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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 去年のこの時期に同じ会場で聴いた談春師の「居残り佐平次」の素晴らしさが今でも忘れられず、今回もチケット確保。5列目、むっちゃ端っこだったけど、去年の最後列よりはずっといい。



「出来心」春太
 春太さん、なかなかの美男です。
 昔から大好きなネタ。「昔から落語に出てくる泥棒は大したものは出てきませんで」……このマクラの辺で笑わせるなんて、なかなかやるじゃん。←ハマ言葉(^_^;)
 「裏は花色木綿」連呼で客席を沸かせます。しばらく見ないうちに、随分巧くなったと思います。

「長短」談春
 ここのところ寄席通いが続いていたので、「演者ひとり15分、トリ30分」の時間配分に慣れてきたかなというところ。マクラだけで15分たっぷりな談春師、久しぶりだったけど、やっぱり聴かせてくれるからねぇ。
 去年もここで演じたけど、坂道を上ってきてここまで来て下さってありがとうございます的な口上。私は野毛の方から散歩してきたので紅葉坂は上がってなかったけど、道路工事とかで歩きにくい上に雨も降って(開演時は止んでいたけど)、そんな思いをして来てくださった皆様に来てよかったと思わせる高座にしたいと意欲を語る。去年の「居残り佐平次」並みの意欲でしょうか、どきどき。
 この落語会には通な方が多くて、自分は春太の「出来心」は前座にしてはなかなかだと思ったけど、意地でも笑わないと歯を食いしばってる方がいらっしゃる。「オレぁ小三治の三十代の『出来心』を聴いてんだ」ってところでしょうか……ってところで笑わせて。
 今週は青森、仙台の公演に加えて被災地で落語会をやって来られて、風邪を引いてしまい、ビタミン剤や解熱剤やいろいろ飲んで、幸せな気分になっておられるそうです(要するにハイってことですね^_^;)。喉の調子は良くないとあらかじめお断り。
 この会場の音響のよさから、今回の被災地での会場の音響係のおっさんの話に転じる。港町で落語は受けないらしいです。浪花節は大受けなんだけど、気性の荒い漁師には落語は独り言にしか聞こえないらしい。ちょっととんちんかんな音響係のおっさんに振り回された公演だったようだけど、おっさんは談春師の落語はなかなかよかったと言ってくれたそうな(笑)。
 あと、厚生年金会館の取り壊しの時に、倉庫で昔の名人の写真を何点も掘り出したというエピソードも聞いたなぁ。
 そんな感じでたっぷりなマクラの後に、何が来るかと思えば「長短」ですよ。談春さんの「長短」は必殺ですからね。
 京みやげの和菓子をいただいた長さんの、食べるのに長いことながいこと。菓子をふたつに割って白あんなのを確認し、半分このどちらが重いかを両手ではかり、ようやく口に入れたと思ったら指の間からむにって出てきたあんこを舌で舐め取る(°°;)。
 そして、タバコの吸い方について講釈たれる短さんに、何度も怒らないかと確認しつつ、ようやく、タバコの火玉が袂に入って袂が燃えてるという説明が長いのなんの。短さんのたもとが半分燃えてなくなっちゃったよ^_^;。
 マクラと「長短」で30分余りという、たっぷり談春。

中入り

「文七元結」談春
 風邪で体調が悪いというのに、中入り後登場してすぐに「文七元結をやります」と宣言して会場を沸かせる。
 でもすぐには入らない。名人論をひとくさり。名人とはナンバーワンでありオンリーワンでもあるということ、今の落語会はそういう意味で衆目の一致する名人はいないのではないかと言う。これって「平成の名人」を目指す談春さんだからこそ言える言葉だと思う。そして、この最前列に並ぶ方々ひとりひとりに今の名人は誰かと聞いたら、皆さん違う答えを言うでしょうと。例に出したのは、談志、志の輔、昇太(爆笑が起きる)、志らく(何ともいえぬ口調で、また爆笑)……エトセトラ。
 去年の有楽町よみうりホールで聴いた「文七元結」より、さらにこってり。特に、今日は佐野槌の女将の説教が数倍増しの濃さ。マクラの名人論を思い起こさせる中で、文七が博打にのめりこむのは左官の道で名人級ともなると自らの仕事に対しても目が肥えるだけに孤独なのだろうという指摘は、名人を目指す談春師自身の孤高な戦いを想起させる。そして「あんたはそういう風に生まれついたのだから、覚悟おし」と釘を刺す女将に、談春師の覚悟のほども見える。こんだけ女将にやりこめられた上に、お久ちゃんのけなげな心根に触れてしまったら、長兵衛親方だって博打から足を洗うしかないね。
 言葉数多くたたみかけるように語りこむことで聴く者の脳に映像のように場面を思い起こさせる談春師、暮れも押し迫った吾妻橋にモヤが立ちこめて、そんな橋の上で身投げをしようとする商家の勤め人・文七と左官の長兵衛の場面が私の脳裏に映像で浮かんできました。文七の、五十両を見知らぬ若者にくれてやる理屈のこねっぷりに、ただもぉ涙涙。ただもぉ、俺の目の前で死ぬな、生きろというだけのために、娘が命かけてつくった五十両を投げ出してしまう、この馬鹿さ加減……(;o;)。
 後半は、おっかぁのすさまじさに、爆笑。そして、お約束の大団円に、心が温まる。
 ブラボー。去年の「佐平次」に並ぶ名演。






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