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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
一、将軍江戸を去る(しょうぐんえどをさる)
慶喜の心の葛藤を描いた重厚な一幕
 朝廷に大政を奉還した徳川慶喜は江戸出発を明日に控え、上野寛永寺で恭順謹慎していましたが、幕臣の主戦論者の意見に心が揺らいでしまい出発延期を願い出ます。そのことを知った高橋伊勢守や山岡鉄太郎は、慶喜を諫めにやってきます。恭順を翻意すれば江戸で戦が起こり、罪もない人々が血を流すことになると鉄太郎が必死に説得し、慶喜はようやく自らの誤った決断に思い至ります。慶喜は江戸を官軍に明け渡すことを決意し、その名残を惜しみながら、水戸へと旅立っていくのでした。
 大政奉還から150年という節目の年を迎えて上演される、真山青果作品ならではのせりふ劇にご注目ください。
 本当は三幕あって、彰義隊が出てくる場の前に西郷勝の江戸城明け渡しの場面があって、山岡鉄太郎のやや傍若無人な熱意はその会談に立ち合って共鳴した気持ちを慶喜公に伝えたかったんだね。実際の山岡鉄太郎は身長6尺2寸(188センチ)、体重28貫(105キロ)の巨漢なので、彰義隊の中でも迫力負けすると思う。
 市川染五郎の慶喜、佐々木愛之助の鉄太郎(後の山岡鉄舟)、又五郎の高橋伊勢守(後の高橋泥舟)は結構いい組み合わせ。
 史実好きの私は慶喜が「這々の体で」大阪から帰ってきたというくだりに(°°;)……こいつこっそり開陽丸で将兵置いて先に帰ってきたんですよ〜。

二、大津絵道成寺(おおつえどうじょうじ)
5役を早替りで魅せる変化舞踊
 近江の三井寺では鐘供養が行われ、外方が唐子を従えてやってきます。外方が酒宴を始めると、藤娘が鐘を拝ませて欲しいと現れ、外方は舞を所望します。藤娘は舞を始めますが、いつのまにか消えてしまい、今度は鷹を追って鷹匠が現れます。その後、犬とじゃれつきながら座頭が去り、いなせな船頭が現れて踊ります。船頭が去り、再び藤娘が現れたのですが、落ちた鐘の中に姿を消します。しかし、弁慶が祈ると鐘から大津絵の鬼が現れ、駆けつけた矢の根の五郎が祈り伏せるのでした。
 大津絵の中に登場する五役を一人の俳優が踊り分ける演出がみどころの舞踊劇をお楽しみください。
 ラブリンの藤娘→鷹匠→座頭→船頭→藤娘→鬼の変化が面白かった。

三、沼津(ぬまづ)
生き別れた親子の悲しい再会の物語
 東海道を旅する呉服屋十兵衛は、沼津のはずれで出会った雲助の平作に頼みこまれ、荷物を持たせることにします。しかし、年老いた平作は怪我をしてしまい、十兵衛は印籠の妙薬で平作を治療します。先を急ぐ十兵衛でしたが、平作の娘お米にひと目惚れしてしまい、平作の家に立ち寄ることにします。その夜、平作から薬の話を聞いたお米は、病に臥している夫のことを思い十兵衛の印籠を盗もうとします。お米と平作の話を聞いていた十兵衛は、驚くべき事実に気づき…。
 偶然が重なって起きた悲劇を巧みに描いた義太夫狂言の名作をご覧いただきます。

 途中意識朦朧になってしまったので、なぜ十兵衛が平作と親子だと気づいたのか、なぜお米の夫の敵筋に十兵衛が属しているのかがよくわからず、クライマックスに涙がにじんでこなかった(汗)。

夜の部

一、井伊大老(いいたいろう)
国難に立ち向かった男の心情を描いた名作
 開国か攘夷かで国中が揺れていた幕末。大老井伊直弼は、開国を断行し暗殺の危機にさらされています。雛祭りの前夜、幼くして命を落とした娘鶴姫の命日に、直弼の旧知の仲である仙英禅師は井伊家の下屋敷を訪れ、側室お静の方に直弼に危機が迫っていることを明かします。下屋敷に現れた直弼は、これから起こるであろう自らの運命を悟り、しんしんと雪が降る中、お静の方と酒を酌み交わし二人きりで語り合うのでした。
 北條秀司の名作の一つで、井伊直弼が桜田門外で暗殺される前夜の様子を描いた作品です。美しい桃の節句の雛壇の前で通わせる夫婦の情愛が心を打ちます。

 昭和30年につくられた芝居で本来よりも幕や場が少ないみたいなのだが、私には全然作品に入り込めなかった。①井伊直弼意外に違う場に登場する人物がいず、ぶつ切りのような印象。②大きなアクションがなく、花道も一度も使われなかった。内面描写の現代劇風なスタイルはいいが静かすぎる。③幸四郎の直弼と玉三郎のお静が全然合っておらず、貧しい武士の部屋住みから大名になって不幸せになったという年月の積み重ねが感じられない④井伊直弼が三月四日に桜田門近い自宅から出仕しようとしたところを水戸浪士に暗殺されたという史実を知っていると、前の日に世田谷の下屋敷で側室と一緒に過ごす夜という設定は何らか説明がないと無理がある。

二、上 越後獅子(えちごじし)
旅芸人の哀愁を軽妙な踊りで表す舞踊劇
 江戸日本橋。遠く越後の国からやってきて、踊りや軽業を見せて稼いでいる角兵衛獅子が現れます。角兵衛獅子は浜歌やおけさ節、最後には布を波に見立てた布さらしを披露するのでした。
 五世中村富十郎が得意とした演目でこの度、七回忌追善狂言として上演いたします。
 鷹之質の若々しく軽やかな踊りが出色。

  下 傾城(けいせい)
吉原の情景を艶やかな舞踊で魅せる一幕
 吉原仲之町の廓のとある座敷に、吉原一の美貌を誇る松の位の傾城が姿を現します。傾城は愛しい間夫への心情や吉原での出来事を移りゆく四季の詞章に乗せて艶やかに踊ります。四季折々の風情あふれる美しい舞踊をご堪能ください。
玉さまもちろん美しいのだけど打ち掛けファッションショーみたいで勿体ない。

三、秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)
四十七士の活躍を陰から見守るもう一つの忠臣蔵
 元禄15年12月13日、俳諧師宝井其角は弟子で赤穂浪士の大高源吾に出会います。源吾は「明日待たるるその宝船」と詠んで、その場を去っていきます。翌日、松浦鎮信の屋敷で句会が催されます。鎮信は赤穂浪士が一年経っても未だ仇討ちをしないことに腹を立て、源吾の妹で松浦家に奉公しているお縫に暇を与えますが、其角から源吾の付句の話を聞き、その意味を思案します。そこへ、隣の吉良邸から陣太鼓が鳴り響き、鎮信は赤穂浪士の討入を悟るのでした。
 秀山十種の一つであり、赤穂浪士の吉良邸討入の前日から当日を描いた、忠臣蔵外伝物のなかでも屈指の名作です。
 ストーリーとしては今日一番面白かった。松浦の殿様をやった染五郎はたぶん年取った役者さんがやったように演じてちょっとすべったんじゃないかな。「ばかもの」を連発していたが味がなかった。
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