みつねさんの第26回ご感想から

お馴染み「野間みつねの『新選組！』日記」、今回はアップが早い。今日のスタパ詣でのために、半徹夜で書き上げたそうだ。お疲れ様でした。

江戸でつねさんが近藤さんからの手紙を読み始める（日付は明示されない）
　大坂で近藤さんがつねさんに手紙を書く（元治元年五月二十一日）
　　芹沢さん暗殺後から内山さん暗殺に至るまでの出来事の数々を綴る
　大坂で近藤さんがつねさんへの手紙を書き上げて深雪太夫に託す
江戸でつねさんが近藤さんからの手紙を読み終える

これ、わかりやすくてありがたい。ただ「出来事の数々」は時系列に沿ってではないので、注意が必要。

土方さん、斎藤さんがお気に入りなのかしら。後の場面でも連れ歩いてるし、身柄引き受けにも来てるし。……彼の好悪の大きな基準は多分、その人が近藤さんの味方であるか否か。

土方さんの基準はわかりやすいが、一ちゃんが土方さんにも(#「も」に傍点)忠犬になっていることもポイントですね。8ヶ月の間に土方さんからどんな恩が一ちゃんに？　白牡丹は、芹沢さん暗殺の場面で「お前とは戦いたくねぇんだ」と説得しようとしたり、退いた一ちゃんに肩ポンしたことかなーと思ってますが……違うかなー(^^ゞ。

とっ、藤堂君たら……(汗)　やることが……やることがああ……(悶)　“可愛い”と“切ない”の中間の気持ちを覚えるなあ……。

ほんと、いじらしいですねぇ。

さて、ここから先は内山暗殺の描き方に焦点を当ててご紹介したい。

……んー、私個人は内山暗殺を新選組がやった説は支持していないのだが(そういう記録は全てかなり後年になって出てきた話だし、永倉さん直筆の手記である「浪士文久報國記事」には出てこないし)、彼らがやったこととして描くのであれば、明らかに新選組史のダークサイドであるこの事件をどういう位置付けで扱うのか。

みつねさんとはオン＆オフ含めて、すっげー濃い付き合いになるのだが、内山暗殺事件に関して意見を交わしたことはなかったので、同じ意見と知って吃驚＆ちょっと嬉しい。

しかし、白牡丹が設定に違和感を感じてそこで逡巡していたのに対して、みつねさんは三谷設定を受け容れた上で、そこから新選組のDNAを読み込んでいる点が違う。

奉行所に訴え出たところで内山の息のかかった奴らが内輪を庇おうとするに決まってるから有耶無耶にされるのが落ちだ、という土方さんの論理は、ある種、なまじ先が読めてしまうが故の思考停止とも見える。

そうなんだよねぇ(苦笑)。

要するに、今回の一件で、相手を放置すれば自分達の存続の危機と判断した時に正当防衛の範囲を著しく逸脱した過剰防衛に走ってしまうのが新選組という組織であるという“前科”が、明確に出来てしまったのだ。

『はじまりの死』から『新選組誕生』までの新選組創成期、鴨さんの手によるものも近藤さん派の手によるものもあるけれど、組織の存続の危機に瀕して浪士組は組織の内外を問わず「敵」となるものを殺害によって排除してきた。そのDNAが発動したって感じですね、今回のドラマでの描き方は。なるほどなぁと思う。

それは、今回の内山暗殺一件に、何故か、山南さんが一切関与していないこと。……つまり、今回の状態というのは、山南さんが世を去り、伊東さんが新選組を去ってしまった後の、近藤さんのブレーンが土方さんひとりとなってしまった状態に等しいのだ。
　将来、そうなった時に、新選組が一体どういう方向へ走ってゆくのか。……今回の事件は、その一面を暗示しているとは言えまいか。

うーん、確かに暗示してるなぁ……(嘆息)。

山南さんが一切関与していないので、今回描かれなかった新選組内部の「新選組はどうあるべきか」を巡っての意見対立はおそらく次回の「直前、池田屋事件」から「そして池田屋へ」で描かれることを期待する。

ところでみつねさん、NHKの大河ドラマ『新選組！』サイトにアップされた鈴木京香さんインタビュー、京香さんが「鴨さま」って呼んでますよ。素敵ですねぇ。