立川談春独演会＠横浜にぎわい座 三月公演

　今月の公演も聴けて嬉しいです。



　開口一番は前座の春太さんによる「湯屋番」。若旦那キャラが似合う色白細身さんだったけど、「湯屋番」でほとんど笑えないって……(苦笑)。番台に上がって妄想にふける若旦那の浮かれっぷりを、もっとデフォルメしてもいいのになぁ。

　談春師匠、今日のまくらは最近の気候やら政治の話題やら先月亡くなった玉置館長のことやら弟子の教育のことやら、前回に比べて雑駁でやや長い感じでした。たぶん、開口一番で観客が温まってなかったので、間合いをはかってたんでしょうね。

　四宿の解説に始まり、ちょっと品川の描写が長いので品川が舞台かなと思ったら、新宿を舞台にした『文違い』でした。談春師匠が描くお杉は、金を無心していた常連客に頭を下げさせる凄腕の宿場女郎である一方、惚れた男にはてんで頭が上がらない……すれっからしなのに、どこかかわいげがあるのがよかった。でも一番可愛かったのは常連客のひとり「たの字」こと角蔵さん……小金持ちだけど田舎者の角蔵を笑いものにする作品ながら、談春師の角蔵さんはほのぼのとして可愛い(^^)。

　中入り後は予告の「火事息子」。老母の立ち居振る舞いとか言葉遣いとか、実家の母を思い出してぼろぼろに泣けました。

　最後に、先月亡くなった玉置館長を偲ぶ挨拶付き。玉置館長が倒れられたのは先月の談春さん公演の翌日だったと聞いて、しんみりしました。玉置館長が軌道に乗せた横浜にぎわい座、また足を運びたく思います。