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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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 明日18時45分よりBSプレミアムで『新選組血風録』放映開始。楽しみにしています。

長崎
まちなか龍馬館リニューアル お龍の月琴など貴重な史料並ぶ
坂本龍馬を中心とした幕末の歴史と長崎の魅力発信を目的とした「長崎まちなか龍馬館」(長崎市浜町)がリニューアルし、1日、開館式があった。

 同館は長崎市が昨年1月、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の放映に合わせてオープン。今年2月にいったん閉館して、展示内容を新しくした。

 海援隊が出版した英語の入門書など貴重な史料を展示品に追加。龍馬の妻、お龍の月琴など8点は、龍馬夫妻や志士たちを支援した実業家、小曽根乾堂の子孫で17代当主の吉郎さんが寄託した。館内に再現した亀山社中で記念撮影できる体験コーナーも増設。来年3月末までの開館期間中、8万人の入場を目指している。

 開館式には、文化関係者や経済団体の代表らが出席。田上富久市長が「龍馬伝人気に伴う観光客増加や経済波及効果を一過性のものにしないようにしたい。観光客だけでなく、市民の皆さんもぜひ足を運んでほしい」とあいさつ。小曽根吉郎さんは「長崎の歴史と文化の素晴らしさを知ってもらうきっかけになれば」と話した。

 問い合わせは同館(電095・821・2112)。




エンターテインメント
トーク:永井大 NHK-BSプレミアム「新選組血風録」主役
◇ナンバー2の生き様「カッコイイ」--NHK-BSプレミアム「新選組血風録」(4月3日午後6時45分)
 初の時代劇、それも主役である。

 「新しい自分が見つけ出せそう」な期待に胸がふくらむ一方、当初はとまどうことも多かった。着物に二本差し、立ち居振る舞い、言葉遣い……。しかも、演じるのは土方歳三という知名度が高い歴史上の人物。人となりを知るために、函館の記念館へ足を運び、ひまを見つけては資料を読み込んだ。リーダーの近藤勇を支えたナンバー2。その生き様を「カッコイイ」と話す。

 「僕もトップに立って指示を出すより、サブのポジションで上の人をたてながらやっていく方が好き。ちょっと似ているところがあるかもしれません。おそらく、近藤勇のためだったら死ねる、ぐらいに考えていたのでしょうね」

 新選組を率いた近藤勇を演じるのは宅間孝行。3年前、宅間が座長を務める舞台に出演した。その際にできた師弟関係は「近藤・土方の間柄のよう」で、今回の撮影現場にそっくり持ち込まれている。

 「宅間さんの収録が終わるのを待ち、隊士役のキャストを集めて食事に誘うのは僕の役目。みんなで酒を飲みに行くタイミングをはかるのも、僕が情報収集して、宅間さんに報告してから決める」

 撮影を離れても、隊士たちの役回りが決まっていて、沖田総司を演じる辻本祐樹は「イジられ役」なのだとか。

 空手で国体入賞経験があるだけに、アクションは得意。過去の時代劇では見られなかったオリジナルの殺陣を披露しようと、意気込んでいる。

 永井流の痛快な殺陣は、新選組初代筆頭局長・芹沢鴨の暗殺シーンで見られそうだ。【岩崎信道】

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 ■人物略歴

 ◇ながい・まさる
 1978年5月20日、新潟県生まれ。小学校時代、社会科の歴史で成績が良かったという。「年号と出来事を暗記すれば点数がとれますから。興味があるのは江戸時代。どんな暮らしだったのかなあ」


コラム
(106)東大教授・山内昌之 明治天皇(上)
 天皇陛下は3月16日、東日本大震災の被災者や国民に向けてビデオメッセージを寄せられた。陛下がビデオでお考えやお気持ちを人びとに述べられるのは初めてだという。私はNHKテレビでメッセージを謹聴していたが、すべての方面への気配りと激励にあふれたお言葉に感動したのは私だけではないだろう。

 犠牲者を悼まれた後、陛下は多くの人びとの無事を願われ、被災者の状況が少しでも好転し、復興への希望につながっていくことを願望された。「何にも増して、この大災害を生き抜き、被災者としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています」

 これは誰にも不平不満を言わず、全力で試練に立ち向かっている被災者に対する国民の敬意を代弁されたものともいえよう。

 さらに、原発関係者の修復努力、自衛隊・警察・消防・海上保安庁の救援、外国人と日本人ボランティアが「余震の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力」に感謝され、労を深くねぎらっておられるのだ。そして、世界各国の元首の相次ぐ見舞いが届いていることを紹介され、各国国民の気持ちが被災者とともにあると添えられた言葉に触れられ、被災者を激励することをお忘れにならない。

 陛下は、海外でも日本人が「取り乱すことなく助け合い、秩序ある対応を示していることに触れた論調も多い」と述べられた上で、「これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えること」を心から願われた。

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 そして、メッセージの掉尾(ちょうび)を国民のすべてにとって励みとなる素晴らしいお言葉で結んでおられる。

 「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています」

 これほど見事なバランス感覚に富んだ文章を私は知らない。歴史にも長く残ることであろう。陛下のメッセージが私たちの心を打つのは、少しも飾らない文章が誰にも分かりやすく、お心のうちを包み隠さずに吐露される誠実さが人を感動させるからであろう。

 ◆国難の時、鼓舞する御製

 こうしたメッセージは、国や人びとが困難な状態にあるとき、しばしば歴代天皇によって発せられてきた。なかでも陛下の曽祖父にあたる明治天皇は、生涯の御製(ぎょせい)が九万余首の多きに上り、在世中から世の中に漏れ聞こえてきただけでも五百余首ある。そのなかには今回の大震災のような未曽有の国難や試練に遭ったときに、国家と国民を何とかして鼓舞したいと願った御製も多い。いちばん有名なのは、明治37(1904)年に戦端が開かれた日露戦争の折に詠まれた和歌である。

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 しきしまの大和心のをゝしさは

 ことある時ぞあらはれにける

 日本国民の大和魂は雄々しいものである。たとえ平時には現れなくても、一朝事のある時には自然と外に現れるものではある。もちろん、帝国憲法下の天皇と戦後新憲法の象徴天皇とでは、国制上の位置も役割も当然異なっている。歴史や時代の感性も違うことは述べるまでもない。それでも、明治天皇の御製には「取り乱すことなく助け合い、秩序ある対応を示していること」や「これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えること」を訴えかける陛下のお心に共通する励ましの響きが感じられる。

 ◆勇猛の元は敷島の大和魂

 次に挙げる和歌も同じ明治37年の御製である。

 山をぬく人のちからも敷島の

 大和心ぞもとゐなるべき

 『史記』(項羽本紀)にある「抜山蓋世(ばつざんがいせい)」とは、力は山を抜き気は世をおおうほどに勇壮な気性を表すという意味である。明治天皇は、山を抜くくらいの勇猛な力の出所は敷島の大和魂が基礎である、と詠みたかったのだろう。

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 現代では「大和心」や「大和魂」という表現を日常使う人も少ない。しかし、こうした言葉をあえて使わずとも、東日本大震災の被災者の克己心や救助者らの犠牲的献身ぶりを見るにつけて、日本人としての精神力のたくましさやヒューマニティーを感じざるをえない。そして国民を励まそうとする心こそ、明治天皇の御製から陛下のメッセージに共通するお気持ちではなかろうか。(やまうち まさゆき)

                   ◇

【プロフィル】明治天皇

 めいじてんのう 第122代天皇。諱(いみな)は睦仁(むつひと)。嘉永5(1852)年、孝明天皇の第2皇子として生まれる。慶応4(1868)年に即位、同年「明治」に改元。明治22(1889)年の帝国憲法公布、27~28年の日清戦争、37~38年の日露戦争などを通じ、近代国家日本の君主として国民の畏敬を受ける。明治45(1912)年7月、崩御。


(107)東大教授・山内昌之 明治天皇(中) ローマ賢帝との共通性
 明治天皇の御製(ぎょせい)は、どことなく古代ローマの哲人皇帝、マルクス・アウレリウスの『自省録』のエスプリと似たところがある。

 2人には、哲人あるいは詩人として、他の皇帝や王たちと違う共通の個性が感じられるのだ。その一つは、統治の哲学を短い文章で簡潔に表現する才能に秀でていた点である。実際に明治天皇が明治43(1910)年に詠んだ和歌は味わい深い。

 短くてことの心のとほりたる

 人のふみこそ読みよかりけれ

 2人には大きな相違もあった。マルクス・アウレリウスは8歳の時に失った父の「慎ましさと雄々しさ」を記憶しつつ成長したが、明治天皇は8歳の時から父の孝明天皇に歌を詠む喜びや作法を教わった。

 親子の縁が薄かったマルクス・アウレリウスと違い、明治天皇は16歳まで父帝の慈愛に育まれながら成長したのである。

西郷、山岡から吸収

 王政復古の大号令後の小御所会議で、酩酊(めいてい)した前土佐藩主、山内容堂(やまうちようどう)がうっかり形容した「幼冲(ようちゅう)(おさないこと)」という言葉は、父を失ったときのマルクス・アウレリウスにはあてはまっても、明治天皇にはそぐわない表現であった。実際に容堂は、帝は不世出の英主であられるぞと岩倉具視(ともみ)に切り返されたのも当然なのだ。

 マルクス・アウレリウスは、ストア主義者の師マクシムスから克己(こっき)の精神と確固たる目的をもつことを学んだと告白している。病気の場合でさえも、機嫌良くしていることも教えられた。優しいところと厳格なところがうまく混ざり合った性質や、目前の義務を苦にせず果たすこともマクシムスによる訓練の賜物(たまもの)であった。こうした特性は明治天皇にも共通しており、明治42年の御製には次のような作品がある。

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 己が身は顧みずして人のため

 尽(つくす)ぞひとの務(つとめ)なりける

 まさに東日本大震災で復旧支援に携わる自衛隊員をはじめとした公務員や、原発作業員やボランティアの自己犠牲的な精神にそのまま当てはまる言葉であろう。被災地外の国民も、この献身的な人びとに感謝しなくてはならない。

 明治天皇のマクシムスは果たして誰だろうか。天皇は、多くの賢臣から薫陶を受けている。しかし、統治や統帥(とうすい)、知性や教養の全体を覆うバックボーンは、西郷隆盛や、その推輓(すいばん)で侍従となった幕臣、山岡鉄舟の存在に負うところが多いのではないか。宮中を女官中心の内裏(だいり)の雰囲気から変え、西欧のように武芸から学問にまで通じる活動的な青年君主に育てた人物は、まずこの2人であろう。

 マクシムスがマルクス・アウレリウスに影響を与えたのは、明治天皇が西郷や山岡から吸収した知徳と同じだったことも興味深い。「驚かぬこと、臆さぬこと。決してあわてたり、しりごみしたり、とまどったり、落胆したり、作り笑いしたりせぬこと。また怒ったり、猜疑(さいぎ)の心をおこしたりせぬこと。慈善をなし、寛大であり、真実であること」(『自省録』神谷美恵子訳、岩波文庫)

 この2人の帝王には、労働を愛する心と根気強さ、公共のために忠言を呈する賢臣に耳を貸し、各人にあくまでも公平に接した点においても共通する要素が多い。何よりも食物や衣服など嗜好(しこう)にこだわらず、万事に欲望が少なく質素だった点は驚くほどだ。明治天皇は、どれほど和歌が好きでも、それで政務をなおざりにはしなかった。大臣や重臣が政務を奏上(そうじょう)するときに、詠歌を考えている様子は少しも見受けられなかったという。

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 これはちょうど、今上天皇がどれほど御専門のハゼはじめ生物学の研究をお好きでも、大事な御公務が途中で入ると必ずおやめになられ、研究室の電気をすべて消してからお仕事に戻られる姿勢とも共通している。他方、明治天皇は余裕綽綽(しゃくしゃく)と即興で歌が浮かんだというから、歌人の才は天性のものなのだろう。

風雲の志士が御歌所長

 薩摩出身の侍従高崎正風(まさかぜ)は、御歌掛(おうたがかり)に挙げられたとき、詠歌を嗜好しすぎて大切な国政をなおざりにせぬよう求めた。職を受ける以上は「厳師」になるので「不敬不遜」にならないために、あらかじめ「勅許」を得たいと述べたらしい(大阪毎日新聞社編『明治天皇御百首』)。随分と思い切ったことを言うものだ。

 明治天皇は高崎の言い分すべてを受け入れた。莞爾(かんじ)として笑みを浮かべる天皇の顔が浮かびあがるようである。高崎の父五郎右衛門は島津斉彬(なりあきら)の継嗣問題をめぐる御家騒動、「高崎崩れ」の中心人物であり、正風も寺田屋事件や薩英戦争に深く関わり、戊辰戦争でも参謀として活躍した。革命やテロの風雲を乗り切った志士が天子の御歌所(おうたどころ)長になるのはまず奇観であり、世界史にもほとんど類を見ないことだ。

 天皇も人間である。やはり歌を詠み、好きな歴史書を読む楽しみは格別であった。その時間がないとさりげなく述懐する明治45年の御製に微(かす)かな“ぼやき”の念を感じるのは、私の感性の浅さであろうか。しかし、明治天皇の機知やユーモアの発露とも考えたいのは私だけでないかもしれない。

 繙(ひもと)かむ暇(いとま)なき日のおほきかな

 読むべき書(ふみ)はあまたあれども

 (やまうち まさゆき)









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