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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 今日は久しぶりに暖かくなりました。天気予報で寒さの底を越えたと聞いて、そろそろ梅見に行こうかと思います。

岩手
漂着先祖の恩忘れず 陸前高田の菊池さんら小笠原へ
 陸前高田市気仙町の菊池達(さとる)さん(66)ら4人は23日、東京都の小笠原諸島への旅に出発する。菊池さんは、幕末に小笠原諸島に漂着した同市の商船中吉(なかよし)丸の船主の子孫。乗組員を助けた島民の子孫と会い、170年ぶりに感謝の気持ちを伝える。
 かつお節などを積んだ中吉丸(乗組員6人)は1839(天保10)年11月15日に同市を出港。暴風に遭って漂流し、翌年1月4日に日本のはるか南海上にある小笠原諸島の父島に到着した。2カ月間滞在して船を修理し、同年3月24日に千葉県・銚子に戻った。
 父島で乗組員を助けたのが、その10年前に米国から移住していたナザニエル・セーボレー氏ら。乗組員は同氏の署名入りの聖書を贈られ、持ち帰った。聖書は現在、陸前高田市立博物館が所蔵している。
 今回の旅のきっかけは、同市米崎町の及川征喜(せいき)さん(65)が、古文書を解読する中で中吉丸漂流の歴史に興味を持ったことだった。船主の庄兵衛の子孫である菊池さんと共に、それぞれ妻を伴って4人で小笠原を訪れることにした。
 小笠原村教委のセーボレー孝教育課長(52)は、ナザニエル・セーボレー氏の子孫。「先祖ら欧米系の島民が役に立てたことを誇りに思う。訪島を楽しみにしている」と語る。
 菊池さんは「セーボレー孝さんと会って、感謝の気持ちを伝えたい。乗組員の子孫のメッセージも届ける」とし、及川さんは「民間交流の輪を広げたい」と期待を膨らませる。
 一行は25日から3月6日まで小笠原諸島に滞在し、同7日に帰県する予定。




宮城
街の文化、歴史に感心
観光モニター市民ツアー「教えてけらいん石巻」

 まちを歩きながら石巻市の歴史や文化を学ぶ観光モニターツアー「教えてけらいん石巻」が20日、石巻マンガロードと住吉公園コースで行われた。石巻専修大・清水義春特命教授のゼミが作成したマップを活用。市民ら約20人が参加し、何げなく通っている場所に残っている歴史や文化などに触れた。
 参加者はJR石巻駅前のロマン海遊21で事前説明を受け、雪が舞う中を出発。立町のマンガロードを通り、1925年に建設された鉄筋コンクリート3階の「旧東北実業銀行石巻支店」(第2SSビル)、31年に完成した石巻初の百貨店で、現在は陶器店になっている「陶芸丸寿かんけい丸」を見学した。
 1870年に建てられた市内で最古の蔵屋造り様式の高橋園茶屋や旧テアトル東宝の前を通り、住吉公園では歌枕で知られる「袖の渡り」、石巻の地名になったとされる「巻石」の由来などについて理解を深めた。
 この後、旧北上川沿いを歩いて中瀬へ。1882年に開通した内海橋、幕末ごろから歌舞伎や落語などを公演していた岡田劇場、完成から約130年が経過する旧石巻ハリストス正教会などについて説明を受け、全長2・2キロのコース上に残る地域の歴史遺産と文化に感心した。
 参加した女性は「説明を聞かなければ、雑然として寂しいイメージのまち。でも、説明を聞きながら見て歩くと、まちの中が歴史博物館のような感じがした。古いものを修復したり、説明したりすることも中心街活性化につながるのでは」と話していた。
 モニターツアーはマップの完成度を高めるため、清水ゼミが石巻観光協会や石巻観光ボランティア協会の協力を得て13日に1回目を実施。今回が2回目だった。
 マップは市中心部、湊地区、北上運河沿いなど計12コースあり、道順や史跡の説明などを表記。3回目は3月6日に「石巻文化財探訪と北上川の風景浪漫」、4回目は3月11日に「日和山からの絶景とアイトピア」のコースで実施する。
 3、4回目とも参加者を募集している。連絡先は石巻観光協会事務局(93)6448。


茨城
「桜田門外」“浪士の古里”水戸で映画化
 幕末の「桜田門外の変」が発生から150年になる今年、「桜田門外ノ変」として初めて映画化されることになり、撮影が始まった。
 映画で地域活性化を目指す茨城県の地元有志の発案が、大手配給会社の東映を動かした。
 江戸城桜田門などを再現した巨大オープンセットがある水戸市内を中心に、撮影は3月末まで続き、今秋、全国公開される。
 構想は2006年、同市でまちづくりコンサルタント会社を経営する三上靖彦さん(51)や、県出身の陶芸家・板谷波山の生涯を映画化した経験を持つ県職員の橘川栄作さん(48)らの間で持ち上がった。
 歴史的評価が定まらない事件を扱うため、文献収集や勉強会から活動をスタート。歴史講演会や、事件の背景などを解説するPR誌の発行を重ね、地域に映画が受け入れられる素地づくりを行ってきた。三上さんは「とにかくたくさんの人に映画に参加してもらいたいという気持ちで続けてきた」と振り返る。
 映画は、吉村昭さんの「桜田門外ノ変」(新潮文庫)を原作に、襲撃する側の水戸浪士、関鉄之介の視点で事件の全容を描く。主人公の関役に人気俳優の大沢たかおさん(41)を起用。水戸藩9代藩主徳川斉昭は北大路欣也さん(66)、井伊直弼は伊武雅刀さん(60)がそれぞれ演じる。
 先月には、水戸市の千波湖畔に、江戸城の桜田門やお堀、彦根藩邸など、当時の街並みを再現した全長100メートルのオープンセットも完成。総額で10億円を超える製作費を賄うため、地元の首長や経済団体による「支援の会」が映画鑑賞券やオープンセット入場券が付いた「映画製作協力券」(2000円)を売り出した。撮影現場では、炊き出しを行ったりする多くのボランティアも活動している。
 東映の遠藤茂行・映画宣伝部長は「ここ数年、中高年層が映画館に戻ってきており、骨太の時代劇に対するニーズがあると判断した。全国で200万人の動員を目指す」と期待を込める。
 監督は、「敦煌」や「男たちの大和/YAMATO」などの作品で知られる佐藤純彌氏(77)。佐藤監督は「桜田門外の変が歴史上、何を生み出したかを考えると一つのテロと片づけるわけにはいかない。時代にかかわった人々のドラマや悲劇を通して、幕末という時代を描き出したい」と話している。

 ◆桜田門外の変=1860年3月、江戸城桜田門外で、大老の井伊直弼を水戸浪士らが襲撃、暗殺した事件。尊皇攘夷(じょうい)派らを弾圧した「安政の大獄」を実行した井伊への反感が、事件の背景にあったとされる。テロという題材の制約もあり、史実に基づいて事件を掘り下げた映画はこれまでなかった。


静岡
映画好き集まれ! 26日から静岡でフェス
 
「シズオカシネマパークフェスティバル2010」(静岡市など主催)が、26日から3月4日までの日程で開かれ、国内外の映画上映会や関連の路上パフォーマンスで静岡市の中心街が映画一色に染まる。
 開催は昨年に続き2回目。メーンイベントの名作上映会は、静岡市葵区七間町の映画街にある「静岡東宝会館」や「静岡ピカデリー」などの6劇場で行われる。前売り券は800円、当日券は1千円。
 納棺師の視点で人間の死を見つめ、昨年に米アカデミー賞を受賞した「おくりびと」、高度経済成長期の東京の下町を描いた「ALWAYS 三丁目の夕日」といった近年人気を呼んだ邦画に加え、名作洋画の「ゴッドファーザー パート2」「俺たちに明日はない」など新旧の計14作品が上映される。
 「プラモの聖地・静岡」ならではのイベントとして、27日と3月5日(期間外の特別上映)には、アニメ「機動戦士ガンダム」3部作のオールナイト上映も企画されている。
 上映会以外には、幕末ブームに合わせ、新選組研究者らによる殺陣演舞の披露や、映画にちなんだクイズ大会が予定されている。前回好評だったSF映画「スターウォーズ」の登場人物の衣装に身を包んだ劇団員が今年も登場し、商店街を練り歩く。
 同フェスティバル実行委員会は「今年は若い人から年配者まで幅広い年齢層に楽しんでもらえるように、新旧の映画をバランス良く選んだ。アニメや時代劇の上映会もあるので、それぞれのファンにも楽しんでもらえるはず」と話している。問い合わせは同実行委事務局(電)054・254・9009。



福井
天狗党争乱史料一堂に 敦賀市立博物館
 幕末に尊皇攘夷を掲げ挙兵し、京を目指すも幕府の追撃で敦賀で最期を遂げた水戸天狗(てんぐ)党に関する史料を集めた展示が28日まで、福井県敦賀市立博物館で開かれている。総大将の武田耕雲斎の陣羽織や行軍の様子を伝える書状や冊子、幽閉中の兵士が手慰みで作った工芸品など興味深い史料を披露している。
 冬のテーマ展として企画。同博物館はこれまで、天狗党関係の史料を常設していたが、このほどスペースを縮小したため、一堂に披露されるのは貴重な機会。
 耕雲斎のゆかりのものは同市指定文化財の肖像画や陣羽織、短刀や脇差しなど。陣羽織は全体は黒色のフェルト生地で、金箔(きんぱく)をあしらった革製とみられるカエデの模様が大胆に施されており、ざん新なイメージを醸す。
 行軍関係では、当時の敦賀の鞠山藩が獺河内の集落に対し、天狗党襲来に備えて警護に当たる人数などを決め、気勢ののぼり旗を作るよう指示した際の旗の見本を紹介。大野藩が戦闘に備えて見晴らしをよくするため、集落を丸ごと焼き払ったことを記した書状、敦賀での警備の配置を記した図なども展示。兵士の処刑後、全国各地で作られていたとみられる幕府の報告書の写しもあり、天狗党の乱の騒動と世情の衝撃の大きさが分かる。
 敦賀で捕らえられ幽閉された兵士が、手慰みとして紙のこよりで作ったとされる精巧な茶托(ちゃたく)なども披露されている。
 当時の情勢を伝える関係資料として、幕末期に起こった日本海と琵琶湖を結ぶ運河計画についての史料などもある。
 入館料は一般200円、小中高生50円。月曜休館。


兵庫
幕末の豪農、古東領左衛門 子孫が書寄贈 南あわじ 
 南あわじ市津井地区出身の大地主で幕末に討幕運動に参加した、古東領左衛門(1819~64年)の子孫の男性がこのほど、領左衛門直筆の書2点を津井地区公民館に寄贈した。同公民館では知られざる郷土の偉人を紹介しようと書を展示しており、川上彰館長(67)は「多くの人に領左衛門の功績を知ってほしい」と呼び掛けている。(橋本 薫)
 領左衛門は庄屋を務める古東家11代当主で、田畑や山林を多く所有する豪農。1833年から始まった天保の大飢饉では、父と蔵を開いて民衆の救済にあたり、私財を投じて津井港の開削や岩屋港の改修にも尽力した。
 40歳代で政治運動にのめり込み、尊皇倒幕派の天誅組に参画。63年、京都の借家に潜伏していたところ、土方歳三が指揮する新撰組の奇襲を受けて捕らえられ、翌年獄舎で首をはねられた。明治になって名誉は回復し、91年、靖国神社に合祀された。
 2点の書は漢詩で、大阪に住む子孫の男性夫妻が墓参りに訪れた際「故郷での保管が一番いい」と、同公民館に寄贈。川上館長が読み解き、雅号には地元の龍棲山(現・辰美山)からとった「龍棲」が使われていることも分かった。
 現在は津井浄化センターになっている同公民館近くの古東家跡地には、領左衛門の顕彰碑や辞世の句を彫った石碑などもあり、川上館長は「地元の小中学校で学習に取り入れてもらい、偉大さを学んでほしい」と話している。津井地区公民館TEL0799・38・0201

 補足すると、元治元年7月、禁門の変に端を発した京都の大火が六角獄に近づき、過激犯の逃亡を怖れた官吏が斬首した33名(未決囚を含む)のひとりです。平野国臣や古高俊太郎もこの時に処刑されました。

高知
龍馬と半次郎に思いはせ 高知で歴史ファン交流
鹿児島からも参加、焼酎で歓談

 鹿児島の焼酎を飲みながら、坂本龍馬と桐野利秋(中村半次郎)に思いをはせる歴史ファンの集いが14日、高知市のホテルで開かれた。鹿児島から5人が参加、高知の龍馬ファンら約100人と、幕末の英雄2人の奇妙な縁について語り合った。
 高知市の酒店が、「『謎と浪漫(ロマン)と憧(あこが)れ』と本格焼酎で平成の交流」と題して開いた。今年はNHK大河ドラマで「龍馬伝」が放映され、桐野も9月に映画「半次郎」が公開されるなど、2人は今注目の幕末志士。
 集いには、全国の酒販店120店で構成される「日本・侍士の会」の前畑浩一代表(曽於市財部)らが参加、桐野利秋の妹の子孫に当たる伊東輝容さんら関西在住の県出身者も駆けつけた。
 前畑さんらが「侍士の門」などの焼酎約60本を持ち込んだ。歴史作家桐野作人さんが「坂本龍馬と中村半次郎の謎を解く」と題して講演、龍馬殺害に半次郎はかかわっていないことなどを史料をもとに解説した。
 焼酎や桐野について知らない人が多く、鹿児島の歴史文化を紹介する機会になったという。前畑さんは「今後も焼酎と歴史を通して、四国と鹿児島の交流を深めていきたい」と話している。


長崎
HTB龍馬伝館27日オープン ドラマ衣装など展示
 佐世保市のハウステンボス(HTB)に27日開館する「佐世保・ハウステンボス龍馬伝館」の報道機関向け内覧会が19日開かれた。
 大河ドラマ「龍馬伝」にちなんだ展示施設(約300平方メートル)で、「海がつないだ龍馬伝説」のサブテーマが付いている。スパーケンブルグ地区に来年2月末まで開設する。
 市と佐世保観光コンベンション協会、HTBでつくる佐世保・ハウステンボス連携事業推進会議が主催し、県や市教委、長崎新聞社佐世保支社などが後援。
 施設では▽ドラマの衣装や小道具の展示、出演者紹介の「大河ドラマ情報エリア」▽HTB所有の復元帆船観光丸と龍馬のつながり、航海術などを紹介する「テーマ情報エリア」▽佐世保・県北の観光案内「地域情報エリア」-の3ゾーンで展示。ドラマ要約版の放映や出演者のサイン展示、クイズコーナーも。
 入館料は大人500円、4歳~高校生300円(ファミリエ会員割引)。期間中は隣接施設で龍馬グッズを販売。観光丸「幕末帆船クルーズ」(所要時間35分、中学生以上800円、小学生400円、ファミリエ会員無料)、場内レストランでは「お龍御膳」(吉翠亭、3150円)など各種龍馬メニューも用意する。
 問い合わせはHTB総合案内センター(電0956・27・0001)。



全国各地
東京
一味違う お役所食堂
ちゃんこ風カレー/「龍馬」「金太郎」あやかり

 安い、早い、でも味はそこそこ。そんなイメージが強かった自治体の食堂に変化が表れている。
 ある果物をスパゲティのソースに使おうと、開発を急ぐ市もある。それは……?
 東京の下町、墨田区役所。お昼時、2階の喫茶店「あづま」は職員や一般客で満席だ。一番人気はかつおだしの和風ルーに野菜がたっぷりの「すみちゃんカレー」(780円)。ゴボウ、ダイコンなど根菜類をふんだんに使い、国技館のある同区らしく、ちゃんこ鍋の雰囲気をカレーに演出していた。2007年5月に登場し1日15~20食売れるという。
 週1回、合唱クラブの練習で役所に来る杉並区の主婦、澤田啓子さん(77)は「何回食べても飽きない」と太鼓判。このレシピを考えた外食産業「東京ビジネスサービス」(新宿区)の総料理長、三家(みつや)史朗さん(51)は「役所の食堂も、市民を取り込める目玉を作らないと生き残れない」という。
 すみちゃんカレーのお陰で店の客足は増え、09年発売のレトルトカレーも月300食売れる好調ぶり。「ヘルシーでおいしい」との評判から、最近では地元保育園の給食や病院の食堂にも広がっている。
 同じカレーでも、長崎市役所の場合は「龍馬伝説カレー」。幕末の志士、坂本龍馬が滞在したこの文明開化の地には江戸末期、すでにコーヒーやチーズがあった。これを隠し味に使っており、「龍馬さんも食べたとじゃなかろうか」との想像のもとレシピが作られたという。
 「金太郎」伝承の地の一つ、兵庫県川西市役所の食堂では、とろろ芋など地産の食材を取り入れた「きんたくんの元気いっぱい弁当」を発売。ウナギや肉も使ったスタミナ食だ。
 こうした新メニューの背景の一つが「役所の食堂離れ」。手作り弁当がブームになり、コンビニも弁当やおにぎりを値下げ。安価なファストフードも売れる中、職員も敬遠しがち。「経営が厳しく、一般の方の利用も増やしたい」(徳島県の担当者)との狙いがある。徳島県庁内の食堂は今月から、「阿波尾鶏(あわおどり)」という銘柄の地鶏を使ったササミカツ丼を新発売。食堂のにぎわいを取り戻すメニューとして期待を寄せている。
 奈良県庁の職員食堂には、特産の大和肉鶏を使った親子丼(650円)がある。県職員が考え、07年11月にお目見えすると、東京などの観光客が食べに来るほど人気が出た。限定1日20食がほぼ完売。職員互助会では「地産地消メニューのPRにもなる」と話す。
 だが、「うまい」話ばかりではない。「ブルーベリー栽培の国内発祥地」をうたう東京・小平市役所の食堂には08年、ブルーベリーの炊き込みご飯の弁当が売り出されたが、すぐに姿を消した。市の担当者は「味は悪くなかったのだが、見た目かなあ」と青いご飯を振り返る。この夏の再販売を目指して改良中で、スパゲティのソースにすることも検討しているとか。
 楽しみだなあ。
 (小泉朋子)


ブックレビュー
【書評】『坂本龍馬の10人の女と謎の信仰』平野貞夫・著
■坂本龍馬をより深く知る一冊

 小沢一郎民主党幹事長の懐刀で元参院議員の著者だが、高知県出身で土佐の文化、人物研究の第一人者でもある。坂本龍馬も研究してきた。
 前半は、落ちこぼれだった龍馬が幕末の風雲児へと変貌(へんぼう)を遂げた裏には、女性の存在があったと分析。姉の乙女や妻のお龍らにとどまらず、影響を与えた10人の女性を取り上げている。
 後半は、龍馬が修行した北辰一刀流の精神的背景である妙見信仰に着目する。北極星など星を尊び、平将門、鎌倉幕府成立、北辰一刀流を興した千葉一族にも影響を与えた信仰。著者は龍馬が大政奉還、明治維新、近代化に邁進(まいしん)した原点はこの信仰にあったとする。龍馬をより深く知りたい人にお薦めの一冊。(780円、幻冬舎新書)


コラム
【次代への名言】武士道の系譜編(19)
■「さだめなき浮世に候へば、一日先は知らぬ事、我々事などは浮世にあるものとはおぼしめし候まじく候。 恐々(きょうきょう)謹言」(真田幸村)

 敵味方に分かれた姉の婚家への書状の一節だ。日付は旧暦の1615年3月10日。すでに大坂城の内・外堀は埋められ、半年前の冬の陣で東軍を悩ませた、出城・真田丸は破壊されていた。幸村は遠からぬ死を予期していたのだろう。
 兄、信之は弟を「柔和忍辱(にんにく)にして強からず、言動少々にして怒り、腹立つことなかりし」と評した。その挙措は夏の陣でも変わらなかったはずだ。時代は幕末だが、志士、吉田松陰は大事をなす人物をこう描いている。「平時は大抵用事の外一言せず、一言する時は必ず温然(おんぜん)和気婦人好女の如し。是れが気魄(きはく)の源なり」
 「大御所(家康)はいずくぞ。真田左衛門佐信繁(さえもんのすけのぶしげ)(幸村)見参!」
 同じ年の5月7日。大坂城から撃ち出た幸村軍は、家康の本陣を攻め立て、その首に迫った。彼の丈夫(ますらお)ぶりは敵の有力大名までが、「古今にこれなき大手柄」「真田、日本一の兵(つわもの)、古(いにしえ)よりの物語にもこれなき」とたたえ、家康でさえ、その死を惜しんだ、という。
 幸村は、一生に富貴ではなく、一瞬の輝きを求めた。「きっかい(奇怪)とも御すいりやう(推量)候」。彼が長姉を通じて後世に残した手紙には、そう記されている。(文化部編集委員 関厚夫)


☆★☆★

追記。記事一点追加です。

岩手
雑記帳 江戸時代のオランダ料理再現 岩手・一関
 岩手県一関市の酒造会社「世嬉(せき)の一」は20日、同市出身で江戸時代の蘭学(らんがく)者、大槻玄沢が私塾で振る舞ったというオランダ料理を再現、新酒を楽しむ会で提供した。
 玄沢の料理は「オランダ正月」と呼ばれた長崎・出島のオランダ人の祝宴をまねたもの。同社は当時の資料から、ほうれん草のポタージュや鶏のクリーム煮、魚のムニエルなど5品を用意した。
 今では普通の西洋料理だが、同社は「当時、新しいものに挑戦していた玄沢の精神を学びたい」と企画。新酒とともに舌鼓を打つ参加者の五臓六腑(ごぞうろっぷ)に、進取の気風が染みたようだった。【山中章子】

 「オランダ正月」料理の再現、嬉しいです。





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