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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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『黒船以降――政治家と官僚の条件』山内昌之・中村彰彦(中央公論新社) リンク先はamazon.co.jp



 とりあえず、今年に入って読んだ本の中で最も知的に刺激された本……といっても、まだ2月ですが(苦笑)。



 前作『江戸の構造改革――パックス・トクガワーナの時代』(リンク先はamazon.co.jp)が面白かったので、今回も期待していた。まして、歴史小説家の中村彰彦氏は、幕末から明治にかけての作品が多く、史料をもとにして緻密な小説を書いており、この時代を語るのは得意だろうと思ったし。



 明治維新をもって日本の近代は始まり、それ以前は暗黒の封建的な時代だったという時代認識を持っている方には合わない本だろうと思うが、5回にわたる対談、私にはどの回も面白かった。章ごとのタイトルを抜き書きすると、以下の通り。

・徳川官僚の遺産―阿部正広政権をどう評価するか

・徳川斉昭と水戸学―その歴史的役割は何だったのか

・薩摩と長州―明治維新の勝ち組

・一会桑―京都における幕府権力の破綻

・ふたたび徳川官僚の遺産―遺臣たちの明治時代



 とりあえず『風雲児たち』(全20巻)と『風雲児たち 幕末編』(現在は第8巻まで刊行)を通読していると、おふたりの対談の7割5分ぐらいはついていけるんじゃないだろうか。長州と薩摩の比較論なんか、まさしく『風雲児たち』の関ヶ原の戦いから始まる最初の3冊が参考書としてぴったりだし、一会桑勢力における会津藩の気風を知るには『風雲児たち』の保科正之公としずかちゃん(笑)のラブストーリーを読んでおくとわかりやすい。そして、水戸藩の成り立ちをはじめ御三家・御三卿の成り立ちと徳川宗家との関係も『風雲児たち』にわかりやすく描かれている。



 もちろん、こうした歴史対談を読む時に、自分の歴史観が対談者のおふたりの歴史観とどの程度合っているか、という点が、「よかった」「面白かった」という感想と相関関係にあると思う。私の場合には、かなり近かった。たとえば、明治時代の榎本武揚や勝海舟に好意的で(あえてこのふたりを比べれば、私は個人的に勝海舟はあまり好きじゃないのだが)、ふたりを批判した福沢諭吉に厳しい、とか、そういう点で視点が近ければ「面白い」と思う確率は高いだろう。同様に、水戸斉昭や徳川慶喜に対してかなり点が辛いのを受け容れられるかどうかとか、坂本龍馬暗殺事件の黒幕は誰だったかという推理が近かったら「面白い」とおもうかも知れないけど、まったく違う見方をしている方は読者として向かないかも知れない。私の場合は8割5分以上フィットしていたので、違和感なく読めたし、面白かった。
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