第29回「長州を討て」……桂小五郎の、あぁ勘違い^_^;

　冒頭は池田屋事件の総括。亀の孤独な死の場面も出て欲しかったなぁ……。



　キャストロールで孝明帝が出てきた時は、トメかなと思ったけど、トメは象山先生。そーか、役柄の身分で決まるわけではないな^_^;……孝明帝はちょっとしか出て来ないし。



　会津本陣、容保公と秋月さんと広沢さんと近藤さんと象山先生。「奴らは戦を仕掛け、御所に火をかけ、帝を奪い、藩へお連れ奉るつもりじゃ」と忠告する象山先生。彦根に帝を移すべきだと、史実通りの持論を展開。近藤さん、攘夷派に命を狙われていると秋月さんから聞いて「少し供の数を増やしたらよいのでは」と気遣う……うん、捨助くんじゃ役に立たないって知ってるもんな(爆)。でも、象山先生は人には天命があるからと聞かない。頑固親父め……ちょっと惜しい。



　市中。象山先生、「近藤くん、己を信じていきたまえ」と、初めて「鬼瓦」じゃなくて名前を呼ぶ。「そこの沢庵、鬼瓦のことを頼んだぞ」「ひなびておるから(「しなびて」だと思うが「ひ」に聞こえた。象山先生、江戸弁ですかい^_^;)、お前は漬かりすぎの沢庵だ」……あんまりだと言わんばかりの源さんの顔^_^;。

　近藤さん「おい般若」……捨助くん「お前が言うな」。

　今回は呼び名で遊んでいるな、三谷さんは(次の場面でも、それが伺えるのだが)。

　象山先生の「さらばじゃ」という挨拶が、これまでになく重いなぁ……。



　道端で足にまめができて座り込んだ捨助くん。その隙に刺客が象山先生を斬る……やはり、弾よけにもならなかったか(嘆息)。

　刺客は「るろうに剣心」のモデル、河上彦斎。象山先生、「名は何というのだ」「儂を殺した男の名前だ。是非知っておきたい」と、迫力がある。河上彦斎は、象山先生を斬った時に大物を斬ってしまったと、後で述懐していたっけ。

　「かわは、三本がわの川か、それともさんずいの方か」……これ、事前にネタばれ読んでしまって残念だなぁ(涙)、知らなかったらもっと感動したのに。でも、白牡丹なら「かわかみ」より「げんさい」の方がどういう字を書くのか聞きたかった気がするぞ(滝汗)。

　石坂浩二さん、お疲れ様でございます。



　引き留めに天王山に来る桂さん。「敵は奸賊、会津と薩摩。そして新選組」と、もはや聞き入れない久坂くん。「帝は聞き入れられるはず」と「はず」尽くしで思いこんで、現実から離れてしまった久坂くんと真木和泉たち。



　八木邸。おっ、平助くん、すごい力入った指導。火の玉先生になりましたね……うわ、葛山くんと浅野くんに水ぶっかけてる^_^;、スパルタ先生ぢゃ。池田屋で死線をくぐって、彼は自分に自信を持ったのですね。

　ひでちゃんと一言交わす山南先生、いつも以上にソフトで素敵だ(多分、けろこさんがキャプってくれるだろう)。



　新選組の陣中。谷昌武あらため近藤周平となった青年に、おぢさんたちが教授を申し出る。「あ、だったら、そろばんは私が」と河合くんまで^_^;。史実の昌武くんはどうかわからんが、浅利洋介くん演じる彼は思わず皆が守ってあげたくなるというか、いぢってみたくなる^_^;キャラだな……。



　医者に診察されて労咳だと診断される総司くん。「だって、あんた直すのが仕事だろ」に加えて「この藪医者」と毒づくし、態度悪い(苦笑)。うん、実感ないし、不治の病という運命を受け容れられないんだな……ようやく、怖れていたように「死ぬんですか、私は。答えてよ」と聞く。

　「すべてはおまはん次第や」と答えるお医者・孝庵先生。味があって、ええ役者やな〜。



　陣に戻ってきた総司くん。源さん、総司くんにヘッドロックかけるとは、若い^_^;。

　新八っつぁんと左之助に引っ張られる総司くんを見る土方さん、池田屋の二階で見つけた羽織で薄々気づいていた気配。

　心配ないからと左之助と新八っつぁんに言う総司くん、頬がやつれて、何となく島田順司さんを思い出した……顔立ちは全然違うけど。



　……ぶわっはっはっ、捨助くん、蛤御門の前で、筵かぶって寝てたのか。「はまぐり、食べたいなぁ……」って、そういう奴だよキミは(苦笑)。



　出陣した新選組、戦の現場には間に合わない。土方さんの提案で伏見に出張って寺田屋まで遠征。

　咳き込む総司くんを見送って、山崎さん「悪い咳ですね」。土方さん「なぁ、斬られた時に出る血と、吐いた時に出る血は、色が違うか」……やっぱり、あの羽織の血の色が違うことにも気づいていたんですね。

　総司くん、寺田屋の外に落ちていた、血のりのついた手拭いを発見。

　寺田屋に乗り込む、近藤さん・土方さん・総司くん・山崎さん。お登勢さん、新選組に対峙。

　血のついた手拭いを見せられて、お登勢さん、砲声に彼らが振り返った隙に佐吉さんを殴って鼻血を……ぷわっはっはっ、『婚礼の日に』が伏線になっていたのか……うわー、第5回を見てないとわからん伏線、こういうマニアックなの好きだ〜^_^;。

　婚礼の日、追われていた一ちゃんを庇うために、総司くんの姉おみつさんが捨助君をエルボーで殴って鼻血を出させたことを知っている近藤さんは「いたじゃないか、お前の姉さんがもうひとり」と、お登勢さんが長州藩士を匿っていることを見抜きながら、見逃す。いいなぁ、殺伐とした中にもこういうエピソード。



　敗戦明白な長州藩。うーん、史実では長州藩にかなり攻め込まれた会津藩が、薩摩藩の加勢でからくも逆転するのだが、最初から配色濃厚だな、大河の長州藩は(苦笑)。

　久坂くん、鷹司邸に乗り込む。薦かぶった捨助くんも迷い込む(笑)。



　伏見の陣から、新選組は御所に転じることを決定。前回に続いて「ちょっと待て」コールの左之助。左之助、隊に従わず、仏光寺通りのお多福に向かう(汗)。こりゃ、後で土方さんに糾弾されるのは確実だな(嘆息)。

　町中で長州藩と斬り合いになる新選組……皆さん、鎧つけた相手に、よくスパスパ斬れてますね^_^;。



　左之助は、焼け出された、まさちゃんと再会。戦に巻き込まれて生活の基盤を失うのは、常に一般市民だよな。

　いつものちゃきちゃき娘ではない、まさちゃんが哀しい……。



　捨助くん、鷹司邸の、どこからその櫃を手に入れたんだ……あ、台所からか^_^;。

　帝への取り次ぎを鷹司卿に頼み込む、久坂くん。「そんな理屈が通じると思うてるのか。長州は朝敵となったのじゃ。お上もお嘆きであらしゃりました」……久坂くん、愕然。

　もっと早く、戦で解決しようとすることの愚に気づいて欲しかったよ(ぼそ)。

　入江九一を逃がし、見つかってしまった捨助くんに髻を桂先生に渡してくれと預ける久坂玄瑞と寺島忠三郎。しかし、寺島さんの中の人もなかなかいい男。前回の吉田稔麿といい、ちょい役でもいい男を使う『新選組！』、贅沢である(笑)。

　「命は大切にした方が」……と、珍しくいいことを言う捨助くんだが、場にそぐわない(苦笑)。

　それは置いておいて、落涙する久坂玄瑞……捨助くんを発見する直前の「すべては日本のためと思い、ここまでやって来た。いつ食い違ってしまったのか……」というセリフが、象徴的だと思う。割腹シーンはなくても、信じていたことが最後の最後で裏目に出て自分に疑問を持ちながら死んでいくことの無念さは十分に伝わった。

　池内さんも、お疲れ様でした。



　孝明帝に拝謁する容保様。うーん、史実では頭を上げるのもかなわない病床にありながら御所を守りに出陣した容保様、『新選組！』ワールドではいつ見ても健康優良児である(苦笑)。

　「我にはわからぬ。あの者たちには、何がしたかったのじゃ」……孝明帝、禁門の変を一言で総括。お見事でごじゃります。



　見廻組の佐々木様に出会う新選組。佐々木様、親切に薩摩藩の大島吉之助に会って指示を仰げと教えてくれる。

　大島吉之助(後の西郷隆盛)……うわ〜っ、宇梶さん適役。何でも、若い頃に暴走族の総長やっていたからって理由で配役されたらしいけど、人がついてくる雰囲気がある。ギョロ目で、巷間に伝えられる西郷さんに似てるし(もっとも、上野のお山の西郷さん像は、除幕された時に奥さんが似ていないと言ったことで有名。西郷さん、本当はどんな顔だったんだろう)。

　西郷さん、この後にまた重要人物として出てきますよね。これ以降の怪物ぶりが楽しみ。



　亡命を決意する桂さん、すがる幾松さん。京都の様子を伝えてくれる者が欲しいと言っているところに、「いた〜っ」と捨助くんが登場。帰ろうとする捨助くんに、池田屋で命の恩人だと、桂さんの勘違いが始まる(笑)……「わざと」膳を引っ繰り返すという、何という勘違いぶり^_^;。婚礼の日に会っていたことを思い出したのは、さすがですが。

　ついに、桂さん、「捨助さん」と「さん」づけ(爆笑)。

　そして、自分のために京都の様子を探って欲しいと頼み込む。「長州と縁がなく、しかし我らと思いを思いを同じくし、類い希な勇気を持った人物」……ぶははははっ、桂さんっ、大きな勘違いだよ、それはっ。本日の大ヒット〜っ。

　「長州と日本の未来は、あなたにかかっているっ」ひえ〜っ、桂さん、長州はともかく、日本の未来まで捨ちゃんに賭けないでくれ(爆)。



　天王山……壮絶な割腹のシーンは、代表で真木和泉のみ(史実では、新選組が駆けつけた時には全員割腹していた)。

　「あれだけ守ると誓った京の街を焼いてしまった」と迷いの多い近藤さん。「やるだけのことはやった」と割り切りのよい土方さん。う〜ん、前回で佐々木様につまらん絡み方をする場面や池田屋事件の後に遅れて駆けつける会津藩に何か言おうとするところといい、このパターンが余り続くと、土方さんが頭悪いチンピラっぽく見えてくるから、この辺で止めて欲しいなぁ……(嘆息)。そういう直線的な役柄は、他にもいるだろう。土方ファンとしては、あまり薄っぺらく見せて欲しくないんだよなぁ……。



　今回は、長州藩の生え抜きエリートとして頭角を現した久坂玄瑞が、確信を持って取った行動(長州藩の名誉回復のために戦を仕掛けること)が裏目に出て……白牡丹は、桂さんの視点と同じで、視野狭窄としか思えないのではあるが……自分のしてきたこと全てに疑問を抱きつつ無念の死を遂げた。彼は、自分のすべきことを常に悩みつつ、新選組の局長として尊皇攘夷派と対峙せざるを得なくなった近藤さんと対比される若者像として描かれている。なんで久坂玄瑞をクローズアップする展開なんだろうと思っていた白牡丹も、この回で納得、合掌。

　しかし、これからは、新選組の外でなくて、中に死者が出ていくわけで……うう、見るのが辛いけど、見ずにはいられない……。



　終わってから、何かが足りないと思った……あ、オダジョの一ちゃんがいなーいっ(次回予告を見て、気づいたわ^_^;)。山南さんと一緒に屯所のお留守番をしていたのか、土方さんに特殊任務を言い渡されていたのか、それとも家出(爆)？　……その謎は、次回明かされるのか。

　そ、それどころぢゃな〜いっ(汗)。新八っつぁんの反乱に、山南さんが裏で関わっていたという三谷設定……うわー、次回からいよいよ本格的に対立するのか……胃が痛くなりそうですね……待て次号、じゃなかった待て次回。

　「新選組が行く」は萩の久坂玄瑞生家を中心に。萩は、22年前に行ったきりだなぁ……。