新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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ご挨拶
ども、遅くなりました(汗)。よせばいいのに講師役を買って出た白牡丹です、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。
「『新選組!!』で学ぶ組織心理学」なんて大層な題をつけてしまいましたが、高い壇上から振りかぶって論じるのは性に合わないので、まぁお気楽にしてください。アメリカの大学では「ブラウンバッグレクチャー」と言って、昼休みに弁当持ち込み可で講師を招いて話を聴くという企画がよくありました。茶色の紙袋の中にはベーグルとかサンドイッチ、それにスタバのコーヒーというところですね、そんなノリで聴いていただければ。黒ゴマ煎餅にお茶を用意していただくもよし、チーズサンドウィッチに赤ワインなんて方も大歓迎です(笑)。
三谷幸喜さん脚本のドラマや映画や舞台を全部見ているというわけではありませんが、「組織と人のマネジメント」を専門にしている私には三谷さんの描く群像劇に引き込まれてしまうことがよくあります。『王様のレストラン』しかり、『12人の優しい日本人』しかり。『新選組!』も『新選組!!』も、ドラマそのものを視聴者として楽しむと同時に、組織論や組織の中にいる人の心理や言動について考えてしまう場面がいくつもありました。
こんなお話をしてみようと思いましたのも、前例があります。9年前に三谷さん脚本のドラマ『王様のレストラン』を題材に『「王様のレストラン」の経営学入門』という本を甲南大学経営学助教授(現・大阪市立大学大学院経営学研究科助教授)の川村尚也さんが書かれてまして、本は残念なことに絶版になってしまっているんですが、私はこの本が大好きでして。面白いドラマを見ながら、同時にリーダーシップや成長するチームづくりの方法も学べてしまうというお得な趣向です。川村助教授のようにはとてもいきませんが、私も同じ三谷さん脚本の『新選組!! 土方歳三最期の一日』を題材に、ちょっと真似事をしてみたくなったのです。まぁ素人の試みですから、行き届かない点は多々あると思いますが、その点はご意見いただくとして、まずは冒険させてみてください。
今回、「組織心理学」という言葉を使いました。これが一番わかりやすかろうと思ったのですが、経営学のひとつの領域です。古くは「産業心理学」と呼ばれてました。最近はorganizational behaviorを直訳して「組織行動学」とも呼ばれてますが、ちょっとわかりにくいですね。「組織における人の行動」に関する研究ということです。組織の中における人のモチベーション、チームやグループにおける人間関係や生産性、リーダーシップ、組織の文化や企業風土、変革のマネジメント、企業や組織におけるジェンダーの問題やメンタルマネジメント、異文化間コミュニケーションなどテーマは幅広く雑多です。組織における人の心理や言動行動に関するテーマであれば何でもアリというところ、また、いろいろな分析モデルはありますがどんな場合にでも通用する公式があるわけでもないという捉えどころのないところが面白くもあり、また難しくもありますね。
え、蘊蓄はもういい? ……失礼しました(滝汗)。それでは、本日の主題である「コンフリクトのマネジメント」という言葉についての解説に移らせていただきます(苦笑)。
「コンフリクト」とは
「コンフリクト」という言葉を聞いたことのある方は何人ぐらいいらっしゃいますか? ……ひぃふぅみぃ、と、あまり多くないですね。ぴったりした訳語がないので、英語をそのまま片仮名で持ってきました。IT用語だと「リソースのコンフリクトが起こって……」などと使われているようですね。平たく言うと「ふたつ、またはそれ以上の複数のものがお互いに相容れない状態」がコンフリクトです。
組織心理学の「コンフリクト」という言葉を日本語にすると、近いのは「対立」「葛藤」です。利害が合わない、意見が合わない、気が合わない、全部「コンフリクト」です。ただ、利害が合わない状態でも調整によって解消可能なケースは「コンフリクト」が強い状態とは言いません。
利害がぶつかる上に感情が絡まってしまっているようなケースが典型的な「コンフリクト」です……まず利害と感情が二者の間で対立するケース。たとえば、少し古い話になりますが、ライブドアがフジテレビを買収しようとした時のフジテレビ幹部の反応の中には、単に買収を仕掛けられたという危機感だけではなく、Tシャツで記者会見をするような30代のトッぽい(死語ですが^_^;)兄ちゃんが伝統ある我が社の最大株主になるなど論外、なんて反応が見られたと思います。たとえばで例として出したまでですが、ああいう感情的な反発を含む対立状態が典型的なコンフリクトですね。
コンフリクトは人対人の状態だけを指すのではなく、人の内面でも起こります。これも例を出しますが、「おいしいものをお腹いっぱい食べたい」という気持ちと「痩せたい」という気持ちが心の中で対立する状態……私なんぞにはよく起こるんですが(苦笑)、皆さんにもありませんか? これも、ひとりの人間の中で起こるコンフリクトです。心理学では「ジレンマ」という表現も使われますね。人の内面で起こるコンフリクトには、たとえば「チョコレートケーキもいいけど、ショートケーキも捨てがたい。あぁ、だけどフルーツパイも魅力的だわ……」といった好ましい選択肢の間で迷うケースと、「働かずに暮らせればいいけど、暮らすには金は必要だし」といった望ましくない選択肢の間で迷うケースのふたつがあります。
さらに、組織の中でよく起きるコンフリクトのみっつめのパターンが、環境や状況が人の希望や欲求や価値観に沿わないという状態です。これは仮の例ということで例を示しますが、たとえば某建設会社の営業マンが自分の売っているマンションが耐震強度計算を偽装していると知っていたとして、お客さんにそれを隠して売らねばならなかったとしたら……そして、それが建築基準法にも自分の倫理基準にも合わないと認識していて悩んでいるとしたら……それもコンフリクトです。耐震強度設計偽装事件でそういう立場にある営業マンがいたかどうかわかりませんが、もし道理とか自分の価値基準に合わないことを強いられていると悩んだケースがあったとしたらそうだと言えます。もちろん、「自分は会社に命じられて売るのが仕事だ」と割り切っているケースは、コンフリクトとはいえませんが。
社会正義や倫理観と葛藤するような大きなケースはともかく、もっと小さなケースは皆さんにも日常的に経験があると思います。たとえば、上司が嫌なヤツで、今日もムッとするようなことを言われた、「そういう言い方は止めて下さい」って言いたいんだけど、上司と言い合いになるのが面倒臭いから言わなかったとか、怖くて言えないとか……そういうこと、皆さんにもありませんか? これもコンフリクトのケースです。
……えーと、また脱線しちゃいましたね(苦笑)。「コンフリクト」の解説はこれで終わりです。「コンフリクトのマネジメント」と言葉を足しているのは、そういうコンフリクトにどう対処するのがいいのか、いろいろな状況に照らして考えてみようかということです。望ましくない例ばかり出しましたが、コンフリクトがすべて悪いってわけではありません。意見の違いは、時には新たな発想や素晴らしい解決策を産むこともあります。コンフリクト自体をなくすことはできなくても、その状況と折り合う方法もあります。それに、コンフリクトがどうやって生じるかを知っていれば、話し合う相手の感情を逆撫ですることなく、話し合って円満に解決するということもできることがあるかも知れませんし。
で、コンフリクトとその対処を、正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』を題材に考えてみよう、というのが今日のレクチャーです……って、やっと本論に辿り着いたら、何人か寝ちゃってませんか……おーい(涙)。
☆★☆★
『新選組!!』で学ぶ組織心理学 コンフリクトのマネジメント
その1 本稿
その2
その3
その4
その5
その6
その7
その8
その9
その10
その11
その12
その13
その14
ども、遅くなりました(汗)。よせばいいのに講師役を買って出た白牡丹です、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。
「『新選組!!』で学ぶ組織心理学」なんて大層な題をつけてしまいましたが、高い壇上から振りかぶって論じるのは性に合わないので、まぁお気楽にしてください。アメリカの大学では「ブラウンバッグレクチャー」と言って、昼休みに弁当持ち込み可で講師を招いて話を聴くという企画がよくありました。茶色の紙袋の中にはベーグルとかサンドイッチ、それにスタバのコーヒーというところですね、そんなノリで聴いていただければ。黒ゴマ煎餅にお茶を用意していただくもよし、チーズサンドウィッチに赤ワインなんて方も大歓迎です(笑)。
三谷幸喜さん脚本のドラマや映画や舞台を全部見ているというわけではありませんが、「組織と人のマネジメント」を専門にしている私には三谷さんの描く群像劇に引き込まれてしまうことがよくあります。『王様のレストラン』しかり、『12人の優しい日本人』しかり。『新選組!』も『新選組!!』も、ドラマそのものを視聴者として楽しむと同時に、組織論や組織の中にいる人の心理や言動について考えてしまう場面がいくつもありました。
こんなお話をしてみようと思いましたのも、前例があります。9年前に三谷さん脚本のドラマ『王様のレストラン』を題材に『「王様のレストラン」の経営学入門』という本を甲南大学経営学助教授(現・大阪市立大学大学院経営学研究科助教授)の川村尚也さんが書かれてまして、本は残念なことに絶版になってしまっているんですが、私はこの本が大好きでして。面白いドラマを見ながら、同時にリーダーシップや成長するチームづくりの方法も学べてしまうというお得な趣向です。川村助教授のようにはとてもいきませんが、私も同じ三谷さん脚本の『新選組!! 土方歳三最期の一日』を題材に、ちょっと真似事をしてみたくなったのです。まぁ素人の試みですから、行き届かない点は多々あると思いますが、その点はご意見いただくとして、まずは冒険させてみてください。
今回、「組織心理学」という言葉を使いました。これが一番わかりやすかろうと思ったのですが、経営学のひとつの領域です。古くは「産業心理学」と呼ばれてました。最近はorganizational behaviorを直訳して「組織行動学」とも呼ばれてますが、ちょっとわかりにくいですね。「組織における人の行動」に関する研究ということです。組織の中における人のモチベーション、チームやグループにおける人間関係や生産性、リーダーシップ、組織の文化や企業風土、変革のマネジメント、企業や組織におけるジェンダーの問題やメンタルマネジメント、異文化間コミュニケーションなどテーマは幅広く雑多です。組織における人の心理や言動行動に関するテーマであれば何でもアリというところ、また、いろいろな分析モデルはありますがどんな場合にでも通用する公式があるわけでもないという捉えどころのないところが面白くもあり、また難しくもありますね。
え、蘊蓄はもういい? ……失礼しました(滝汗)。それでは、本日の主題である「コンフリクトのマネジメント」という言葉についての解説に移らせていただきます(苦笑)。
「コンフリクト」とは
「コンフリクト」という言葉を聞いたことのある方は何人ぐらいいらっしゃいますか? ……ひぃふぅみぃ、と、あまり多くないですね。ぴったりした訳語がないので、英語をそのまま片仮名で持ってきました。IT用語だと「リソースのコンフリクトが起こって……」などと使われているようですね。平たく言うと「ふたつ、またはそれ以上の複数のものがお互いに相容れない状態」がコンフリクトです。
組織心理学の「コンフリクト」という言葉を日本語にすると、近いのは「対立」「葛藤」です。利害が合わない、意見が合わない、気が合わない、全部「コンフリクト」です。ただ、利害が合わない状態でも調整によって解消可能なケースは「コンフリクト」が強い状態とは言いません。
利害がぶつかる上に感情が絡まってしまっているようなケースが典型的な「コンフリクト」です……まず利害と感情が二者の間で対立するケース。たとえば、少し古い話になりますが、ライブドアがフジテレビを買収しようとした時のフジテレビ幹部の反応の中には、単に買収を仕掛けられたという危機感だけではなく、Tシャツで記者会見をするような30代のトッぽい(死語ですが^_^;)兄ちゃんが伝統ある我が社の最大株主になるなど論外、なんて反応が見られたと思います。たとえばで例として出したまでですが、ああいう感情的な反発を含む対立状態が典型的なコンフリクトですね。
コンフリクトは人対人の状態だけを指すのではなく、人の内面でも起こります。これも例を出しますが、「おいしいものをお腹いっぱい食べたい」という気持ちと「痩せたい」という気持ちが心の中で対立する状態……私なんぞにはよく起こるんですが(苦笑)、皆さんにもありませんか? これも、ひとりの人間の中で起こるコンフリクトです。心理学では「ジレンマ」という表現も使われますね。人の内面で起こるコンフリクトには、たとえば「チョコレートケーキもいいけど、ショートケーキも捨てがたい。あぁ、だけどフルーツパイも魅力的だわ……」といった好ましい選択肢の間で迷うケースと、「働かずに暮らせればいいけど、暮らすには金は必要だし」といった望ましくない選択肢の間で迷うケースのふたつがあります。
さらに、組織の中でよく起きるコンフリクトのみっつめのパターンが、環境や状況が人の希望や欲求や価値観に沿わないという状態です。これは仮の例ということで例を示しますが、たとえば某建設会社の営業マンが自分の売っているマンションが耐震強度計算を偽装していると知っていたとして、お客さんにそれを隠して売らねばならなかったとしたら……そして、それが建築基準法にも自分の倫理基準にも合わないと認識していて悩んでいるとしたら……それもコンフリクトです。耐震強度設計偽装事件でそういう立場にある営業マンがいたかどうかわかりませんが、もし道理とか自分の価値基準に合わないことを強いられていると悩んだケースがあったとしたらそうだと言えます。もちろん、「自分は会社に命じられて売るのが仕事だ」と割り切っているケースは、コンフリクトとはいえませんが。
社会正義や倫理観と葛藤するような大きなケースはともかく、もっと小さなケースは皆さんにも日常的に経験があると思います。たとえば、上司が嫌なヤツで、今日もムッとするようなことを言われた、「そういう言い方は止めて下さい」って言いたいんだけど、上司と言い合いになるのが面倒臭いから言わなかったとか、怖くて言えないとか……そういうこと、皆さんにもありませんか? これもコンフリクトのケースです。
……えーと、また脱線しちゃいましたね(苦笑)。「コンフリクト」の解説はこれで終わりです。「コンフリクトのマネジメント」と言葉を足しているのは、そういうコンフリクトにどう対処するのがいいのか、いろいろな状況に照らして考えてみようかということです。望ましくない例ばかり出しましたが、コンフリクトがすべて悪いってわけではありません。意見の違いは、時には新たな発想や素晴らしい解決策を産むこともあります。コンフリクト自体をなくすことはできなくても、その状況と折り合う方法もあります。それに、コンフリクトがどうやって生じるかを知っていれば、話し合う相手の感情を逆撫ですることなく、話し合って円満に解決するということもできることがあるかも知れませんし。
で、コンフリクトとその対処を、正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』を題材に考えてみよう、というのが今日のレクチャーです……って、やっと本論に辿り着いたら、何人か寝ちゃってませんか……おーい(涙)。
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『新選組!!』で学ぶ組織心理学 コンフリクトのマネジメント
その1 本稿
その2
その3
その4
その5
その6
その7
その8
その9
その10
その11
その12
その13
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