10月17日～18日の幕末ニュース

　昨日今日の幕末ニュースです。

愛知
浮世絵：初代・歌川国貞の役者絵紹介　名古屋で江戸歌舞伎の世界展　／愛知

　江戸後期から幕末の代表的な浮世絵師、初代・歌川国貞（三代・歌川豊国、１７８６～１８６４年）の役者絵を紹介する「浮世絵―江戸歌舞伎の世界展」が１７日、名古屋市中区栄２の電気文化会館５階の東ギャラリーで始まった。２２日まで。
　国貞は江戸の本所で生まれで、初代・歌川豊国の高弟。美人画、役者絵とともに相撲絵を描き、国芳・広重と並んで幕末浮世絵界を代表する絵師となった。

三重
田本研造：「ドキュメンタリー写真の父」の功績、後世に　有志が顕彰会設立へ　／三重

　熊野市神川町の出身で、「ドキュメンタリー写真の父」と呼ばれる写真家、田本（たもと）研造（１８３１～１９１２）＝写真、熊野市提供＝の功績を広く後世に伝え、地域おこしにつなげようと、「田本研造顕彰会設立準備会」（山城康弘・準備会長、３０人）が発足した。今後、田本研造顕彰会を設立し、市指定文化財の田本の生家跡や周辺の整備、資料の収集、ＰＲなどに取り組む計画だ。
　田本は長崎で写真を学び、１８６０年に北海道へ移り、幕末の函館戦争や新選組の土方歳三、北海道の開拓を撮影。凍傷で右足を失いながらも多くの弟子を育てた。「日本初の写真家」と呼ばれる上野彦馬（１８３８～１９０４）や、「商業写真の開祖」の下岡蓮杖（れんじょう）（１８２３～１９１４）と共に日本写真界の３大先駆者の一人とされている。

京都
時代祭の歴史など解説
三条の商店街、リーフレット作製

　幕末の池田屋騒動跡地などで知られる三条小橋商店街の振興組合（京都市中京区）は、２２日の時代祭に合わせて祭りの歴史や周辺史跡を解説する本年度版のリーフレットを作製した。

兵庫
姫路城「駒寄」復元へ　城門跡で遺構の柱の穴出土

世界遺産・国宝姫路城（姫路市）の城門「喜（き）斎（さい）門」跡で、江戸時代に家臣が登城する際に乗ってきた馬をつないだ柵「駒（こま）寄（よせ）」とみられる遺構の一部が見つかり、姫路市教委は十七日までに、年度内に復元する方針を決めた。江戸時代の絵図に描かれているが、遺構が出土したのは初めて。
(中略)
　一八二三（文政六）年の「大工幾蔵（いくぞう）姫路城図」にも、大手門などの外側に駒寄が描かれ、幕末まで存在したとみられる。全国の城にあったが、明治維新後に姿を消した。

島根
津和野・亀井温故館５年ぶり再開へ

　入館者の減少で、２００１年３月から休館していた、旧津和野藩主・亀井家に伝わる美術工芸品などを収蔵する島根県津和野町中座の亀井温故館が２２日、要望に応え、５年ぶりに再開する。
(中略)
　中でも、幕末の１２代藩主・茲監の業績をまとめた文庫や、１３代藩主・茲明が収集した１９世紀ヨーロッパの染織、壁紙コレクションが名高い。

美術工芸展：「我が家の宝物」　江戸から昭和の２６点－－益田　／島根

　益田市立歴史民俗資料館（同市本町）で、ふるさと美術工芸展「我が家の宝物」が開かれている。
(中略)
　焼き物では、残存作品が少ない石見銀山無名畏焼の茶わん（大正）や、鉄分含有量が多く黒っぽい色の薩摩焼・黒薩摩の花瓶（同）などを紹介。書画では、津和野藩の絵師だった山本〓谷の「青緑山水図」（幕末）や、旧日原町（津和野町）出身の日本画家、伊藤素軒の「日之出図」（昭和）など。