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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 このシリーズ、「鳥羽・伏見の戦い」「上野戦争」の号について既に褒めているのですが、この「会津戦争」の号も満足です。

 まず、戦争全体の展開について、西軍(本誌では鳥羽伏見以降は「新政府軍」と書いていますが、会津戦争終結までは「西軍」と書くのが白牡丹のこだわりです)と会津・庄内および奥羽越列藩同盟側の動きを俯瞰できるように日時と出来事をわかりやすく記していること。

 地図や写真・図版が多く、特に地図は会津若松城下の詳しい地図があったり、日光以北仙台以南の地図があったり(大河ドラマ『天地人』の史跡もそうだと思うのですが、山形県・宮城県・新潟県・福島県といった県単位での地理感覚しかないと、戊辰戦争の地勢を理解するのに骨が折れます^_^;)、小さいながら大坂以東箱館以南の当時の東日本略図(鳥羽伏見・勝沼・宇都宮と、ここまでの時点で主要な戦闘があった地に×印付き)と参種類あるのが嬉しいです。

 東軍贔屓なせいもあるのですが、鳥羽伏見の敗戦以降の徳川慶喜の言動、特に会津・桑名を切り捨てたことについて明言していることも触れて欲しいことのひとつですので納得感があります。また、特集記事のひとつで孝明天皇が容保様に下賜した宸翰と御製、巻頭の容保様晩年の和歌(降伏20年後に戦没者をしのんだ歌)、に、公武合体体制に力を尽くした会津がはからずも「朝敵」とされて(関係諸藩・旧幕府軍も含め)多くの犠牲者を出した時代の振幅を感じさせる構成になっているのもいいと思います。

 一方、西軍の参謀であった板垣退助の略歴に、会津戦争を通じて、「藩士は城を枕に勇敢に戦った一方、領民は藩の危機にも戦いに参加するようすがなく、なかには新政府に協力する者もいた……(中略)……階級制度を撤廃する必要性を痛感したことが、後年、板垣を自由民権運動に向かわせる契機となったといわれる」という紹介がありました。また、会津落城直後に領民によるうちこわしがあったことも別記事で紹介されています。会津の中でも藩士と庶民の間で認識の違いがあることをきちんと指摘している点、動乱の時代の複雑さを考えさせてくれてよいと思いました。

 このページ数だと仕方がないのですが、東軍は会津藩中心になりますので、旧幕府軍とか(別途取り上げられた長岡藩以外の)同盟諸藩とかにはスポットが当たりません……二本松藩がちょっと出てきたぐらいです。旧幕府軍については、箱館戦争で補完してくれることを願っています。

小学館: 『週刊 新説 戦乱の日本史』トップ(リンク先に飛ぶと音が鳴りますのでご注意下さい)

関連記事:
『新説戦乱の日本史 44  鳥羽・伏見の戦い』
12月16日の幕末ニュース(『新説戦乱の日本史 45 上野戦争』への言及あり)
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