第42話感想、フォローアップ

・今回の土方さんの描かれ方

　史実の土方さんを贔屓する白牡丹には、正直、ちょっと不満でした。



「気になるのは、今後我らの手当がどうなるかってことだ」

　これはまだ許容範囲。佐々木様の前でそれを言うか、という気はしなくもないんですが、政治の情勢に目が届くようになっている近藤さんを支えているのは、日々の隊務をきりもりする土方さんの存在があってこそ。

　佐々木様の価値観からすれば、武士は金のことをとやかく言うものではないというところでしょうが、もともと家柄が武家の武士は年俸制だったのに対して、新選組はずっと月給制で来ましたからね(おそらく、幕臣に取り立てになった時点では年俸制になったと思いますが)。隊の運営に必要な金が入らなくなったらどうなるか、という心配は、あっても不思議ではないと思えます。



「おかしいだろ新選組が坂本龍馬救うなんて」

　これも白牡丹的には許容範囲でした。坂本龍馬を助けようとする三谷脚本オリジナルの設定に誰もが賛成しちゃったら、不自然ですよね(笑)。ここでの土方さんは、一部の視聴者代表で、「何が悪い」という近藤さんは三谷さんの代弁だと思いましたから(爆)。

　そして、納得していなくても新八っつぁんと左之助を派遣するところも許容範囲。

「いくら何でも近藤勇が坂本龍馬を助けに行っちゃまずいだろ。後は奴らに任せろ」

　……これで大河設定の近藤さん(龍馬くんと友達で助けたい)設定と原田左之助刺客(濡れ衣)説につなげたのはお見事です。



　でも、白牡丹が凹んだのは、その直前のこの台詞↓。

「見廻組の野郎に手柄を独り占めされちゃたまんねぇからな」

　……えーと、土方さん、坂本龍馬を助けろという永井様の内密の指示を、近藤さんから聞いてませんでした？

　バラガキな土方さんって設定は好きなんで、言葉が多少粗くてもオッケーです。主人公の近藤さんを引き立たせるためには長期的な視野ができる大人物な近藤さんと、新選組を回すために日々のことが先に立つ土方さんの対比でも、ある程度までは受け容れます……時々、チンピラっぽいと、あちゃーと思いますが(苦笑)。

　でも、近藤さん経由で伝えられた永井様の極秘の指示の意図がわかってない土方さんのこの台詞は、ちょっと我慢できない。ご公儀の指示を無視しちゃいけないでしょ、土方さん。

　しかも、捨助くんにまで「ちょっと待ってくれよ。そういうことじゃないんだよ。坂本を助けて欲しいんだよ」と言われてる〜……捨助くんより状況の読めない土方さんって……号泣ものです。ご公儀のため、そして何よりもかっちゃんのため、という線だけは、崩して欲しくないんですわ……。



・永井様

　爪切って暇そうに見えますが(苦笑)、三谷さんが土スタで解説したように当時の官房長官みたいな重役です。部屋にあった置き時計に、外国の事情に通じた開明派だった永井様の人柄が出ています。

　史実でも永井様は元々が武士の出ではない近藤さんを広島への出張に同行するなど、結構重用していたふしがあり、身分より能力を重んじる方だったのではないかと思います。



・平助くんと伊東先生

　近頃日本の行く末に関心を持つようになったという平助くん、龍馬くんにいろいろと学んでますね。「入れ札」にきょとんとするところに捨助くんが登場して学習は中断するわけですが(汗)、山南さんが龍馬くんに「託す」と伝えた思いは、捨助くんと平助くんに託されたんでしょうか……うーん、この先の展開を少しでも知っている者には、ちと辛いバトンです。



「よい機会ですので、私の唱える大開国策を聴いてもらおうと思っています」

　うー、次回のことを思うと、自信に満ちた伊東先生のこれは、辛いなぁ。

　そして、平助くんを連れていくように勧める龍馬くんの言葉を聞きながら、変化する伊東先生の顔。余り自分の感情を表に出さない大河ドラマ設定の伊東先生ですが、龍馬くんに平助くんを同行するように指摘されて一瞬驚き、ふっと微笑むという感じでした。自分の知らないところで成長している平助くんが嬉しかったんでしょう。

　その後に平助くんが自ら同行を願い出るという場面では快く応じ、近江屋を出る時に「先生、お気をつけください」に「おぅ」(また「Oh!」ですか……^_^;)と答える伊東先生の声は上機嫌のようです。



　平助くんと伊東先生の分析は、やはり、次回の大どんでん返しの後に……(涕泣)。



・中岡慎太郎

　つい、中の人のサイトまで見に行ってしまいました(*^｡^*)。

「薩摩薩摩」「早いがぜよ！」など初登場の場面から印象的な中岡くん、好感度大でここまで来ました。

　以蔵の話を龍馬くんと共にした時の一瞬の悲しげな表情で、以蔵くんに対する龍馬くんと慎太郎くんの思いが伝わるようで……ええ役者さんです。

　うーん、好漢の早死に、龍馬くんと共に惜しいがぜよ(涙)。



・「こんなくそ！」

　いや、新選組通史的には「こなくそ！」だって知ってるんですが、山本太郎さんの発音が「こんなくそ！」に聞こえたので、あえてそう記述しました。



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10/27追記　土方さんについての感想、びっきーさんとモルさんにフォローのコメントをいただきました(深謝)。コメント欄も合わせてお読みくださいませ。