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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 科学誌『ニュートン』2007年5月号に、江川坦庵先生の生涯が6ページにわたって紹介されています。

「学問の歩きオロジー 幕末のミケランジェロ――江川太郎左衛門」
 彼は幕末に西洋の技術を導入し、鎖国の窓を開けようとした偉人のひとりです。剣の道、書画にもすぐれていたほか、このお台場のような建設のような土木建築から、大砲をつくるための反射炉の建設など、技術開発にもすぐれた才能を発揮しました。
 このおどろくべき多芸多才の行政官、政治家、科学技術者を私は日本のミケランジェロのような人物だと考えています。


 ……なんでミケランジェロ? ミケランジェロが多芸な芸術家だったというのはわかるけど、行政官であり、剣術にも優れ、書画もこなし、科学技術にも明るい坦庵先生のイメージは、どっちかといえばダヴィンチの方が近いと思うんだけど……(苦笑)。

 まぁそれはおいといて、坦庵先生の生涯が簡単に紹介されています。6ページ使っても、坦庵先生の人脈の広さは十分に描けてませんなぁ……関係者でフィーチャーされているのは、高島秋帆、ジョン万次郎、斎藤弥九郎ぐらいで、他に名前が挙げられているのは川治聖謨、渡辺崋山、プチャーチンといったところで終わってますから。

 自分にとって目新しい話は、当時のイギリス駐日大使のオールコックが富士山登山の帰りに韮山に立ち寄って記した一文です。「だがこれらのよく耕作された谷間を横切ってひじょうなゆたかさのなかで家庭を営んでいる幸福で満ち足りた暮らし向きのよさそうな住民を見てみると、これが圧制に苦しみ、過酷な税金をとり立てられて窮乏している土地だとはとても信じがたい。むしろ反対に、ヨーロッパにはこんなに幸福で暮らし向きのよい農民はいないし、またこれほど温和で贈り物の豊富な風土はどこにもないという印象をいだかざるをえなかった」。

 先の記事で紹介した『江戸の遺伝子』にも取り上げられていることですが、私たちは同時代のロンドンやパリといったヨーロッパの大都会で庶民がどんな暮らしをしていたか、また田舎ではどうだったか、ということも理解した上で、江戸時代を見ることが必要だと思います。

 あと、福澤諭吉が少年時代に坦庵先生のことを聞き及んで、冬でも単に袷一枚で火鉢も使わなかったことを真似ようとしたということが『福翁自伝』に書かれていると、紹介されています。

 科学誌に紹介されるなら、お台場や反射炉のことだけでなく『風雲児たち』にちょっと書かれた爆裂砲弾の火薬の研究とかについてももっと掘り下げてもらいたかったなぁと思う自分は、マニアックでしょうか(苦笑)。
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