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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 昨日は第38話を録画再生した後に第13話を3回も再生して見ていたら午前2時になって、今朝は寝坊してしまいました(^^ゞ。結局、第13話と第38話の共通性は、鴨編と新選組落日編のプロローグってことぐらいしかないのか、と、がっくりしました……(苦笑)。ただ、身分も金もなく浪士組に加わって、自分たちの才覚と仲間たちとの信頼を信じて何かをなし遂げようとする試衛館ズの若さや明るさがまぶしくてねぇ……第38話の土方さんが第13話を録画再生して見ることができたら、俺たちのやってきたことは一体何だったんだと人知れず嗚咽しちゃうんじゃないかと思うほど、同じプロローグにしても明暗が激しくて。



 河合さんの切腹処分をめぐって、土方さんは何で河合さんを救わなかったのだ、という他ブログさんのご感想は、それはそれで尊重したいんだけど……土方さん贔屓の白牡丹、「第38話……フォローアップ」でも書ききれなかったことを、つらつらと書いてみたい。



 個人的な感慨なんだけど、河合さんの切腹処分を巡った創作作品の中で、何と比べて今回の『新選組!』を見ていたのか、という点で、白牡丹は『新選組!』の土方さんが苦悩する場面をこれでもかと描かれて、むしろ、ほっとした口。



 たとえば、童門冬二さんの初期の頃の小説で描かれた土方さんは、商人出身の河合さんが金に困っている隊士に自分の懐から金を貸し付けて隊士たちに頼られるのを商人根性だと苦々しく思っていて、今回の『新選組!』で描かれたように説明できない欠損金が発生した時に、それを親から都合した金で埋めればなかったことにできると期待している様子に、新選組にいったん加入した以上は出身を問わず武士として扱うからには法度を厳しく守らねばならないという自分のポリシーに反する「金の不始末を金で解決する」商人根性が腹立たしくて、河合さんに冷淡な対応をする、という展開だった。



 その作品の土方さんにはあまり共感はできなかった。けど、今回の『新選組!』を見てて、一本のドラマとしては完成度がとても高くて素晴らしい作品だったと思う一方で、河合さんが観柳斎をかばい続けたために(それはそれで、河合さんなりの「誠」だったと思う)切腹を命じなければならなかった土方さんの苦悩が、「山南さんですら例外でなかった」法度の番人であり続けるために苦悩する土方さんという描かれ方だったことに、ちょっと物足りなさがあったことに気づいた。公金の穴をどうにかして埋めればなかったことにしてやるという『新選組!』の土方さんの態度は、河合さんの切腹事件を巡る創作の中では、かなーり恩情的な描かれ方で、土方ファンには嬉しいのだが……親からの資金で穴埋めさえすれば公金を流用した罪はなかったことにできるかといえば、現代でもそうじゃない訳で(^^ゞ。運用資金が500両規模の組織で50両もの金を借用証も取らずに融通してしまった河合さんに対して、それも親の金で埋めればなかったことにできると思う甘さに対して、もっと突っ込んで欲しかったという気持ちがあることも確か。



 昨日は第13話を録画再生していたのだが、記憶に何度も再生されるのは、第24話「避けては通れぬ道」の新見さんの切腹シーン。「それにしても土方、法度とは便利なものをつくったもんだなぁ……あんたも足下すくわれないように気をつけろよ、山南サン」……そして、第33話「友の死」での、山南さん「悔やむことはない。君は正しかった」……。



 新見さんの言葉と、山南さんの言葉が、第38話の土方さんを縛っているんだよなぁ……(嘆息)。



 組織において、明文化されたルールと同じくらいに重要なのが、明文化されたルールをどう運用するかという明文化されないルール。士道不覚悟は切腹、という明文化されたルールを、土方さんは新見さんを排除するために文字通りに運用した。脱走は切腹、という明文化されたルールを、山南さんは「自分が切腹することで隊の規律は守れる」という意味を見いだして、微笑んで切腹してしまった。



 その時点で、例外は許されないという運用が決まってしまった。



 山南さんの気持ちを忖度すれば、総長である自分が脱走という罪に対して切腹することによって、以後ルールを破るまいという教えを隊内に徹底させるためにそうしたんだろう。



 でも、意図的であれ意図しないであれ、新選組という組織が大きくなれば、緩みも生じる。今回の河合さんのケースは、いろいろな不運が重なったとはいえ、借用書も取らずに観柳斎に公金を融通してしまった河合さんの甘さから生じたもの。



 で、法度の番人である土方さんは、法度の運用の前例に縛られてしまう。例外は認めないという前例に。それを今回に限って緩めてしまえば、「この程度ならやっても許してもらえるんじゃないか」という心理が隊士に生じる。法度の番人としては、それを見逃すわけにはいかない。法度に「足下をすくわれ」ているのは、今は土方さんになってしまったんだよなぁ……。



 ……うーん、今回も、とりとめもない感想ですみません。



 
せっかく「追記」機能が追加されたので、使わせてもらおう(^^)。



誤解を招く書き方をしたかも知れないが、白牡丹は、新選組の強さのひとつは、加入する前の身分は問わないが一旦加入したからには武士として扱うこと、武士として扱うからには守るべきものが政治思想ではなくて局中法度だったと思っている。そういう意味では、法度は「なくてもよかったもの」ではなくて、むしろ新選組の強みの源泉だと思っている……史実として、本当に明文化された五箇条があったかどうか、四箇条だったのか、その辺りは歴史家に任せるとして、出身地や身分を問わずに加入を認める組織が求心力を維持するためには、何らかのルールが必要だったと思っている。



 でも、組織が大きくなってくると、ルールはルールで力を持ってしまって、運用に柔軟性がなくなってくるんだよね……(汗)。
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