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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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『長州戦争――幕府瓦解への岐路』野口武彦(中公新書) リンク先はamazon.cojp



 野口武彦の幕末モノは、大抵「見ず転」で買ってしまう(^^ゞ。しかし、後悔したことはない。



 今回の『長州戦争』も面白かった。腰帯の惹句「幕府はなぜ《やらなければよかった戦争》を始めてしまったのか」が本の内容のすべてを言い表しているのだけど、幕府側長州側の記録を両方もとにしてこの戦争の前後を書いている本は余りないと思うので……というのは、敗者にありがちなことだけど、幕府側がきちんと敗因を総括しないままに瓦解に突入してしまって、ろくな記録がないのだ。それを、様々な記録で補完しながら再現してくれている。



 一番印象に残ったのは、188ページ。銃で近代化した長州の銃砲になすすべもない幕府軍側について述べたところ。



 「こちらの弾丸は届かないのに、自軍は敵の着弾距離に入って命中弾を浴びる。ミニエー銃は戦闘の様相を一変させ、これまでの常識をくつがえした。生きるか死ぬかの戦闘ではリアリズムしか通用しない。戦場で生き残るための知恵がさっそく口から口へと伝えられた。槍・刀は無用である。そればかりか、具足・籠手・脛当の類は役に立たないばかりでなく、かえって有害だという情報である」。



 ……後の鳥羽伏見の戦いでもまったく同じことの繰り返しなのだな(嘆息)。



 そして、鳥羽伏見の戦いを振り返って土方歳三が依田学海に語った言葉が「戎器(武器)、砲にあらざれば不可。僕、剣を佩【は】き(おび)槍を執る。一に用いるところなし」……上記の記述を読んでいて、すぐに蘇った。
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