新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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出演者と演目を見たら、チケット激戦でも何とか都合つけて見たくなった。
700席余りの観客席はもちろん満席。
予告されていた出演者と演目に、前座噺がひとつプラス。
1. 柳家花いち『一目上がり』
花いちさんは柳家花緑さんの弟子。
ネタの『一目上がり』は、知識として知っていたけど聴くのは初めて。八っつぁんが隠居さんのところに上がって掛け軸を見て、という立ち上がりは『道灌』かと思ったのだけど、掛け軸の絵が違ったので『一目上がり』と気づく。
今日は「七福神」だけでなく「九(句)」まで行った。
2. 三遊亭きん歌『ぞろぞろ』
三遊亭きん歌さんは、圓歌さんの弟子。9月に真打昇進して「三遊亭鬼丸」を襲名するとパンフレットにも案内……どこかで見た髪型だなぁと思っていたら(爆)、先月のTBS落語研究会にも『崇徳院』で出ていたっけ。
その「三遊亭鬼丸」の由来。「鬼丸」は天保以来の名跡だそう(きん歌さんのブログ記事によると、初代圓生が「東亭鬼丸」を名乗ったそうだ)。
神無月に出雲大社に行っていた神様が一ヶ月留守していた神社に戻ってくる。出雲で「営業成績が悪いと責められた」と愚痴る。親が神様だったから神様になっただけで好きでなったわけじゃない、って、やっぱり、二代目三平襲名ネタかいっ(爆)。
留守の間にかけられていた絵馬の願いごとを読みながら、愚痴だかツッコミだかよくわかんない独り言を続ける神様も、なかなかいい味を出している。
3. 古今亭菊之丞『お見立て』
先月28日に「寄席のグランドスラムを達成した」という珍談から。上野と新宿にはもともと出演が決まっていたが、池袋の昼席に代演が入った。所属協会からいって浅草は出演することがないのだが、たまたま午前中に学校寄席が入っていたので、一日で四つの寄席に出演してグランドスラムとなったとか。このエピソードにも、菊之丞さんの売れっこぶりがわかる。
女性を演じさせたら抜群の菊之丞さん、ノリノリだった。金持ちだけど野暮で田舎臭い杢兵衛お大尽、顔も見たくないからと嘘八百の言い訳を次から次へと思いつく喜瀬川花魁、ふたりの間を右往左往する喜助。杢兵衛をよりコミカルに、口八丁な喜瀬川花魁はふて腐れ気味に、吉原の牛太郎にしてはちょっとお人好しっぽい喜助がふり回されることふり回されること。
3. 柳亭市馬『宿屋の仇討』
菊之丞さんが客席を沸かせたところに市馬さん登場。マクラはやや短めに、明日は小さん師匠の命日でもう8年になる、短いようで長い8年だったというところから小さん師匠の思い出に。
永谷園の『あさげ』『ゆうげ』のコマーシャルでお馴染みで、というつかみ。
地方巡業の時にホテルのツインに宿泊、師匠が別の部屋を取るのはもったいなからとツインのベッドのひとつを使うようにと、同じ部屋に泊まった。一晩中、師匠のいびきを聴く羽目に……しかも、往復。盛大なのだが、睡眠時無呼吸症候群らしくて、途中でいびきが止まる。そのたびにハラハラした、とか。あの怖い顔つきだが弟子にもいろいろ気遣いする師匠で、夜中にトイレに立つ時には弟子を起こさないように物音にも気をつけていたというフォローも入る。
市馬さんもノリノリ。江戸から伊勢参りの帰り、最後の晩だと大騒ぎする源兵衛など三人の場面では、得意の喉で相撲甚句をたっぶり。芸者を揚げてのどんちゃん騒ぎには音曲も入って賑やかなこと(^^)。
今日は一番太鼓の時から音曲さんの効果音がやや大きいなと思っていたのだが、この場面のためにちょっと大きめに設定していたのかな。プロの音曲家が入っていただけあって、聴き応えあった。
隣室の客を気遣って静かにしようとするものの、ついつい盛り上がって大騒ぎになる三人組(巴に布団を敷くとかいう小ねたでも笑えてしまう……修学旅行の旅館の夜ってノリだな^_^;)。お決まりの「源ちゃんは色事師」「色事師は源兵衛」と囃す場面までに、どんだけ笑わせてもらったか。
侍を描くのがお得意な市馬師、万事世話九郎のただものではないキャラ(長いぼやきを繰り返す、実は敵討ちの旅の途中で源兵衛は探していた仇だと色をなす場面では迫力満点、夜が明けてけろっと種明かしをする場面では人を食った感じだが嫌なヤツではない)を存分に描き、右往左往させられる伊八ら宿のものたちに笑わされた。
4. 柳家喬太郎『松竹梅』
自分には初の生キョンキョン。古典も新作も面白く、文春ムック『今おもしろい落語家ベスト50』でベスト1に輝いた落語家とあって、菊之丞さん・市馬さんがこれだけ盛り上げた今日の高座をどうトリにつなげるかなと期待しつつ中入り後の一席。
近ごろは不況で企業の宴会などイベントの席に呼ばれることが少なくなったが、結婚式の司会といった仕事がある。おめでたい席には禁句というものがあって、切れた割ったなどは使えない。ところが新婚夫婦そろって空手をやっているという結婚式に司会でよばれた時には、夫婦そろって板割りを披露、新婦が「夫婦いたわりの心をもって」とスピーチするという玄人並みの演出だった。
我々噺家もイベントにプロを呼ぶことがある。菊之丞さん真打ち披露の時には木遣りを呼んだ。市馬さんはあちこちのイベントに呼ばれるが、そのたびにプロ並みの喉を披露している。市馬さんの歌といえば先ほどの『宿屋の仇討』、楽屋で聴いていた志の輔さんが「『宿屋の仇討ち』で歌がつくバージョンってあった?」と自分に訊いてきた(笑)。
長屋の松さん竹さん梅さん「松竹梅」トリオがご隠居さんに教えてもらった出し物を宴席で披露するが付け焼き刃でぼろを出す、という軽めの噺。すでに何度もCDで聴いていたキョン師の『松竹梅』なのだが、さすが生キョンキョン、松さんのうなり方ひとつで沸かせること沸かせること。
半ちくな梅ちゃんの本番は「大蛇」「亡者」のふたつだけで軽めだったけど、やっぱりライブを聴きに行く噺家さんのリストに増えてしまった……ライブで一番聴きたい喬太郎さんの演目は『擬宝珠』なんだけど、いつ出会えるかなぁ。
5. 立川志の輔『帯久』
第九十九回という区切りのよい回にお越し下さいましてありがとうございます、という挨拶からして爆笑。
「『帯久』という演目は伝統ある朝日名人会の過去99回で誰も演じたことがない、そしてこれからさらに100回あったとして自分以外は誰も演じないであろという稀少なネタです。なぜなら、面白くないから」というつかみで、また爆笑。「これから皆様と、なぜそんなに面白くないかということを検証していきたいと思います」って、何となく「ためしてガッテン」の冒頭みたい(苦笑)。
志の輔版『帯久』は「志の輔らくごBOX」に収録された演目ですが単品でも「落語の蔵」で音源を購入できる。
繁昌していて人徳も兼ね備えた呉服屋の和泉屋与兵衛が不運続きで没落し、どこか陰気で腹黒い帯屋久七が繁昌していく顛末を描く間、笑いどころはほとんどない。観客席はしわぶきひとつなし……というのはオーバーとしても、息をつめて聴き入っている。
皆、心地よく緊張し、集中して耳を凝らしている。
数少ない笑いどころの、丁稚の定どんが同僚の羽振りの良さを告発する(大げさ^_^;)場面では、どっと笑いが起こる。
そして、志の輔さんの大岡裁きものでお馴染み(今日はスペシャル番組のTBS落語研究会プレミアムでも志の輔さんの『三方一両損』が放映された)、BGMとともにスローモーションで大岡越前守登場。
出火の現場にいて現行犯逮捕された和泉屋与兵衛をどう裁くか、海千山千の帯屋久七をどう追い込むのか、わくわくして聴いてしまった。オチの一言も効いて、後味もすっきり。
☆★☆★
全体を通して、先月のTBS落語研究会(志の輔・小三治をはじめとするラインナップ)を超えるライブパフォーマンスだったなぁ。今日も満足満足。
700席余りの観客席はもちろん満席。
予告されていた出演者と演目に、前座噺がひとつプラス。
柳家 花いち『一目上がり』
三遊亭 きん歌 『ぞろぞろ』
古今亭 菊之丞 『お見立て』
柳亭 市馬 『宿屋の仇討』
仲入り
柳家 喬太郎 『松竹梅』
立川 志の輔 『帯久』
1. 柳家花いち『一目上がり』
花いちさんは柳家花緑さんの弟子。
ネタの『一目上がり』は、知識として知っていたけど聴くのは初めて。八っつぁんが隠居さんのところに上がって掛け軸を見て、という立ち上がりは『道灌』かと思ったのだけど、掛け軸の絵が違ったので『一目上がり』と気づく。
今日は「七福神」だけでなく「九(句)」まで行った。
2. 三遊亭きん歌『ぞろぞろ』
三遊亭きん歌さんは、圓歌さんの弟子。9月に真打昇進して「三遊亭鬼丸」を襲名するとパンフレットにも案内……どこかで見た髪型だなぁと思っていたら(爆)、先月のTBS落語研究会にも『崇徳院』で出ていたっけ。
その「三遊亭鬼丸」の由来。「鬼丸」は天保以来の名跡だそう(きん歌さんのブログ記事によると、初代圓生が「東亭鬼丸」を名乗ったそうだ)。
神無月に出雲大社に行っていた神様が一ヶ月留守していた神社に戻ってくる。出雲で「営業成績が悪いと責められた」と愚痴る。親が神様だったから神様になっただけで好きでなったわけじゃない、って、やっぱり、二代目三平襲名ネタかいっ(爆)。
留守の間にかけられていた絵馬の願いごとを読みながら、愚痴だかツッコミだかよくわかんない独り言を続ける神様も、なかなかいい味を出している。
3. 古今亭菊之丞『お見立て』
先月28日に「寄席のグランドスラムを達成した」という珍談から。上野と新宿にはもともと出演が決まっていたが、池袋の昼席に代演が入った。所属協会からいって浅草は出演することがないのだが、たまたま午前中に学校寄席が入っていたので、一日で四つの寄席に出演してグランドスラムとなったとか。このエピソードにも、菊之丞さんの売れっこぶりがわかる。
女性を演じさせたら抜群の菊之丞さん、ノリノリだった。金持ちだけど野暮で田舎臭い杢兵衛お大尽、顔も見たくないからと嘘八百の言い訳を次から次へと思いつく喜瀬川花魁、ふたりの間を右往左往する喜助。杢兵衛をよりコミカルに、口八丁な喜瀬川花魁はふて腐れ気味に、吉原の牛太郎にしてはちょっとお人好しっぽい喜助がふり回されることふり回されること。
3. 柳亭市馬『宿屋の仇討』
菊之丞さんが客席を沸かせたところに市馬さん登場。マクラはやや短めに、明日は小さん師匠の命日でもう8年になる、短いようで長い8年だったというところから小さん師匠の思い出に。
永谷園の『あさげ』『ゆうげ』のコマーシャルでお馴染みで、というつかみ。
地方巡業の時にホテルのツインに宿泊、師匠が別の部屋を取るのはもったいなからとツインのベッドのひとつを使うようにと、同じ部屋に泊まった。一晩中、師匠のいびきを聴く羽目に……しかも、往復。盛大なのだが、睡眠時無呼吸症候群らしくて、途中でいびきが止まる。そのたびにハラハラした、とか。あの怖い顔つきだが弟子にもいろいろ気遣いする師匠で、夜中にトイレに立つ時には弟子を起こさないように物音にも気をつけていたというフォローも入る。
市馬さんもノリノリ。江戸から伊勢参りの帰り、最後の晩だと大騒ぎする源兵衛など三人の場面では、得意の喉で相撲甚句をたっぶり。芸者を揚げてのどんちゃん騒ぎには音曲も入って賑やかなこと(^^)。
今日は一番太鼓の時から音曲さんの効果音がやや大きいなと思っていたのだが、この場面のためにちょっと大きめに設定していたのかな。プロの音曲家が入っていただけあって、聴き応えあった。
隣室の客を気遣って静かにしようとするものの、ついつい盛り上がって大騒ぎになる三人組(巴に布団を敷くとかいう小ねたでも笑えてしまう……修学旅行の旅館の夜ってノリだな^_^;)。お決まりの「源ちゃんは色事師」「色事師は源兵衛」と囃す場面までに、どんだけ笑わせてもらったか。
侍を描くのがお得意な市馬師、万事世話九郎のただものではないキャラ(長いぼやきを繰り返す、実は敵討ちの旅の途中で源兵衛は探していた仇だと色をなす場面では迫力満点、夜が明けてけろっと種明かしをする場面では人を食った感じだが嫌なヤツではない)を存分に描き、右往左往させられる伊八ら宿のものたちに笑わされた。
4. 柳家喬太郎『松竹梅』
自分には初の生キョンキョン。古典も新作も面白く、文春ムック『今おもしろい落語家ベスト50』でベスト1に輝いた落語家とあって、菊之丞さん・市馬さんがこれだけ盛り上げた今日の高座をどうトリにつなげるかなと期待しつつ中入り後の一席。
近ごろは不況で企業の宴会などイベントの席に呼ばれることが少なくなったが、結婚式の司会といった仕事がある。おめでたい席には禁句というものがあって、切れた割ったなどは使えない。ところが新婚夫婦そろって空手をやっているという結婚式に司会でよばれた時には、夫婦そろって板割りを披露、新婦が「夫婦いたわりの心をもって」とスピーチするという玄人並みの演出だった。
我々噺家もイベントにプロを呼ぶことがある。菊之丞さん真打ち披露の時には木遣りを呼んだ。市馬さんはあちこちのイベントに呼ばれるが、そのたびにプロ並みの喉を披露している。市馬さんの歌といえば先ほどの『宿屋の仇討』、楽屋で聴いていた志の輔さんが「『宿屋の仇討ち』で歌がつくバージョンってあった?」と自分に訊いてきた(笑)。
長屋の松さん竹さん梅さん「松竹梅」トリオがご隠居さんに教えてもらった出し物を宴席で披露するが付け焼き刃でぼろを出す、という軽めの噺。すでに何度もCDで聴いていたキョン師の『松竹梅』なのだが、さすが生キョンキョン、松さんのうなり方ひとつで沸かせること沸かせること。
半ちくな梅ちゃんの本番は「大蛇」「亡者」のふたつだけで軽めだったけど、やっぱりライブを聴きに行く噺家さんのリストに増えてしまった……ライブで一番聴きたい喬太郎さんの演目は『擬宝珠』なんだけど、いつ出会えるかなぁ。
5. 立川志の輔『帯久』
第九十九回という区切りのよい回にお越し下さいましてありがとうございます、という挨拶からして爆笑。
「『帯久』という演目は伝統ある朝日名人会の過去99回で誰も演じたことがない、そしてこれからさらに100回あったとして自分以外は誰も演じないであろという稀少なネタです。なぜなら、面白くないから」というつかみで、また爆笑。「これから皆様と、なぜそんなに面白くないかということを検証していきたいと思います」って、何となく「ためしてガッテン」の冒頭みたい(苦笑)。
志の輔版『帯久』は「志の輔らくごBOX」に収録された演目ですが単品でも「落語の蔵」で音源を購入できる。
繁昌していて人徳も兼ね備えた呉服屋の和泉屋与兵衛が不運続きで没落し、どこか陰気で腹黒い帯屋久七が繁昌していく顛末を描く間、笑いどころはほとんどない。観客席はしわぶきひとつなし……というのはオーバーとしても、息をつめて聴き入っている。
皆、心地よく緊張し、集中して耳を凝らしている。
数少ない笑いどころの、丁稚の定どんが同僚の羽振りの良さを告発する(大げさ^_^;)場面では、どっと笑いが起こる。
そして、志の輔さんの大岡裁きものでお馴染み(今日はスペシャル番組のTBS落語研究会プレミアムでも志の輔さんの『三方一両損』が放映された)、BGMとともにスローモーションで大岡越前守登場。
出火の現場にいて現行犯逮捕された和泉屋与兵衛をどう裁くか、海千山千の帯屋久七をどう追い込むのか、わくわくして聴いてしまった。オチの一言も効いて、後味もすっきり。
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全体を通して、先月のTBS落語研究会(志の輔・小三治をはじめとするラインナップ)を超えるライブパフォーマンスだったなぁ。今日も満足満足。
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