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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 昨日は画像と一言だけだったので、続き。
 先日のTBS『落語研究会プレミアム』志の輔さんの「三方一両損」視聴率は3.3パーセントだったそうです。土曜日の午後、落語番組としてはよかったんでしょうね。お礼の掲示に「ご協力ありがとう~ 第2回に向けて頑張ります」とメッセージが。また面白い番組を放送してくださいね。

「よいよい蕎麦」 三遊亭夢吉 

 あまり高座にかからない作品を選んだとか。事前の打ち合わせで「後半、放送禁止用語連発しますがいいんですか」と訊いたら「二つ目さんの場合は、よほど出来がよいか、人気のある方の高座しか放送しませんから」と答えられた……で、笑いを取った。
 タイトルに放送禁止用語が入ってるのね^_^;。
落語あらすじ事典千字寄席 よいよい蕎麦 1落語あらすじ事典千字寄席 よいよい蕎麦 2
落語あらすじ事典 千字寄席 よいよい蕎麦 3 田舎者の知ったかぶりを笑うという、落語にありがちな展開。
 お腹が空いた相棒のために腹にたまるものを買ってやろうと、何かわららず「たどん」を買って相棒に食わせようとする。
 次は蕎麦屋に入って、蕎麦の食べ方がわからない(救荒作物の蕎麦を知らない田舎者がいるのかとツッコミ入れたいところです。ま、蕎麦がきや蕎麦粥は食べるけど、蕎麦切りは知らないと解釈するしかないですな^_^;)。せいろに乗った蕎麦の上からつゆをかけて座卓毎びしょびしょにしてしまうとか、タダだときいてつけつゆに唐辛子を山ほど入れてしまうとか、蕎麦を端から食べようとしてうまくいかず、相棒を寝そべらせて開けた口に蕎麦を端から入れるとか。
 そこに江戸ッ子が入ってきて見事な蕎麦の食べ方を披露。ところが、その蕎麦にアブラムシが入っていたと、店員を叱りつけて出て行ってしまう。
 捨て台詞の「よいよいっ」だけが聴き取れた田舎者が店員を意味を聞くと、決まりが悪い店員は「江戸の流行言葉で『よい』の重ね言葉です」と説明。
 これを知った田舎者、芝居を見に行って、さっそくその流行言葉で役者に声援を送ろうと……(汗)。
 なかなか面白い噺でした。 

「不動坊火焔」 春風亭柳朝
 柳朝さん、とても痩せてるので、幽霊役になる落語家がお似合いでした(笑)。今まで録音でしか聴いたことがなかったので、仕草が入るとますます面白い噺なんだ~と得心。
 お滝さんとの祝言が決まった吉さんが、仮祝言前にこざっぱりしようと風呂屋へ(手ぬぐいの代わりに、うっかり鉄瓶を持ってきてしまうところからして、お間抜け)。そこで「湯屋番」の若旦那よろしく、お滝さんとのアツアツな会話を妄想。その独り言を聞いた別の客が勘違いして、湯船の湯を沸かせたり水を足させたり、その場面がまずとても楽しい。
 そして、憧れのお滝さんを吉公に取られてくやしがる独身男三人が、不動坊火焔の幽霊を出して吉公とお滝さんの仮祝言をぶち壊そうとする。 ところが、小道具に出す予定の火の玉を燃やすアルコールはあんころ(万ちゃんが、隣町の菓子屋まで行って買ってきた)、「ひゅーどろどろ」の効果音はチンドン屋さんの太鼓そのままでちっとも怖くない。しまいに吉さんが幽霊を怖がらずにくってかかる始末。
 爆笑爆笑、いい高座でした。

「天狗裁き」 柳家花緑
 「皆さんこんばんは」と折り目正しいご挨拶。今日みたいに落語が好きな方々の前で落語ができるのは幸せだと、学校寄席ではこうはいかない。先日の学校寄席でもらった感想文は「落語はつまらないものだと思っていましたが、今日のは面白かったです。よく精進されましたね」とか……「落語はつまらないものだと思ってましたって、どこでどんな落語を聞いてつまらないものだという気持ちになったんでしょうね。皆さんどう思います?」と、ひとつ。
 さらにもうひとつ、マクラ。花緑さんのマクラはつまらなそうにぼそぼそ喋る感じで、ちょっと長いのだけど……芝居に出演することになって、その前日、袖から舞台に出ようとして出られないという夢を見た。というのも、目の前にミッキーマウスをかぶった米朝師匠が「ちゅーっと言えばいいんやな?」とお弟子さんと言ってて、出るに出られなかった……という辺りの描写で笑っちゃった。
 今日の「天狗裁き」は、その米朝師匠に稽古をつけていただいたお噺でして……って、そういうマクラかーい^_^;。
 「天狗裁き」に入ったら途端に活き活きとメリハリをつけて役柄に入っていった花緑さん。ところが好事魔多し、いいところで楽屋辺りで「がたーんっ」と大きな物音が(汗)。
 それがかえって花緑さんのやる気を煽ったのか、ノリノリ。大家さんはに何となく小さんの風貌が見えたし、お奉行様も天狗も活き活きしてました。

「辰巳の辻占」 瀧川鯉昇
 最初にお辞儀をした後、無言でにこにこして観客を見渡すだけで、観客爆笑……居住まいだけで笑える落語家って、素晴らしいです。
 「ご存じないかも知れませんが近所の田中さんがですね」って、また爆笑。骨が強くなるサプリをもらったんだそうです。でも、飲み始めたのがこの年齢だから、効果が出たかどうかわかるのは、「骨上げの時でしょうね」で、また爆笑。
 そこから「辰巳の辻占」へ。辻占煎餅、日本版フォーチュンクッキーが出てくるお噺なんですね。「辰巳」は江戸から見て東南の方角にある深川の岡場所のこと。
wikipedia 辰巳の辻占
 お人好しでちょっと飲み込みが悪い伊之助が、絶妙。「いち、に、の、さん」でドボンと大川に飛び込んでくれない伊之助に間の取り方を教えるために、紅梅さんは『梅は咲いたか』の歌い出しのレクチャーまで始める始末。
 くすぐりの中に「男は辛抱が肝心。魚雷を撃ち込まれても喧嘩を売れない国もある」という時事ネタが混ぜ込んでありました。
 とにかく間の取り方だけで笑える。笑い疲れるぐらい笑わせていただきました。

「柳田格之進」 古今亭志ん輔
落語あらすじ事典 千字寄席 柳田格之進
 この噺、父親の武士の面目のために廓に身を沈めてしまう娘のお絹さんの行動とその結末が哀れで、なかなか共鳴しづらい噺だと思ってました。パンフレットによると、志ん輔さんも志ん朝師匠の持ちネタのうち「二大かけたくない噺」のひとつなんだとか。娘さんについて「『これなら』という工夫が浮かんだ」とのことで、期待して聞きました。
 柳田格之進は彦根藩井伊家に仕えていたという設定になってました。口調や表情、たたずまいに、なるほど讒言によって浪人とはなっても品格や誇りを失っていない一廉の人物であるなあと感じさせられました。
 また、そんな柳田に店の五十両を取ったという疑いを抱いて勝手に問い詰めに行く番頭の行動原理に、長年尽くしてきた旦那様のお気に入りになった柳田への「男の嫉妬」という点を強調し、方向を誤った忠誠心を発揮させてしまうという解説を入れていることで、素直にその展開を聴けたと思います。
 志ん朝仕込みの声と口調、たっぷり聴かせていただきました。数少ない笑いどころ以外、観客席は水を打ったよう。私も聴きいりました。
 おきぬさんのその後、多少なりとも救いがあると思いました(身請けした娘を番頭と結婚させるという「ハッピーエンド」版とやらは「父にあらぬ疑いをかけた番頭なんかと結婚させられるって、どこがハッピーエンド(≧_≦)」と思います)。

 今回の落語研究会も充実した番組でした。









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