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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 12月14日付の「同じ朝日新聞のコラムでも天と地……」の記事への反響の大きさに驚くと共に、朝日新聞にメールしたという何人かの方の行動力に敬服しました。



 そこで、言い出しっぺの白牡丹も何かせねばならないと思い、思いあまって(爆)、「おすぎさんに怒ってもらう」という記事の趣旨を汲みつつ、下記のメールを公開されたメールアドレスに送りました。




件名: おすぎさんに怒ってもらいたいこと



 こんばんは、おすぎさん。MYTOWN東京に連載されている「おすぎのビリ辛 勘
違いしてない?NHKって 」を拝見しました。



http://mytown.asahi.com/tokyo/news02.asp?c=14&kiji=273



 拝読して、おすぎさんに是非ご一緒に怒ってもらいたいことがございます。



 それは、この記事を書かれた、映画評論家のおすぎという方に対して、でござ
います。



 記事の中で触れられているNHKの不祥事に対するお怒りには共感する部分があ
りますが、そもそもお年寄りが楽しみにしている時代劇の歴史的事実をひん曲げ
て、視聴率狙いでアイドルを起用したりという箇所に、私の怒りは収まらないの
でございます。



 映画評論家であるおすぎさんに言うまでもありませんが、そもそも時代劇とい
うのは史実を元にした、あるいは史実にもとづかないかも知れないけど時代に設
定を取ったフィクションの世界です。おそらくは、大河ドラマ『新選組!』にお
いて、坂本龍馬と近藤勇が友人だったという設定について暗に言及されているの
であろうと愚考しますが、坂本龍馬と近藤勇が友人「ではなかった」という記録
は残っていません。それを逆手に取った設定を「歴史的事実をひん曲げている」
と糾弾するのは、おすぎさんのフィールドである映画の世界における虚構のあり
方をも否定するものでありましょうか。



 たとえば、映像作品に描かれる赤穂浪士の忠臣蔵は歴史的事実ではなく歌舞伎
などで長年にわたって脚色された作品ジャンルとして成立しているものですが、
おすぎさんは、それを「歴史的事実をひん曲げている」と糾弾されるのでしょう
か。そうであるならば、おすぎさんの姿勢は一貫していると思いますが、寡聞に
して、不肖私は、おすぎさんのそのようなご発言は眼にしておりません。



 また、おすぎさんは果たして大河ドラマ『新選組!』をご覧になって、このよ
うな批判をされているのでしょうか。たまたま同じ日に、同じ朝日新聞の同じ夕
刊「窓 論説委員室から」で隈元信一論説委員が、大河ドラマ『新選組!』につ
いて、以下のことを書いておられます。



> NHKの大河ドラマ「新選組!」が終わった。見続けて良かったと思う。

> 始まったころの評判は悪かった。「役者が若すぎてリアリティーがない」「坂
本竜馬、桂小五郎と近藤勇、土方歳三が一緒に黒船を見に行くなんてあり得ない」。
そういった声がNHKにも寄せられた。

> だが、この二つの批判こそが、ドラマの新しさを象徴していたのではないか。

(中略)

> そんなふうに人と人がつながり、競っていた時代を小劇場出身の三谷幸喜さんが
描き、やはり小劇場系の役者が要所をおさえて演じた。「こんなに泣いた大河は初めて」
「終わったら寂しくなる」。終盤、そんな感想が増えたそうだ。



きちんと作品を観て、作品のメッセージを受け取った論説委員の、見識と品格
を持った作品評価だと思います。評論家と名乗る方には、ぜひ手本にして欲しい
見事な評論です。同じ作品について、まったく同じ日の同じ新聞に書かれたコラ
ムを比較して、評論の質についてどちらが上であるか、少しでも理解力をもった
読み手には、歴然としています。



 「歴史的事実をひん曲げている」と書くおすぎさんには、もうひとつ、言いた
いことがございます。



 「所さんとおすぎのトホホ人物伝」、あれほど歴史的事実をひん曲げている番
組に出演されているおすぎさんが、どの口で言えたものか、と。



 土方歳三の回を拝見しました。薩摩や長州などに攻め込まれる会津藩を見捨て
て、土方歳三が逃げた、というトホホ映像が映りました。



 見るに堪えられませんでした。なぜならば、史実の土方歳三は、会津藩に協力
する旧幕府軍の一員として戦い敗れて、会津藩に、まもなく薩長が攻めてくるか
らある限りの兵力を差し向けるように進言したという歴史的事実も、薩長に攻め
込まれて籠城した会津若松の城内に入ることができずに市外に駐屯したという歴
史的事実も無視されて、それこそ「歴史的事実」をひん曲げることによって史実
以上にトホホな人物に歪曲した土方歳三像を、全国の電波で放映したからです。



 番組の中でおすぎさんが土方歳三に対して同情的な発言をしていたことは拝見
しています。でも「いい男だ」とか、史実にもとづくコメントではありませんで
した。



 「所さんとおすぎのトホホ人物伝」に関していえば、源氏物語の光源氏も取り
上げられているようですね。史実に存在しない虚構の人物を、いかにも存在して
いたように取り扱い、それをトホホな人物として描くという番組は、歴史を歪曲
しているどころか、捏造していると批判されたら、おすぎさんはどのように抗弁
なさるのでしょうか。



 もともと虚構の世界である創作作品の中で記録では残っていない交友関係をド
ラマの設定として描くことと、歴史バラエティと見られる番組で歴史的事実をね
じ曲げる内容にしたて上げることと、どちらが「歴史的事実をひん曲げている」
と言えるでしょうか。そのバラエティ番組に出演している方が、どうして『新選
組!』を、「歴史的事実をひん曲げている」と批判できるものでしょうか。



さあ、おすぎさん、どうぞ私と一緒に、おすぎさんに対して怒ってくださいませ。

  ……朝日新聞がおすぎさんにこのメールを見せるとは思いませんけど、朝日新聞の担当者は、眼にすると思います。本音を言えば朝日新聞におすぎさんの名前で謝罪広告を出して欲しいほど怒ってますが、同じ日の同じ夕刊に評論として格の違いを歴然と見せているコラムが出ているのですから、見る眼を持っている読者には、おすぎさんがプロの評論家としてまともな評論をしていないことは、哀れなほどに歴然としています。それだけで、溜飲を下げたいと思います。
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