新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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山南さんを理解するために第4話「天地ひっくり返る」と第5話「婚礼の日に」を見直した。
ちょうど「ほぼ日」の第30回感想でも第5話が紹介されていた……三谷さんが糸井さんのところにメールで
「多摩編では、
一番作家の持ち味が出ていて、
一番大河ドラマっぽくなくて、
一番完成度が高くて、
一番評判の悪かった回です。」
って説明した、いわくつき(笑)の第5回。
……あー、こんなにほのぼのしてたんだわ、この頃は。そして、メークと演技のたまものなんだろうけど、近藤さんも土方さんも沖田君も若い。ドラマ上では、第30話から遡ると4年前の出来事なんだけど、それぞれにくすぶった人生でありながら、目や表情が明るくてきらめいていて、若いんだなーってことがよくわかる。凄い役者さんたちだな……と改めて思う。
さて、なぜ第4回と第5回を見たのかは、山南さんがなぜ試衛館にいつくようになったのか、改めて考えたかったため。
2. 山南さんの場合
……そうだった、山南さん、龍馬くんからの手紙で近藤さんの存在を知り、会いに来たのだった。そして、第5回で近藤さんの婚礼に祝いに来た桂さんに「奇特なお方だ」と言われる程度には知り合い。もっと後では清河八郎とも繋がりがあるし……『新選組!』の設定では、試衛館組の中では最も外界との人脈を持つ、凄いエリートなんですよね。北辰一刀流免許皆伝だし、学問もあるし。
そんな山南さんが、なぜ北辰一刀流の道場から試衛館の「おしかけ門人」になったのか。そこが、第30話の山南さんを理解するための、ポイントのひとつだと思う。
当時の一流どころの道場は剣の腕を鍛える場でもあったと同時に、思想を語り合うゼミみたいなところがあったことも考慮したい。そうした道場のスターだった龍馬くんや桂さんと違って、山南さんは自分の限界を知ってしまったのではないかな。大河ドラマ・ストーリーブックの堺さんの言葉を借りれば「凡人」だということを誰よりもよく知っていたのは、山南さん自身だったのではないか。
試衛館に居着いたのは、三流どころの試衛館ならば自分を尊敬してもらえる……という計算があったから、と言うと、語弊がある(^^ゞ。そうではなくて、山南さんは自分を必要としてくれる場や仲間たちを求めて、試衛館に流れて来たのではないのかな。何かをなすために動くのではなく、自分を必要としてくれる誰かを捜し続けている。
上京した後も、壬生浪士組の中では、山南さんには必要とされる場があるし、見えていた。会津藩に嘆願書を書いたり、土方さんと諮って新見さんを切腹に追い込んだり、芹沢鴨さん暗殺のシナリオをつくったり、近藤さんに助言したり。
でも、生きた知恵を持つ土方さんが大小の失敗を重ねながらもフルスピードで成長し、近藤さんが芹沢鴨暗殺を決意して新選組の局長にふさわしい風格と人望を身につけていくにつれて、山南さんは、相対的に成長が止まってしまっている。芹沢鴨暗殺がふたりにとっては成長するための契機になっているのに対して、山南さんにとっては、むしろ自分の限界を知る場面になってしまったのではないか。
そう考えるのは第33話で出てくるエピソードを知っているからなんだけど、ネタばれは避けたい。ので、第25話「新選組誕生」に伏線が張られていることを指摘することにとどめておこう。
土方さんが「芹沢を斬った時から俺たちは変わったんだ。それに気付け」と、つい失言した場面で、山南さんは目を閉じる。
もちろん、この時は、芹沢暗殺を知らない幹部達の前で失言したのを「まずい」と思ったのだと思う。
だが、土方さんの失言は、多分、さらに山南さんの心の傷をえぐることになるだろうと思う。芹沢さんを斬ったことで変わっていけている近藤さんと土方さんに対して、芹沢さんを斬りに行った場面で自分の限界を知ってしまった自分……土蔵から出てきた土方さんと擦れ違う山南さんは、おそらく、それを考えているのではないか。
土方さんは、芹沢暗殺の場面で山南さんが自分の限界を知ったことを知らない……山南さんに屯所の守りを固めてくれと頼むのは、第33話で語られる池田屋事件の前の出来事がきっかけになっているのだが、視聴者にはまだわからない。そして、おそらく自分に呪文のように言い聞かせているであろう「芹沢を斬ってから俺たちは変わったんだ」という言葉が、山南さんをますます居場所のない思いにさせることも、今の時点ではまだ気づいていない。
「組織感覚と対人関係 土方・永倉・山南のケース」で白牡丹が展開した「山南さんイソギンチャク論」(爆)に感想をお寄せくださった、かめむしこさんのコメント。
そう、山南さんは、自分自身の限界に、絶望しかかっているのだと白牡丹も思う。
ちょうど「ほぼ日」の第30回感想でも第5話が紹介されていた……三谷さんが糸井さんのところにメールで
「多摩編では、
一番作家の持ち味が出ていて、
一番大河ドラマっぽくなくて、
一番完成度が高くて、
一番評判の悪かった回です。」
って説明した、いわくつき(笑)の第5回。
……あー、こんなにほのぼのしてたんだわ、この頃は。そして、メークと演技のたまものなんだろうけど、近藤さんも土方さんも沖田君も若い。ドラマ上では、第30話から遡ると4年前の出来事なんだけど、それぞれにくすぶった人生でありながら、目や表情が明るくてきらめいていて、若いんだなーってことがよくわかる。凄い役者さんたちだな……と改めて思う。
さて、なぜ第4回と第5回を見たのかは、山南さんがなぜ試衛館にいつくようになったのか、改めて考えたかったため。
2. 山南さんの場合
……そうだった、山南さん、龍馬くんからの手紙で近藤さんの存在を知り、会いに来たのだった。そして、第5回で近藤さんの婚礼に祝いに来た桂さんに「奇特なお方だ」と言われる程度には知り合い。もっと後では清河八郎とも繋がりがあるし……『新選組!』の設定では、試衛館組の中では最も外界との人脈を持つ、凄いエリートなんですよね。北辰一刀流免許皆伝だし、学問もあるし。
そんな山南さんが、なぜ北辰一刀流の道場から試衛館の「おしかけ門人」になったのか。そこが、第30話の山南さんを理解するための、ポイントのひとつだと思う。
当時の一流どころの道場は剣の腕を鍛える場でもあったと同時に、思想を語り合うゼミみたいなところがあったことも考慮したい。そうした道場のスターだった龍馬くんや桂さんと違って、山南さんは自分の限界を知ってしまったのではないかな。大河ドラマ・ストーリーブックの堺さんの言葉を借りれば「凡人」だということを誰よりもよく知っていたのは、山南さん自身だったのではないか。
試衛館に居着いたのは、三流どころの試衛館ならば自分を尊敬してもらえる……という計算があったから、と言うと、語弊がある(^^ゞ。そうではなくて、山南さんは自分を必要としてくれる場や仲間たちを求めて、試衛館に流れて来たのではないのかな。何かをなすために動くのではなく、自分を必要としてくれる誰かを捜し続けている。
上京した後も、壬生浪士組の中では、山南さんには必要とされる場があるし、見えていた。会津藩に嘆願書を書いたり、土方さんと諮って新見さんを切腹に追い込んだり、芹沢鴨さん暗殺のシナリオをつくったり、近藤さんに助言したり。
でも、生きた知恵を持つ土方さんが大小の失敗を重ねながらもフルスピードで成長し、近藤さんが芹沢鴨暗殺を決意して新選組の局長にふさわしい風格と人望を身につけていくにつれて、山南さんは、相対的に成長が止まってしまっている。芹沢鴨暗殺がふたりにとっては成長するための契機になっているのに対して、山南さんにとっては、むしろ自分の限界を知る場面になってしまったのではないか。
そう考えるのは第33話で出てくるエピソードを知っているからなんだけど、ネタばれは避けたい。ので、第25話「新選組誕生」に伏線が張られていることを指摘することにとどめておこう。
土方さんが「芹沢を斬った時から俺たちは変わったんだ。それに気付け」と、つい失言した場面で、山南さんは目を閉じる。
もちろん、この時は、芹沢暗殺を知らない幹部達の前で失言したのを「まずい」と思ったのだと思う。
だが、土方さんの失言は、多分、さらに山南さんの心の傷をえぐることになるだろうと思う。芹沢さんを斬ったことで変わっていけている近藤さんと土方さんに対して、芹沢さんを斬りに行った場面で自分の限界を知ってしまった自分……土蔵から出てきた土方さんと擦れ違う山南さんは、おそらく、それを考えているのではないか。
土方さんは、芹沢暗殺の場面で山南さんが自分の限界を知ったことを知らない……山南さんに屯所の守りを固めてくれと頼むのは、第33話で語られる池田屋事件の前の出来事がきっかけになっているのだが、視聴者にはまだわからない。そして、おそらく自分に呪文のように言い聞かせているであろう「芹沢を斬ってから俺たちは変わったんだ」という言葉が、山南さんをますます居場所のない思いにさせることも、今の時点ではまだ気づいていない。
「組織感覚と対人関係 土方・永倉・山南のケース」で白牡丹が展開した「山南さんイソギンチャク論」(爆)に感想をお寄せくださった、かめむしこさんのコメント。
山南さんを好きになったのには、何かに深く絶望しているような雰囲気だったんですけれども、最近、その何かっていうのがよくわかってきました。「自分」なんですね、それって。そんな自分を隠すための小さな嘘。
そう、山南さんは、自分自身の限界に、絶望しかかっているのだと白牡丹も思う。
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