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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
「その3」では、剣の天才・沖田総司と対比して「凡人である自分」に苦しみもがく平助くん、そして「平助は平助だ」という近藤さんの言葉に救われるところまでを検証していきたい。

 また、第21話「どっこい事件」で初めて人を斬り、口うるさい近藤さんへの反発もあって芹沢鴨に惹かれ、お梅さんに初恋する総司くんの、自我の確立のための試行錯誤のプロセスと並行していることは言うまでもない。



10. 第23話「政変、八月十八日」〜「ひでさんが言いたかったのは、そんなことじゃないと思いますよ」〜



 島田魁さんに「人を斬ったことがない」と告白する平助くん。膝抱え座りがかわいい(^^)。「いざとなったら俺が守ってやるよ」と魁さん。「ためらわず斬るべしっ。ダメだよ平助、やるときはやらないと」とハッパをかける総司くん……は、人を斬って興奮したことを近藤さんにたしなめられて気にしてるのかと斎藤さんにツッコミ入れられる。

 おひでちゃんが差し出すおむすびやお守りを拒否する総司くんに「どうして人の気持ちを考えないんですか。どうしてわかってくれないんですか」と呟いて去る、おひでちゃん。ぶつぶつ言う総司くんに、「ひでさんが言いたかったのは、そんなことじゃないと思いますよ」と、平助くん、他人の気持ちを思いやれるところを見せる。

 御所に入ることを許されて、ぽかんと口を開けて感激している平助くんの姿も、やはりチェックしておかねばなるまい(笑)。



11.第24話「避けては通れぬ道」〜「沖田さんのことは忘れましょう」〜



 芹沢さんの押し借りに業を煮やした会津藩が、広沢様の口を通じて近藤さんたちに最後通牒。土方さんと山南さんが絶妙のタッグを組んで新見さんを切腹に追い込む、白牡丹にとっては過去ベストの上位に入る「避けては通れぬ道」……と、余計な紹介を^_^;。



 最年少幹部ながら新入隊士の鍛錬をすでに任されている平助くんだけど、剣の天才・沖田くんと常に比べられる立場が苦しい。どんなに努力しても総司くんには追いつけない、越えられない壁が存在している。

 でも、片思いに苦しむひでちゃんを誘って気張らしに見世物小屋に連れていってあげられる、気配りと優しさはある。

「沖田さんのことは忘れましょう。あの人は今お梅さんしか目に入らないようです」



 ……そして、鴨さんにボコボコにされる総司くんをふたりで目撃することになる(汗)。ぼろ雑巾のようになった総司くんに、もう総司くんしか目に入らなくなる、おひでちゃん。





12.第25話「新選組誕生」〜「それ以上は訊くな……訊くな!」〜



 前作に続いて、白牡丹の指折り傑作に入る「新選組誕生」……もう40話放映された今の時点で、ベスト10には絞れそうだが、ベスト5には絞れそうもない、傑作が続く。



土方さん・山南さんの最強タッグの下、芹沢鴨さん暗殺が実行される回。しかし、物事の頂点には下り坂への兆しがあるもので、山南さんは芹沢派暗殺の現場で、人をどうしても斬れない自分の限界を感じる←平助くん中心と言いながら、語らずにはいられないのだ……(涙)。平助くんは、総司くんと同じく「若いから」という理由で暗殺の仕手から外される。

 そして、山南さんからは、宴の手配を任される。



 土方さんから芹沢暗殺を打ち明けられる総司くんと違って、平助くんは土壇場まで事情を明らかにされない。それは、芹沢さんとの縁の深さ浅さの違いではあるのだけど……。



 平助くん視点で見ると、土方さんの芹沢さんヨイショとか、駕籠より歩いて帰った方がいいとか、そういう複雑な心境はスルーかな……(苦笑)。



 山南さん、野口くんを二次会の手配に必要だからという口実で、芹沢派暗殺に巻き込むまいと工作。事情を知らない平助くん、その後で事情を知って、源さんのもとに駆け込む……。



 そして、何も知らない素振りをする(かなり苦しげ^_^;)近藤さんと源さんの気持ちを察して、初めて事情を理解した野口くんに切々と語る言葉。

「芹沢局長は、亡くなられた……」

 詰め寄る野口くんに、真相を語れない平助くん。

「それ以上は訊くな……訊くな!」

 泣き崩れる野口くんに、「水戸に帰るんだ……水戸に帰って、剣術の道場を開いて、子供たちに教えてやれっ」

 何やら歌舞伎調の台詞ではありますが、半泣きの平助くんとグダ泣きの野口くんが良かった。

 この一晩で平助くんも、人を斬らないまでも、排除される人の辛さを味わったよなぁ……。



13. 第27話「直前、池田屋事件」〜「しかし平助は平助だ」by近藤さん〜



 第26話「局長近藤勇」で、おひでちゃんに口元についたご飯粒をかまわれる総司くんが羨ましくて、平助、口元にわざとらしくご飯粒を……わびしげな表情がかわいい。



 さて、第27話。ご存知、平助くんの氏名詐称事件。土方さんが知ったら士道不覚悟で厳罰だと思うというツッコミは脇に置いて、天才を毎日傍で眺めなければならない凡人の哀しみをもう一度検証したい。



 祇園(だと思うが)で舞妓さんたちと遊んでいる平助くん……沖田総司の名を騙って。そこに、近藤さんと源さんが踏み込む。

 近藤さんに問われて、総司くんの名を騙るようになった経緯を説明する。

「騙すつもりはなかったんです!」

「同じことだ」

「どんなに頑張っても、私は沖田さんにはかないません。あの人は、いつも私の前にいる。剣を持たせれば、あの人は誰にも負けません……そして、皆に愛されている……私は沖田さんを超えることができません」

 総司くんの剣の才能だけでなく、「皆に愛されている」という点も挙げている点に着目したい。平助くんは、中村勘太郎さんの談話によれば早くに両親を亡くしたという設定になっているので、無条件でありのままを愛してくれる肉親の愛に飢えているのかも知れない。

「だからといって総司になりすましても、お前が辛くなるだけだろう」

「申し訳ございません」

 平伏。

「総司とお前は歳も近い。ふたりが何かと比べられてしまうのも仕方がない。しかし平助は平助、総司は総司だ。あいつにないものを、お前は持ってる……俺に言わせれば総司はお前の何倍も子供だ。あいつはまだまだ人の心の痛みを知らない。お前は知ってる。お前は、お前にしかないものを、これから探していけばいい」

「……はい」

「俺も一緒に探してやる」

 平助くん、目に涙を浮かべて頷く……ありのままを受け容れてくれた上で、自分にしかないものを一緒に探してくれると温かく言ってくれる近藤さんのおかげで、劣等感と欠乏感から救われる。



 そして、池田屋へは、真っ先に飛び込む平助くん……。



☆★☆★



 平助くん自身は気づいてないが、第23話から第25話にかけて、人の心の痛みを思いやれる平助くんがきちんと描かれていて、特に野口くんを諭す場面に近藤さんが居合わせたところが第27話の「あいつはまだまだ人の心の痛みを知らない。お前は知ってる」という言葉にうまく繋がっている。



 大人の女性である芸妓さんでなくて舞妓さん相手に遊んでいる平助くん、新選組では最年少の幹部だから、たまには年上気分を味わいたかったのかも知れない(笑)。



 また、肉親の縁に薄いため、決して口には出さないが、人に愛されたい願望が強いのかも知れない。近藤さんに出会って、諭されて、励まされて、平助くんは池田屋事件を迎えることになる。
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