳川家定と“幕府側”の人間を演じてきたが「(龍馬を取材して)ようやくバランスがとれたかな」と笑顔をみせていた。
IT
docomoより、『防衛ゲーム剣豪 近藤勇』他、サッカー、アドベンチャー等、話題のゲームアプリが6本登場!
元気モバイル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:津守正樹)は、docomoにて展開中の携帯ゲームサイト『定番スポーツ大集合』『元気SゲームランチDX』にて、2010年4月26日(月)より新作ゲーム6本を配信開始致します。
『防衛ゲーム剣豪 近藤勇』は、幕末時代に活躍した新撰組の近藤勇や土方歳三などが登場する防衛ゲームです。敵のタイプや行動ルートに合わせてキャラクターを配置し、入口から侵入してくる敵キャラを出口に到達するまでに撃退します。防衛ゲームの醍醐味である奥深い戦略性と、オリジナリティ溢れるド派手な必殺技の爽快感をお楽しみいただけます。
(以下略)
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