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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 毎度、写真画像が横に寝ててすみません。

 土曜の午後、にぎわい座でまったりと志の輔らくごを友と聴く。あぁ、幸せなひととき。



1.開口一番「つる」志の太郎

 「立川志の輔6番目の弟子」と自己紹介してました。手元の『落語ファン倶楽部』最新号の「東西落語家現勢図」では5番目になってるんですが。志の輔さんの前座さんは最近入れ替わったのかな。
 背が高くて、さらにとっても面長なのが印象的。先代の圓楽師匠と顔を並べて比較したい感じ(爆)。
 初めて見る前座さんにしては口跡がきれいなので、下地があるのかも知れません。声の通りがよく、聴きやすいし。
 前座噺おなじみの「つる」ですが……「つ〜っと来て、るっと止まる」の前に「つる〜っと来て、ぽいっと止まる」というバージョンもあるんですね。ここで笑わせてもらいました。

2. 「王子の狐」志の輔

 まずは軽く時事ネタ。APEC会場となって全国から警官が配備されている横浜エリアにわざわざお越しいただいてありがとうございました、この時期にこのあたりでお巡りさんに道を聞くと首をひねられることが多いとか。
 そしてホットな、尖閣諸島で海上巡視船に中国の漁船が突っ込んだ模様が収録されたビデオ画像がYouTubeにリークされ、それがテレビ報道されるということにツッコミを入れたマクラ。確かに、テレビに収録された画像をYouTubeやニコ動にアップすると著作権法違反で削除されるのに、YouTubeにアップされたビデオが昨日は一日中テレビを賑わせておりましたなぁ(汗)。
 そして、APECの警備で全国から横浜に警察官が招集されているということは、北海道と九州の守りが薄くなっている、ロシアと中国が来るかも知れないぞ〜という、志の輔さんもやはり立川流の落語家さんだなぁと感じる一幕。

 つい一昨日あたりの日本テレビの収録で王子稲荷(関東の稲荷神社の総社だそうです)に行って、座布団五枚敷いた「お石様」というものに出会ったというマクラ……「何か、いい回答したらしい」という『笑点』に引っかけた一言で爆笑してしまうんですが。漬け物石のような大きな石を、願い事しながら持ち上げて、すぐに持ち上げられたらすぐに願い事がかなうとか、持ち上げられなかったらなかなか願い事がかなわないとか。
 山瀬まみさん「明日二日酔いになりませんように」と願って持ち上げようとしたら、うんともすんともいわない。志の輔さんが「王子稲荷の側の扇屋の卵焼きが美味しかったから、収録が終わったらスタッフがお土産で用意してくれますように」と願って持ち上げたら、すっと持ち上がったらしい。スタッフの力自慢が持ち上げても持ち上がらず、志の輔さんが願い事なしでもう一度持ち上げようとしたら今度はまったく動かなかったと……人の願いや祈りの気持ちが「火事場の馬鹿力」を生むのではないかという志の輔師匠のお話、ガッテンさせていただきました。

 王子稲荷がマクラということで、予想通り「王子の狐」。子供時代に読んだ子供向けの落語入門本で読んだ覚えがある。
 そう言えば、自分は品川区出身だけど、生まれたのは北区十条。母が、出産予定日には3週間ぐらいあるからと北区十条の実家を訪問した夜に、母をせっついて出てきたらしい(汗)。予定日通り生まれたら牡牛座だったろうに、せっかちに生まれて出たところからして牡羊座に生まれる宿命だったのだろう(苦笑)。
 閑話休題。普通は人を化かすと言われている狐が、人にいっぱい喰わされるという噺。17〜8才の妙齢の美女「お玉ちゃん」に化けた狐が、実は子持ち。子狐を喰わせるために人を化かしてたのかと思うと、いっぱい喰わされてぼこぼこにされる展開にはちょっと涙ぐみそそう。サゲ近くで出てくる子狐が愛らしいのは、さすが志の輔さん。

(中入り)

3. テツandトモ

 「志の輔noにぎわい」ではゲストが事前予告されていないことが多い。今回も事前知識なし。で、前座の志の太郎さんがめくりを上げた時に「テツandトモ」と表示された時、場内に軽いどよめきが。

 「なんでだろう〜、なんでだろう〜、なぜだなんでだろう〜♪」のテーマソングとともに、テツandトモ登場。赤と青のジャージ、肩から腕に白2本線。
 しょっぱなが、志の輔さんの高座のゲストだということで談志家元の物まね。形態模写も兼ねてて、なかなか。さらに戦場カメラマンの渡部陽一さんの物まねと入り混じるというむずかしい展開へ。

 いくつかの漫談ネタをアクションと歌で聴かせて見せてくれるステージで、とても楽しかったです。

4.「新版しじみ売り」志の輔

 九州地方を巡業したというマクラから入りました。かなりの部分は「ピーピングしのすけのふしあなから世間」コラムの「龍馬の母、現る」でカバーされていましたが、さすが志の輔さん、ライブに来たお客様へのサービスを忘れていません。
 長崎巡業の折、龍馬ブームで沸き返る中を「シーボルト記念館」訪問。ガイドさんは「シーボルトに詳しい人」と「坂本龍馬に詳しい人」を選べるんだそうです。そして「シーボルトに詳しい人」のガイドで、記念館に車を運転してくれた、龍馬ブームに対してちょっと斜に構えた、「長崎はくんち第一だと思ってる」ような人のツッコミが秀逸な、シーボルト記念館でのあれこれ。
 シーボルト事件のそもそもが、間宮林蔵なんですよ、って話、みなもと太郎の歴史大河マンガ『風雲児たち』の愛読者である自分には「うん、通説はそうだよね」という感じなんですが、志の輔さんの口を借りると『風雲児たち』キャラの伊能忠敬とかシーボルトとか間宮林蔵とか高橋景保とかが脳内イメージに沸き上がる……収集つけるのが大変でしたが(^_^;)、歴史は暗記物ではなくて沢山のストーリーが積み上がってこそ面白いのだと思います。

 で、マクラで何となく予感がしていたわけです。歴史に名を残しながら人となりを知られていない人物がいる、というフリから入ると、「あ、来たかも♪」です。そして「おじさんおじさん」と子供の物売りが出てきたら(「ねずみ」の冒頭も似ていたと思うのだけど、脳内イメージでは子役が違う・爆)、冬のネタで「しじみ売り」かもと思うわけ。
 ピンポーン♪。CDに収録された「しじみ売り」、今年の初めの寒い時期にヘビーローテーションで聴きましたから、パチパチと拍手です。
 しじみ売りの少年、追っ払おうとする料亭の料理人、少年を気に入ってとりなそうとする大物風な職業不詳のおじさん、おじさんを「兄貴」と慕うちんぴら風の「熊」。おじさんに気に入られた少年が小生意気な口をきくと、熊が「小僧〜っ」とすごむんですよ。それを、おじさんが肩ポンして取りなすんですよ。
 で、九歳の少年が寒い中を川に下りてシジミを取っては売っている身の上話をすると、「おじさん」には聞き覚えのある、箱根の宿のある事件につながり……やがて「おじさん」の身の上が明らかにされ……この人情噺で、このサゲ、完成度高いです。初「新版しじみ売り」ライブ、堪能しました。

 「新版」とついているわけは、たとえば志ん生師匠版と、後半の展開が違うかららしいですね。志ん生版は、クマに身代わり自首させるという展開なんだとか(汗)。少年の姉と駆け落ちした相手が幸せになるという点はいいけど、親分が子分を身代わり出頭させるって、それでいいのかってツッコミ入りますよね。しかも、親分は磔獄門必至という大物盗賊なわけで。

 そんな親分が、少年の身の上話から、自分が情けをかけた相手を、その情けゆえに小伝馬町の牢獄に投獄させる羽目になったと知り、死罪覚悟で自首を決意するという内面のドラマが「しじみ売り」の肝ですね。

 自分が志の輔ファンに引き込んだ友人も、この展開でどんなサゲになるのかとはらはらしっ放しだっただけに、こう来るかと感嘆しきりでした。

 志の輔師匠、ありがとうございました。自分は今月日の出寄席@国際フォーラムのチケット取ってますが、今日の友人は行けませんので、ふたりで手分けして年明けの志の輔らくご@パルコのチケットを取ろうねと誓い合いました。

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