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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 中村彰彦さんの小説『落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎』、今日の函館からの飛行機の中でようやく読了しました。



拙ブログ記事

『落花は枝に還らずとも』中村彰彦さんに新田次郎賞

windowheadさんブログ「ウエストコースト日日抄」記事

新田次郎文学賞決定。会津の魂の人 「落花は枝に還らずともー会津藩士・秋月悌次郎」



 中村彰彦さん作品に外れなし、というのが、全作品は読んでいないまでもかなりの数の作品(特に幕末の会津藩・新選組関係作品)を読んでいる白牡丹の確信です。



 本作の紹介はwindowheadさんの記事に譲りますが、大河ドラマ『新選組!』で堀部圭亮さん演じる秋月さんと矢島健一さん演じる広沢様(なぜか「広沢様」と呼んでしまう^_^;)のイメージが強く、史実でも本作品でも広沢様の方が年下ということがピンと来ない(爆)です。



 会津藩公用局の俊才たちが力を尽くして成立した薩会同盟(会津の人は会薩同盟と呼ぶそうな)によって支えられた公武合体政権も長くは続かず、時代は薩長同盟から討幕へと……秋月・広沢・手代木直衛門など文人たちも精一杯頑張るのだけど、時代の波には抗しきれず。秋月作の漢詩「北越潜行の詩」が要所要所に出てきて、じんわりします。



 新選組関係者は、近藤さんがちょっと出てきただけで土方さんは出てきません。河井継之助が結構出てきます。薩摩では、薩会同盟に貢献のあった高崎左太郎が一番印象的かな。会津藩関係者は随所に出てきますが、やはり殿のけなげさ一途さが一番印象的です。また、江戸の昌平黌(しょうへいこう、幕府学問所)に留学し「日本一の学生(がくしょう)」と呼ばれた秋月ならではの文人ネットワークの広さも興味深いところです。
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<新田次郎賞>中村彰彦さんの「落花は枝に還らずとも」 毎日新聞

新田次郎賞に中村彰彦氏



 会津藩士・秋月悌次郎を主人公とする歴史小説です。



 私はまだ上巻の真ん中辺りで、会津藩公用局の先発隊として京都に到着した頃のエピソードを読んでいるところです。緻密な歴史公証に定評のある中村氏の小説はじっくり読むことにしています。
『サムライと英語』明石康&NHK「英語でしゃべらナイト」取材班(角川oneテーマ21新書) リンク先はamazon.co.jp



 昨日購入し、面白かったので一気に読んでしまった。ほぼ毎週欠かさずに見ているNHKの番組「英語でしゃべらナイト」から派生した本で、幕末から明治、近代から現代の歴史を英語・英語圏の文化との接触や国際外交を中心に俯瞰しつつ、英語でのコミュニケーションを体験した何人かの日本人を取り上げる。



 幕末〜明治の外交史については、英語圏であるイギリスやアメリカが中心になるのでロシアやフランスなど他の国の動向が見えにくいという点はあるものの、西洋列強との接触と幕末維新・近代化という時代を要領よくまとめている。



 そして、西洋と接触するサムライたちそれぞれの凝縮された紹介が面白い。印象に残った人物の名を挙げると、アメリカとの交渉に通詞として立ち会った堀達之助、咸臨丸でアメリカに渡った福沢諭吉、欧州使節団に加わり日本の近代化を推し進めるようになった大久保利通・親友であり盟友であった大久保と袂を分かち西南戦争で自決した西郷隆盛・『Bushido(武士道)』を著し日本の価値観を西洋にアピールする一方で国際連盟に力を注いだ新渡戸稲造。そして、著作者であり国連での平和活動に尽力した明石康。



 英語を身につけることは異文化とのコミュニケーションを取るための手段であり、異なる価値観や文化への感受性や受容性が重要である、というキーメッセージにはまったく同感。



 そして、福沢諭吉・伊藤博文・新渡戸稲造たち明治時代の英語の達人が書く英語のメッセージ性と格調高さには、脱帽……。
 腰帯の惹句に曰く「気がつけば、この男を軸に日本は動いた!」……うーん、そうなのかしらん、と半信半疑で読み始め、約一週間で無事に読了。



 榎本武揚を中心に日本が動いたかどうかは明治史には余り詳しくない白牡丹には評価しがたい。が、幕末から明治期にかけての国際史、特にヨーロッパからロシアにかけて、また日本・朝鮮半島・中国・台湾などの東アジア、さらにアメリカ合衆国からメキシコまでもが視野に入る、という19世紀前半の国際情勢が俯瞰できて面白かった。特に、榎本武揚に縁の深いロシアと、この時期にヨーロッパで台頭してきたプロシア、日本が欧米列強とともに進出を図った朝鮮半島の状況についてはほとんど予備知識がなかったので、面白かった。



 さらに面白いのは榎本人脈。奥羽越列藩同盟の盟主となった輪王寺宮能久親王、箱館戦争を共に戦った荒井郁之助などが榎本の後半生にも登場するのは余り不思議ではなかったが、新選組を坂本龍馬暗殺の犯人と信じて処刑に関わった土佐の谷干城がけっこう登場するのには驚いた……白牡丹の不勉強で、この人の足跡については西南戦争辺りまでしか知らなかったせいなのだが(^^ゞ。そして、文人・東海散士、本名を柴四朗といい、会津藩出身で敗戦の会津藩関係者と同様に辛酸を舐め、やがて陸軍大将となった柴五郎の実の兄も登場する。一方、外交畑を歩く榎本には、プロシアの東アジア外交を担当したマックス・フォン・ヴェーバーも関わってくる。登場人物のひとりひとりが、一冊の本になってもおかしくない、多彩な人物が登場する。



 本は、榎本武揚の思想や事跡を追うのではなく(榎本は自伝を残さなかった)、榎本が見てきた外国の諸情勢を追うことによって榎本の視野を間接的に表現している。「榎本武揚の生きた時代は、ひと言でいえば、クリミア戦争で始まり、日露戦争に終わった」という一文が、象徴的。
 カテゴリに「つれづれ読書」を新設しました。昨日、新たな記事を追加したのですが、PHS通信の不具合からか、記事が消えてしもうたとです……(涙)。思い出しつつ、書き直してます。



 先日読み終えた『江戸時代を〔探検〕する』山本博文(新潮文庫)は、江戸時代の下級武士にある「かぶき者」精神を、実際に起こった事件を通して書いているのが面白かったのでした。



 昨日読み終えた『武士道の逆襲』は、新渡戸稲造の著作『武士道』に代表される「武士道」の考え方は侍の世でなくなった明治の時代を背景にしたものとして、時代を遡り、鎌倉時代から戦国時代、江戸初期までの戦乱の時代における「もののふ」としての武士の価値観を描いた本でした。



 そう、「ザ・チャノミバ」で糸井さんと山本さんが語っていた内容の答えを求めて、何となく行き着いてしまった本でした(^^ゞ。



 で、面白かったです。何が面白いって、大河ドラマ『新選組!』で描かれた新選組というよりは史実の新選組での出来事になると思うのですが……それが、戦乱の時代に生きた武士のあり方に近いのだなぁということ。



 見出しをいくつか紹介します。「実力稼業の世界/勝ち取ることがすべて」「勝ちがなければ名はとれぬ/『名』とは何か」「頼もしき家来/家族ぐるみの戦闘者」「恋か、忠義か/『葉隠』の『忍恋』」……。



 この本には新選組に関する記述はほとんどありません……いや、あるのですが、なぜか歴史小説の『壬生義士伝』の一節だったりします(苦笑)。



 でも、鎌倉時代〜江戸時代初期の、戦乱の時代を生きた武士の挿話や言行を読んでいると、白牡丹には史実の新選組のことが思い出されてしょうがありませんでした。山本耕史さんが、人を斬る刀を持ち歩く武士としてその時代に生きていない自分が簡単に武士道を語れないと言っていたことを思い出します。



 そして、史実の新選組の中核となったメンバーが、板東武者の活躍した多摩の出身であったことが、偶然ではなく必然だったように思えました……実際、土方さんや井上さんのご先祖は後北条家の家臣→武田家の家臣の末裔だったとも言われているそうで。



 この本に書かれていたことは、もう少し時間をかけて反芻したいと思っています。
 まだ読み始めたばかりの本なので全体の評価とご紹介はできない。が、たまたま買い溜めていた本に手をつけたら、ちょうど知りたかった分野のことが書いてあったものだから、冒頭部分だけ、ちょっとご紹介。



 先週来、頭にあるのは山本耕史さんと糸井重里さんの『ザ・チャノミバ』で、武士道の話題が出た時の糸井さんと山本さんそれぞれの意見。糸井さんは、武士道は明治時代に明文化されたものだからと、おそらくは新渡戸稲造『武士道』を念頭に置いた発言。山本さんは、「武士道ってどういうことっていう。人を普通に斬れちゃうことも入っちゃうよっていうことじゃないですか」と、現代の価値観で武士道が今足りないとかいうのは簡単に言ってしまうのはまずいんじゃないかという問題提起。



 で、たまたま読み始めた本が、たとえば歴史小説が武士をサラリーマン的にとらえて描くことは「あり」でも「歴史学の立場から見た場合、そのような表面的な類似をあげて、現代風にとらえることには問題がある」という立場で、武士の社会をわかりやすく解説するというもの。



 まだ読み始めたばかりなのだが、なかなか面白い。たとえば赤穂浪士の討ち入りに関わった浪士の多くが足軽など下級武士であり、このような行動に出たことを下級武士に特有な「かぶき者」精神に求めている。そして、同時代の長崎での事件を取り上げているのだが……これがまた、江戸時代初期の幡津院長兵衛と旗本の喧嘩騒ぎや、幕末の壬生浪士組と大坂の相撲取りとの喧嘩騒ぎ(大河ドラマ『新選組!』の「どっこい事件」ですな)を想起させる一件。なるほど、新選組の気風には江戸時代を通じて下級武士に流れていた「かぶき者」精神に通じるものがあるのだなぁと、目からウロコ。



 まだ糸井さんや山本さんのコメントに対する回答は見いだせていないのだけど、明日の出張の友にこの文庫本を読破したいと思っている。
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