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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
『現代兵庫県人物史』縣友社(明治44年発行、明治45年再版)



 兵庫県出身の名士からの聞き書きスタイルで半生を描く本でした。大鳥圭介については6.5ページほど割かれている他、表紙を開いて真っ先に出てくる書が如楓圭介先生の書でした。



 冒頭。「明治の功臣少なからぬ中に、その閲歴性行の上に於いて異彩を放つものは男大鳥圭介翁である、而して翁と出処進退の相似たるものとしては榎本武揚子もある、共に幕末の重鎮として各々陸海の軍を統率し頽勢を擁して薩長に抗し、然かも大勢の推移時運の趨向を洞察するや飜然軍を解きて降り、後ちには明治政府に重きを成して維新の大業を翼賛し、勲功赫灼たるが如きは洵に群豪中の異彩である。而して今熟ら翁の人物性行に就て観るに、翁は決して事務的の才や、又他に特越せる技能を有すると云ふ譯けではなく、其器は寧ろ、より以上に大にして豪邁果断而して克く大勢を達観し大局を統べると云ふ英雄豪傑的の人物である」……後世のファンに「ヘタレ」とか「スーダラ」とか言われる人とは思えないです(爆)。



 日清戦争における大鳥圭介の役割が同時代的にどう受け止められたかということや、同郷の名士録における文章であることも、割り引いて考えねばなりませんが。



 で、国府津の別荘で引退している大鳥圭介にインタビューするわけですが。

「翁は今茲七十九歳の高齢に達し○(「サンズイ」に「胃」)濱の波、面てにたためり病後稍衰へて見えたが、遉に當年の覇気眉宇の間に顕れ毫も心神に衰耄の状を見ない、直情径行思ったことは之を言ひ言ふことは必ず之を行ふと云ふ人である、最も親切な態度で語らるる様」

 「直情径行」以下が、くすっと笑えました。



 略歴に先だって、日清戦争での大鳥さんの役割が一章分。

 次いで、出生から適塾時代。エピソードとしては、友達と計って酒瓶に水を入れて「当たり屋」をして酒代をせしめたという武勇伝(汗)、貧乏書生どっぷりだったが翻訳でまとまった金を得たので親しい友人たちの分合わせて三人分の着物を揃えて鎌倉江ノ島に遊びに行ったという微笑ましいエピソードが紹介されています。

 「維新戦争と大鳥の洒落」という項では、鳥羽伏見から五稜郭、そして獄中時代。獄中時代のエピソードが獄中日記より引用されています。

 明治政府における事績と、漢詩が三編。家族の消息。

 付記として、この書を編集中に大鳥圭介死去の報を聞き、悼む編集子の文章が約半ページ。
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