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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 最後の追い込みです。



本陣でうろたえる榎本さん・大鳥さん……「箱館山。どうやら一晩かけて山を越えて来ているようだ」「信じられん。まるで鵯越えだ」ここは、大河ドラマ『新選組!』の次に放映された『義経』へのリスペクトでしょうか。しかし、桶狭間が鵯越えに負けるって……ちょっと口惜しかったりして(苦笑)。大鳥さん「箱館山の新選組は総崩れになり弁天台場まで退却した。箱館の町を取られたらもう戦は無理だ!無念だ!」と自分たちの計算外の敵軍の動きに、作戦の失敗を悟ります。「あと一歩だったのに」「信じられん……」ジオラマに突きつけられた笄を見て、榎本さんは「土方はっ。土方はどこにいる!」と、大鳥さんに問いかけます。



五稜郭に戻る土方さん……部下たちには、おそらく箱館市内に転身を命じただろうと思います。単騎、五稜郭に戻って作戦を立て直そうとしているのでしょうか。



五稜郭の前で出会う、土方さんと榎本さん……「土方!」「大鳥さんは」「箱館に援兵を送り続けている」「それでいい。箱館の町を奪われたらサンドウィッチになるのはこっちの方だ。後は任せた」そう言い置いて箱館の町に馬を進めようとする土方さん。「土方!行ってはならん!」と引き留める榎本さん。「後は我らと共に」「なぁに。これからだよ。計算が崩れた時こそ、俺の出番だ。昔の仲間を助けたら、その足で黒田の首をいただいてくる」……史実では、一応、箱館の弁天台場に援軍を差し向けたことになっています。たまたま、新政府軍の攻撃を受けて沈んだ味方艦の将兵が上陸するのを援護するために、七重浜方面に兵を進めた、ということになってます。でも、あくまでも敵将の首を狙いに行くという『新選組!』ワールドの強気な土方さん、これはこれでかっこいいですよね。



「死んではならんぞ」「もちろんだ」……ああああ〜っ、漢《おとこ》って奴らは、漢《おとこ》って奴らは、不器用なくせに、どうしてこんなにもかっこいいんだろう……(涙)。



馬を進めながら、振り返る土方さん……「榎本さん。あんたこそ死ぬんじゃねぇぞ。生き延びて、この地に夢の花を咲かせろ」「夢……?」「この大地を開拓するんだよ。そして何万頭もの牛を飼って、チーズをつくれ。そんなこと、あんたにしかできやしない」……この土方さんの晴れ晴れとした、そしてどこか生き生きとした表情(涙)。『新選組!』『新選組!!』と続いてきたこのシリーズのキーワードのひとつは「託す」だと思います。土方さんは、こうして榎本さんに、自分の思いを託し、戦場に向かうのだ……くすん。でも、榎本さんに振り返ってにこっと笑う土方さんには、達観したようでいて、どこか多摩の若い頃のトシの雰囲気も感じられたりして、いい表情してますね。名場面のひとつです。



一本木関門に馬を進める土方さん……ロケで良かった(爆)。先に箱館の町に向けて進めた配下の兵たちよりも、さらに馬を走らせる土方さん。



一本木関門……退却してきた兵士たちと、馬を進めてきた土方さんが合流。「敵の奴ら、いつの間にか箱館山に!」「諦めるな、俺が来たからには負けはしない。新選組の皆は?」「……たぶん、今頃は」表情を少し曇らせる土方さん。一際大きな砲撃音に目をやると、箱館湾内の戦いで、一隻の船に砲弾が命中し、火柱を上げています。新政府軍の船、朝陽丸。長州藩の旗印が炎上しています。「見ろ!敵の船が沈んでゆく。あれは我が軍の勝利ののろしだ。今こそ敵陣に斬り込む時。俺といる限り死にはせん。土方歳三について来い!」と、味方を叱咤する土方さん。士気、大いに上がる。土方さんも、闘志満々です。



青空に響く銃声……青空をバックに、太陽というショットを見た瞬間に、覚悟しました。明治2年5月11日(旧暦)は快晴だったそうですが、その空に響く一発の銃声。その銃弾が、土方さんに命中しました(涙)。



土方歳三、最期の戦闘(涙)……命中の瞬間を味方の兵士が誰も見ていない、というのが、史実ファンには涙ものの演出です。史実では混戦の中の戦死だったようで、土方さんがどういう死を迎えたのかは諸説紛々です。しかし、ここはフィクションですから、一発の銃弾に斃れたというだけにはとどまらず、土方さんは最後の力を振り絞って奮戦。逃げ遅れた兵士をかばって敵兵を斬り倒し、「早く逃げろ!」と叱咤します(本編の最終回、宇都宮では退却しようという桑名藩兵に刀を突きつけたほどの戦の鬼だった土方さんが「早く逃げろ!」と味方をかばうのには感慨深いものがあります……涙)。そして、鬼神のごとく、敵兵をなぎ倒す土方さんに、時代劇のお約束セリフ「何者だ!」……そして、これもお約束、「新選組副長、土方歳三」とお名乗り……さらにお約束、怖れをなして後退する敵兵達。



絶命の瞬間……しかし、土方さんを貫いた弾丸は深く、そこで力尽きる土方さん。最期の言葉は「榎本さん、すまん……」でした。これは史実ファンにとっては、涙もの。土方さん絶命の場面は直接に目撃した人の証言が残っていないのですが、数ある諸説の中には「……すまん」と言い残したという証言がありますから。



お迎え……一旦目を閉じた土方さんが目を開けますが、これは、白牡丹的には、現世的には「榎本さん、すまん……」で絶命した土方さんが、彼岸に渡る中で見た夢だと解釈してます(汗)。にじり寄る人影、気が付けば近藤さんが迎えに来た。そして、近藤さん自身が現世で最期の瞬間に呟いた「とし……」という言葉を、土方さんにかけます。現世の何もかもを通り抜けて生き抜いた土方さんは、「かっちゃん……」と、晴れやかに、お迎えを受け容れます……最期の言葉は、現世的には「榎本さん、すまん」だけど土方さんの中では「かっちゃん……」なのが、予測はできましたが、やはり感動的です。演出的には、どうかなーと思う気持ちもないではありません。私だったら、香取さん演じる近藤さんのお迎えは、映像は出さず、声だけでもいいんじゃないかと思わなくもありません。でも、多摩のトシに戻ったような、晴れやかな土方さんの顔アップは、欠かせません……合掌。



土方さんの死を知る榎本さん・大鳥さん……「土方が……」「榎本さん!」……「終わった」と静かに呟き、覚悟を決める榎本さん。最後の希望を打ち砕かれて、やるせない思いをジオラマにぶつける大鳥さん。そして、最悪の展開になってしまい、新政府軍の砲撃に次々と斃れる兵士たち……土方さんが描いた乾坤一擲の策は、こうして潰え、旧幕府軍にとって戦は終わったのです……一縷の希望が潰えて慟哭する大鳥さんを演じた吹越さん、グッジョブです。そして、大鳥さんをいたわるように肩に手をかけ、ひとり望楼にたたずみ、涙は見せないけど一度は捨てた「新しい国」構想が潰えてしまった現実と立ち向かい、土方さんの志を継ぐべく涙を見せずに何事かを決意する榎本さんを演じる片岡さんもグッジョブです。しかし、主題曲の短調のワルツが、旧幕府軍の崩壊を暗示しています……ううう(涙)。



弁天台場……攻め込まれる弁天台場。島田さんが「諦めるな! 土方さんが助けに来てくれる! それまで踏ん張れ〜!」と、頑張ってます。そこに、銃火をおそれずにやって来る永井様に、尾関さんが同行してます。「永井様!」「島田!」「いかが、されました」「土方が……」言葉少なに、しかし的確に土方戦死を島田さんに伝える永井様。「土方さんが?」「敵陣の狙撃に合い、亡くなったそうです」と言葉を足す尾関さん。信じられないという表情で、尾関さんを見返す、島田さん、相馬さん、山野さん。「嘘だ……あの人は死んだりなんかしねぇ」とすぐには信じない島田さんと、「間違い、ないんですね」と冷静に事実を受け止めようとする相馬さん。「そんな訳ない! 土方さんは死んだりしねぇんだ!」と、敵兵に向かって飛び出そうとする島田さんを引き戻す相馬さん。



そして、永井様……「戦はもう終わった!命を粗末にするな!生きるんだ、生きて、土方の仕事をお前達が引き継げ!」と叱咤する永井様。「仕事……」と呟く相馬さんに、永井様、「生きて見届けるんだよ!新選組を受け容れなかった新しい世が、どんな世になるのか、あいつはお前達に託したんだ!」……「仕事……」と呟く相馬さんは、終戦時の新選組隊長の役割を引き受け、新島に流され、流刑を果たしてから東京に戻って謎の切腹を遂げた、と伝えられています。このドラマ的には、土方さんが託した思いを精一杯果たして自分の役目は終わったと感じての決着のつけ方だったかも知れません。山野さんと島田さんは生き延びて、天寿を全うします。山野さんは、鳥羽伏見の戦いで別れ別れになった娘と再会し、小学校の用務員として幸せな晩年を過ごしたと伝えられています。一方の島田さんは、土方さんの戒名を書いた紙を懐に、お経を刻んだ土瓶を毎日さすりながら、自分が関わった人々のために読経しつつ、西本願寺の警備を続けながら亡くなったと言います……薩長に降伏して、チャンスを得て新政府の重鎮となったその後の榎本さんが京都を訪れた時に、昔語りをしたいと呼び寄せようとしたことがりましたが、会いたいと思うなら向こうが出向くなら筋だろうと会見を断ったと伝えられています……それぞれの「戦後」です。



「永井様!」「ここだ!」「敵軍の使者が、永井様にお目通りをと」「……さてと、降伏してくるか」……それぞれの立場で、永井様の言葉を受け止める新選組隊士たち。しかし、降伏という重い話を「降伏してくるか」と軽く言う永井様、かっこいいですね。



気合いと共に、ぼろぼろの「誠」旗を掲げる尾関さん……初見では、ここの場面にぐっと来て、涙がこぼれました。しかもBGMは、ライライ♪(涙)



多摩を目指して走り続ける市村鉄之助君……史実を知っていると、土方さんが託したのは洋装の写真だということはわかってますが、ここにも「託す」が…敗れはしましたが、土方さんが託した思いは、鉄之助君を通じて、次は多摩の人々へ……そして、いつかは私たちへと、希望が持てるエンディングでしたねぇ(感涙)。



……しばし、感慨にふけった後は、ドラマ全体を見回しての分析、感想を書きたいと思っています。
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