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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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有吉佐和子作。新派の杉村春子が主役のお園を演じてロングラン。玉三郎が歌舞伎で舞台にかけた時、有吉佐和子は鬼籍に入っていた・合掌。

幕末の歴史好きにはツボツボな作品。そして横浜のある遊郭における遊女の自害が大和撫子の鑑として脚色され喧伝されていく様は見事な現代性も感じさせる。

玉三郎さんが演じるお園の演技の凄さ、シネマ歌舞伎ならではのカメラワークでさらに引き立っていました。人のいい場末の芸者(吉原から品川、さらに開港直後の横浜へ流れてきた)。同じように吉原から流れてきた病身の遊女の亀遊を妹のように可愛がり、亀遊が通辞の藤吉と恋仲になるのを陰で応援していたが、その亀遊はアメリカ人商人イリウスに気に入られたと知ると恋がかなわないのを絶望して剃刀で自害してしまう。

亀遊を喪った清吉はアメリカに渡航して医師になることを目指す。残ったお園は、かわら版による亀遊の死の脚色をいぶかいつつも、置屋の主人にそそのかされ、攘夷女郎亀勇の自害の目撃者として講釈師よろしく登楼客に語って聴かせる。攘夷派の儒学者・大橋訥庵の五回忌に門弟たちが集まる座敷に出た時、吉原で訥庵から習ったという歌を披露した時……。

最後の場面。「ひとり残されたお園は、酒をあおりながら、時代の波に翻弄された亀遊や我が身を嘆くのである」。時に慶応三年七月、大政奉還・王政復古から戊辰戦争・新政府成立といったさらなる時代の波が押し寄せてくることを知らず。。

無茶苦茶豪華な共演陣。勘三郎さん、七之助さん、獅童さんなど主要な配役だけでなく、ちょい役の浪士の中に海老蔵さんとか勘太郎(当時)さんがいたり、福助さんとか松也さんとか新悟さんとか唐人口の遊女たちなんか凄いメークで本人とわからないぐらい(きっと喜んで演じたに違いない)。

勘三郎さん三津五郎さんなど鬼籍に入った名優たち、新派に移って河合雪之丞になった春猿さんとか、今では再現できない舞台を見られるシネマ歌舞伎ならでは。
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