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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 柳亭市馬師匠の美声、脳内がアルファ波いっぱいになります(うっとり)。

 とりあえず、本日の番組のみでも。

一、「粗忽の釘」 柳亭市江
一、「万病円」 柳亭市馬
一、「五月幟」 柳亭市馬

中入り

一、「崇徳院」 柳亭市馬


 「五月幟」は、「万病円」が短めに終わったのことでサービスだそうだ(笑)。このサービスがなかったら、今日は市馬師匠の歌(酔っぱらった熊さんの♪「めでた めでたぁ~のぉ~ わか~ま~つ さまよぉぉぉぉぉぉ」だった)を聞けなかったかも知れない……うぅ、ありがとうございます~(^_^)。

 詳しくは明日にでも。

☆★☆★

 4/24追記。日本橋人形町の会場は席数200ほどで落語にはちょうどいい。座席の勾配が高くなっているので後方でも見やすくなってる。自分は前から5列以内の中央近くで、市馬師とほぼ真向かい(*^_^*)。

 周囲はずっと長く市馬師を見てきている年配のファンばかりで、立川流の観客席とは空気感が違う。どちらがどうこうというのではない……自分はいろいろな空間を味わっていきたいと思う。

☆★☆★

 「万病円」はあまり高座にかけられない噺らしい。今回の市馬師の噺は三代目金馬のパターンを踏襲しているようだ(そういえば、マクラで「先代の金馬師匠」「当代の金馬師匠」に言及していた)。

噺の幕開きは銭湯。侍が湯船で褌を洗っていると、客から番台に苦情があがる。侍は怖いが渋々とがめに行くが、侍は屁理屈をならべ、挙げ句には湯銭も払わずに出てしまう。湯からの帰り道、侍は餅屋に立ち寄る。そこで小僧の言葉を逆手に取り、余分に餅を平らげ、これも銭もそこそこに立ち去ってしまう。調子に乗った侍は古着屋へ行くが、ここでは逆にやりこめられてしまい、悔しい侍は江戸の仇を長崎でと向かいの紙屋へ入るが、ここでもうまくいかない。ふと目に入ったのは、店に預かり置く2、3の薬。「万病円」とした薬に言いがかりをつけるが・・・。


 たちの悪い「りゃんこ(侍)」の噺だが、市馬師の人柄ゆえか、嫌みはない(後半、町人にやりこめられるから、すっとするし)。

 嫌がらせを受けても、少々のことでは奉行所に訴えにくいと泣き寝入りしかける町人の気持ちがよくわかる。金さんは何かと忙しいからといったくすぐりが入って、わはは。

 特に楽しかったのは餅屋の場面、侍が小僧にからむところは「居酒屋」を連想したが、それもそのはず、「居酒屋」は「万病円」から独立した噺だそうだ。なるほど~。

 侍は餅菓子を四品注文。うぐいす餅、蕎麦まんじゅう、きんつば、腰高まんじゅうの四つだが、口の動きを四種変えて食べ分けて見せるところにツボった(笑)。うぐいす餅の少しねちっとした感じとか(きなこが膝に飛ぶのを払ったり)、きんつばは口の中で小豆あんが崩れる感じとか(わざと食べ方は汚くするのだが^_^;)。

 サゲにつながる紙屋での「万病丸」に関わる地口は、現代の聞き手にはわかりにくくなっている。四百四病(しひゃくしびょう)とは人間がかかるすべての病気。百日咳は昔予防接種にあったなぁ。産前産後は「三千三」か「三千三五」に、疝気(男性のシモの病気全般をさす)は「千」、腸満(腸が膨満した状態)は「兆万」に引っかけている。

☆★☆★

 「万病丸」が予定より早く終わったらしく(苦笑)、サービスの一本はこの季節にぴったりでやや軽めの「五月幟」。これも高座にかける人が少ないそうで、お得感高し。

 飲んだくれの熊さんが主人公。坊やの初節句に人形を買う金もなかろうと見かねたおじさんが、女房に人形代にと五円をくれた。

 五円を懐にした熊さんが人形を買いに行く途中、弟分たちがどこぞの二階屋から声をかける。湯屋で取っ組み合い喧嘩沙汰になったのを手打ちしているところで、「熊兄ぃが一言言ってくれないと格好がつかない」と引き入れられ、ついつい飲まされる熊さん。

 で、「めでた めでたの わか~ま~つ~ さ~ま~よぉぉぉ」と、熊さん@市馬師の花笠音頭が炸裂。このサービス「五月幟」がなかったら、今日は市馬師の歌が聴けなかった(爆)。

 人形買いに行くはずだった熊さん、すっかりいい気分になって、懐の五円を酒宴の足しにとわたしてしまう。帰宅して、我が家にたどりつく直前になって、我に返る。えぇいままよと開き直り、女房は涙目。

 いやな予感がしたのか、立ち寄ったおじさんが女房から事情を訊き、二階でとぐろを巻く熊さんに意見しようと上がってくる。そこをごまかそうと、五月の節句にからめた地口をとばす熊さん。

 ……と書くと後味が悪そうだが、布団にはさまって柏餅を演じ、ごろごろ床を転がる熊さんを描く市馬師がキュートだった! 三遊亭白鳥師だったら、本当に座布団にくるまって舞台を(あの丸い身体で)ごろごろ転がるだろうが、市馬師はさすがにそこまでやらない(爆)。でも、座布団をまとって床に転がったように感じさせる話芸と表情と身振りなのだ。

 これもサゲの地口がいろいろわかりにくい噺ではあったが、勢いで窮地にはまり勢いで窮地を乗り切ろうとする熊さんがどうも憎めない。

 自分的には、酒席にひっぱりこまれた熊さんが一杯二杯と湯飲み酒を気持ちよく飲み干す場面、続いて膳のものに箸を伸ばして一口二口つまむ場面が受けた。膳に何がのっていたのかはよくわからないが、「お前らが用意したのか?」という熊さんの問いがあったので、どうやら持ち寄りの酒宴らしい。二品めにはネギがあしらってあるのを熊さんが褒めるので、アジのたたきとか、刺身なのかなと思った……って、何かを食べる場面についてディテールにこだわってしまう自分は、食い意地が張ってるのかな^_^;。

☆★☆★

 中入り後は「崇徳院」。上野の花見に行った若旦那が出会ったお嬢さんに一目惚れするという噺なので、この季節にふさわしい。ポピュラーな演目なのだが、いただいたパンフレットの解説によると、市馬師が高座にかけるのは5年ぶりだとか。

 市馬師だったらこの季節は「長屋の花見」「百年目」という鉄板ネタがあるし……でも、二つめ以上の落語家がたいてい持ちネタのひとつとしてる「崇徳院」、やっぱり上手な人がやると一言一言ごとに笑えるんだなぁと実感。

 印象に残ったのは、恋煩いに衰弱する跡取り息子を見かねた大旦那が息子の幼なじみの熊さんに一目惚れ相手のお嬢さんを捜させる場面。普通は熊さんを頼みの綱とする大旦那なのだが、市馬師版の大旦那は結構強気。お嬢さんを見つけなかったら、息子を死に追いやったとお前を訴えるからねっと、強硬に迫る。それが嫌みでも因業でもないと感じられるのは、市馬師の人柄だからかな。

 さらに、大旦那が成功報酬に三軒長屋の大家にしてやると聞きつけた熊さんの女房が、熊さんの尻を叩く場面も笑える笑える。「五月幟」の女房が泣きの入るところに対し、こちらは亭主のお嬢さん捜しの尻を叩くし知恵も授けるしとたくましい。

 サゲも明るく、笑って笑って、雨の人形町を後にした。

 今日もありがとうございましたm(__)m。五月上旬にまた市馬師匠を聴きにに伺う予定をもう入れております(爆)ので、またよろしくお願いします。





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