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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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北海道
楽しくチャンバラ! 野外劇の会 殺陣のワークショップ
 NPO法人市民創作「函館野外劇」の会は21日、刀を振る剣劇・殺陣(たて)のワークショップ「楽しいチャンバラ!」を五稜郭公園の芝生広場で開いた。子どもから大人まで約30人が参加。野外劇殺陣チームを指導する河口博昭さん(48)が指導し、刀の持ち方や振り方などの基本を体感した。

 河口さんは殺陣ユニット「無銘刀(むめいとう)」を主宰し、俳優、殺陣師として活動している。子どもたちには、刀の振り方「天、地」や構え方「八双(はっそう)」などを分かりやすく「強いポーズ」などと表現して紹介。子どもたちはすぐに理解し、紙を丸めた棒で大人顔負けのチャンバラの動作をこなしていた。

 参加した市内松陰町の池田千大(ちひろ)君(柏野小3年)と大知君兄弟は「構え方も楽しく教えてもらい、最後に大人を相手にするところが楽しかった」と声を弾ませていた。河口さんは「子どもたちはノリが良く楽しかった。野外劇にも興味を持ってもらえれば」と話していた。
五稜郭の石垣修復工事開始
 函館市教委は15日、特別史跡・五稜郭跡内堀の崩落した石垣の修復工事を始めた。大型クレーンの組み立て作業に伴い、石垣対岸側の散策路の一部に迂回(うかい)路が設けられた。修復工事は来年3月までに終了する予定。

 市教委によると、昨年3月に郭内南東部の石垣が幅約10㍍、高さ2㍍にわたって崩落し、1年以上立ち入り禁止区域となっていた。

 修復工事は、6、7月中に堀の水位を下げ、対岸から大型クレーンを用いて土のうを搬入して石垣を囲う。その後、土のうの内側の水をポンプでくみ上げてから堀に沈んでいる石を回収。元の積み方を再現するため、現況調査や設計も合わせて行い、11月から石の積み直し作業に入る見通しだ。

 この日は大型クレーンの組み立て作業で終了し、16日から本格的な搬入作業と迂回路の利用が始まる。

 迂回路の設置と堀内の進入規制は、土のう搬入に伴い7月中旬まで。石垣周辺の内堀にはロープが張られており、貸しボートでの進入はできない。郭内は8月末まで立入規制が行われる。

 散策路を通り過ぎた市内在住、60代の男性は「ランニングで通る時、いつも崩壊した石垣が気になっていた。早くきれいに直ってほしいですね」と話していた。

函館山山麓「碧血碑」建立140年 土方歳三子孫ら一堂に 25日に偲ぶ会
 【函館】箱館戦争で敗れた旧幕府軍の犠牲者を弔う函館山山麓の「碧血(へっけつ)碑」の建立140年を記念した「箱館戦争・旧幕府軍を偲(しの)ぶ会」が、25日午後6時から函館市梁川町のベルクラシック函館で開かれる。有志でつくる函館碧血(へっけつ)会(大谷長道会長、約70人)が主催。土方歳三など箱館戦争ゆかりの旧幕府軍兵士の子孫らが集まり、先祖への思いなどを語りあう。

 碧血碑は市内谷地頭町に1875年(明治8年)に建立され、旧幕府軍の戦死者約800人を葬っている。旧幕府軍の敗戦を決定づけた千代ケ岡台場陥落の日に当たる6月25日(旧暦5月16日)に例年、函館碧血会が碑前で慰霊祭を開いており、節目に当たる今年は「偲ぶ会」も企画した。

 「偲ぶ会」では土方歳三の故郷、東京都日野市にある土方歳三資料館の土方愛館長をはじめ、榎本武揚の子孫榎本隆充さん、中島三郎助の子孫中島恒英さんら10人が出席。ノンフィクション作家の合田一道さんをコーディネーターに、箱館戦争当時のエピソードや、それぞれの先祖に対する思いなどを語る。

 函館碧血会の関尚彦事務局長は「旧幕府軍兵士の子孫が函館にこれだけ多数集まるのは初めて。これまで知られていない興味深い話を聞くことができれば」と話す。一般参加も可で定員100人、会費5千円(飲食代)。申し込みは18日までに同会事務局(電)0138・55・0384へ。碑前慰霊祭は同日午後1時半から。申し込み不要で当日会場へ。(田中雅章)

乙部に「官軍上陸の地」 箱館戦争の歴史知って 地域おこし協力隊の今さん、無料ガイド始める
【乙部】町地域おこし協力隊員の今昭人(こんあきひと)さん(53)が、乙部漁港付近にある「箱館戦争官軍上陸の地」跡で、無料ガイドを始めた。乙部の歴史のひとコマを広く知ってもらい、地域活性化につなげたいと考えた。新政府軍の上陸の指揮を執った山田顕義(あきよし)の活動を中心に、乙部が箱館戦争の舞台の一つになったことを解説している。
 跡地は1869年(明治2年)、新政府軍が、旧幕府軍から支配権を奪おうと、上陸した地点。山田顕義は海陸軍参謀を務め、上陸後、五稜郭に進軍して箱館戦争終結に貢献したとされる。明治政府では司法大臣などを歴任。日本大学の創設者としても知られる。
 跡地には現在、高さ3メートルの木柱の碑と案内板が設置されているが、これまで観光スポットとしてはあまり認知されてこなかった。
 札幌出身の今さんは道内運輸会社の元社員で江差町での勤務経験があり、昨年7月、乙部町初の地域おこし協力隊員になった。観光資源としての跡地に注目し、歴史的価値を観光客らに知ってもらおうと思い立ち、山田顕義の活動などを紹介した原稿を執筆し、昨年から町の広報誌に複数回掲載した。本格的な観光シーズンを迎えた5月上旬からガイドを始めた。
 ガイドでは、旧幕府軍の砲台があった江差を避けて乙部に上陸したことや、山田顕義が優れた軍人政治家で「日本の小ナポレオン」と呼ばれていることなどを説明している。これまで約20組40人を案内し、「深く理解できた」との感想をもらったという。
 今さんは「日本の近代化に貢献した人物が乙部に来たことを多くの人に知ってほしい」と話す。ガイドは予約制で、問い合わせは町産業課(電)0139・62・2311へ。(山田一輝)

東京
ユーモラスな絵が大人気!幕末 明治のスター絵師の名品が集う『画鬼・暁斎-KYOSAI』展
 幕末から明治にかけて活躍したスター絵師、河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)。ユーモラスな戯画から、美人画、水墨画などさまざまなジャンルの絵を手がけた暁斎の画業をたどる展覧会、『画鬼・暁斎-KYOSAI』展が東京・丸の内の三菱一号館美術館で開かれます。
 幼いころから絵の才能が高く、2歳でカエルを写生していたという暁斎。6歳でかの有名な浮世絵師、歌川国芳に弟子入りし、さらに9歳で狩野派に入門。修業を終えたあとは、狩野派の仕事をしながら、挿絵や風刺画などを手がけていましたが、ユーモラスな戯画でブレイクし、人気絵師になっていきました。
 本展では、暁斎の人気作品が多数紹介されています。なかでもオススメは、後期に展示される《惺々狂斎画帖(三)》(20 図のうち)。巨大なネコが草むらからヌッと顔を出している絵で、おびえている人物も描かれていてユーモアたっぷりです。また、メトロポリタン美術館が所蔵する暁斎作品が約120年ぶりに里帰りして展示されるので、こちらも見逃せません。
 もうひとつの見どころは、英国人建築家ジョサイア・コンドルと暁斎の交流に関する展示です。明治政府に招かれて来日したコンドルは、日本の近代建築に功績を残し、三菱一号館の設計も手がけました。日本美術の愛好家でもあり、暁斎に弟子入りして絵を学び、味わいのある日本画も残しています。本展では、コンドルが描いた作品も見ることができます。
 絵に熱心なあまり「画鬼」と称された暁斎の型破りな画業と、コンドルとの師弟愛を感じることができる見どころ満載の展覧会。展示替えを行いながら国内外の貴重な名品約130点が紹介されます。この機会に暁斎ワールドを楽しんでみてはいかが。

イベントデータ:
画鬼・暁斎-KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
会期:2015年6月27日(土)~9月6日(日) ※休館日は月曜日。7 月20日・8月31日は開館。
※一部展示替えあり。前期:6月27日~8月2日 後期:8月4日~9月6日
時間:10:00~18:00(金曜日および8月31日〜9月4日 10:00~20:00)
会場:三菱一号館美術館
料金:一般 1,500円/大学生・高校生 1,000円/中学・小学生 500円
【開催中】東京駅に幕末の人気浮世絵師・歌川広重「市中繁栄七夕祭」モチーフの浮世絵風七夕装飾が登場!
6月22日(月)から7月7日(火)七夕の日までの期間、東京駅「グランスタ」内の銀の鈴広場に、「東海道五十三次」で知られる浮世絵師・歌川広重の「市中繁栄七夕祭」をイメージした館内装飾が登場。道行く人々の視線をひとり占めしている模様です。
【江戸の七夕を描いた1枚】
幕末に人気を博した歌川広重、彼による最晩年の連作が「名所江戸百景」。高さ約2.4m、幅約4.8mの作品中に収録された「市中繁栄七夕祭」には、当時の五節句のうちで最も重要な年中行事とされていた「七夕祭」に現れる江戸の街の繁栄ぶり、そしてその様子を見守る富士山が描かれており、非常に華やか。
七夕の笹飾りには、鯛やスイカの飾り(!)などがぶら下がっており、当時の江戸文化を垣間見ることができる貴重な1枚となっています。
【現代風にちょっぴりアレンジしています】
江戸時代、東京駅周辺で見ることができた七夕の風景を、2015年の東京駅で観賞することができるとは、なんとも粋な計らい。「浮世絵に描かれた富士山のように、東京の繁栄を見守りたい」という想いのもと、オリジナル作品に描かれている富士山を東京駅に置きかえてデザイン。そういった点にもぜひ、注目していただきたいところです。
【短冊をつるす “笹” が登場するよ〜〜】
また、七夕にちなんで、願いを書いた短冊をつるすことができる3本の笹が設置されるのだそう。笹と短冊は、展示期間が終了後に、縁結びの神として知られる「東京大神宮」に奉納されるようなので、こちらに参加してみるのもいいかも!
【七夕スイーツが揃う期間限定フェアも合わせてチェック☆】
さらに、「グランスタ」および東京駅改札内1階「グランスタダイニング」や「セントラルストリート」では「東京駅エキナカ 七夕フェア」を開催。天の川や織姫、彦星などをモチーフとした期間限定の七夕スイーツが各店で楽しめるらしく、こちらも見逃せませんっ!
【誰もが知ってるあの老舗店も参加しているよ】
中でも注目したいのは、創業100年を超える老舗の2店舗から登場する期間限定商品。1つは、京橋千疋屋の「七夕☆ゼリー」 (626 円)。こちらは1日100個限定なのだそう。
そして人形町にある名店・三原堂本店から、7月3日(金)から発売される「七夕上生菓子」 (760 円)も見逃せません。
【この時期にしか出会えない味をご賞味あれ】
どちらも夢のように美しく、お土産にしたら喜ばれることウケアイ。七夕一色に染まった東京駅を堪能するべく、お近くの方はふらりと、足を運んでみてはいかがでしょうか?

参照元:株式会社 鉄道会館 プレスリリース、グランスタ
参考:東京駅/グランスタ/鉄道会館 公式Facebook
執筆=田端あんじ (c)Pouch
現在はあまり取り上げられない 浮世絵の戦争画をピックアップする展覧会
戦後70年の節目イベントとしての意味も
東京都渋谷区にある浮世絵太田記念美術館では、『浮世絵の戦争画 ー国芳・芳年・清親』を2015年7月1日から7月26日のスケジュールで行う。なお休館日は7月6、13、21日。
浮世絵
浮世絵といえば、泰平の世を描いた享楽的な絵、という印象を持っている人が多いと思うが、江戸から明治にかけて、「戦争」を題材とした浮世絵も連綿と描かれ続けていた。

なおこの展覧会は、戦後70年の節目ということもあっての展示である。

源平時代のものからから明治の日露といった戦争まで
浮世絵師の中でも幕末の歌川国芳、幕末から明治の月岡芳年、明治の小林清親といった浮世絵師たちは、戦争を題材とした作品を多く描いたとして知られているが、いままで戦争画そのものに注目はあまり注目が集まらなかったため、紹介される機会は少なかった。

内容としては、源平時代や戦国時代といった歴史上の合戦を題材としたものから、幕末の戊辰戦争、そして、明治時代の西南、日清、日露などといった同時代に勃発した戦争を題材としたものまでさまざまある。

そのため、展覧会はこれらの戦争がどのような目的で描かれ、どのような形で表現をしたかという検証も行う。

なお、学芸員によってこの展覧会を案内するスライド・トークも行われる。日程は7月3日、9日、18日でそれぞれ14:00から40分程度行う。申し込みおよび参加費は無料だが、この博物館の入場券が必要である。


外部リンク

太田記念美術館 『浮世絵の戦争画 -国芳・芳年・清親』
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
高知
勤王に奔走の幕末志士・弘瀬健太の遺墨を高知市の子孫保存
山内容堂の命で切腹 吉田松陰の歌で妻に永別か
 幕末の志士で、28歳で切腹した弘瀬健太(1836~1863年)の遺墨など貴重な史料が、高知市の子孫の家に残されていることがわかった。

 弘瀬健太から5代目の子孫で、医師の弘瀬健吾さん(72)=高知市福井町=が大切に保存してきたもの。「徒然草」の一節を写した書、吉田松陰の歌を書きとめた色紙、弘瀬健太の没後に明治新政府から遺族に贈られた「従四位」の贈位記――など4点。

 土佐史研究家、松岡司さん(72)が講師をつとめる南国市久礼田史談会(会長・川村忠義さん)の会員が協力して解読にあたった。

 弘瀬健太は現在の高知市井口町に生まれ、武市半平太を盟主とする土佐勤王党に加盟。京都に出て勤王運動に奔走するが、山内容堂の怒りに触れて土佐へ帰され、平井収二郎、間崎滄浪とともに切腹を命じられた。

 色紙の歌は1859(安政6)年、江戸へ護送される吉田松陰が3人の妹に贈った別れの一首。〈こころあれや人の母たる人たちよかからんことはもののふのつね〉(人の母として女性たちは心してほしい、こういうことは武士の常なのだ)とある。弘瀬は死を前にして、松陰のこの歌を書き写しながら、妻の千賀に永別を告げたのかもしれない。

 「徒然草」は第38段の一節。「真の人は智もなく徳もなく功もなく名もなく……」という兼好法師の言葉を引用して、自己の人生観を語っているようにも思われる。

 4点はいずれも初めて公開される史料。「弘瀬健太は一般にあまり知られていないが、人となりや教養の深さを知るうえで貴重なものだ」と、松岡さんは話している。

【写真】軸装された弘瀬健太の4点の史料=左、弘瀬が吉田松陰の歌を書いた色紙=右
ブックレビュー
「ここまでわかった!新選組の謎」「歴史読本」編集部編
 大河ドラマ「新選組!」の放映を機にファン層が広がる新選組を主題にした歴史読み物。
 フィクションでは入隊のために厳しい実技試験があったように描かれているが、現実は隊士募集に応募してきた人に剣の腕前や流派を問うことなく入隊を許していたようだ。新人は日々の実務の中で淘汰されるシステムだったらしい。その他、隊の構成や役割、さらに女性関係まで比較的新しいファンのためにQ&Aで基礎知識を解説。その上で、新選組誕生の背景や、筆頭局長の芹沢鴨が突如、生糸問屋・大和屋を焼き打ちした本当の理由、そして芹沢暗殺事件の真相など、最新の研究成果を盛り込み、さまざまな謎を解き明かす。(KADOKAWA 800円+税)
コラム
新選組と薩摩藩(下)
■近江屋事件の嫌疑と誤認

近藤勇最期の地に立つ供養墓=東京都北区滝野川
 慶応三(一八六七)年後半の京都政局において、新選組、なかでも局長・近藤勇の存在と発言力が大きくなってくる。
 それは幕府体制を維持するか否かをめぐる保幕派と薩摩藩を中心とする廃幕派の対立が武力発動さえ辞さぬほど緊迫してきたからである。そして同年六月、近藤が旗本になったのをはじめ、新選組が幕臣化したことが幕府への帰属意識を高めた。
 同月、近藤は親藩集会に出席するようになる。これは御三家や会津藩、越前藩などの在京代表による協議の場だった。そうした近藤の地位は「譜代の小藩主クラス」という見方もあるほどである(松浦玲「新選組」)。
 同時期、近藤は摂政・二条斉敬なりゆきに建白書を提出し、長州再征を「妄挙もうきょ無名むめいの師」とする薩摩など四侯しこうの建白書を採用しないよう訴えている。対薩長強硬派としての近藤の存在は朝廷にも強く印象づけられた(「玉里島津家史料五」一六七一号)。
 そうした近藤の姿に熱い視線を送っていたのが将軍慶喜の盟友で会津藩の同伴者というべき尹宮いんのみや朝彦あさよし親王だった。八月十四日、将軍慶喜の懐刀だった目付・原市之進が暗殺されたため、朝彦親王は原の後継者として近藤に目をつけたのである。
 九月十三日、来訪した会津藩公用方の有力者・秋月悌次郎ていじろうに対して、近藤を原の後任に推挙すると、秋月だけでなく若年寄格の永井尚志なおゆきも賛意を表している。推挙の理由は「もし長州藩兵が大坂ヘ上ってきたとき、(近藤なら)対決できる」というものだった(「朝彦親王日記」九月十三日条)。
 そうした政治的なスタンスゆえ、近藤は大政奉還にも強く反発し、薩土両藩との対決姿勢を鮮明にした。そして十一月十五日夜、坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺される近江屋事件が起きると、薩土両藩ともすぐさま新選組の仕業だと判断した。
 とくに事件当夜に入京した大久保一蔵は翌日、岩倉具視から急報を受けると、「遺憾に堪えない次第である」と悔しがった(「大久保利通文書二」一四一号)。さらに大久保は事件から四日後、岩倉にあてた書簡で「坂本をはじめ暴殺のことはいよいよ新撰(新選組)に相違ないと聞きました。(中略)近藤勇の仕業だと察せられます。まことに(近藤の)自滅を招く表れだと思います」と述べ、事件の首謀者は近藤だと確信していた(右同書一四四号)。
 大久保の確信には根拠があった。事件から三日後、近藤たち主流派と袂たもとを分かった高台寺党こうだいじとうが新選組に襲撃され、首領の伊東甲子太郎かしたろうなどが殺害された。生き残った者たちが薩摩藩邸に駆け込んできた。大久保は彼らを庇護ひごし、伏見藩邸に移した。彼らが近江屋事件は新選組の仕業だと洩もらしたため、大久保はただちに土佐藩に連絡、同藩から目付の谷守部もりべ(のち干城たてき)と毛利恭助がやってきて伏見藩邸で尋問が行われた(「京在日記 利秋」)。
 その結果、新選組の仕業だというのが薩土両藩の共通認識になったのである。しかし、これは誤認で、その後の真相究明にとって大きなボタンの掛け違いになった。実際は同じ幕府の警察組織・見み廻組まわりぐみの仕業だったのである。近藤と新選組には不幸な冤罪えんざいだった。
 翌四年四月三日、近藤は下総しもうさ流山ながれやまで政府軍に投降、二十五日、板橋宿で斬首された。その処分協議では、京都護送を主張した薩摩藩を制して、土佐藩・谷守部の強硬意見が通った(「谷干城遺稿一」第三編)。谷には坂本と中岡の仇あだ討ちという思いが強かったのではないか。一方、近藤には不運で不名誉な最期になった。
(歴史作家・桐野作人)
NHK大河にしたい幕末志士1位は?
NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の視聴率が苦戦していると話題になっている。様々な要因はあるだろうが、主人公が「吉田松陰の妹で、のちに久坂玄瑞の妻となる杉文(すぎ ふみ)」というのがやや地味なのでは…という声もある。

【もっと大きな画像や図表を見る】

では、いったい誰が主人公だったら盛り上がるのだろうか? 幕末に活躍した人物(&これまで大河ドラマで主人公になっていない人物)のなかで、「大河ドラマで主人公にしてほしい」と思うのは誰か、20~30代社会人男性200人にアンケート調査した(協力/アイ・リサーチ)。

〈大河ドラマ化してほしい幕末の人物TOP10〉
(上位3位まで選択。1位3pt、2位2pt、3位1ptとして集計)

1位 伊藤博文(長州藩士として活躍後、初代総理大臣に) 151pt
2位 沖田総司(新選組一番隊組長) 140pt
3位 高杉晋作(長州藩士。奇兵隊を結成) 115pt
4位 土方歳三(新選組副長) 113pt
5位 ジョン万次郎(中濱 萬次郎、捕鯨船で漂流・航海) 103pt
6位 徳川家茂(14代将軍) 76pt
7位 岡田以蔵(人切り以蔵) 68pt
7位 斎藤 一(新選組三番隊組長) 68pt
9位 大隈重信(佐賀藩に生まれ、総理大臣などを歴任) 63pt
10位 井上 馨(長州藩士として活躍後、外交の基礎を築く) 39pt

※番外
11位 木戸孝允(桂小五郎。長州藩士) 38pt
12位 山岡鉄舟(江戸城無血開城に導いた一人) 33pt
13位 永倉新八(新選組二番隊組長) 15pt
14位 山内容堂(土佐藩藩主) 10pt

1位は僅差で「伊藤博文」となったが、TOP10のうち3人が「新撰組」と、人気ぶりが目立つ。「新撰組」自体は2004年に大河ドラマ化されているため当分は難しそうだが、将来の有力候補になりそうだ。以下、それぞれの人物に対するラブコールもご紹介しよう。

●1位 伊藤博文 151pt
「初代総理大臣だから」(30歳)、「立派な功績を残していると思ったから」(36歳)などの声が集まったのが伊藤博文。大日本帝国憲法の草案をつくった功績でも知られているが、「大河ドラマで見たことがない」(35歳)などのコメントが。明治維新後の活躍のほうが目立つせいか、「幕末ドラマ」での印象は希薄なのかも。若き日の「伊藤博文」を描くことで、激動の幕末から明治維新の幕開けまでを観たいということかも。

●2位 沖田総司 140pt
2004年大河の『新選組!』は主人公が近藤 勇(香取慎吾)だったが、イケメン剣士というイメージの強い沖田総司に「カッコ良さそう」(38歳)など期待の声が集まった。仮に実現するとしたら、主人公のキャスティングに女性ファンからの注文が色々つきそうだが、どの人気俳優が演じるか?(ちなみに『新選組!』では藤原竜也が演じていました。) そのほか、「新選組は面白そうなので」(38歳)、「新撰組は華があるから」(30歳)と人気は根強いよう。

●3位 高杉晋作 115pt
「おもしろきこともなき世をおもしろく」の辞世の句で知られる、キャラ立ち抜群の長州藩士。「面白みがありそうだから」(34歳)、「短命に終わったところが英雄っぽいから」(36歳)、「若くして亡くなった人生に興味があるから」(33歳)など、農民中心の“奇兵隊”を結成するなどした型破りな人生に、興味を持つ若手ビジネスマンが多数。もっとも、「花燃ゆ」にも登場しましたが…。

●4位 土方歳三 113pt
「新撰組副長として箱館戦争まで戦い抜いた、近藤 勇に引けを取らない英雄だから」(26歳)、「小説などで主人公として魅力がある」(29歳)など、新選組“鬼の副長”を支持する声も多数。土方を主人公にした小説『燃えよ剣』(司馬遼太郎)は何度も映像化されており、大河の原作としても期待される。

●5位 ジョン万次郎 103pt
「アメリカでの体験が面白そうだから」(38歳)、「冒険や政治など世界をまたにかけたドラマが面白そう」(25歳)、「自らアメリカという異国の地まで漂流して、異国の文化を吸収して、新たな時代を切り拓こうとした姿勢に共感を覚えたから。また、今まで大河ドラマで取り上げられてきていない存在でもあるから」(30歳)など、グローバルな活躍ぶりに関心を持たれているのがジョン万次郎だ。漁師の息子で読み書きもほとんどできなかったといわれるが、漂流の果てにアメリカへ渡り苦学し、通訳として活躍するなど、まさにバイタリティの人といえる。

ほか、7位の齋藤 一には「るろうに剣心でも有名なので、史実に基づいた物語が見てみたい」(32歳)、岡田以蔵には「どんな気持ちで人を切っていたか興味があるから」(32歳)といったコメントが集まった。

若者たちが国のために志を持って奔走した…という“アツさ”からか、やはり人気の高い幕末ドラマ。2016年は戦国時代を舞台とした『真田丸』で決まりとのことですが、それ以降に期待したい!
(R25編集部)
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