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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 マッサージで身体がほかほか、サンデル教授の「究極の選択」見ながら出羽桜の発泡酒楽しんでます。

福島
東日本大震災:山口・萩市が義援金、会津若松市に 「支え合い困難克服」 /福島
 東日本大震災で、大勢の被災者が避難生活を送る会津若松市に、山口県萩市から義援金2200万円と救援物資が送られた。会津若松市の会津藩、萩市の長州藩は戊辰(ぼしん)戦争(1868~69年)の“敵”同士で、年配者を中心に両市には今なおわだかまりが残ると言われる。目録を受け取った菅家一郎・会津若松市長は「今は国家の危機。支え合いながら困難を乗り越えていきたい」と話した

 萩市は、「震災を救援する萩市の会」(会長・野村興児市長)を設け、募金などを実施。歴史的関係や最近は市民レベルの交流がある会津若松市を福島県への窓口として支援物資を贈ることにした。

 萩市の槌田郁利・総合政策部長ら4人が訪問。募金1000万円▽同市一般会計から1000万円▽市幹部職員からの見舞金200万円の計2200万円と、14トントラックに満載した飲料や保存食品、衛生用品、ランドセルなどを運んだ。

 萩市からは今後も、農業団体が炊き出しに訪れたり、風評被害に悩む同市の農産物を買い入れたりするなどの支援を予定している。【太田穣】

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 ■ことば

 ◇戊辰戦争
 会津藩は新政府から攻撃対象とされ、長州藩は薩摩藩などともに城下の会津若松に侵攻した。会津側は数千人が戦死し、戦後も斗南藩への移封などの仕打ちを受け、市民には長く旧長州への反感が残った。1986年には萩市側から「友好都市」の提携の打診があったが、会津若松市側が拒絶した経緯がある。


神奈川
浦賀の鏝絵(こてえ)特別展
左官の腕、彫刻で魅せる
浦賀行政センター2階で5月末まで

 壁を塗る工具の鏝で絵を描いた漆喰(しっくい)彫刻「鏝絵(こてえ)」の特別展が、浦賀行政センターで開かれている。制作したのは、西浦賀在住の現役の左官職人、辰巳忠志さん(67)。飛び出さんばかりに迫ってくる龍や唐獅子、山肌が染まり立体感のある「赤富士」など数点が並び、訪れた人の目を釘付けにしている。展示期間は5月末まで。辰巳さんを講師に鏝絵づくりに挑戦する講座も企画されている。

 幕末から明治にかけて、浦賀には漆喰壁を塗る左官職人が数多く暮らしていたとされる。中でも漆喰細工の名人として全国的にも有名なのが石川善吉だ。その作品は、西叶神社の装飾壁や、八雲神社の「向拝の竜」など、今でも多くの神社で見ることができる。

 辰巳さんが40年以上前に鏝絵を教わったのが、石川善吉の息子の故・石川梅尾氏だ。19歳のときに高知県から浦賀に引っ越し、左官職人としては当時まだ駆け出しだった辰巳さん。盆栽好きという共通の趣味から梅尾氏と知り合い、教わるようになったという。

 しかし、それから1年ほどで梅尾氏が他界。辰巳さんは作品を完成することなく、鏝絵から遠ざかった。再開したのは、一昨年の12月のこと。昭和34年に梅尾氏が川間町内会館(西浦賀)の2階軒下に完成させた「鳳凰」の鏝絵が時間の経過で色あせたため、町内会から修理を頼まれたのがきっかけだった。「まずは自分の作品を創れるようになってから」と、芸術のために鏝を再び手にしたという。

まるで生き物

 鏝絵制作の手順は、石こうで下地を作るところから始まる。生き物や自然などの描く対象を、ある程度形にしてから漆喰を盛る。龍の鱗や口元のような細かい部分は鏝やハケを使って描き、立体感を演出。形が崩れないように、下地にステンレスを埋め込むという。1週間程寝かせると固まるため、その後、水彩絵の具や金粉などで色付けして仕上げる。

 1ヵ月以上かけて完成した『昇り龍』。金粉と漆で色づけされた鋭い眼光が、今にも飛び出してきそうな印象を与える。「口元が一番苦労しました」と話す通り、歯の1本ずつまで繊細に描かれている。作品は1メートル四方で、約40キロの重さがある。「2つと同じものがつくれない」ことが鏝絵の何よりの魅力だ。

 「作品展を開催できる県内唯一の鏝絵彫刻家」を自任する辰巳さん。かつての師匠が手掛けた川間町内会館の漆喰の修理を頼まれたことに運命的なつながりを感じながらも、「まずは、もう10作品完成させる」ことが当面の目標だそう。

 その一方で、辰巳さんは現役の左官職人。「地震で壊れた壁の修理で仕事が増えました」とも話す。忙しい合間を縫って創り上げるオリジナリティあふれる辰巳さんの”芸術”に今後も目が離せない。

 この鏝絵特別展に関する問合せは浦賀行政センター【電話】046(841)4155まで。

鏝絵教室も開催

 浦賀コミュニティセンター分館では5月21日から6月18日までの毎週土曜日に、「鏝絵を学ぶ」講座を開講する(全5回)。時間は各回午前9時から正午まで。初回は浦賀の鏝絵めぐりをし、翌週から辰巳さんを講師に「赤富士」創りに挑戦する。

 対象は18歳以上で、定員20人(抽選)。参加費は2000円。希望者は往復はがきに【1】講座名【2】氏名(フリガナ)【3】年齢【4】住所【5】電話番号を、返信面にも住所・氏名を明記し、〒239-0822浦賀7-2-1浦賀コミュニティセンター分館まで。5月6日(金)必着。問合せは同分館【電話】046(842)4121まで。



山梨
文化審答申:旧外川家住宅、国重文指定へ /山梨
 国の文化審議会は15日、江戸時代から富士信仰登山の宿泊所の役割も果たしてきた富士吉田市上吉田3の御師(おし)の家「旧外川(とがわ)家住宅」を国の重要文化財(建造物)に指定するよう文部科学相に答申した。近く決定する。現在、一般公開されている同住宅で案内役を務める外川和美さん(53)は「光栄です。富士信仰の歴史と文化をますます伝えていきたい」と歓迎している。県内の建造物で国の重要文化財指定は51件目。
 旧外川家住宅は江戸時代の建物。母屋が1768年に東西に長い約2000平方メートルの敷地に、裏座敷(離れ座敷)が幕末期にそれぞれ建てられた。1960年代までは富士講登山者を受け入れていた。04年に市有形文化財、08年に県有形文化財に指定された。
 国は「母屋は年代の明らかなものとして最も古い御師住宅の遺構」などとして、3棟(母屋、離れ座敷、中門)と土地を指定する。同市は04年に外川家から建物と用地を取得し、修復整備を進めてきた。08年4月から御師住宅の中で唯一、一般公開されている。
 同住宅は、13年夏の登録を目指す富士山世界文化遺産の構成資産に入っており、富士五湖とともに国の文化財指定が求められていた。【福沢光一】


京都
新選組隊士歩いた中山道踏破 埼玉の女性、京に到着
 新選組を立ち上げる近藤勇らが歩いて上京した中山道を、埼玉県の石上彩さん(29)が歩き、10日に京都市に到着した。石上さんは近藤が宗家の天然理心流を学んでおり、ゆかりの深い京都市中京区での同流のけいこで木刀を振った。
 石上さんは、新選組研究家を目指している。148年前に隊士が出発した同じ日の3月26日に東京を出発、交代で同行した道場仲間と雪道や峠を越え、約530キロを踏破した。
 石上さんは「京都に来て、死ぬ覚悟だった隊士を思うと気が引き締まった。多くの人のおかげで頑張れた」と喜んだ。


大阪
幕末・明治 金工家の超絶技巧に驚嘆 大阪歴史博物館
 海外の美術愛好家に高く評価された幕末、明治期の金属工芸品を一堂に集めた「幕末・明治の超絶技巧 世界を驚嘆させた金属工芸」が13日、大阪市中央区の大阪歴史博物館6階特別展示室で始まり、精巧な技術に裏打ちされた発想豊かな作品に見学者は見入っていた。

 清水三年坂美術館(京都市東山区)コレクションを中心とする約170点。

 京都出身で大阪造幣局で国内初の金銀貨の原型彫刻を行った東京美術学校彫金科の初代教授、加納夏雄の詩情あふれる鉄地の「月に雁図額」(明治30年)や、銀地にボタンとモクレンの花を優雅に表現した海野勝珉の「花鳥図対花瓶」のほか、岡山出身の正阿弥勝義の遊び心あふれる「柘榴に蝉飾器」などの名品が並ぶ。

 大阪在住の金工、板尾新次郎の作品で可動性が特徴の鉄製自在置物「鷹」なども興味深い。

 「幕藩体制の崩壊と明治9年の廃刀令のあと、刀装金工家たちは自らの技術を芸術世界に高めることで生き残りを図りました。その素晴らしい技と発想を見てもらい再評価につなげたい」と同館の学芸員、内藤直子さんは話している。

 5月29日まで。火曜(3日を除く)と6日休館。大人800円、高校大学生600円。問い合わせは同館(電話06・6946・5728)。


兵庫
歌川国芳展:大阪市立美術館できょうから /兵庫
 幕末の奇才浮世絵師、歌川国芳(1797~1861)の回顧展「没後150年 歌川国芳展」(毎日新聞社など主催)が12日に開幕するのを前に11日、会場の大阪市立美術館(同市天王寺区)で開会式が開かれた。招待客ら約400人が、ユーモアあふれる作品を楽しんだ。

 会場には、勇壮な武者絵や大胆な構図の戯画などが並び、招待客らは熱心に見入っていた。

 今展では、約400点を、前・後期に分けて公開する。6月5日まで。前期は5月8日まで、後期は同10日から。月曜休館。入館は午前9時半から午後4時半。市立美術館(06・6771・4874)。【矢島弓枝】


広島
切り絵で風流 港町・御手洗
■江戸~昭和期、13枚の紙芝居
 国の重要伝統的建造物群保存地区である呉市豊町御手洗(み・た・らい)(大崎下島)の歴史が、切り絵の紙芝居になった。呉観光ボランティアの会が作成し、地元の観光ガイドで活用するほか、市内の学校などに出前公演もする考えだ。
■呉観光ボランティアの会が作成
 御手洗は江戸時代から風待ち潮待ちの港町として栄え、江戸から明治、大正、昭和にわたって建造された家並みが保存されている。
 2008年11月に豊島大橋が開通し、本土から大崎下島まで陸続きになったことで観光客が増加。呉観光ボランティアの会には昨年度、150件(約5千人)のガイド依頼があった。紙芝居は観光客向けにと、同会が広島市安佐南区の美術作家中村鳳善(たか・よし)さん(61)に制作を依頼した。
 完成した紙芝居は切り絵(横42センチ、縦30センチ)で、計13枚。江戸時代のお茶屋(遊郭)で県史跡になっている「若胡子屋跡」や、幕末に倒幕の軍事条約「御手洗条約」を交わしたとされる旧金子邸、戦前から1960年代半ばまで映画館や演芸場として使われた乙女(おと・め)座、「島の時計屋さん」で親しまれる新光時計店などを紹介。御手洗の繁栄の歴史が分かるように描かれている。
 絵の資料が乏しく、制作に苦労したという中村さんは「かつて御手洗はにぎやかな港町だった。これからもっとにぎやかになってほしいという願望を入れて作成した」という。原画をもとに絵はがきも作り、地元の観光施設で販売を始めている。
 ボランティアの会は30代から80代までメンバー約60人。山元利成会長(75)は「紙芝居をきっかけに、御手洗のガイド役を増やしたい。また幼稚園から小中学校、老人施設まで御手洗の歴史を紹介する出前公演も広げたい」と話している。(中川正美)


山口
高杉晋作:「東行忌」で交流誓う 望東尼の顕彰会が参列--下関 /山口
 下関市吉田の東行庵で、14日にあった高杉晋作の145回忌となる供養祭「東行忌」。この日は、江戸末期の女流歌人で晋作を支えた野村望東尼(もとに)の各地の顕彰会メンバーらが集まり「交流をずっと続けていきたい」と喜んだ。
 晋作は幕末、武士や農民を集めた奇兵隊を創設。下関市功山寺で挙兵し、長州藩を倒幕に導くなど、明治維新の先駆けとなった。
 野村望東尼は、生前の晋作を看病するなど心身共に支えた。晋作辞世の句「おもしろき こともなき世に おもしろく」の下の句に「すみなすものは 心なりけり」と付け加えたのは有名だ。
 東行忌への参加は晋作の大ファン、萩市明木の萩焼作家、高見世清光さん(65)が東行庵などに呼び掛けて実現。望東尼の庵がある福岡市の平尾望東会=荒木健七会長(85)▽望東尼の最期の地、防府市の防府野村望東尼会=上山喜誉(かみやまきよ)会長(80)=の計9人が参列した。
 荒木会長は「将来の日本を語り合った2人から、学ぶことはたくさんあります」と熱く語れば、上山会長も「晋作さんを助けたいという望東尼の情熱を受け継いで、来年も墓参させていただきます」と話していた。【尾垣和幸】
〔下関版〕


佐賀
「三重津海軍所跡」パンフレットで紹介
 近代海軍基地の世界遺産登録を目指す佐賀市が、幕末佐賀藩の「三重津(みえつ)海軍所跡」を紹介するパンフレットを作製した。船を修理・建造するためのドック周辺で見つかった鉄や銅を精製した金属加工炉、木製護岸などの遺構を詳しく紹介している。
 
 パンフレットでは、造船施設や射撃演習のための調練場(ちょうれんば)など、4つのエリアに区分し、写真や絵図で当時の様子を伝えている。海軍所跡周辺で出土した鉄や銅のかす、金属加工用の「るつぼ」「ふいご」からは、日本の金属精製技術を用いながらも、西洋の技術を取り込んでいく幕末の時代背景がうかがえる。
 
 三重津海軍所は1858年、佐賀藩が独自に海軍演習を実施するために、現在の佐賀市川副町に設けた練習所が始まり。日本初の西洋実用蒸気船「凌風丸(りょうふうまる)」を自力で建造するなど、日本の造船技術の近代化に大きく貢献した。
 
 市教委の世界遺産調査室は「海軍所跡の歴史や価値を分かりやすく紹介できる資料ができた。世界遺産登録に向け、市民の理解と機運を高めたい」と話している。
 
 パンフレットは1500部作製。市役所大財別館と佐野常民記念館で無料配布している。



鹿児島
長州の善意、薩摩に届く 噴火で悩む霧島地区に見舞金
 鹿児島、山口両県のホテルや旅館業者でつくる「薩長連合会」の山口県側会員が、新燃岳の噴火活動で厳しい状況が続く霧島地区への見舞金を前田終止・霧島市長に手渡した。
 薩長連合会は幕末の「薩長同盟」にちなんで両県の相互交流を図ろうと昨年1月に結成。両県の各9業者が会員になっている。
 山口側の会員9業者は、新燃岳噴火の影響で観光客が減って苦境に立つ霧島地区へ新幹線ツアーを組んで激励に訪れる予定だった。しかし全線開業前日に東日本大震災が発生し延期。「薩摩に長州の気持ちだけでも伝えよう」と見舞金を贈ることにした。
 贈呈式は8日にあり、山口側からは庄司隆治副会長(ホテル西長門リゾート福岡営業所長)、松永繁美事務局長(下関マリンホテル福岡案内所長)が霧島市役所を訪れた。
 庄司副会長らは「見舞金は少額だが、霧島の復興を願っています。日本全体が厳しい中にあるが、鹿児島も山口も元気になるように頑張っていきたい」と語った。霧島ホテルの福冨龍一支配人も同行し、独自に見舞金を渡した。
 薩長連合会では新幹線の車内に「今日は河豚(ふぐ)、明日は黒豚。おいでませ山口へ、おじゃったもんせ鹿児島へ」などと書いた宣伝ポスターを掲示して薩長をアピールしている。


コラム
(109)東大教授・山内昌之 原市之進 情報収集と政治工作の黒幕
「社稷(しゃしょく)の臣の執(と)る所二(ふたつ)あり。曰(いわ)く鎮定。曰く機に応ず」

 江戸後期の儒学者・佐藤一斎の著『言志四録(げんししろく)』にある言葉である(「言志録」52)。国の安危や存亡を一身に受けて事にあたる政治家のなすべき仕事には二つある。それは、民に不安のない生活を営ませるように世を安定させることであり、時と場所に応じて適切な手段を講じることだ。リーダーはこのために自分と一心同体になれる賢い腹心や参謀を必要とする。とくに王や宰相ともなれば、正しい情報を得ながら最良の措置を取ることが欠かせない。

 漢の高祖劉邦(りゅうほう)に張良や蕭何(しょうか)がおり、蜀の劉備に諸葛孔明が欠かせず、唐の太宗李世民(りせいみん)を魏徴(ぎちょう)や房玄齢(ぼうげんれい)が支えたように、大をなしたリーダーには力量のある「王佐」の臣がいた。私の印象にすぎないが、4月10日の統一地方選で惨敗を喫した民主党の菅直人首相を見ると、心を許し信頼しきれる有能な補佐役がいないような気がする。

 政治行動の根拠となる正確な情報と助言を寄せる腹心のいないリーダーは、「鎮定」と「機に応ず」べき時に誤った選択をしがちである。徳川慶喜(よしのぶ)もそうだった。大政奉還までは西郷隆盛や大久保利通さえ翻弄したかに見える慶喜の振舞いが精彩を失い、幕末政治の主役から降りた原因は、奉還直前に原市之進という謀臣が暗殺された痛手と無縁ではない。

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 原は、水戸藩の勘定奉行を務めた父をもち、従弟(いとこ)が藤田東湖であり、当人も江戸の昌平坂学問所に留学した秀才である。藩では弘道館訓導や奥右筆(おくゆうひつ)頭取だった原の人生を変えたのは、文久3(1863)年に水戸藩出身の一橋慶喜の側近となり、翌年にその側用人になったことだ。慶喜の腹心で暗殺された平岡円四郎の後釜に据わったのである。

 慶応2(1866)年に慶喜から幕臣に取り立てられた原は、慶喜の耳目として活躍し、宮中・公卿(くぎょう)はもとより薩摩や会津との外交折衝にも尽力した。しかし、もともと井伊直弼(なおすけ)や安藤信正に襲撃を仕掛けた水戸藩士の黒幕という風聞が消えず、幕臣の間では原の評判はすこぶる悪かった。このあたりも慶喜不人気の一因になったのだろう。

 勝海舟との折り合いも悪く、慶喜に勝の悪口を散々吹きこんだのも原だったらしい。勝も忌々しげに回顧している。「あの頃は、原市と云ふものが付いて居てネ、あれがどう云ふものか、大へん、己を嫌ひなのサ。功を嫉(ねた)むと云ふものか、ごく、陰険で、中々の才子だったがネ、水戸人でネ」(『増補海舟座談』岩波文庫)

 「中々の才子」という表現は、人を滅多に褒めない勝にしては、まずまず高い評価ではないだろうか。

 原には勝に乏しい権謀術策家(マキャベリスト)の面があった。将軍家茂の死に伴い慶喜は、徳川宗家を慶応2(1866)年8月に継承したが、将軍襲職はおよそ半年後である。この空白期をつくったのは原の画策によるものだ。

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 原に言わせるなら、第二次幕長戦争のさなかに将軍職を継ぐのは貧乏籤(くじ)を引くようなものであり、将軍になるにしても幕閣や大名たちにぜひにもと慫慂(しょうよう)させるべきだというのだ。絶対権力行使のために政治基盤を強化する慶喜一途の忠義からではあったにせよ、幕府存亡の危機に根っからの直参旗本であれば言わないセリフであった。

 慶喜は、長州との戦争の始末を勝に命じたが、これも原の画策であろう。交渉に失敗して長州の壮士たちに勝が斬られるならそれもよしといった魂胆が見え透いているから、勝も面白くなかっただろう。慶喜に、「勝は至って、手広いから、何事を仕出すかも知れません、御用が済んだら、早く還す方がいヽ」と言わせたのも、原の画策以外に考えられない。

 幕府目付になった原は、小松帯刀(たてわき)らと図って薩摩との融和を図り、長州の木戸孝允(たかよし)、坂本龍馬にも警戒される。慶応3(1867)年、兵庫開港問題でも開港工作を謀るなど衰勢の幕府でともかく気を吐いていた。勝が原について悪口ばかりを言わないのは、このあたりの覚悟を知っていたからかもしれない。

 しかし、水戸藩きっての攘夷派から開国派に宗旨変えした原への風当たりは強かった。身内のはずの幕臣攘夷派に暗殺されたのは、桜田門外の変や坂下門外の変の因果応報ともいうべきだろうか。原を失った慶喜の打撃は大きかった。情報収集や政治工作を委ねられる腹心を失った慶喜の判断力にも翳(かげ)りが次第に出てくる。大政奉還という逆クーデターに成功しながら、西郷の挑発した鳥羽伏見の戦いに負けたのも、原の死が影を落としている。

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 唇歯輔車(しんしほしゃ)の腹心を欠いた菅首相は、統一地方選挙での民主党敗北の分析をいかに総括するのだろうか。徳川家光に直諫(ちょっかん)した傅役(もりやく)の青山忠俊や、楚(そ)の荘王を諫(いさ)めた伍挙(ごきょ)と蘇従(そじゅう)のように、直言する勇気のある人物が現れて首相に覚悟を求めるのだろうか。民主党の惨敗が大震災後の日本政治に転換を促すことだけは間違いない。(やまうち まさゆき)

                  ◇

【プロフィル】原市之進

 はら・いちのしん 天保元(1830)年、水戸藩士の家に生まれる。藩校の弘道館、江戸の昌平坂学問所に学ぶ。安政2(1855)年に帰藩。弘道館訓導となり、一橋慶喜の側近として仕える。慶喜の将軍就任後は幕府目付に取り立てられ、兵庫開港を推進。慶応3(1867)年、京都で幕臣に暗殺された。


エンターテインメント
春アニメの期待度No.1は「銀魂」、放送再開を待ち望んでいた声が多々。
 レコチョクは4月15日、今年の4月からスタートする(した)アニメの期待度をランキング形式でまとめた「2011年春アニメ期待度ランキング」を発表した。その結果、4月4日から放送が始まった「銀魂」(テレビ東京系)が1位に輝いている。
 このランキングは4月のアニメ新番組放送開始にあわせ、レコチョクのサイトでユーザー投票により決定したもの。1位の「銀魂」は「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載中の幕末を舞台に繰り広げられるSF時代劇で、2006年にテレビ東京系でテレビアニメ化されたものの、内容が原作に追いついてしまったこともあり、2010年3月から一時休止していた。そのため、今回は約1年ぶりの“再開”というわけだ。
 投票したユーザーからは、「念願の再開!! 銀さんのギャグの時とシリアスな時の、絶妙なギャップがたまらないです」(10代・男性)や、「あの放送コードギリギリのお騒がせ銀魂が帰ってくる!! と言うことでワクワクしています♪」(10代・女性)、「銀魂は主題歌やエンディング曲の評判も良いので、そこも楽しみの1つです!!」(10代・女性)など、放送再開を待ち望んでいた声が多く寄せられている。
(以下略)



日曜劇場『JIN-仁-』が世界へ!海外80カ国での放送が決定!! また、オリコン発表の「春のドラマ期待度ランキング」堂々1位を獲得!
(PR TIMES) -

4月17日(日)よる9時から、初回拡大2時間5分スペシャルでスタートするTBS開局60周年記念 日曜劇場『JIN-仁-』が、日本だけでなく、世界各国で放送されることが決定した!放送される国は、アメリカやヨーロッパ各国、ロシア、韓国など現段階でその数80カ国にものぼり、南米以外のほぼ全世界で放送されることになる。

日本で放送する前に、海外との販売契約が成立するケース(プリセール)はTBS史上初の快挙となる。09年秋に放送された『JIN-仁-』は、海外TV番組マーケットのバイヤーが「もっとも購入したい作品」として選ぶカンヌMIPCOM・バイヤーズ・アワードを受賞した事もあり、注目が集まっていた。

また、通常連続ドラマは、日本での放送を全て終了した後に海外の放送が始まるが、今回台湾は日本での放送6日後から放送、また香港でも5月から放送をスタートさせる。その後も、7月から(予定)韓国、ヨーロッパ、タイ、ハワイをはじめとする北米で順次放送する予定だ。今回多くの世界の国々で販売されたことは、海外で同ドラマへの評価が高まっていることを裏付けている。

また、12日にオリコンより発表された最新の「2011年春のドラマ期待度ランキング」でも総合・男性・女性と全ての項目で『JIN-仁-』が1位となり3冠を獲得。圧倒的な強さとオリコンも伝えている。


国内外で注目の集まる『JIN-仁-』完結編、いよいよ4月17日(日)待望のスタート!
<プロデューサー・石丸彰彦コメント>
『JIN-仁-』という作品を一人でも多くの方に見て頂ける機会が増えたことに喜びを感じながら、今回の「完結編」を、精一杯、地に足をつけて頑張っていきたいと思います。いつの時代でも懸命に生きる事の大切さ、人が人を想う気持ちの美しさ、そして人の笑顔の輝き、そんな私達の誇れる日本の姿を伝える事ができればと思っています。

■TBS開局60周年記念 日曜劇場『JIN-仁-』について
『JIN-仁-』は、現代の脳外科医・南方仁(大沢たかお)が、ある事件がきっかけで江戸時代にタイムスリップしてしまい、満足な医療器具もない中で幕末の人々の命を救い、その医術を通して幕末の英雄である坂本龍馬(内野聖陽)らと交流を深めながら、公私に渡り支えとなる橘咲(綾瀬はるか)や吉原の花魁だった野風(中谷美紀)らと共に、自らも幕末の動乱に巻き込まれていく壮大なヒューマンストーリー。

2009年に放送された際の最終回は平均視聴率25.3%を記録、09年度連続ドラマの視聴率第1位を獲得し、まさに世代を超え支持されたドラマとなった。(ビデオリサーチ調べ・関東地区)

完結編となる今作も、キャストは主演の大沢たかおをはじめ、前回の共演者が集結。綾瀬はるか・中谷美紀・内野聖陽・小出恵介・桐谷健太・小日向文世らと共に最終回のその後が描かれる。また西郷隆盛・皇女和宮・近藤勇・中岡慎太郎・佐久間象山ら、新たに歴史上の人物も登場し、仁が歴史の史実とどう対峙していくか注目だ。

注目の第一話では、怪我をした佐久間象山を治療するために京都に来ていた仁が、新撰組に連れ去られてしまう。連れて行かれた先にいたのはあの西郷隆盛だった。西郷は虫垂炎を患っていてすぐに手術をしないと命も危ない状態。果たして仁は西郷を助けるのか-。それは歴史の史実にどう影響していくのか-。

完結編では神が与えた試練でもある「歴史の修正力への挑戦」となり、全ての謎も解き明かされる。

仁の頭の痛みは何だったのか-
仁はタイムスリップして再び現代に戻るのか、それとも江戸で生きるのか-
咲の想いは届くのか-
吉原を離れた野風のその後は-
現代の未来は果たして-
そして刻々と近づく坂本龍馬暗殺という史実-
今を生きる私たちが、その祖先が、魂が、どこかで出会い繋がっていたかもしれない、そんな江戸の町。2011年4月17日、あの江戸が、帰ってくる。



■□■TBS会社概要■□■
社名:株式会社東京放送ホールディングス
    (略称 TBS HD)
   TOKYO BROADCASTING SYSTEM HOLDINGS, INC.
本社所在地:〒107-8006 東京都港区赤坂5丁目3番6号
URL: http://www.tbs.co.jp/


春ドラマ期待度、1位は『JIN-仁-』~TOP3を“続編”が独占
 4月に入り、今週からいよいよ春の新ドラマが続々とスタート。人気作の完結編や実話を基にした学園ドラマなど、さまざまな作品が集結するなか、最も高い期待値が寄せられている作品とは? ORICON STYLEが全国1,000人を対象に『春のドラマ期待度』アンケートを実施したところ、TOP3は続編作品が独占する結果となった。1位は大沢たかお主演の人気医療ドラマ『JIN-仁-』(TBS系)、2位は天海祐希主演の刑事ドラマ『BOSS』(フジテレビ系)、そして3位に吉瀬美智子の連ドラ初主演作『ハガネの女』(テレビ朝日系)の第2弾が続き、いずれも前作での高い満足度がダイレクトに期待値へと直結しているようだ。

 総合、男女でトップとなった圧倒的な強さを見せた完結編『JIN-仁-』は、現代から幕末へタイムトリップしてしまった脳外科医・南方仁が、激動の歴史の渦に巻き込まれながらも医者として真摯に生きる姿を大沢が熱演。内野聖陽が演じる坂本龍馬にヒロインの綾瀬はるか、中谷美紀といった魅力的な配役も見事にハマり、2009年民放ドラマの最高視聴率25.3%(ビデオリサーチ調べ・関東版)を記録した。「45年間生きてきて、最高の作品! 放送終了直後から続編を要望し続けてきた」(京都府/40代/男性)と続編を熱望する声が圧倒的だった。大沢自身も制作会見の場で「続編の挑戦は僕の俳優史上で最も大きな決断です。続編の制作というのは、本当に勇気がいる」と、同作への並々なる想いを明かしている。

 2位は天海祐希演じる大澤絵里子が、タイトル通りの“ボスっぷり”を発揮した『BOSS』の続編。10代、20代では『JIN-仁-』を抑え1位に支持されており、「主役の天海さんがカッコいいから」(大阪府/20代/女性)と特に女性ファンが多い。また、チームを組む刑事達も、協調性ゼロの女刑事に戸田恵梨香、ベテラン刑事に温水洋一、またお笑い芸人のケンドーコバヤシも肉体派刑事を演じるなど、個性派の面々と天海が織りなすコミカルな演技と、シリアスな推理シーンのバランスも期待度の高い要因の1つといえる。

 3位は吉瀬美智子が小学校の女教師として、生徒たちと“闘う”学園ドラマ『ハガネの女』。前作は昨年10月に深夜枠で放送され視聴者に大きな衝撃を与え、異例のスピードで続編の放送が決定。「子どもを持つ親にも観てほしい作品」(東京都/20代/男性)と、今クールはゴールデン枠での放送だけにより幅広い年齢層の視聴者獲得が期待できそうだ。また、7位にはTOKIO・松岡昌宏主演の実話を基にした『高校生レストラン』(日本テレビ系)、8位にアイドルグループ・AKB48が総出演する『マジすか学園2』(テレビ東京系)と、学園ドラマがTOP10に3作ランクイン。安定したジャンルの強さを実証している。

 犯罪心理を暴くサスペンスや、謎解きなどのミステリー作が多かった前クールとは打って変わり、SMAP・香取慎吾主演の “月9”『幸せになろうよ』(フジテレビ系/5位)や、働く女性や母親たちが“幸せの形”を探す『リバウンド』(日本テレビ系/4位)、『生まれる。』(TBS系/6位)など、心温まるヒューマンドラマが多いことも今クールの特徴の1つ。続編が盤石の強さを見せつけるのか? はたまた、新作たちがドラマ界に新風を巻き起こすのか? 結果が楽しみといえそうだ。

【調査概要】
調査時期:2011年3月25日(金)~2011年3月30日(水)
調査対象:合計1,000名(※震災被害の大きい地域は対象外とした/自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代の男女各125名)
調査地域:全国(震災被害の大きい地域は対象外)


内野聖陽さん(JIN―仁―)
龍馬の最期 考えない

 写真撮影の前、記者を被写体にカメラマンが事前チェックをしていると、「ほら、笑って、笑って!」と声が飛んできた。ちゃめっ気たっぷりの顔が、会う人が皆、魅せられた、坂本龍馬と重なった。

 幕末の江戸にタイムスリップした現代の医師・南方と、当時の人々のふれあいを描くSF時代劇。2009年の前シリーズでも、南方を支える豪放磊落
らいらく
な龍馬を熱演した。「初回は男の友情物語的で、“いいヤツ・龍馬”だけで押せていけた。でも今回は龍馬が薩長同盟に奔走し、大政奉還へと進んでいく、ますますきな臭い時代。いいヤツだけじゃ終われない」

 撮影の合間、年表を見る機会が多くなった。「行間にある深みを増させるためには、歴史事実や時代の空気感までイメージしておかないと、薄っぺらくなってしまう」

 龍馬暗殺がどう描かれるか。南方は龍馬を救えるのか。だが、「Xデーをクライマックスにして彼の人生を考えないようにしている。純粋に国を思っている男として、明るく生きられたらいいのかなと思っています」と、自然体で臨む。

 (文・泉田友紀 写真・吉川綾美)

Q タイムスリップするとしたら、どの時代がいいですか?

A 恐竜時代。恐竜がズドーン、ズドーンと歩くのを見てみたい。

Q 学生時代、歴史は得意でしたか?

A 世界史は好きでした。でも、日本史は選択していないんです。難しい読み方をする名前の漢字が苦手なので。今も、昔の人の名前の読み方は毎回、調べてます。

Q ストレス解消法は?

A 基本的にジョギングなんですけど、大声を出すのもいい、っていうことが最近、わかりました。でっかい声でセリフを言ってみたり。鬱々
うつうつ
としがちな時に、大きな声で叫んでみると、いいですよ。

Q 一番、感動したことは?

A 初めて立って、歩いている自分の子どもと、それを見る妻の姿に感動しました。

JIN―仁―(17日からTBS系 日曜後9・00)
 尊皇派と佐幕派が激しく争うなか、坂本龍馬(内野聖陽)は、瀕死
ひんし
の重傷を負った佐久間象山(市村正親)の治療を南方仁(大沢たかお)に依頼。一命をとりとめた象山は意外な言葉を口にする。

プロフィール
うちの・まさあき
 1968年9月16日、神奈川県生まれ。早稲田大学在学中に文学座研究所へ入所。96年のNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で人気を得る。NHK大河ドラマ「風林火山」、舞台「イリアス」ほか、テレビ、舞台などで幅広く活躍する。
(2011年4月11日 読売新聞)








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