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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 書籍タイトルは『幕末維新 消された歴史 武士の言い分 江戸っ子の言い分』です。



 購入を報告したブログ記事から、まだ10日しか経ってませんでしたか……なかなか集中して読む環境になかったので、「10日しかかからかなった」という気分です。

 今まで読んだ幕末史の本の中では、かなり面白かったと思います。

 ひとつは、明治維新は歴史的必然であったと教育したい立場から書かれる歴史に疑問をはさむ天の邪鬼というか、敗者の歴史観には勝者の歴史に記録されない見方やエピソードが残っているはずで、歴史を多面的に見たいと思う自分のスタンスのせいでしょう。この本が、歴史はその時代に生きた人々にとっては先の読めないリアルタイムのものであったことを踏まえつつ、たとえば薩摩藩の中で西郷隆盛・大久保利通がどれだけ突出した存在であったか(薩摩藩内でもある意味急進派として多数派ではなかったとか、暗殺の危機もあったとか)、「一会桑」というコンセプトも出てきている京都の一橋慶喜・会津藩・桑名藩の間でどれだけ意見のきしみや不信感があったかとか、大政奉還や王政復古の流れにおける諸藩の動きが倒幕派や幕府側にどう影響したかとか、幕末の歴史を多視点で解説しようとしているのがよかったと思います。

 もうひとつは、常日頃から旧幕府寄りなせいか(江戸近郊の生まれ育ちですから)、八月十八日の政変から倒幕派→討幕派の巨頭になっていく薩摩藩のスタンスがよくわからなかったので、その点で理解の助けになったというか。長州藩や土佐藩もいろいろな考えの藩士があったと思うのですが、薩摩藩も一枚岩ではなかったんですね。

 ちょっと残念だったのは、筆者が会津藩の動向についてはかなりいい点をついているにも関わらず、京都守護職を拝命した後の会津藩の人物をあまりご存じなさそうだというところです。公用局のキーパーソンだった(と思う)小森久太郎とか手代木直右衛門の書簡の一部や動向を紹介したりするところで「会津藩士」としか説明していない……ちょっと、こけそうになりました^_^;。まぁ、自分も小森様の名前について意識し始めたのはフィクションの『新選組!』からですので、あまり大きなことは言えないのですが(爆)。

 全体には、リアルタイムのドキュメンタリーを見るようで、面白かったです。





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