8月29日の幕末ニュース

　台風一過という感じで激しい雷雨の夜が明けてますが、予報によると午後の降雨確率がまた70%です(汗)。

岩手
ブラジル移民：１００周年を振り返り、貴重な資料など展示－－県立図書館　／岩手

◇９月１５日まで
　ブラジル移民１００周年を振り返ろうと、「日本人移民の歴史」と題した展示会が盛岡市盛岡駅西通の県立図書館で開かれている。９月１５日まで。
　同館によると、日本の海外移住は１８６８年の明治維新を境に活発化。ブラジルへの移民は１９０８（明治４１）年に始まり、初陣７８１人は「笠戸丸」に乗り込み、２カ月をかけてブラジルの地を踏んだ。その後、２５万人が渡り、今では推定１４０万人の日本人・日系人が営みを続けているという。
　移民前にブラジルを調査し、適性を見いだす報告書をまとめた盛岡出身の外交官・杉村濬（ふかし）（１８４８～１９０６）を紹介する郷土コーナーなど、会場には移民や文化を伝える１７２点の書籍に加え、解説パネル１０点も展示。１９０８年出版の外務省がまとめた調査報告書など貴重な資料もある。

山口
要望実り「長州砲」里帰り

　幕末に長州藩が製造した大砲「長州砲」１門が英国から萩市に貸し出され、28日から萩博物館で一般公開が始まった。市民の要望がきっかけで、明治維新から140年の節目に実現した。展示は来年５月末まで。
　この大砲は長州藩が欧米の連合艦隊に大敗した下関戦争（1864年）で英国軍が戦利品として持ち帰った。青銅製で長さ185.9センチ、口径8.8センチ。砲弾の飛距離は約１キロ。日本伝統のたたら技術を用いた作で、雲と龍（りゅう）を組み合わせた模様で装飾してある。
　長州砲は関門海峡沿いに約100門設置され、現存するのは８門。市民らが「里帰りを」と要望し、事業費約400万円は歴史的な建造物の保存を寄付で進めるワンコイントラスト委員会が負担した。

鹿児島
鹿児島市：篤姫効果でホクホク　観光施設、入館者数が大幅増

　鹿児島市内の主な観光施設の今年１～７月の入館者数が、前年同期に比べ大幅に増加していることが鹿児島市の調査で分かった。市観光企画課によると、徳川家に嫁いだ薩摩の姫の生涯を描いた大河ドラマ『篤姫』がきっかけで訪れた観光客が多く、さまざまな施設に流れているという。
　主な観光施設で、同課が入館者数の前年同期（０７年１～７月）と比べたところ、いずれも、旧薩摩藩主別邸の仙巌（せんがん）園４１・７％▽西郷南洲顕彰館２６・２％▽維新ふるさと館１４・９％▽かごしま水族館１・２％の増加。また、市内の観光地を巡る周遊バス「カゴシマシティビュー」の利用者数も３０・６％増の１３万６０４５人。ホテルなど市内の宿泊施設（１８施設）の客数（今年１～６月）も前年同期比で４・２％伸びて５１万２４４０人となった。
　「篤姫」放映終了後は減少も懸念されるが、同課は「昨年の観光客数は過去最高（０４年、約８７０万人）に迫る約８５９万人。新幹線全線開業の１１年には１０００万人の大台突破を目指したい」と話している。【福岡静哉】

ブックレビュー
読みたい：話題です　「しらみつぶしの時計」ほか

■龍馬を超えた男　小松帯刀（たてわき）（原口泉著・グラフ社・１３６５円）
　明治維新の志士のなかではあまり目立たない存在だった、薩摩藩の名家老の生涯を追った評伝。小松帯刀は、西郷隆盛、大久保利通、坂本龍馬らに活躍の場を与え、徳川慶喜の信頼も得て見事な調整役を果たした。著者である鹿児島大教授は、身分や思想を超えて多様な人々をまとめた小松の柔軟性、社交性に注目する。