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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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 土曜日の午後と夜、連続で談笑さん公演。しかも共演者が市馬師(対談テーマ「柳家小さんの東京」)、志らく師「対談テーマ「立川談志の東京」)。濃いなぁ。
 途中で雨が降り出して、ずぶ濡れになって近くのコンビニでビニ傘買いました(昼の部の観覧者の方が、横断歩道で傘を差しだしてくれました。ありがとうございました<(_ _)>)。せっかく買ったばかりの落語ファン倶楽部vol.13が雨に濡れてごわごわになっちゃった(´д`)。落語ファン倶楽部、談春さん作「噺家の春」が面白かったです。


rakugoオルタナティブvol.2談笑ダブルス「東京物語」

(中略) 立川談笑は、東京都江東区の生まれです。そのせいでしょうか、談笑落語には、東京の風景が、鮮やかに見える噺が多いのです。
江戸から東京へ。談笑落語で、脳内東京ツアーにご案内いたします。

最高のパートナーが、強力なネタを引っさげて、昼夜それぞれに登場します。
昼の部は、「首提灯」をたっぷり、柳亭市馬。
夜の部は、「唐茄子屋政談」をじっくり、立川志らく。
このふたつの演目からも、江戸が、東京が、くっきりと見えてきます。

それからもうひとつ、昼の部と夜の部の対談にもご注目ください。
昼の部が、市馬&談笑による、題して「柳家小さんの東京」、夜の部が志らく&談笑による「立川談志の東京」です。
現代の落語を築いた巨匠ふたりが、そこを舞台に、おのれの芸を磨き上げた東京。どんなエピソードが飛び出しますか、乞うご期待です。




昼の部
「持参金」立川志らべ
「堀の内」立川談笑
「首提灯」柳亭市馬
中入り
「子別れ」立川談笑
特別対談「柳家小さんの東京」


 志らべさん、挨拶もそこそこに「持参金」へ。金が循環する構図が解明された途端に私の頭はメビウスの輪状態に。えーと、あとで図を描いて理解しようか^_^;。

 談笑師「堀の内」、主人公の粗忽っぷりは、頭の中の消しゴムが片っ端から記憶を消去している状態(イグアスの滝汗)。片足に下駄、もう片足にぞうりを履いて足の長さが違っちゃったと半泣きで帰ってくるのはお約束として。たしなめてくれるおかみさんと、明日は堀の内のお祖師様にお参りして粗忽を直してもらうことにして早寝するのだけど、翌朝おかみさんの顔を見て「どなたですか」というレベル。おかみさんが胸に手を当てさせて「あたしだよ」と言って、「あぁお前か」って^_^;。
 そんな具合だから神田から堀の内に歩いて行けるわけがない。反対方角の永代橋の方に行ってしまうわ、お弁当を使おうと首に巻いていた風呂敷をほどくと、風呂敷だと思っていたのはかみさんの腰巻きで、弁当と思っていたのはマクラ。いったん家に戻って弁当に交換しようとすると、かみさんにいろいろ言われて忘れちゃって、また首に腰巻き巻いて出かけてしまう。賽銭を入れようとすると、一銭手元に残して、財布の方を放り込んでしまう。残りの一銭も参拝客に賽銭箱に入れられてしまう。
 帰宅して金坊を風呂屋に連れて行こうとするが、怪しげな風呂屋(「いつものマリリンさんご指名ですか?」)だったり、煙突を見て風呂屋だと思って入ろうと坊主が読経している火屋(火葬場)だったり、やっと着いた風呂屋で金坊の着物を脱がせようとして知らない女の子を裸にしたり、お祖師様の御利益はなさそうです。

 もんじゃの話題だったのは「堀の内」マクラだったかな。談笑さんが育った江東区北砂では周囲2区画で30軒ぐらい、主に冬に駄菓子屋がもんじゃをやっていたとか。自分は城南なのでもんじゃはそこまで身近にはなかったけど、談笑さんの「もんじゃは本来うまいもんじゃない」「土手をつくって焼く月島もんじゃは後でできたもの、子供の頃のもんじゃはそれぞれが勝手に焼いて、端がくっついたら相手のくっついた部分をへらでかすめとっていくもの」というところは昭和初期に羽田で育った父のもんじゃ体験と同じです。

 市馬師お得意の「首提灯」。今日は席がかなり端っこの方だったので、首を切られた町人の首がだんだんずれてくる下り、首がだんだんずれてくるのを見づらい位置だったのですが。頭の大きい市馬師匠だから映える「首提灯」ですねぇ。

 「子別れ」のマクラは、談笑さんが高校の同級生と30年ぶりに再会した同窓会した話。みんな職人とか商店の子ばかりだったから、ネクタイしている奴なんかひとりもいない。後から遅刻してきた奴だけがサラリーマン勤めでネクタイしてたけど、回りから「遅かったな」といわれるて「てめーらが早かったんだ、ぷっ」と噛んでいたガムを吹き飛ばすような奴で、というガラの悪さ。
 そこから展開する「子別れ」は池袋サンシャインタワーを建設中の頃の東京の話。金坊は別れた父親のことを、夜中に巨大化してビルを建設するウルトラマンだと信じているらしい。その父親と再会した金坊は、父親からもらった小遣いでプラモデルのウルトラホーク1号を買い、帰宅してつけたテレビで「出てこいシャザーン」を見ている途中で、母親にプラモデルの金のでどころを問い詰められる。
 「ALWAYS三丁目の夕日」的世界の「子別れ」、60年代に子供時代を過ごした自分にはとても懐かしい世界。
 そして、子は「かすがい」だという元ネタを踏まえた談笑版、金坊はスーパーフィクサーだった(笑)。オチもまた60年代に少年少女だった聞き手には嬉しい、うふふ。

 特別対談、「柳家小さんの東京」。東京の地名との結びつきというより、小さんの思い出話っぽくなりました。
・内弟子の頃はほとんど外出できないし、近所で油を売っていたりするとすぐに近所の人たちが師匠の耳に入れる。お孫さん(花緑師匠ですな)の忘れ物を届けに小学校によく行った。
・目白の小さん宅の裏に川村学園がある。小さんの弟子たちが素っ裸になったりするのでお嬢さんたちの目の毒になると、川村学園から抗議があった。小さん師匠「覗く方が悪い」。ということで、学校の窓ガラスに目張りが。
・小さん師匠は大食漢。ラーメン屋なら、ラーメン、チャーハン、餃子は最低限。
・池之端藪は上品盛り(ホントですね^_^;)なので、せいろなら7〜8枚は軽い。仲間を誘うと、同じ量をその人の分も注文する。馬生師匠は蕎麦味噌をなめて酒をたしなむので、せいぜい一枚しか召し上がらない。残った分を前座が片付けなければならないので大変。
・うなぎは誰かを招待するという時は伊豆栄を使ったりするが、自分で行く時は湯島の小福。お重は食べづらいからと、小さん専用の丼をキープしてもらっている。今でも丼を預かってもらっている。
 などと、小さんエピソードをいろいろと。そして、最後に一曲、お約束で歌っていただいてお開きになりました。

夜の部
「鮫講釈」立川らく次
「イラサリマケー」立川談笑
「黄金餅」立川談笑
中入り
「唐茄子屋政談」立川志らく
特別対談「立川談志の東京」


 立川らく次さん、雰囲気は花緑師匠とナンチャンを足して割ったような感じ。鮫講釈、一カ所噛みましたが、まずまずやりきりました。宝塚の歴代トップスターの言い立てをサービスしてくれました。

 「イラサリマケー」ライブでお初です。どっかんどっかん遠慮なく大口で笑わせてもらいました。

 続いてまた談笑さん「あの作品の後は出にくいからと、志らく兄さんが……」と言って「黄金餅」に。私はフジテレビのお台場寄席の画像配信で見てましたが、やはりライブはいいものです。絶対的な貧乏の中にあって、願人坊主西念が貯め込んだ小金のありかに執着する主人公。西念が途中で生き返った時に首を絞めて殺してしまうほど、金に目がくらむ。しかし、金への執着ゆえに、本作では店を出して「黄金餅」を売り出して成功するはずが、金を手放さず、身体を壊して寝込んでしまう。そして、かつての西念の立場になるという無限ループ。これが談笑ワールドのブラックなところ。
 言い立ても今日はスムーズでした。「現代であれば、上野広小路から都営大江戸線に乗って麻布十番で降りたと、一言で済んでしまう」「しかし、それを利いたお客さんから、死体を乗せて地下鉄には乗れないとツッコミを入れられた」と、ここでも笑い。

 中入り後、志らく師「唐茄子屋政談」。若旦那のどうしようもなく生活感と責任感もない状態から、貧民街の母子に同情して因業大家を殴るところまで。甥を立ち直らせるためにあれこれ厳しいことをいう叔父、その裏話をぽろぽろこぼす叔母、このあたりがよかったです。
 寅さんキャラクターが出てくるとかの入れごとが自分はあまり好きではないです。

 特別対談。東京に関係ない談志師匠のエピソード暴露みたいになりましたが、これが爆笑の連続でした。
・冒頭、志の八のぞき問題を今後どうするかという話題からgdgd展開へ。
・「イラサリマケー」のマクラだったか、南喬さんが真打ち披露した時に、偶然通りかかった談志家元が楽屋に突撃して小さん師匠と米朝師匠(人間国宝がふたり!)の楽屋に。いろいろと米朝師匠に話しかける。米朝師匠が「そやな」とか何とか適当に相づちを打ちながら困っていると、小さん師匠が爆発して「だからてめえは理屈っぽいってんだよ!」と怒鳴る。「それは価値観の問題であって」と理屈っぽく返す家元。
・ハワイに言った家元。日焼けをしてはいけないということで、日焼け止めクリームをたっぷり顔に塗り、シャンプーハットをかぶり、長袖のシャツにすててこ。志らくは前座として鞄持ちして歩くのは「すごく嫌だった」
・大泉の家で空き巣に入られ、現金に被害はなかったが宝飾品を何本か盗まれた時のこと。以前に、家元が留守の時に談春さんが家元の書斎の秘密の引き出しを開けて、志らくさんに家元秘蔵の台湾のH本を見せたりしていたのだが、それが鑑識の調査を受けることに。家元と、犯人以外に謎の第三者の指紋が見つかった(談春さんのだったのね・笑)
・築地で家元が独演会をした時のこと。東京駅で小雨が降り出し、家元は付き人としてついていた談笑さんに「俺を捜すな」といい残して行方不明に。前座を務めていた志らくさんは、開口一番として25分のものを家元に15分でやれといわれていた「抜け雀」をやって、家元がまだこないので、やむなく次のネタをやってつなごうとする。さらにまだ家元が来ないので、「笠碁」を家元と志ん朝の喧嘩でやって、中入りまでつないだ。やっと来た家元は「馬鹿だな、長いネタを一本かけてつないでおけばいいのに」って、家元……(苦笑)。
・銀座の「美也」で家元と北野武が飲んだ時、外で待っていた志らく、談春さん、浅草キッドの4人がいつかは中で飲める立場になりたいねと話していた。浅草キッドと会うと、今でもその思い出話をするとか。

togetterまとめ rakugoオルタナティブvol.2 談笑ダブルス「東京物語」


 
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