新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
昨日の昼の部に続き、仁左衛門の由良之助、勘九郎の勘平(勘九郎さんは昼の部で判官切腹、夜の部で勘平腹切り……)、七之助のおかる、松也の平右衞門、亀蔵の九太夫、隼人の定九郎、左近の力弥など素晴らしいバランスの配役。
ニザ様の由良さまはやはり素敵。遊び慣れた風でいて、亡き主君の仇討ちを内密に推進するリーダーの器量をあらわしている。機密情報を盗み見たおかるを請け出して始末する非情な決断もしつつ、足軽の平右衞門が妹おかるを殺してでも仇討ちに加わりたい一途さやおかるを不憫に思う情も持ち合わせている。そして討ち入りにおける大将たる気品と風格。
勘九郎の勘平は美男で主君のおぼえめでたき側近でありながら、おかるとの逢瀬によって主君の不祥事に居合わせず、山崎街道の狩人に身をやつすという転落ぶり。さらに、定九郎に襲われて命を落とした舅の財布五十両を手に入れたことから舅殺しの嫌疑をかけられ、姑に責められ、おかるが自ら身を売ってつくった大金の出所を以前の朋輩から疑われ、進退窮まって腹に刀を突き立てる。命運尽きたところで舅の死は勘平の銃によるものではなく夜盗の刀によるものと判明し、舅殺しは定九郎の仕業なので定九郎を殺した勘平は舅の仇を取った殊勲とされ、仇討ちの連判状に血判を押して絶命。ところどころ声が勘三郎さんそっくりで、親子二代の魂が勘平に乗り移っている印象が。運命に翻弄されて進退窮まる勘平が適役すぎる。
そして、七之助さんはおかるが似合いすぎ。落人の踊りも素敵なのだけど、五段目の自ら売られていく世話女房から七段目では由良さまにじゃらつく艶やかな遊女、そして平右衛門の妹として純朴で無邪気なキャッキャウフフな笑顔、父そして夫の死に打ちひしがれて兄のために命を投げ出す悲愴な
姿と振り幅の大きな役柄が素晴らしく似合っていた。玉さまでも見ているのだけど、玉さまだと隙がなさ過ぎて無邪気さあどけなさは……と思っていたので七さまはドンピシャ。
松也さんの平右衛門もよかった。大仰過ぎるほどの無骨さ、足軽中間の身軽さや気遣い、亡き主君に報いたい一途さ、妹おかるへの情愛と実家に起こった悲劇を伝えねばならない兄としての責任感などが、よく出ていた。引き揚げの場面では木槌を抱えて意気揚々と花道を歩く姿(その後は切腹だが武士身分ではないので俗名で葬られる)が印象的。
定九郎はやはり色悪でなくては。一度見たのはたぶん松緑、闇に光るギョロ目が印象的だった。でも初代仲蔵の形としてはすらりとした美男だからこその凄みが欲しい。その点では隼人さん文句なし。撃たれた後の口から血を吐いてもがく場面が物足りなかったけど。
左近の力弥もよかった。昨日の莟玉さんの力弥は初々しい小姓ぶりがよかったけど、左近の力弥は顔世御前からの密書を父に運ぶ姿に尋常ならぬ警戒ぶりがあった。
そして最後に菊五郎の服部逸郎。「あっぱれ」「武士とはかくありたいもの」とセリフは少ないものの一瞬で場を持っていった。前回拝見した時より声に力があった。
この豪華配役で見られることはもうないのだろうなと思う、素晴らしい二日間。チケット取ってくれた友人に大感謝。
ニザ様の由良さまはやはり素敵。遊び慣れた風でいて、亡き主君の仇討ちを内密に推進するリーダーの器量をあらわしている。機密情報を盗み見たおかるを請け出して始末する非情な決断もしつつ、足軽の平右衞門が妹おかるを殺してでも仇討ちに加わりたい一途さやおかるを不憫に思う情も持ち合わせている。そして討ち入りにおける大将たる気品と風格。
勘九郎の勘平は美男で主君のおぼえめでたき側近でありながら、おかるとの逢瀬によって主君の不祥事に居合わせず、山崎街道の狩人に身をやつすという転落ぶり。さらに、定九郎に襲われて命を落とした舅の財布五十両を手に入れたことから舅殺しの嫌疑をかけられ、姑に責められ、おかるが自ら身を売ってつくった大金の出所を以前の朋輩から疑われ、進退窮まって腹に刀を突き立てる。命運尽きたところで舅の死は勘平の銃によるものではなく夜盗の刀によるものと判明し、舅殺しは定九郎の仕業なので定九郎を殺した勘平は舅の仇を取った殊勲とされ、仇討ちの連判状に血判を押して絶命。ところどころ声が勘三郎さんそっくりで、親子二代の魂が勘平に乗り移っている印象が。運命に翻弄されて進退窮まる勘平が適役すぎる。
そして、七之助さんはおかるが似合いすぎ。落人の踊りも素敵なのだけど、五段目の自ら売られていく世話女房から七段目では由良さまにじゃらつく艶やかな遊女、そして平右衛門の妹として純朴で無邪気なキャッキャウフフな笑顔、父そして夫の死に打ちひしがれて兄のために命を投げ出す悲愴な
姿と振り幅の大きな役柄が素晴らしく似合っていた。玉さまでも見ているのだけど、玉さまだと隙がなさ過ぎて無邪気さあどけなさは……と思っていたので七さまはドンピシャ。
松也さんの平右衛門もよかった。大仰過ぎるほどの無骨さ、足軽中間の身軽さや気遣い、亡き主君に報いたい一途さ、妹おかるへの情愛と実家に起こった悲劇を伝えねばならない兄としての責任感などが、よく出ていた。引き揚げの場面では木槌を抱えて意気揚々と花道を歩く姿(その後は切腹だが武士身分ではないので俗名で葬られる)が印象的。
定九郎はやはり色悪でなくては。一度見たのはたぶん松緑、闇に光るギョロ目が印象的だった。でも初代仲蔵の形としてはすらりとした美男だからこその凄みが欲しい。その点では隼人さん文句なし。撃たれた後の口から血を吐いてもがく場面が物足りなかったけど。
左近の力弥もよかった。昨日の莟玉さんの力弥は初々しい小姓ぶりがよかったけど、左近の力弥は顔世御前からの密書を父に運ぶ姿に尋常ならぬ警戒ぶりがあった。
そして最後に菊五郎の服部逸郎。「あっぱれ」「武士とはかくありたいもの」とセリフは少ないものの一瞬で場を持っていった。前回拝見した時より声に力があった。
この豪華配役で見られることはもうないのだろうなと思う、素晴らしい二日間。チケット取ってくれた友人に大感謝。
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