新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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東京では雨が上がりました。この後出かけますので、早めに今日の幕末ニュースをお送りします。
そうそう、昨日放映されたアニメ『銀魂』でシーズン4突入が明らかになりました。木曜日のお楽しみにしていたので、嬉しいっす……特に中井和哉さんヴォイスの土方十四郎さんにお会いできる回がまだあるかと思うと、とっても嬉しいっす(特にアニメ版で監禁編が見たい・笑)。
東京
勝海舟と福沢諭吉の“我慢”くらべ
長野
信州の歴史遺産130点 長野県立歴史館で展示会
信州の歴史遺産130点 長野県立歴史館で展示会
滋賀
アートの窓:「近江八景図」 茨木杉風 /滋賀
広島
龍馬ゆかり 観光キャンペーン 来年のNHK大河ドラマ連動
ブックレビュー
幕末史 [著]半藤一利
そうそう、昨日放映されたアニメ『銀魂』でシーズン4突入が明らかになりました。木曜日のお楽しみにしていたので、嬉しいっす……特に中井和哉さんヴォイスの土方十四郎さんにお会いできる回がまだあるかと思うと、とっても嬉しいっす(特にアニメ版で監禁編が見たい・笑)。
東京
勝海舟と福沢諭吉の“我慢”くらべ
中央区の地図を眺めると、隅田川の河口に近い右岸、築地明石町に聖路加病院が見える。病院の斜め向かいには、「慶応義塾発祥の地碑」と並んで「蘭学事始の碑」がある。南西に目を移すと、国立がんセンターが立地する。
築地は昔も今も、西洋医学の中核であったのだ。
その昔、緒方洪庵に蘭学を学んだ福沢諭吉は、中津藩に召されて鉄砲洲の中屋敷で子弟に蘭学を教えた。それが、いまの聖路加病院の辺りになる。『蘭学事始』を著した杉田玄白は、蘭学の先輩である前野良沢のいたその中津藩邸に通っていたという。
記念碑をみたときに、すぐ幕府の軍艦奉行、勝海舟を思い浮かべた。海舟の幕府軍艦繰練所も確か築地にあったはずだ。慶應義塾福澤研究センターの都倉武之講師に聞くと、繰練所は諭吉の蘭学塾から南西に800メートルの国立がんセンター辺りにあったという。
妙な偶然ではあるが、この2人、同じべらんめえ調の開明派リアリストなのにどうも仲がよくない。だから「海舟びいき」「諭吉好き」としては、どう整理をつけたものか悩まされ続けてきた。
海舟さんは昨年12月の小欄でも取り上げた。江戸「無血開城」の巧みな政治戦略と柔軟な思考を高く評価した。諭吉さんの方は、文明開化を牽引(けんいん)しながら、新時代の自由と実利の気風を鼓吹した知識人である。
この開明派2人が犬猿の仲であったとの証拠が、上野の東京国立博物館で開催中の「未来をひらく福沢諭吉展」でみることができる。酔狂ではあるが、1枚の文書を見たさに出かけてみた。それが、諭吉が友人に送った「痩我慢の説」の写本である。
諭吉がけんかを売ったのは、勝海舟と榎本武揚の明治維新に際しての身の処し方である。武士の意地である痩せ我慢をそこない、心変わりする忠誠心の悪い見本をつくったと痛烈に批判する。
海舟が幕府の最期を看取る立場にありながら、新政府に仕官して伯爵や枢密顧問官を受けたことが気に入らない。諭吉自身は、政府からの出仕要請を断っているから筋は通っている。この書を受けた海舟は、11歳も年下の俊英からの批判に啖呵を切る。
「行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張、我に与らず我に関せず」
自らの出処進退に関することは、他人の評価には関知しないと言い切ったのだ。半藤一利氏の『それからの海舟』によると、海舟がその心境を漏らした談話があるという。
「福澤は学者だからネ。おれなどの通る道と道が違うよ。つまり“徳川幕府あるを知って日本のあるを知らざるの徒は、まさにその如くなるべし”」
でも、まあ潔さからすれば、海舟の旗色はよろしくない。この書が世間に漏れ、諭吉は自ら発行する新聞「時事新報」への公表に踏み切る。とたんに、世論は割れて大論争が起きたらしい。
もっとも2人は、咸臨丸で渡米したときからソリが合わなかった。諭吉は海舟を船酔いばかりとからかい、海舟も「相場などしてもうけることが好き」と皮肉っている。揚げ句に海舟は、「まだ下宿屋をしているのか」と慶応義塾のことを酷評した。都倉講師によると、海舟のいう「相場」とは経済のことで、「下宿屋」とは寄宿舎のことをさしていたという。
諭吉は幕府が崩壊した慶応4年に、蘭学塾をいまの浜松町にあたる新銭座に移して「慶応義塾」と称した。さらに、三田の高台にある島原藩の中屋敷に移って現在の礎を築いた。
海舟は明治政府にある程度の距離を置き、諭吉は「時事新報」を発行して不偏不党を掲げた。同じ開明派どうしなのに反発しあって和解がない。いまも、海舟びいきの諭吉好きを困らせるのだ。(湯浅博)
長野
信州の歴史遺産130点 長野県立歴史館で展示会
信州の歴史遺産130点 長野県立歴史館で展示会
信州の歴史的文化財を披露する展示会が長野県立歴史館で開催されている。3月1日まで。
昨年1月、県指定の文化財に指定された幕末から昭和21年までの行政文書や県内の遺跡から発掘された土器類、絵画まで期間中に約130点が展示される。
「丙午(ひのえうま)生まれの女性は夫の命を縮める」という迷信に対し、県が真相究明に挑んだ昭和3年の調査報告書、縄文時代の人の顔立ちを伝える土面や奈良時代に顔が描かれた須恵器など興味深いものが並ぶ。
入館館料は大人300円、大高生150円、小中学生70円。問い合わせは同館(電)026・274・2000。
滋賀
アートの窓:「近江八景図」 茨木杉風 /滋賀
◇浮御堂が湖中に!?
島にかかった2本の橋、水上のお堂に向かって舞い降りる鳥の影……。琵琶湖南湖周辺の景勝地、近江八景を描いた図だが、石山寺の方から見て唐崎の向こうに三井寺があったり、浮御堂が湖中に島のように浮かんでいたりで、位置関係や縮尺は好き放題。何とも楽しげな雰囲気だ。
戦後、近江八幡市を拠点に南画風の絵を描いた茨木杉風(さんぷう)さんの作品。勝手気ままに描いているようで作品として成立しているのは、「やはり、全体のバランスでしょうね」(平田健生・県立近代美術館主任学芸員)。
同美術館(077・543・2111)で4月12日まで開催中の「はじめての美術館」展に出品。幕末の写生的なパノラマ図、大正期の少し独自色を出した浮世絵風と合わせ、3種の近江八景図を見比べられる趣向。他にもテーマごとに館蔵品約50点を展示し、子供も楽しめる説明文やワークシートを用意している。平田さんは「解説は読みたいところだけ読んでもらって、いつもと違う作品の見方、再発見をしてもらえれば」。【森田真潮】
広島
龍馬ゆかり 観光キャンペーン 来年のNHK大河ドラマ連動
福山市は新年度、同市を代表する景勝地、鞆の浦が、幕末の志士・坂本龍馬のゆかりの地であることを生かした観光キャンペーンを始める。2010年放映予定のNHK大河ドラマ「龍馬伝」とのタイアップや、龍馬にちなんだ競馬レースの開催などを計画。最近は、埋め立て・架橋事業を巡る景観論争が注目されている鞆の浦だが、羽田皓市長は「龍馬ゆかりの地としての歴史も全国の人に知ってほしい」と期待している。
鞆の浦は、1867年に龍馬率いる海援隊の「いろは丸」と紀州藩の軍艦が衝突した「いろは丸事件」の舞台とされ、龍馬が泊まったとされる廻船(かいせん)問屋「桝(ます)屋」などが今も残されている。ただ、従来の龍馬を扱ったドラマなどにはあまり登場してこなかった。
このため、市は龍馬伝をPRの好機ととらえ、大河ドラマと連携したパネル展や、鞆へのロケ誘致をNHKに打診。龍馬と鞆の関係を紹介するホームページも10月頃に開設する。市営競馬場では、龍馬の故郷、高知市にある高知競馬と連携し、「龍馬」を冠に据えた交流レースも行う。
また、鞆の本土側と仙酔島を結ぶ市営渡船の客船更新に合わせ、「いろは丸」に似せたデザインの船を新造する。船の事業費は8000万円で、関連の補正予算案を3月議会に提案する。
ブックレビュー
幕末史 [著]半藤一利
幕末の有名人というと篤姫や坂本龍馬、西郷隆盛ら、出来事というと日米和親条約や大政奉還などが浮かぶ。一人一人、ひとつひとつは説明できても相関関係を把握するのは結構大変。そんな一連の流れを分かりやすく語る入門書的な一冊がこちら。扱うのはペリー来航から西南戦争後までの25年間だ。
著者は『昭和史』『昭和史 戦後篇(へん)』(ともに平凡社刊)などのベストセラーを持つ。昨年12月の刊行後すぐに重版がかかり、以降好調をキープ。「歴史の語り部としての半藤さんの、信頼の高さを再認識しました」と担当編集者の笠井麻衣さん。
社会人向けの講義をまとめたもので、語り口調は親しみにあふれている。特徴は薩長を絶対的正義としない姿勢。笠井さんいわく「反薩長というより、公正に見ようとされている。残っている文献は勝った側から見たものが多いのですが、いろんな資料にあたって、視点が偏らないように気を配っていらっしゃいました」。当時の「皇国」に対する認識のズレ、国家づくりの際のグダグダなどが生々しく、人間臭く語られる。人物のキャラクターがよく分かるのも印象的で「歴史を作るのは人だから、ちゃんと人となりを伝えよう、と意識されていました」。
読者は30~40代がメーン、続いて50代以上、男性が多い。宣伝部の町井孝さんによると「会津や長州、長岡といった地域の書店での反応がいい。“官軍”側も“賊軍”側も、読んでくださっているようです(笑い)」。
編集部には歴史ファンから細かな質問を記した手紙が届く。知識欲をかき立てる本書、歴史にうとい読み手にも、史実を知る面白さを教えてくれている。
◇
5刷8万部
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