第13回「芹沢鴨、爆発」はここまでのベストっ

遅くなりました。途中まで書いた感想文をうっかり消してしまったもので(号泣)、書き直しておりました。



大河ドラマ『新選組！』、無名だった勇くん始め試衛館の皆さんがいよいよ歴史の表舞台に飛び出す第一歩となる中山道の旅路。今回は、スピーディな展開の中で試衛館の面々だけでなく全ての登場人物のキャラが立っていたという意味で、三谷さんの持ち味が存分に発揮されたと思う。この三ヶ月間のストーリーは、この躍動感を出すために、溜めに溜めていたんだなぁと思う。



ストーリーに沿って書こうと思ったが、途中でうっかり消してしまった(号泣)ら二度と同じ文は書けない。で、キャラクター別にまとめて書かせていただく。



芹沢鴨……真っ先に書くのは、何たってドラマ前半の敵役として際立つ予定の鴨さんがファイヤーな回だから(笑)。一見すると好き勝手に行動している傍若無人な振る舞いだが、理屈でなく行動で使える奴と使えない奴をより分けていっているようだ。意地張って鶏小屋に入り込む場面がかわいい(笑)。そして「宿に案内してもらおうか」と言う一言の爽やかさというか邪気のなさ。この一言には、素の芹沢鴨が現れているように思う。実は照れ屋さんだって気づいてやれよ、誰か〜^_^;。



近藤勇……慣れない宿割の仕事におろおろしながらも、鴨ちゃんの「ファイヤーっ」には真っ向から対峙。台詞運びは下手だけど、「任せろ」とにこっと笑う表情や鴨さんと対峙した時の目線、清々しいです。



土方歳三……てきぱきと指示を出すトシ、やはりカッコイイ。「俺はあんたに賭けたんだ」と勇くんに言うトシ、だんだん副長らしくなってくる。前回の「何だかなぁ」発言を撤回したくなるほど、描かれ方がツボツボ。

村上俊五郎に絡まれる山南さんを平然と「その男斬ったら私に教えてください。六番組がひとり減ったら七番組をひとり回しますので」「この田舎侍はかなり腕の立つ田舎侍だ」とフォローするところがかっこいい。そして、総司君に「いいとこあるじゃないですか」と混ぜっ返されると、減らず口を叩くところが、やはりトシ(笑)。そして「鴨には、鶏小屋がお似合いってことだろ」とすねる鴨さんに、つい「うまいっ」と言ってしまうのは、行商で得た部分なのかな……多分、言ってしまってから、本人は自己嫌悪を感じてしまう台詞なんだろうなと思いながら、それを言わせてしまう三谷さんはうまいなーと感心。そして、鴨さんと対峙する勇さんを見守る視線、「俺はあんたに賭けたんだ」という思いの強さが現れてます、山本耕史さん。



山南敬助……素敵だ(笑)。試衛館では「学はあるけど浮いてる」って存在だったけど、今日は惚れ惚れした。トシの的確な指示をこまめにメモるし、新八っつぁんの落書き発言で脱線する試衛館の面々に「まだ話の途中だぞ」とトシの肩を持つ発言。噛み合うと、トシとは強力タッグなんだよな。しかし、何といっても村上俊五郎と対峙する場面の山南さんは、きりりとして男前。「剣を抜かずに済みました。お礼申し上げます」と素直な山南さん、ううう、清々しい……。



永倉新八……いい兄貴分なんだけど、ね。今回は、打ち合わせ中に昔の自分の落書きに脱線させたりして、組織を統率する立場から見ると、普段の影響力が大きいだけに厄介な奴だなぁと思う部分も見えてきて、史実と重ね合わせるとなるほどなぁと思うところあり。



沖田総司……根岸友山を「おじいちゃん」呼ばわりする天下無敵な青年君(笑)。しかし、村上俊五郎と山南さんの対峙場面には、世慣れていないので口出しできない。



原田左之助……どう見ても組織からははみ出すような左之助も使いどころではすごーく役に立つということを、今回のトシから教わりました(笑)。



藤堂平助……今回の、一番運の悪いキャラ？　でも、右往左往する普通の青年っぽさが、かわいく思えてきた。



井上源三郎……何もできないけど最後の場面で真っ先に勇くんに「お疲れ様でした」と労う誠実さ……いい人だなぁ。



池田徳太郎……「だから東海道を行けばよかったんだ、畜生」とクダをまき、部下に仕事を丸投げし、部下の手柄を横取りする、トラブルが発生すると知らんぷりする「悪い管理職」の見本のようなキャラ(苦笑)。でも、この池田氏を見て、「ううう、うちの上司ってこんな奴なんだよぉ」と嘆く企業人が何人いるだろう(同情)。



佐々木只三郎……池田氏と対比されるとますます、「責任感あふれる理想の管理職」の見本(笑)。ばりばりに肩凝ってるでしょうねぇ(苦笑)。



祐天仙之助……自分を仇と狙う青年、大村君に「よろしくな」と無邪気に笑うところが案外かわいい(笑)。



新見錦……声が高い(笑)。が、こそっとトシに耳打ちする辺り、芹沢鴨の補佐役としては決して無能ではないのだと感じさせるものがある。「消せ」と言う一言、なかなか存在感。うーん、京都でどう変貌するんだ^_^;。



殿内義雄……いやー、今回の一番運が悪い男は平助君よりこの人ですね(笑)。



粕谷新五郎……「あの男は、見極めようとしているのです。浪士組の中で、誰が使えて誰が使えないのか……あれは、そういう男です」ほんの一言の台詞に、その回のメッセージを言い尽くす役柄としては、栗塚旭さん演じる土方為次郎さんと双璧。



鵜殿鳩翁……ちょっとしか出て来ないけど、味がありますねぇ(笑)。