忍者ブログ
新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
『風雲児たち』ファンには結構おいしい新書でした。



 時代は水野忠邦の天保の改革から開国あたりまで。幕末政界権力闘争史、ということで『風雲児たち』ファンにはお馴染みのエピソード(だいたい、『風雲児たち』17巻~20巻と『風雲児たち 幕末編』1巻~6巻)が多いのですが、『風雲児たち』では取り上げられていないエピソードもあります。幕末の政局をややこしくした水戸藩の徳川斉昭のゴシップとか(汗)。

 『風雲児たち』に取り上げられていないエピソードで、ぜひ紹介したいものを、ひとつふたつ。

 ひとつは、「妖怪」こと鳥居耀蔵に関するもの。幕末の政局で有為の人材をいわれもない罪に陥れた怪物という印象がありますし、政界から追い落とされて23年間、丸亀藩に幽閉されて、明治の世に釈放された時のトンデモ発言が有名なんですが。

 明治五年(1872)のこと、ある人が神田の路上で耀蔵を見かけたそうだ。編笠をかぶり、冷や飯草履で歩いていた。声を掛けたら「貴公は誰じゃな。近頃すっかりモウロクして人の顔を忘れる。今は渋谷で林家の世話になっているが、渋茶一杯出すことができない身の上だ。決して訪ねてくれるな」と言い捨てて行ってしまった。


 丸亀藩幽閉時代は薬の調合をして住民に慕われたというエピソードもあるそうですが、幕閣で権勢を奮った人の晩年と思うと、ちょっと哀れではあります。

 もうひとつは、私が大好きな江川太郎左衛門第36代英龍、坦庵先生に関するエピソードです。ペリーが日米和親条約を結んだ後のセレモニーに同席したらしい。

 二月十九日になって、海防方勘定吟味役の江川太郎左衛門が決死の士六十人を引き連れて横浜に到着し、応接所の警護を申し出た。林大学以下の全権委員は「事を荒立てられたら叶わぬ」と青くなって、江戸に戻るように説得する。ところが意外にも、江川の本意は別のところにあった。ペリーの献納品中に蒸気機関車と電信機があると聞き付け、そのメカニズムを見学したい一心で、横浜警護を口実にして弟子を連れてきたのが真相であった。
(中略)
 ……そんな目立ちたがり屋がいた一方、江川は冷静なエンジニアの眼で機関車の動かし方を観察していた。少し先の話になるが、将軍に献上されたこの模型機関車は江戸城竹橋近くの空き屋敷に置かれていた。六月二十七日、将軍台覧のもとに試運転が行われ、江川はたくみに蒸気弁を操作して走らせ、大いに面目を施した。みごとにマスターしていたのである。


 『風雲児たち 幕末編』には出てこないエピソードですが、江川ファンにはこたえられません。

 沢山ではありませんが、浦賀に現れたペリー艦隊に応対した浦賀奉行所のメンバーとして中島三郎助も出てきて、箱館戦争の旧幕府軍ファンにとってはちょっと嬉しいです。




PR
この記事にコメントする
           
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集用パスワード
 管理人のみ閲覧
この記事へのトラックバック
トラックバックURL:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[12/14 白牡丹(管理人)]
[12/14 ゆーじあむ]
[11/08 白牡丹(管理人)]
[11/07 れい]
[01/21 ゆーじあむ]
[11/15 白牡丹@管理人]
[11/15 ゆーじあむ]
[05/25 長谷川誠二郎]
[07/23 白牡丹@管理人]
[07/23 伊藤哲也]
最新TB
ブログ内検索
アーカイブ
カウンター
プロフィール
HN:
白牡丹
性別:
非公開
自己紹介:
幕末、特に新選組や旧幕府関係者の歴史を追っかけています。連絡先はmariachi*dream.com(*印を@に置き換えてください)にて。
バーコード
Livedoor BlogRoll
本棚
Copyright ©  -- 白牡丹のつぶやき --  All Rights Reserved
Designed by CriCri / Material by White Board

忍者ブログ  /  [PR]