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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 昨日は立川志の輔の新作落語『はんどたおる』がツボにはまって、涙ぽろぽろこぼしながら笑い転げました。痩せたい痩せたいと言いながらシュークリームをバクバク食うおばちゃん、あなたは私です(汗)。

茨城
桜田門外ノ変オープンセットを見よう
 幕末の城下町にあなたもタイムスリップ――、水戸藩開藩400年を記念して製作される映画「桜田門外ノ変」のオープンセットが水戸市の千波湖畔に10日、完成する。大老井伊直弼を襲撃するシーンなどの撮影開始は20日からの予定。これに先立ち、「桜田門外ノ変」映画化支援の会は14~17日の4日間、小中学生(要応募)に無料でセットを公開する。
 オープンセットは、襲撃の現場である江戸城桜田門周辺や井伊直弼の彦根藩邸、米沢藩邸などが100メートル近く並ぶ。桜田門周辺は城郭や江戸城などが4~5階建てで、周辺に堀を造って水を張っている。
 現在はセットの外観が見放題だが、撮影が始まる20日以降は外側に囲いをめぐらすため、内部の様子は見られなくなる。オープンセットでの撮影は2月18日ぐらいまで。2月1~4日は、井伊直弼を襲撃した雪の日をセットに再現し、ハイライトの襲撃シーンを撮影する。
 一般公開は梅まつりに合わせ、2月20日~4月4日で、当日券は800円。
 オープンセットは撮影終了後は改修され、桜田門外の変に関する資料などの記念展示館になる予定。4月24日のオープンを目指す。小中学生の無料公開に関する問い合わせは同支援の会(029・303・0310)へ。


東京
原宿・浮世絵専門「太田記念美術館」が30周年-名品一挙公開
 原宿の浮世絵専門美術館「太田記念美術館」(渋谷区神宮前1、TEL 03-3403-0880)が今年1月に30周年を迎え、1月3日より名品を一堂に公開する特別記念展「江戸の彩(いろどり) 珠玉の浮世絵コレクション」を開催している。
 同館は1977(昭和52)年、銀座を拠点に活動をスタート。準備期間を経て1980(昭和55)年に、ラフォーレ原宿近くに正式に開館し、今年1月で30周年を迎えた。東邦生命会長を勤めた故・五代太田清藏氏が、多くの浮世絵が欧米へ流出したことを嘆き、大正末期から没年(1977年)までに収集した浮世絵コレクション約1万2千点を中心に所蔵する。
 作品の保存状態の良さに定評があり、靴を脱ぎ畳に座って展示を鑑賞することができる内装も特徴。外国人観光客も含めて毎年4~5万人が来館し、最近では葛飾北斎の肉筆画の優品「雨中の虎」がギメ東洋美術館所蔵の「龍図」と対幅であったことが発見され、話題を呼んだ。
 開館30周年を記念した会場では、菱川派から始まり、錦絵を草創した鈴木春信、寛政時代に人気を博した喜多川歌麿や東洲斎写楽、天保時代に名所絵で名を馳せた葛飾北斎や歌川広重、幕末・明治の錦絵や大正新版画まで、200年以上におよぶ浮世絵の歴史を一望する所蔵展を開催。前期(~1月26日)と後期(同30日~2月24日)にわたって、鳥居清長「真崎の月見」、喜多川歌麿「冨本豊ひな」、葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」、小林清親「猫と提灯」などを公開する。
 浮世絵の顔料は光などに当たるとすぐに劣化するため、名品になればなるほど展示される機会は限られるが、今回は「当館の所蔵する浮世絵の中でも名品ばかりを選りすぐった。数年に一度しか見られないような作品を一堂に展観できる機会」(太田記念美術館担当者)。今後については、「浮世絵の持つたくさんの魅力を、さまざまな企画を通して紹介していきたい」とも。
 開館時間は10時30分~17時30分。月曜休館(祝日の場合は翌火曜休館)。入場料は、一般=1,000円ほか。2月24日まで。


京都
【おいしい日本 美味・安心の追求】京の湯豆腐
□お店 わら(京都市北区)

 ■“隠れ家”で心もほっこり

 今日は人日(じんじつ)の節句。七草かゆを食べると、病気にかからず長生きするというが、湯豆腐もヘルシーで体にやさしい。
 湯豆腐といえば、京都だ。山と自然に囲まれ、良質な水がわき出て、美味な豆腐ができる。数多くある寺では精進料理として使用したため、味の改良がすすんだ。南禅寺や嵯峨野は湯豆腐のメッカとして知られるが、金閣寺に近い北区衣笠の住宅街に隠れ家的割烹(かっぽう)がある。近くに安産に御利益がある「わら天神」(京都市北区衣笠天神森町)があり、店名を「わら」という。40年前から民家を改造して川口治夫さんと妻の富子さんが切り盛りする玄関に入ると、知人宅に招かれたようにくつろげる。
 「ひととおり」を注文すると、まず、自家製「ごま豆腐」をワサビとサンショウでいただく。「とろろ」はうずらのタマゴを落としている。
 メーンの「湯豆腐」は、あらかじめ特製土鍋にアルカリ水と北海道の利尻コンブを入れて沸かせ、北野天神近くの山本豆腐店で仕入れた、やわらかく、のど越しのよい木綿豆腐、白菜、三つ葉、ユズを温めたのが出る。特製の卓上コンロでさらに温めるのだが、あまり火を通しすぎずに、カツオとコンブのダシにしょうゆを合わせた秘伝の濃いめのタレにつけて食べるのがポイント。「豆腐を炊きすぎると、鬆(す)が入って(できて)しまう」(富子さん)ためだ。鍋から湯気が上がり、沸騰する直前、取り出して口に運ぶと、とろけるような固さの中になめらかな大豆の甘さが感じられる。あつあつの豆腐は、ほっこり身も心も温めてくれる。
 このほか8種類(にんじん、かぼちゃ、さつまいも、のり、れんこん、しいたけ、ゆば、アオトウガラシ)の精進揚げ。そして酒とショウガで炊いたショウガごはんを漬物でいただく。ヘルシーだが、ボリュームたっぷりだ。
 中国で生まれた豆腐が初めて日本に入ってきたのは奈良時代で、遣唐使が持ち込んだといわれている。禅寺の精進料理として洗練される中、油たっぷりの中国とは異なり、あっさり味の豆腐料理が広がった。その過程で湯豆腐も生まれたとみられる。
 大豆をすりつぶす手間がかかっていたが、室町時代に石臼の普及で量産が可能になり、全国に浸透。江戸時代に入ると、庶民の味となり、社寺の門前に精進料理を参拝者に出す店が増えた。今や、日本人の約8割が週に1度は食べるといわれる豆腐は、中国生まれの日本文化そのものかもしれない。
 わらのレシピは、もともと川口さんの母親が高台寺(京都市東山区)の塔頭(たっちゅう)、月真院(げっしんいん)で十数年間、精進料理として出していたものを引き継いでいる。月真院といえば、幕末、新選組参謀、伊東甲子太郎(いとうかしたろう)とその一派が勇らとたもとを分かち、勤王倒幕の御陵衛士(ごりようえじ)として屯所を構えたところ。知る人ぞ知る名店として、全国から常連客が訪れるのも、こういう由緒と無縁ではない。富子さんは胸を張った。
 「住宅街の店まで、来ていただけるようにお客様の期待を裏切らないように伝統を守っていきたいですね」(文 岡部伸)

                   ◇

 【わら】京都市北区衣笠総門町13の3▽TEL075・461・5386▽営業時間 12時~21時(予約が望ましい)▽水曜日定休▽湯豆腐980円、ごま豆腐480円、とろろ480円、精進揚げ880円、ショウガごはん430円、ひととおり3250円

 月真院ゆかりの湯豆腐……いただいてみたいなぁ。



岡山
六島のスイセンツアー募る
 スイセンが自生する笠岡市の六島(むしま)を日帰りで訪れ、群れ咲く白と黄のかれんな花を観賞する「六島水仙浴ツアー」が17日にある。NPO法人、かさおか島づくり海社(がいしゃ)が主催する。
 午前10時に笠岡港を出航。六島灯台が立つ丘など一周約4キロの島あちこちに広がる群生地を思い思いに散策し、笠岡諸島の産物でつくった弁当「しまべん」を味わう。灯台内部の見学も予定。丘からは幕末に坂本竜馬が乗っていたいろは丸と紀州藩の軍艦が衝突し、いろは丸が沈没した海域も望める。午後4時ごろ、笠岡港に戻る。大人3500円、小中学生2500円。定員60人。申し込み先着順。市観光連盟=電話0865(69)2147。



高知
幕末維新の土佐・探訪図絵:志士たちの軌跡や文化紹介 合同企画展も /高知
◇こうちミュージアムネットワーク作製
 県内約50カ所の文化施設でつくる「こうちミュージアムネットワーク」は、幕末から明治維新にかけて活躍した志士たちの軌跡や文化を紹介する「幕末維新の土佐・探訪図絵」を作製した。県内各地での配布に加え、16日から始まる土佐・龍馬であい博のホームーページ(http://ryoma‐deaihaku.jp/tanbou‐zue.html)でもダウンロードできる。【服部陽】
 大河ドラマ「龍馬伝」の放映に合わせて企画。昨年8月から開く学芸員による巡回講座「幕末ゆめ道場」のテキストとして各館の学芸員が執筆を担当。観光客増にもつなげようと、1万1000部を作った。
 図絵(A4判、41ページ)では、坂本龍馬など幕末の土佐藩にかかわる人物相関図や年表を掲載。県内を東部▽中部▽高知城下▽西部--に分け、志士にまつわる史跡を紹介している。さらに漫画に登場した志士を説明するコーナーもある。表紙には江戸時代の高知の地図を使った。
 同ネットでは図絵に加え「志の時代展」と題して、14館での合同企画展を開催。5月までの前期では「龍馬のルーツ」(12日から、県立坂本龍馬記念館)や「龍馬を描いた文学者たち」(2月1日から、県立文学館)などがある。
 同ネットの事務局を務める県文化財団(088・866・8013)は「図絵を見て県内各地を訪ねてもらい、高知の魅力を知ってもらえれば」と話している。


桂浜に鎮座する龍馬像は誰が作ったの?
 高知県の浦戸半島の先端に位置する桂浜に、太平洋のはるか遠くを臨む坂本龍馬像がある。テレビなどでも頻繁に紹介されているこの銅像、見たことがない人でもどんなものかは想像つく方も多いはず。高さが約5m、台座と合わせるとなんと13mに達する巨大な造形物だが、この銅像がいかにして造られたのか、そのエピソードはそれほど知られていない。
 台座に掘られている建設者の名前は「高知縣青年」とあり、具体的な人物の名前は記されていない。実は、この銅像が造られたのは1928年、龍馬像の除幕式が取り行われたのは同年5月27日のこと。実際に発起人となったのは、当時早稲田大学の学生だった入交好保という人物で、後に事業家となり県政顧問などを務めるなど高知県における社会労働運動の指導者の一人だ。
 坂本龍馬に心酔していた入交氏は、その功績を後世に伝えるため「坂本龍馬先生銅像建設会」を仲間3人と発足、新聞で銅像建設を呼びかけた。その呼びかけに賛同した彫刻家の島村治文や"土佐の交通王"と呼ばれた野村茂久馬の助けを借りながら、無銭旅行で県内を遊説し募金活動を実施、活動を盛り上げるために映画を企画するなど多方面への働きかけを行った。
 さらに、龍馬や中岡慎太郎と交友のあった元宮内大臣伯爵である田中光顕を訪れて協力を打診、伯爵の働きかけもあり秩父宮殿下から200円の御下賜金を頂くことに成功したのだ。このことがきっかけで、高知県も本格的に寄付集めに乗り出し、ついに目標としていた募金額に到達、銅像建設が進められることになったという経緯がある。ちなみに、銅像は島村氏の先輩で高村光雲に学んだ宿毛市出身の彫刻家、本山白雲が制作した。
 当時はそれほど人気があるわけでもなかった龍馬だったが、入交氏の強い想いが銅像を完成させた。幕末を駆け抜けた龍馬が今なお輝いて見えるのは、入交氏のように龍馬を愛する人たちのおかげだろう。
 HNK大河ドラマで龍馬を演じる福山雅治さんの印象、ぜひ入交氏に聞いてみたいものだ。


龍馬博 主会場整う
航海疑似体験/幕末の旅籠

 16日に開幕する土佐・龍馬であい博(龍馬博)のメーン会場となるJR高知駅南側の大河ドラマ資料館「高知・龍馬ろまん社中」と観光情報発信館「とさてらす」で、展示物の設営などの準備がほぼ整った。大海原の航海を疑似体験できるコーナーや、幕末の旅籠(はたご)を再現した部分などがあり、出迎えた観光客に坂本龍馬ら志士の活躍の舞台を感じてもらえそう。
 ともに県産木材を多用した木造平屋。駅改札を出て右に進んで最初に立つのが観光案内所の役割を果たす「とさてらす」で、そのさらに南側に「ろまん社中」がある。
 「ろまん社中」では、入り口から巡に、ジオラマや映像などで龍馬の足跡がたどれる。幼少期、江戸での剣術修業、航海術を鍛えた神戸の海軍操練所、長崎の貿易商社・亀山社中の設立などについて紹介。帆船の帆が立つ海軍操練所のブースでは、幅5メートル程度の大きなスクリーンに風景や夜空などを映し出し、ロープ結びなども挑戦でき、航海の一日を疑似体験できる。龍馬の格好で記念撮影できるコーナーもある。
 「とさてらす」の内部は町家をイメージしたブースが連なり、土産物の販売店や、伝統工芸品、祭り、ドラマ関連グッズを紹介するコーナーがある。入り口には県全域を立体的に紹介するジオラマを設置。県内を6ブロックに分け、新しい観光紹介ビデオを放映するシアターもある。京都の旅籠をイメージしたコーナーでは、開館時には漫画「おーい!竜馬」のキャラクターが窓から顔を出す予定。
 昨年12月から情報発信館職員の研修を進めており、現在は土産物の搬入や設備の調整など準備は最終段階。県土佐・龍馬であい博推進課の担当者は「観光客らに、高知の魅力を十分に伝えたい」と意気込んでいる。龍馬博の会場は、メーンとなる高知市のほか、サテライト会場が安芸市、梼原町、土佐清水市に設けられる。
 入場料はメーン会場が500円(小中学生は250円、前売りは400円と200円)、サテライト会場が200円(小中学生は100円)で、すべてに入場できる「通行手形」は700円。前売り券などは全国のコンビニエンスストアやプレイガイドで購入できる。
 問い合わせは同課(088・823・9706)。


幕末維新の土佐・探訪図絵:志士たちの軌跡や文化紹介 合同企画展も /高知
◇こうちミュージアムネットワーク作製
 県内約50カ所の文化施設でつくる「こうちミュージアムネットワーク」は、幕末から明治維新にかけて活躍した志士たちの軌跡や文化を紹介する「幕末維新の土佐・探訪図絵」を作製した。県内各地での配布に加え、16日から始まる土佐・龍馬であい博のホームーページ(http://ryoma‐deaihaku.jp/tanbou‐zue.html)でもダウンロードできる。【服部陽】
 大河ドラマ「龍馬伝」の放映に合わせて企画。昨年8月から開く学芸員による巡回講座「幕末ゆめ道場」のテキストとして各館の学芸員が執筆を担当。観光客増にもつなげようと、1万1000部を作った。
 図絵(A4判、41ページ)では、坂本龍馬など幕末の土佐藩にかかわる人物相関図や年表を掲載。県内を東部▽中部▽高知城下▽西部--に分け、志士にまつわる史跡を紹介している。さらに漫画に登場した志士を説明するコーナーもある。表紙には江戸時代の高知の地図を使った。
 同ネットでは図絵に加え「志の時代展」と題して、14館での合同企画展を開催。5月までの前期では「龍馬のルーツ」(12日から、県立坂本龍馬記念館)や「龍馬を描いた文学者たち」(2月1日から、県立文学館)などがある。
 同ネットの事務局を務める県文化財団(088・866・8013)は「図絵を見て県内各地を訪ねてもらい、高知の魅力を知ってもらえれば」と話している。


山口
本格的幕末映画を山口県の地元企業が制作!吉田松陰生誕180年記念『獄(ひとや)に咲く花』がアツイ!
[シネマトゥデイ映画ニュース] 近代日本の礎を築いた幕末の偉人、吉田松陰生誕180年を記念して地元山口県及び県内企業が後援・協賛して制作された映画『獄(ひとや)に咲く花』の予告編が解禁され、クオリティーの高い本格的時代劇に仕上がっていることがわかった。

映画『獄(ひとや)に咲く花』

 吉田は、江戸幕府終えんという変革の時代に私塾松下村塾を開き、木戸孝允をはじめ久坂玄瑞、伊藤博文、前原一誠など維新の指導者となる人材を育てた教育者であり、明治維新の精神的指導者として知られている。

 テレビドラマ「JIN-仁-」「龍馬伝」「新撰組PEACEMAKER」など幕末ものが話題を呼ぶ中、本作は山口県在住の直木賞受賞作家古川薫の「野山獄相聞妙」を原作に、老中暗殺計画を企て処刑された吉田の短い生涯を女囚久の目を通して描く。

 吉田の地元山口県や県内各企業が後援・協賛し、下関市の映画制作会社グローカル・ピクチャーズが制作。代表取締役であり製作総指揮を務める前田登氏は、下関にある辛子明太子製造メーカー前田海産で財を成した前田一男初代社長の実息に当たる人物。これまでも幕末を舞台にした、松田龍平出演の映画『長州ファイブ』を世に送り出している。

 前田氏は「残念ながら、人や物を愛する心がどんどん失われています。人や物を愛するには、日本を愛し、故郷を愛する心が必要です。今では吉田松陰の名前すら知らない若者が多いのです。昨年の没後150年、今年の生誕180年の期にわれわれの誇り吉田松陰先生を堂々と日本に、世界に知らしめたいと思います」と制作意図を明かす。グローバルとローカルを組み合わせた造語の社名が示すように、地方から世界へ羽ばたく日本映画誕生となるか? 2月6日には山口県内で先行公開が行われる予定。

映画『獄(ひとや)に咲く花』は4月、有楽町スバル座ほかにて全国公開



文化芸能
やっぱりダメ? NHK大河ドラマ『龍馬伝』に黄色信号
 今年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』の第一回目が1月3日に放送された。日本史の中でも最高のネームバリューを持つ坂本龍馬を、好きな男性ランキングなどでは常に上位をキープ、歌手・俳優として活躍する福山雅治が演じる。近年まれにみる強力な布陣でのぞむも、なんと視聴率で昨年の『天地人』の第一回目に負けるという結果になった。
 NHK大河ドラマには“幕末モノは視聴率を稼げない”というジンクスがある。「戦国時代モノは“天下統一”などテーマや目的が非常にわかりやすく、迫力ある合戦シーンも演出できます。しかし、幕末モノは思想や人間関係が入り組み、歴史が好きな視聴者でない限り物語がわかりにくくなる傾向があります」(テレビ局関係者)。ただ例外もあった。「2008年度に放送した『篤姫』は難解な政治背景などは横に置き、ホームドラマのようなつくりにしたのが成功のカギだったのでしょう」(テレビ局関係者)。
 しかし、紅白にも福山雅治を出場させるなど話題性は十分だったはずだ。関係者も動揺を隠せないという。「『天地人』は主役こそ妻夫木聡であったものの、直江兼続という非常にマイナーな人物を取り上げました。それに負けたことはNHKも相当ショックでしょう」(テレビ局関係者)
 2004年の『新選組!』は脚本を知名度のある三谷幸喜が手がけ話題は呼んだが高視聴率をとったとは言いがたい。しかし、第一回目は高視聴率を記録。これが年間の最高視聴率となった。「下手すれば『龍馬伝』も第一回目が最高視聴率だったなんて結果もあるでしょう。そうなればNHKも今後、大河ドラマの放送を考えなおさなければいけない状況になるかもしれません」(テレビ局関係者)。
 第一回目から不安な出だしとなった『龍馬伝』。果たして福山雅治が演じる坂本龍馬はジンクスを破り、新しいNHK大河の歴史を築くことはできるのだろうか? いや個人的には応援したい。

 内外タイムスのコラム……第一回の視聴率が『天地人』に及ばなかったからといって、そこまで話を膨らませなくても^_^;。

「龍馬伝」の経済効果444億円!
 今年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」が3日からスタート。歴史上の人物の中でもファンが多いとされる坂本龍馬を取り上げた作品で、関連商品・サービスが続々と登場しているが、実際のところ経済効果はどのくらいなのか。
 放送開始に先立ち、舞台となる高知、長崎への経済波及効果が試算・発表されている。これによると、高知県への経済効果は約234億円(日銀高知支店試算)、長崎県への経済効果は約210億円(日銀長崎支店試算)。いずれも観光客の増加(直接効果)とそれに伴う間接的な消費増(間接効果)を試算したものだ。ちなみに、2008年の「篤姫」は約296億円(日銀鹿児島支店試算)、2009年の「天地人」は約204億円(日銀新潟支店試算)だった。
 一方、龍馬人気に期待するのは地元だけではない。ユニークなコンセプトの飲食店で知られるダイヤモンドダイニング(本社・東京)は、首都圏に「竜馬が如く」「龍馬外伝」「龍馬邸」という3つの"龍馬居酒屋"を展開。幕末の雰囲気や土佐の郷土料理などで人気を集めているという。また、秋葉原の「戦国メイドカフェ&バーもののぷ」は、昨年11月に1週間の期間限定イベントで"幕末カフェ"をオープン。京都でも昨年10月30日、11月1日の2日間、佛教大の学生らが「龍馬カステラ」を看板メニューに期間限定「幕末北野カフェ」を開き、いずれも盛況だったようだ。さらに、龍馬関連本も相次いで刊行されており、昨年から今年にかけて"街を歩けば龍馬に当たる"ような状況になっている。
 そのほか、大河ドラマの視聴率と株価には連動性があるという調査結果(大和証券SMBC金融証券研究所)も。「龍馬伝」の初回平均視聴率は関東23.2%、関西21.0%(ビデオリサーチ調べ)だった。昨年の「天地人」(関東24.7%、関西21.8%)よりやや低いが、それでも20%を超える好調な出足だ。これから1年の長丁場だが、高視聴率を最後まで維持できるか。ドラマのストーリーも気になるが、関連商品の売上増、さらには株価、景気アップも?!と思うと目が離せなくなりそう。

 書籍関係だけでも龍馬特需はすごいと思います。

元NHKアナ松平氏が案内する歴史ツアーも登場
 今年の大河ドラマが「龍馬伝」とあって、坂本龍馬ゆかりの地が注目されている。生誕の地・高知県では今月16日から来年1月10日まで「土佐・龍馬出あい博」を開催。大手旅行代理店なども龍馬に関連した様々な国内ツアーを企画している。高知だけでなく、後々ドラマの舞台として登場予定の長崎や京都も人気が高いようだ。
 JTBは「熱き志士の足跡をたどる維新伝心の旅 坂本龍馬」と題したパッケージツアーを発売。高知、京都、長崎の他、おりょうとの新婚旅行の地である鹿児島・霧島、勝海舟と長崎へ向かう途中に歩いた阿蘇・熊本・島原へのコースも設けた。近畿日本ツーリストも「竜馬の道」と題し、高知、長崎、京都の3都市でそれぞれ龍馬ゆかりの地を巡るツアーを企画している。
 このように当時の龍馬に思いをはせながら歴史に登場する場所を巡るツアーが多い中、一風変わった龍馬関連ツアーもある。
 ANAは、NHKの番組「そのとき歴史が動いた」のキャスターだった松平定知氏を旅の案内役にした「松平定知先生と巡るANA歴史ツアー」を2~3月に実施予定。龍馬ゆかりの霧島、長崎、高知と、「坂の上の雲」の町・松山の4つのコースが設けられている。
 近畿日本ツーリストは「歴ドル・美甘子と巡る坂本龍馬 幕末歴史検定受験対策ツアー」を企画。3月21日に全国4都市で開催される「第2回坂本龍馬 幕末歴史検定」の参加者向けのツアーだが、歴史上の人物では坂本龍馬が一番好き、という歴ドル・美甘子による講義がついたオプショナルツアー「美甘子と宴会!」も用意されている。
 街巡りでは、長崎市が企画する「長崎さるく」の地元ガイドつきツアー(要予約)が人気で、すでに昨年の10倍もの集客を記録しているとの報道も。また、京都には龍馬の足跡を自転車でたどるサイクリングツアーなどもあり、今後、ドラマの舞台が長崎や京都に移れば、さらに人気は高まるだろう。
 もともと幕末史の中で高い人気を誇る坂本龍馬。今年は大河ドラマでさらに注目度が上がるため、今後も関連のツアーや企画が登場するはずだ。掘り出し物のオモシロツアーを探すのも楽しいかも。

 これまた、龍馬特需……(^^ゞ。

「龍馬伝」の題字を書いたあの人
 いよいよはじまった2010年のNHK大河ドラマは、福山雅治演じる坂本龍馬の生涯を描く「龍馬伝」。大河ドラマとしては1968年に北大路欣也が演じて以来2度目となる龍馬だが、特に目を引くのがその細身の文字に力強さと鋭利な刀を感じさせる題字だろう。今回「龍馬伝」の題字を担当したのは、日本人女性書家として多くの作品を手がける紫舟氏。最近ではスズキが発売した新型アルトのTVCMにも登場するなどその活動は多岐にわたっている。
 過去のNHK大河ドラマを見てみると、妻夫木聡演じる直江兼続が好評を博した「天地人」で題字を作成したのは、講演会や著書をはじめパフォーマンス書道なるライブ活動を数多く手がけている武田双雲氏。東京理科大学理工学部卒でNTTに勤務していたという異色の経歴を持つ。また、宮崎あおいが好演した「篤姫」では、NHKの情報番組「クローズアップ現代」などのタイトルで知られる書家・菊池錦子氏が題字を担当した。
 他にも、1998年に放送された司馬遼太郎原作「徳川慶喜」では、主演を務めた俳優の本木雅弘が、1990年に放送された「翔ぶが如く」では原作者の司馬氏本人が制作している。個人的には、NHK大河ドラマといえば「独眼竜政宗」演じる渡辺謙の強烈なインパクトが今でも思い出深いが、このときの題字は日本刻字協会会長や全日本書道連盟理事を歴任した長揚石氏(本名は長谷川清)の手によるもの。
 ちなみに、1963年放送の第1回NHK大河ドラマは、江戸幕府の大老で桜田門外の変で命を落とした井伊直弼の生涯を描いた「花の生涯」だったが、その題字はなんと彦根市長を務めた経験もある井伊直愛氏。曾祖父が直弼にあたり、ご先祖様を描いたドラマに題字で子孫が参加するという珍しいパターンも。
 NHKドラマでは書道を題材にした漫画を原作した『とめはねっ!』が本日より放送がスタートされるなど、にわかに書道が脚光を浴びている。しかし、プリンタにお任せした年賀状が大量に届いている様子を見るにつけ、ブームの兆しはまだ私のもとには届いていないようだ。



中村獅童、苦い思い出とともに“森の石松役”への思い入れ語る
 俳優の中村雅俊、中村獅童らが7日、都内で行われた時代劇『ジロチョー 清水の次郎長維新伝』(テレビ東京系)の完成披露会見に出席した。森の石松役を務めるのは3回目で、とても思い入れがあるという獅童は、「舞台で座長としてやらせてもらったのが最初。酒気帯び運転で問題を起こした後だったので、次郎長親分から『酒だけは飲んでくれるなよ』、『ヘイ!』っていうお決まりのセリフがあるんですが、観たお客さんからあれはアドリブかと聞かれた苦い思い出があって……それくらい思い入れがあります」と自虐的に過去を振り返り、笑いを誘った。
 同作は動乱の幕末を舞台に、町人としての粋を貫く海道一の大親分・清水次郎長(中村雅俊)とその一家の物語を描いた時代劇で、CGやワイヤーアクションを駆使して制作。また、パチンコ台とドラマを同時進行で制作するという業界初のコラボレーションも実現させており、桶屋の鬼吉役の真木蔵人は、「自分としては3年ぶりで久しぶりの撮影現場だった。(ドラマの)出来上がりよりは、早くパチンコに行って自分の目を揃えたいと思います」とジョーク交じりに語った。
 自身3度目となる清水の次郎長役を演じる中村雅俊は、義理と人情に溢れ、力強い今までの次郎長作品とは一風変わっているという同作について「一番の特徴は、弱い次郎長。人間としての弱さを出してしまう次郎長がこの先どうなるか…ってところですね」とアピール。また次郎長の妻・二代目お蝶役の黒谷友香との20歳以上の年の差がある夫婦役については、「わかんないけど、キャスティングの方は、よく選んでくれた。ただ、本当に嬉しかった!」と素直な感想を語り、黒谷も「こういう夫婦に憧れるなって思って演じました」と撮影を振り返った。
 会見にはほかに小政役の萩原聖人、法印大五郎役の木下ほうか、関東綱五郎役の袴田吉彦、黒駒の勝蔵役の佐野史郎、大政役の内藤剛志が出席。時代劇スペシャル『ジロチョー ~清水の次郎長維新伝~』はテレビ東京系にて13日(水)後9時より放送。




IT
ケータイ国盗り合戦、JR西日本の提供で坂本龍馬の生涯を辿るコースを
公開~ 激動の日本を切り拓いた坂本龍馬の足跡を追え! ~

 株式会社マピオン(東京都千代田区、代表取締役社長 佐藤孝也)は、株式会社ジェイアール東日本企画(東京都渋谷区、代表取締役社長 佐々木信幸)と共同で、弊社が運営する『ケータイ国盗り合戦』にて、西日本旅客鉄道株式会社(以下JR西日本)の提供により、2010年大河ドラマの主人公である坂本龍馬の生涯にスポットを当てた期間限定の武者修行コース「龍馬の足跡をゆく」を公開します。

■ 武者修行コース『龍馬の足跡をゆく』

【実施期間】 旅立ち編:2010年1月16日(土)~3月31日(水)
※プレゼント応募締切は、4月1日(木)正午まで

疾走編:2010年4月1日(木)~6月30日(水)
※プレゼント応募締切は、7月1日(木)正午まで
【URL】 http://kntr.jp/

【利用料金】 無料

【コース内容】
 旅立ち編では、全部で20ヶ所を用意しています。
「龍馬、誕生コース(高知)」…坂本龍馬像(桂浜)など7ヶ所
「龍馬、夢と希望コース(長崎)」…長崎まちなか龍馬館など5ヶ所
「龍馬の夢、お龍の愛コース(下関)」…功山寺など5ヶ所
「龍馬、夢とロマンの足跡コース(鞆の浦)」…いろは丸記念館など2ヶ所
「龍馬、航海術と青春コース(神戸)」…海軍繰錬所跡碑など4ヶ所
「龍馬、終焉コース(京都)」…幕末維新ミュージアム「霊山歴史館」など5ヶ所


【参加方法】
 上記の対象スポットに設置されたQRコードから、専用ページへアクセス。なおスポットによってはQRコードを使用せず位置情報の取得により攻略できるスポットも含まれます。
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■ キャンペーン概要
 激動の幕末を駆け、日本の夜明けを切り拓いた坂本龍馬。彼が生まれた高知に始まり、波乱の一生を終えた京都に至るまで、計20ヶ所に及ぶゆかりの地を巡っていただきます。
 これまでの『ケータイ国盗り合戦』のキャンペーンでは、対象スポットから数km離れた電車内や車中などで位置情報を取得して攻略することが可能でした。
 今回の『龍馬の足跡をゆく』では、現地にQRコードを設置(一部は位置情報を取得)しており、実際に各攻略スポットに訪れ、QRコードからアクセスすることではじめて達成となります。
 計20ヶ所の対象スポットは、全6つのコースに分かれています。それぞれのコースは、最寄の駅から徒歩や二次アクセスを利用して周ることのできる場所で構成されているため、坂本龍馬ゆかりの場所を目で見て手で触れて、これまでの期間限定キャンペーンを超える感動を体感していただくことを期待しております。

■ キャンペーン参加特典
 上記コースのうち1コース以上を達成した方には、『ケータイ国盗り合戦』内の限定アバター「龍馬セット(紺)」と称号「海援隊長」などをプレゼントいたします。

■ 抽選でご当地名産品などをプレゼント
 各コース達成者の中から抽選で、地域ゆかりの名産品を差し上げます。
「龍馬、誕生コース(高知)」…藁焼き鰹タタキ一節・トロ刺身一節セット(5名)
「龍馬、夢と希望コース(長崎)」…長崎ちゃんぽん 皿うどんセット(5名)
「龍馬の夢、お龍の愛コース(下関)」…大吟醸仕込み 関のうに(5名)
「龍馬、夢とロマンの足跡コース(鞆の浦)」…保命酒ケーキ 仙酔仙人(5名)
「龍馬、航海術と青春コース(神戸)」…神戸ワイン(赤)(5名)PORT OF KOBEキャップ(1名)PORT OF KOBEペン(3名)
「龍馬、終焉コース(京都」…あん八ツ橋4種詰合せ(5名)
 さらに、全6コース制覇した方の中から抽選で、素敵なオリジナル賞品をご用意しております。
全6コースクリア…『龍馬の足跡をゆく』オリジナル戦歴プレート(5名)


■ 実施予定プロモーション
 期間中、下記のプロモーション活動を予定しています。
・JR西日本管内の駅で「龍馬の足跡をゆく」の案内パンフレットを配布
・JR西日本管内の電車内で交通広告を掲出
・坂本龍馬に関するリアルイベントを実施

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戦国スタンプラリー『ケータイ国盗り合戦』
http://kntr.jp/ (携帯電話よりアクセス)

『ケータイ国盗り合戦』は、
(1)ユーザーが戦国武将になりきり、
(2)全国各地へ実際に出かけて、
(3)携帯電話でその場所の位置情報を取得(=【国盗り】)し、
(4)制覇した国数の履歴を蓄積し、
(5)出かけた先の思い出を仲間と共有して楽しむ

戦国時代をモチーフにした、携帯電話で遊ぶスタンプラリーゲームです。

【利用料金】 無料

【利用端末】
NTTドコモ:FOMA70x、90x、docomo STYLE seriesdocomo PRIME series、docomo SMART series、 docomo PRO series(i-mode対応機種のみ)
au:WINおよびA5000機種
SoftBank:Vodafone/SoftBank 3G機種、iPhone 3GS/3G
WILLCOM:Opera、またはNetFront 3.4以上をインストール済みの機種(但し、スマートフォンを除く。)

※GPS機能を搭載していない端末でもご利用いただけます。

※『ケータイ国盗り合戦』は、マピオンとジェイアール東日本企画の登録商標です。

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このニュースリリースに関するお問い合わせ・取材等は下記まで
http://www.mapion.co.jp/cmj/inquiry.html

株式会社マピオン
〒101-0065
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館
TEL:03-5275-2158 FAX:03-5275-2019

※記載されている社名・サービス名等は各社の商標および登録商標です。


コラム
【幕末から学ぶ現在(いま)】(44)東大教授・山内昌之 坂本龍馬(下)
死の真相と歴史の闇

 志士という存在や脱藩なる行為は、言葉の響きが連想させるほど明澄なものとはいえない。江戸時代のような封建社会では身分格式がすべての価値観や序列を定める基準となる。そこで身分を上昇させるのは至難の業であり、藩の束縛を逃れ、自由に経綸(けいりん)を振るいたい野心家なら脱藩してもおかしくなかった。それが幕末であった。
 そして、尊王の志士となって君臣の関係から脱し、天皇の直臣となるなら、脱藩という“重大犯罪”を免訴されると期待したのかもしれない。
 しかし、政治の世界は今も昔もそれほど甘くない。薩摩の島津久光が寺田屋事件で抗命した家臣を粛清したように、土佐の山内容堂は土佐勤皇党の武市瑞山(たけちずいざん)こと半平太を切腹に処した。
 土佐では、山内家による郷士(長宗我部家の遺臣の末裔=まつえい=)に対する身分差別が徹底しており、あるいは薩摩における城下士と外城士の区別以上にうるさかったかもしれない。容堂からすれば、郷士の分際で藩論を議するどころか、君命に反して脱藩するなど不埒(ふらち)そのものであった。

 ≪脱藩浪士の保護実現≫

 こうしたなかでも龍馬の偉いのは、郷士も武士たる者として矜持(きょうじ)をもつべきと考えながら、ぎらぎらした上昇志向であくせくしなかったことだ。実家の才谷(さいたに)屋が裕福な町人郷士だったとはいえ、龍馬には政治の熱狂や有名病から一線を画する聡明(そうめい)さがついてまわった。
 その大きな業績は、大政奉還論もさることながら、生命の安全さえ保証されない志士、すなわち脱藩浪士の保護を実現した大局観にもあった。まさに日本史家、井上勲氏の新著『坂本龍馬』は、龍馬による薩長同盟の切実な動機として志士の保護という点を挙げている。志士を庇護(ひご)してきた長州藩と、庇護する能力をもつ薩摩藩を和解させ、志士の生命保証をはかろうとしたというのだ。
 両藩が一致結束すれば、土佐藩なども脱藩志士たちをむげに処断できなくなる。誰の目にも、山内容堂だけが突出して自藩の人材を消耗させる愚を犯せなくなることは明らかだった。
 このあたりの龍馬の政治センスは抜群である。日本国家の将来を憂えて献身する姿勢は、薩長に限られたことでなく、藩を超えて志士たちに共通していた。
 この薩長を結びつけた点に龍馬の非凡なゆえんがある。薩摩藩には有力大名(福井藩の松平春嶽=しゅんがく=、宇和島藩の伊達宗城=むねなり=、土佐藩の山内容堂)との密接な関係があり、長州藩には志士からの長きにわたる信望があった。もし薩長連合が成立すれば、直接ではないにせよ、「有志大名と志士とが同一の勢力圏に収納される」という井上氏の表現はまことに巧みである。
 しかし、薩長連合のように昨日まで長州藩最大の敵だった薩摩藩と和解させるのは、一般論としても容易ではない。それどころか、その双方から、あるいは一方から二心を抱く者とか、陰謀家として睨(にら)まれる場合もあったに違いない。
 井上氏は、龍馬に対して薩長両藩のリーダーの信頼は厚くて揺らがなかったとするが、新著ではなぜか、龍馬暗殺の謎や背景については触れていない。思うに、これは実証的禁欲性と仮説的構想力との間に微妙な緊張空間をあえて設けようとしているからだろう。
 しかし、歴史の謎の探索は、結果として悲劇のロマン的解明にもつながる。誰もが謎解きに参入したがる龍馬伝説に魅(ひ)かれる者たちからすれば、新著で碩学(せきがく)の解釈をぜひとも聴きたかったはずだ。

 ≪薩摩から流れた情報≫

 龍馬暗殺は、今井信郎(のぶお)ら見廻組の仕業という説が濃厚である。しかし、龍馬が暗殺される近江屋に泊まっていた事実は、薩長土の要人しか知りえなかったのではないか。だとすれば、見廻組は龍馬の居所をなぜにつきとめたのか。
 薩長、特に西郷隆盛や大久保利通の大政奉還から王政復古にかけての権謀術策は日本政治史でも稀有(けう)なほど凄(すさ)まじい。常識論からすれば、武力倒幕に慎重な龍馬の政治姿勢に薩摩藩が最後まで寛大だったとは思えない。
 作家の中村彰彦氏は、見廻組与頭(くみがしら)の佐々木只三郎と薩摩藩の高崎正風(まさかぜ)が歌会で常に一緒だった筋で、龍馬情報が薩摩から見廻組に流れたのではと、私との対談で語ったことがある(『中央公論』2010年1月号)。残念ながら私としては、史料の壁や沈黙でなかなかに踏み込めない「歴史の闇」が存在するという以外に語るすべがない。
 ところで、井上氏は、言論が信頼を得られるか否かの基準について、内容にもまして発言者の人格を重視している。言説の内容が発言者の利害に出ているのか、それとも真にそれへ賭けている志の表れなのか、ということである。もちろん龍馬は世に得がたい至誠の人であった。この点で純粋かつ無垢(むく)にロシアの専制社会の変革を志して死んでいったインテリゲンツィアの精神にもどこか通じる。
 しかし、龍馬の場合には、ロシアのインテリゲンツィアより、はるかに妥協の芸術としての政治性も高いのが特徴である。明治の新時代に生きて政治家や企業家として大成した龍馬を思い描くのは、日本人の見果てぬ夢なのかもしれない。(やまうち まさゆき)

 山内教授が薩摩黒幕説に傾いていることは興味深いです……自分も、理屈以前に直感的にそう思っているせいか^_^;。





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