4月17日〜18日の幕末ニュース

　今日はなかなかの大漁でした。



秋田

家老が幕末の秋田藩記録／「宇都宮孟綱日記」を翻刻、県公文書館

　「幕末期に秋田藩家老を務めた、宇都宮孟綱（たけつな）の自筆の日記を翻刻する作業を進めている県公文書館（秋田市）は、その最初の成果となる『宇都宮孟綱日記　第１巻』を刊行した。日記は天保１２（１８４１）年６月２９日から明治元（１８６８）年１２月２９日まで記されており、全部で１２７冊。同館は膨大な日記を全８巻にまとめる方針。今後、年１巻ペースで刊行する計画だ」。



埼玉

満開の桜の下で人形浄瑠璃撮る

中日写協撮影会

　「中日写真協会埼玉支部（大塚一正会長）の春の撮影会が十六日、皆野町の金沢ゲートボール場で開かれた。会員ら約三十人が参加。同町金沢出牛地区に伝わる『出牛人形浄瑠璃』の練習風景を撮影した」。

　「出牛人形浄瑠璃は幕末のころに最盛期を迎え、いったん廃れたが、昭和四十年代に地元の人たちによって復活した」。



神奈川

どうする“吉田御殿”

　「吉田茂元首相の私邸だった神奈川県大磯町の『旧吉田邸』が、保存問題で揺れている。所有主の西武鉄道が昨春、県に買収を要請したのが発端。しかし、“ワンマン宰相”の権勢を象徴するかのように、広大な敷地はおいそれとは買えない代物。大磯町と県から迎賓館としての活用を求められた国は、関係省庁による検討会議を発足させた。“吉田御殿”の運命やいかに…」。

　「かつて沿道に山県有朋、陸奥宗光、大隈重信、伊藤博文ら幕末・明治の政治家の別荘が軒を連ねた旧東海道（国道１号）の松並木を抜け、さらに西に進むと、切り通しになった道路の左右にこんもりした森が出現する。右側は三井総領家の三井高棟（たかみね）の別邸敷地だった県立大磯城山公園。左側が『旧吉田邸』である。サンフランシスコで対日講和条約が締結されたのを記念して建立された檜皮（ひわだ）ぶきの内門をくぐると、緑にあふれた庭園が一面に広がる。敷地は三万三千平方メートル。高低差もあり、小山を切り開いて造られた屋敷であることが実感できる」……錚々たる別荘街ですねぇ^_^;。



石川

金大「金沢学」満席　新入生迎え開講　高い関心、名物授業に　本社と提携後、初

　「金大が『金沢学』の推進で北國新聞社と提携して初めての授業『金沢学入門１』が十七日、新入生を迎えて始まった。金沢の歴史や文化、思想について第一人者が持ち回りで語る学術的な内容ながら、教室は立ち見であふれ、補助席を加えてようやく収容できる人気ぶり」。



ブックレビュー

「漂民ダンケッチの生涯」神坂次郎氏

「時代や境遇にとらわれない一流の生き方をした男です」

　「本書では幕末漂流民のひとり・伝吉の波瀾万丈の生涯を丹念に追跡し、実地調査を踏まえ見事な歴史小説に仕上げている」。

　「『伝吉という男の最大の魅力は、どんな逆境にもめげず己の人生を貫き通したところでしょう。非嫡出子として生まれた不幸（母が武士にレイプされた）を手始めに、船乗りになって２度の大遭難を経験しながら、異国で生き残るにはとにかく語学だと独学し、最後には英国駐日総領事オールコックの通詞として終わった。“どこにも根付くところはない”とも述懐しており、歴史に名を残した漂民・通詞とは、また異質な輝きをもつ人物なんですね』」

　「だが当時の日本国内は攘夷派の武士が跋扈（ばっこ）。伝七（オールコックらにはダンケッチと呼ばれた）は江戸・高輪の英国領事館のあった東禅寺前で、馬上で刺殺される。伝七３７歳のときだった」。