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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 コミックゼノンという雑誌が出るようで、その連載作品のひとつ。

『ちるらん 新撰組鎮魂歌』

 『天翔の龍馬』の原作&マンガのコンビで、土方さん主人公♪ ビジュアルは『天翔の龍馬』のポニテ土方さん以上に好みです(切りっぱなしヘアとつり目は『銀魂』土方十四郎に近いものがあります)。

 すでにコミックス化を楽しみにしておりますわん。
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 発売日を楽しみにして、昼休みに書店に駆け込みました。ただでさえ使い慣れていない書店だった上、平積みしてなかったので探し出すのに時間がかかりましたが^_^;、ゲットしました〜。




 2巻続けて歳さんが表紙(^^)←「歳さん言うなッ!」by土方歳三・第3巻

 ネタばれ入りますので、クッション入れておきます。






 幕末ものは好きだが、とりたてて龍馬が好きというわけではない。ので、第1巻と第2巻は刊行されていたことに気づかなかったぐらい(汗)。

 だが、今日の書店で平積みになった第3巻が目に入ってしまった。途中から買うのも何なので、3巻揃いで大人買い。



 第3巻の表紙が、パッと見て土方さんだとわかるじゃないですか。腰帯の惹句が「坂本龍馬×土方歳三 幕末最強コンビ誕生!!」なんで……って、ボーイズラブ系の「×」でなくてよかった(爆)。

 基本、ヤンキーマンガが幕末に舞台を移したって感じなんですよ。ボディービルディングに熱心で全身ムキムな岩倉具視が西郷隆盛の腹の底を知るためにアームレスリングバトルを挑む(苦笑)とか、最後の将軍徳川慶喜と坂本龍馬が拳で殴り合いながら身分を超えた漢(と書いて「おとこ」と読む)の友情を確かめ合うとか(爆)。

 でも、近江屋で坂本龍馬が暗殺を免れたとしたら、というif設定で、薩長討幕派に対して違う形の体制変革を志したらどうなるか、という設定が面白い。意外にスケールの大きな時代観があって、第2巻で「事実――明治時代は必ずしも幸福な世でなかった。士農工商の身分は崩壊したが貴族制度は残り――将軍家に代わって権力を握ったのは薩摩・長州の政治家や官僚たちであった。さらに政府と癒着したのは一部の財閥が貿易を独占、新たな特権階級が利益を貪った。富国強兵の名の下に重税に苦しむ庶民の暮らしは……決して楽ではなかったのである」という解説を読んだ時、心の中で快哉を叫びました。

 中岡慎太郎が(自分の思想とは正反対の)龍馬を救うために自分を犠牲にし、生き残った龍馬は慟哭の挙げ句に一晩で白髪になってしまう……ほろりとするようなif設定です。

 しかも小説『相棒』五十嵐貴久でも読んだ「坂本龍馬と土方歳三のコンビ」という設定、遙かに大胆に時代を引っかき回すのがわくわくします。坂本龍馬が幕府から貿易権を一任されて、護衛役に土方さんがついて、一緒にフランス軍艦に乗り込むとか。坂本龍馬を守るために、土方さんが人斬り半次郎と斬り合うとか。すげー(笑)。

 この作品の土方さんはオトコマエだけど硬派っぽいです(龍馬に「おんし、男前じゃのー。その顔で何人女子をモノにしたんじゃ?」と聞かれてビキッとこめかみの血管が切れました^_^;)。龍馬がなれなれしく「歳さん」と呼ぶと「歳さん言うなー」と切れます(笑)。

 ハーフアップっていうんですか、耳から上の髪を束ねて結んでいる髪型です。龍馬の護衛につく第3巻になると、髪をまとめる紐を大きなリボンに換えている……誰にお洒落さんだと思われたいんですか、土方さんっ(爆)……毎朝、鏡を見ながら、自分で結んでいるかと思うと……(≧∀≦)。

 伊東甲子太郎の髪が薄すぎる(汗)とか、中村半次郎が半魚人だとか、個々のキャラについてはいろいろとありますが……とりあえず続刊が楽しみな作品です。




 復刊ドットコムにて『マンハッタン英雄未満』森雅裕(新潮社)への復刊リクエストが100票超えました。

復刊リクエスト『マンハッタン英雄未満』
著者: 森雅裕
出版社: 新潮社

あらすじ: 現代楽器を手にしたベートーヴェンと流星刀を持つ土方歳三、そしてメシアの母親ジュネ。時空を越え、風変わりな三人組が悪魔と闘う痛快無比の冒険ストーリー。


 復刊リクエストのコメント一覧を見ると、自分がどのコメントを書いたかバレバレなんですが(^^ゞ。

 上記の「あらすじ」を見ただけで、どれだけ荒唐無稽なファンタジーかわかるでしょう。

 ベートーヴェンと土方歳三という組み合わせですよ。

 しかも、現代(といっても80年代のニューヨークですが)に蘇って悪魔と闘うんですよ。

 さらに、ベートーヴェンと土方歳三、どっちもいつも不機嫌で、犬猿の仲なんですよ。

 この設定だけ読んでも、読みたくなりませんか?

 しかも摩夜峰央さんの表紙イラストが秀逸なんです。


 (amazon.co.jpにも画像がないようなんで、ちょこっと撮影したものをアップしてみました……ちょっと影が映り込んで暗くなってしまいましたが)

 リクエスト投票が100票超えたからって自動的に復刊交渉が始まるとは限らないし、さらに復刊が決まるとも限らないのですが、この本は復刊して欲しいなぁ。

 復刊希望に賛同していただける方には、今からでも投票に加わっていただけるとありがたいです。






 
 いろいろ迷ったんですが、買いました。


 本屋の店頭でこの本を差し出すのが気恥ずかしかったです……特に上巻(汗)。

 絵柄は正直苦手なんですが、設定とかセリフ回しとか、土方歳三ファンには「おっ、かなり深く知ってるな」と思わせるところがあって、買ってしまいました。

 作者コメントを読むのがコミックスを買う動機といえば動機ですが、思った通り……やっぱり『組!』ファンだったのね、薄々そんな気がしてたんだけど(苦笑)。




 今日は幕末ニュースのクリップ記事がありませんので、別の話題。

 来年明けて3月には晴れて土方ファン満十年となる(汗)白牡丹、けっこうトンデモ設定で土方さんが登場する創作作品(小説とかマンガとか)を読んでおります。

 たとえば……。

・『マンハッタン英雄未満』森雅裕……小説。ベートーヴェンと土方歳三(爆)が20世紀末のニューヨークに召喚されて、生まれたばかりの救世主(メシア)と母親を悪魔から守るために戦う。表紙と扉絵の魔夜峰央イラスト&マンガも含めて、貴重品という気がする(笑)。
・『殺生石』富樫倫太郎……小説。フランス軍事顧問団に紛れて箱館に乗り込んだサンジェルマン伯爵とカリオストロに、アイヌの若者と土方さんが戦いを挑むという(爆)伝奇小説。
・『幕末豪将軍』首藤剛志……小説。知る人ぞ知る、80年代にカルトな人気を呼んだアニメ『戦国魔神ゴーショーグン』の後日談シリーズの一本。アニメでは正義の味方だったゴーショーグン(グッドサンダー)チームと、悪の手先だったドクーガチームが時間と空間を超えて漂流しているうちにたどり着いたのが、幕末の日本(笑)。土方ファンの白牡丹に特に受けたのは、ドクーガ3幹部のうち耽美キャラで知られるブンドル将軍が、土方さんと武士道について意気投合してしまうという展開っす(爆)。
・『ダークキャット』木村直巳……マンガ。本筋は猫の変化が妖魔と戦うという伝奇ものだけど、文庫第4巻では会津白虎隊は出てくるわ、箱館の土方さんは出てくるわ。木村さんはその後小栗上野介忠順のマンガも描いてるし、どんだけ旧幕側のファンかと(笑)。
・『サカモト』山科けいすけ……マンガ、絶版になって惜しい第1巻第2巻は、白牡丹的には殿堂入りといっていい、大傑作(笑)。コスプレして新選組から逃げ回る桂小五郎、ぷつっと切れると放火魔になる高杉晋作、身体のパーツの一部がやけにでかい西郷どん(汗)、理屈が先に立つようでいてやっぱり薩摩人の大久保どん(『篤姫』で大久保どんを演じた原田泰造さんがこのキャラに雰囲気近くて、密かに爆笑してました^_^;)、ラテン気性で誰とでも仲良くなるけど無神経な坂本龍馬、栗塚さん風味の渋い二枚目なんだけどモチ肌フェチで男女見境なし(汗)の土方歳三、土方さんにモチ肌を愛でられてしまう大福餅な沖田総司、鬼畜な土方歳三にかなわぬ恋心を抱く近藤勇(爆)。もお、笑うしかありません。
・『オトコタチの狂』……映画、リンク先はDVD。現代の引きこもり青年のマンションにいきなり、訳もなく、幕末に生きた久坂玄瑞、土方歳三、中岡慎太郎、中村半次郎がタイムスリップしてきてえらいことになっちゃう(爆)というストーリーなのだけど、見終わった後は「志」とか「誠」とかいうキーワードが心に沁みてじーんとする作品。

 で、今日見つけた、このマンガ作品も、すごいトンデモなコミックス。



 刊行されている4巻のうち、3巻までしか読んでないんですが……「ガールズラブ」というジャンルに初めて踏み込んでしまいました(爆)……うひー、オタクなのにボーイズラブ作品が苦手な白牡丹には、百合の世界もきついっすねぇ(汗)。

 しかし、ヒロインのひとりが土方歳三の娘という設定で、箱館で土方さんが戦死して十年後の箱館が舞台なんですが、その娘が15才なんですよ(笑)。第3巻でちょっとだけ生い立ちに触れるところがありますが、いつどこで生まれたのかは明らかになってません。おそらくは京都生まれかと。日野の彦五郎さん宅にいたこと、沖田総司と接点があったことが明らかになっています。土方さんご落命の時には現場にいたことになっています……5才で戦場で看取るんですか(汗)。

 何回かちらっと出演するご生前の土方さん(回想)、美男子とまではいえないけど、なかなかいい男です。

 戊辰戦争の後に箱館が西洋列強の思い通りにされている上に妖怪が跋扈する世界、街の様子はウェスタン風味と、かなーりトンデモ設定ですが(あ、『ウェスタン武芸帳』に似てる^_^;)、ガールズラブでなかったら結構好きな展開かも。あの[#「あの」に傍点]新選組元隊士たちも登場するし、あの美人さんな警部長も新選組に縁がありそうな感じ(第4巻を読んでないんですが、斎藤さんとか藤田さんとかの関係者ではないかと^_^;)。

 えーと……『箱館妖人無頼帖ヒメガミ』の紹介より、土方さんが登場するトンデモ設定の創作作品紹介の方が長いかもしれません(爆)。

☆★☆★

 トンデモ設定の土方さん本、追記。

まずはタイムスリップ&タイムトラベラー編。土方さん、人気です(笑)。
まぼろし新撰組』栗本薫……小説。現代(90年代の日本の地方都市)にタイムスリップしてくる近藤・土方・沖田・永倉・藤堂の5人。現代に合わせようと必死に努力する5人組の中で、アルマーニを着こなす土方さんがナイス(笑)。栗本さんは沖田総司が主人公の大長編の伝奇小説も書かれてますね……自分は途中で挫折しますた(苦笑)。でも『まぼろし新撰組』はイラストも含めて好きでした。
にっくき土方さま』海老沼三郎……小説。これは現代の女子高生が幕末にタイムスリップしてしまう設定。ヒロインは沖田総司に恋をしてるのですが、タイトルが「にっくき土方さま」なのには訳があります(苦笑)。
土方歳三、参る!―幻説五稜郭』辻真先……小説。五稜郭から出撃しようとする土方さんを、未来から跳んできたタイムトラベラーが止めようとする話。終章の土方さんが、さすが土方さんという印象。
『疾風迅雷』第1巻第2巻第3巻第4巻第5巻もりやまつる……マンガ。池田屋からタイムスリップしてきた近藤・土方・沖田・原田が現代の日本で大騒動を巻き起こした挙げ句に、世直ししてしまう(爆)話。肥満キャラの左之助が笑いのツボでした。土方さんは、鼻の穴開きっぱなしなのが、うーん(苦笑)。それに、花柄シャツ、チャーミングですがその顔じゃ似合ってねぇよ(爆)。

歴史if編。
逆転!維新箱館戦争』広瀬 仁紀……もしも開陽丸が沈んでいなかったら、に、始まって、旧幕府方が京都に反撃に出ちゃうという、史実と大逆転なストーリー。広瀬さんって本当に土方ファンだなぁと思いつつ読みふけり、最後は涙しました。
『土方歳三の鬼謀』第1巻第2巻第3巻、柘植久慶……これまた、鳥羽伏見に始まって、会津・北越戦争、箱館戦争(宮古湾海戦を含む)でどうやったら敗者側が逆転勝利できたかを、みーんな土方さんの作戦指揮にしてしまうという、歴史ifストーリー。軍事評論家だけあって、作戦計画はかなり緻密だったという記憶が。

パラレルワールドもの。
『ウェスタン武芸帳』菊地秀行……小説第1巻第2巻第3巻。JET氏によるマンガ第1巻第2巻。沖田総司が主人公(性格が鬼畜^_^;)。坂本龍馬を追ってアメリカ西部に乗り込み、西洋の妖怪やら恐竜やらと斬り合うという粗筋(だったと思う^_^;)。土方さんは沖田君を追ってアメリカに渡る追跡チームのひとりで脇役なんですが、マンガ版のJET氏描く土方さんが素敵でしたので紹介します(笑)。
『銀魂』空知英秋、現在26巻まで出てるので代表して第1巻にリンク……マンガ。パラレルワールド幕末で人情ものの傑作だと思ってます(下ネタが多いけど……)。主人公、坂田銀時のライバル的な存在にあるのが真選組副長・土方十四郎(とうしろう)。土方さん成分が多いのは、第8巻(表紙が土方・マヨラ13登場)、第9巻(背表紙に土方・銀さんと土方サウナで対決)、第13巻~第15巻柳生編(特に第14巻、柳生四天王のナンバー2北大路斎との死闘は圧巻)、第15巻~第16巻ミツバ編(土方さんと沖田総悟の姉ミツバさんとの淡い切ない恋が、涙もの)、第19巻~第20巻真選組動乱編(真選組に参謀として厚遇される伊東鴨太郎と土方さんの対決やいかに)。次に出る予定の第27巻も土方さん成分濃そうです。
 10月21日の記事で紹介した土方さん本、読み終わりました!



 白牡丹、史実の土方さんが一番好きという方にこの本をお薦めします(小説やアニメ作品の土方さんキャラが一番という方もいらっしゃるんで、わざわざ断り書きをしています^_^;……もちろん、大河ドラマ『新選組!』をはじめ、いくつかの創作作品の土方さんも大好きな自分ですが)。

 最近発見された史料の内容も反映された史伝のため、新たな視点がいくつもあります。作者が前書きで述べていますので、そのまま引用します。

①新選組組織には、平時と戦時の棲み分けが存在したこと:たとえば平時は京都市中見廻りに従事するが、合戦へ従軍する際には戦時モードへ移行する。沖田総司などが務めた副長助勤、組頭の違いである。

②新選組ポストは、幕府の職制にリンクしたこと:聞き馴れない言葉かもしれないが、大きく番方(武官、戦闘員)と役方(文官、非戦闘員)のふたつである。新選組では組頭が番方、諸士調役券監察が役方に相当する。あわせて職務内容についても、詳しく触れている。

③組織を統率するために、掟が重視されたこと:加盟した同志(浪士)を律するのが、平時は禁令(法度)、戦時は軍律(軍中法度)となる。特に「局中法度」は有名だが、違反した場合は厳罰主義――。それが、土方歳三の生涯を貫く哲学である。

④組織では序列が定められたこと:新選組は同志集団であり、形の上では身分の格差はない。が、時代を反映して序列(席次)が重視された。ポストもさることながら、創設以来、序列をめぐる相克が数多く、また不祥事を起こせば、ペナルティとして序列が下げられた。土方歳三が得た最上位ポストは副長で、序列は局長・近藤勇に次ぐ第二位となる。言い換えれば、序列を上げることが出世なのである。

⑤鳥羽伏見の敗戦後、江戸に帰還した新選組は、徳川(旧幕府)陸軍の一部隊となったこと:甲州鎮撫や流山出張は勝海舟の軍備恭順路線の一環であり、「関東取締出役」(八州廻り)の機能を果たしたことになる。

⑥江戸脱走後、土方歳三のステータスが向上したこと:旧幕府脱走陸軍に参加した彼は、北へと転戦するのだが、その間に伝習第一大隊長に就任している。それゆえに、箱館軍事政権では、閣僚ポストの陸軍奉行並に選出される。(以下略)

⑦江戸脱走後の新選組との関係:微妙な表現になるが、土方歳三と新選組とは、常に行動を共にしたわけではない。むしろ一定の距離が存在した、と思った方がわかりやすい。(以下略)


 これ以外にとても興味深かったのは、京都時代の新選組内における洋式軍隊推進派と抵抗派(バックに攘夷思想だったり、甲州流軍学だったり)の対立構造という視点。もうひとつは、分離した御陵衛士と新選組の関係を、従来の見方である「勤王派と佐幕派の思想の違いによる分派」ではなく「倒幕勢力を探索するための表面的な分派、結果としての二重スパイ化」という描き方をしていることです。すごく刺激的なのですが、なぜ伊東甲子太郎が暗殺されなければならなかったのかという点での説明についてはもう少し掘り下げる必要があるように思います。

 特に江戸脱走後の土方さんの立場について、今まで読んだ解説本ではどうもしっくりくる説明が得られなかったのですが、白牡丹はこの本の説明が一番しっくりしました。特に会津が新政府軍の包囲網で苦況に陥っていた時に土方さんが仙台に行くことを考えていたのはなぜなのか、この本で目からウロコが落ちました。旧幕府陸軍脱走派と会津藩が必ずしも一体ではなかったことも、腑に落ちました。そして、世話になった会津藩の苦境を見過ごしておけないという藤田五郎(斎藤一)たちと、米沢に援軍を依頼に行って果たせずに結果として仙台に集まる土方さんや会津を引き上げてきた大鳥さんたちの視点の違いもさらに理解できました。

 江戸脱出以降の土方さんを象徴する言葉が「幕府侍」。宇都宮の戦いでともに幕府陸軍を率いた秋月登之助のたっての望みで土方さんが譲った刀と伝えられる大和守秀国に「幕府侍土方義豊戦刀」と刻まれているそうです(今年の土方歳三資料館の特別展示に出品されていました)。土方さん自身が彫らせたかどうかはわかりませんが、「幕府侍」というネーミングが、箱館で戦死するまでの土方さんのアイデンティティを見事に表現しているんですね(著者の相川さんもそこにこだわっていて、後書きでは司馬遼太郎『燃えよ剣』ファンを刺激するような記述も……あたたっ、でも気持ちはわかります^_^;)。

 惜しむらくは、通読できるノンフィクションとしての形で出版されたため、出典や参照された史料などが脚注の形で残されていないことです(巻末に参考文献リストはありますが)。その説の根拠となった原典を当たりたいと思っても出典がわからないというのは、史実重視派としては辛いものがあります。

 新選組や土方さんについての入門本としてではなく、一通り「定説」を知っている上で読んだ方が面白く読める本だと思います。
 これも前書きをざっと読んだだけで買ってしまいました。



 ちくま新書『新選組実録』を菊地明氏と共著で出した相川司氏なら、内容的には信頼が置けるのではないかと……腰帯の惹句「決定版『史伝 土方歳三』遂に出現!」には腰が少し引けたのですが(「実録」「史伝」と銘打って、実はフィクションという本に今までどれだけ出会ったことか・汗)。

 でも前書きで最近発見された史実を具体的に挙げて、それを盛り込んでいることをうたっているので、その点を読むだけでも意味はあるかと思います。新たな史実というよりは、事象についての新たな解釈といえる内容ではありますが。

 読み終わったら、また記事をアップする予定です。
 昨日店頭で見かけて、即ゲットしました。

新・歴史群像シリーズ13『土方歳三 洋装の"武士"として散った漢の一徹』(学研)


 サブタイトルの「洋装」「武士」「漢」「一徹」のうち「漢」の一字につい照れを感じてしまうのは自分だけでしょうか(*^。^*)。でも「漢」という一文字に「おとこ」とルビを振る、この文字が似合う実在の人物はそうそういないですよね(笑)。

 ざっとめくってみただけですが、カラーページも含めて、歴史群像シリーズ58『土方歳三 熱情の士道、冷徹の剣』をかなり改訂しているようです。表紙のイラストはかつて『その時歴史が動いた』で沖田さとしさんが演じた土方さんのイメージが一番近いかしら(ミーハーで申し訳ない^_^;)、自分はこのイラストで買いました(爆)……ただ、またがっている白馬(笑)の顔がえらく怖いわ^_^;。

 これからちびちび読んで楽しませていただきます!

☆★☆★

追記。まずは多摩編の「武士を渇望する多摩の"バラガキ"」まで読了しました。

山村竜也氏による「修羅の京へ武士としての第一歩を踏み出す」の中では、今まで他の本などでは書かれていなかった幼少時のエピソードが新たにいくつか盛り込まれています。

また、佐藤文明氏によるふたつの記事「歳三を生み育てた風土と人脈」「青年土方の『公用』と空白の八年間」は土方さんの史実を巡る記事の中でも久しぶりに興奮する面白さ(笑)でした。佐藤文明さんの『未完の多摩共和国』を読んでいない読者にはちょっと驚かれるかも知れませんが、江戸幕府を開いた徳川家康が多摩に北条氏・武田氏の遺臣を移住させて八王子千人同心という半農半武士という特殊な身分に取り立てたことにどんな意味があるのか、また近藤勇の出身である上石原宿の宮川家が吉宗の代にこの地に移住してきたことは何を意味するのか、なかなか面白いです。そして、土方さんの句「公用に 出て行く道や 春の月」の「公用」とは何なのかを、多摩を含めて武蔵・伊豆の要所を支配した代官の江川家(代々「江川太郎左衛門」を名乗っている)と結びつけた論考は、突飛だと思われる読者もいるかも知れませんが、自分は「あり得る!」とわくわくしてしまいました……だって、大好きな江川太郎左衛門英龍様はもう亡くなっている時期かも知れませんが、その江川家の家令も兼任した江戸三大道場のひとつ練兵館の主である齋藤弥九郎先生と近藤勇の関係を多摩が補強するって話ですから、わくわくするなという方が無理です(笑)。

そして菊地明氏の「石田村『宗門人別書上帳扣』が語る若き日の歳三」は、土方さん生家のお隣さんである土方智さん宅に残る「宗門人別帳扣」に書かれた土方さんの奉公記録をもとに、上京前の土方さんに関する新たな疑問を紹介する記事です。上に紹介した佐藤文明さんの仮説と噛み合うかどうかは微妙なところがありますが、まだ定説として認知されていない段階での仮説を含む論点が両者から出てきているということを理解すれば、一冊で二粒美味しいともいえます(笑)。

なお、白牡丹のブログ記事で佐藤文明氏の『未完の多摩共和国』関連記事は以下の通りです。
多摩の土の匂いがする土方歳三も素敵だ(2005年10月17日)
『未完の多摩共和国』読書メモその1(2005年10月18日)
『未完の多摩共和国』読書メモその2(2005年10月19日)
『未完の多摩共和国』読了!(2005年10月21日)


 
 最初にこの本の存在を知ったのは、かよこさんのブログ「黄昏どきに…第二章」の記事「五十嵐貴久著『相棒』」でしたか。その直後、共同ブログの万年貸切部屋で、野間みつねさんが毎日新聞の書評から見つけてきたのですが、みつねさんの幕末の人物への距離感から感じるに、この作品は読めないとという直感。

 自分は大丈夫そうだったので、読んでみました。



 8割ぐらいは、とても楽しんで読めました。絶対にコンビを組みそうもない土方歳三と坂本龍馬が、何のために、いつ、コンビを組むかという設定が、幕末の史実ファンとしては興味があるじゃないですか。

 土方さんはこの時期に京都にいないのですが、無理矢理にでも呼び寄せてこういう状況をつくってしまうという設定そのものも、なかなか楽しかったです。

 そして、絶対に価値観の面では合うはずのないふたりが、どう折り合いをつけていくか、そして一度タッグを組んだら、白牡丹の見立てでは「どちらかというと、直感で結論を出し、それを後から裏付けていく思考パターン」「頭の回転が速い」「抽象的な理論には興味が薄く、空理空論を嫌う」「すぐに行動に移したがる」というところですごく似ているように感じますので、状況を限定すれば実はうまく行くと思った通り、すごくうまく機能するわけですよ。

 そして、共同ブログに書いた通り、面白くないわけがないプロットですよね。
 まだ4分の1しか読んでませんが、ワクワクしながら読んでます。だって、史実的には一緒に行動するはずのなかったふたりがタッグを組むという話ですからね(史実的には、この当時すでに坂本龍馬は寺田屋で幕府の捕り方に発砲して殺してしまっていたから、土佐藩による政治的な判断による赦免がなければ新選組にとっては捕縛対象でしょう)。

 もっとも、この組み合わせが面白いかどうかは、読者が持っている坂本龍馬像・土方歳三像によりますね。私は、性格的に相容れないからこそ一緒に行動しなければならないという状況にふたりがどう対応するかが面白いと思いました。


 ただ、合わない人もいると思います。

・御陵衛士たちが好きな人、特に伊東甲子太郎と篠原泰之進に史実以上の悪い役回りが来るのを受け容れられない人。この時節を舞台として、土方・坂本コンビを成立させようとすると、悪役にされてしまう、割の合わない立場にいらっしゃる……(汗)。
・司馬遼太郎の『燃えよ剣』が合わない人(自分も最初はこの小説や他の創作作品によって土方さんファンになったのですが、史実を知るにつれて違和感を感じるようになったので、そういう人もいると思っています)。特に最終章で、蝦夷にいるはずのない新選組隊士が蝦夷にいると知ったら、この創作のタネ本がわかっちゃうじゃないですか(汗)。

 最初から7割5分までは、結構楽しんで読めてたのですが(大河ドラマ『新選組!』のキャストをイメージしていたのですが、途中から、土方・沖田はマンガ『無頼』の土方・沖田の方が近い感じになりました^_^;)、最後の2割5分の辺りで「自分はこのまま読めるけど近しい人でこの設定に憤慨する人もいるな~」とか「こ、これはっ、史実にもとづく小説だからいくら創作ありといっても、史実を知っている身としては司馬遼太郎作品に典拠しているのはバレバレになってしまうのではっ」などと余計な煩悩が噴出して(汗)、読了したのですが今いち完全燃焼できませんでした。

 ただ、残り2割5分の中にも史実では考えられないどんでん返しがあり、歴史エンターテインメントとしてはよくできていると思います。
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