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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 先日から通い始めた針灸師の先生と四方山話をしてました。その中で、先生のひいお爺さんが庄内藩士で戊辰戦争で戦死していることが最近わかったという話題になり、ひとしきり戊辰戦争の話になりました……さらに先生が以前に東京都日野市に住んでいたので土方歳三生家もご存じとかで、すっかり盛り上がってしまいました(爆)。

 で、帰りがけに、読みやすい郷土史の本ですと、表題の冊子を貸してくださいました。

『飽海史話』富沢襄 昭和35年2月23日(意図されたのか偶然かは存じませんが、現皇太子殿下の誕生日ですねぇ……) 山形県酒田市・敬天堂発行

 「飽海《あくみ》」とは、羽後国・山形県の郡名。

 以下、白牡丹の好奇心センサーが働くところを拾い読みしたメモです。

・戦国時代……ごくごく2~3ページほどで解説されてます(汗)。要約すると(以下、NHK大河ドラマ『天地人』の今後のストーリーについてネタばれになります。知りたくない方は読まないことをお勧めします・汗)、酒田を中心にした庄内周辺は、最上氏・上杉氏の争うところとなり、「秀吉は上杉景勝に命じて大谷吉継と共に庄内の検地を命じましたが、百姓は之に反対して一きをおこしましたが皆しりぞけられてしまったのです」。「ところが1600年関ヶ原の戦がおこって、石田三成方に組した上杉氏は、部下の名将、直江兼続をして、米沢から徳川方に味方した山形の最上義光を攻めさせ、酒田の方からは最上川をさかのぼって、山形を攻めさせました。最上義光はおどろいて自分の姉の子である伊達正宗(原文ママ)に助けを求めました。この時直江兼続の軍をよく防ぎとめたのが、長谷堂を守った、志村伊豆守光安でした。運よく関ヶ原で徳川方が勝ったとの知らせがとどいたのです」。上杉家は減封されて米沢に転封、庄内は最上義光の部下・志村光安の支配地に。最上義光の死後、最上家は改易。藩主は信州松代の酒井忠勝に移り、以後、酒井家の支配下で幕末まで庄内藩(天保期に三方領地替えの危機あり、領民が幕府に直接歎願するなどあって、回避された)。

・庄内の経済……酒井家が庄内に入ってきた元和年間の名目高は13万8千石。将軍家綱の代の再検地では14万7千石と報告しているが実高は19万石以上あったらしい(ただし江戸時代を通じては、鳥海山の噴火など天災もあり、凶作の年には11万石程度しか獲れなかった)。さらに江戸時代を通じて発達した北前船の港とて、春から秋の航海シーズンに3千隻ほどが入港するという一大商業都市だった。

・「紅花大尽」……NHK土曜時代劇『陽炎の辻』シリーズの視聴者にピピッと響く言葉(笑)。主人公・坂崎磐音のかつての許婚・奈緒が吉原から嫁いでいったのは紅花大尽・前田屋さんですね。リンク先はサイト「最上川大事典」舟運の歴史・「紅花大尽」の項。最上川流域の特産品で、染料・着色料・生薬として使われたんですね。別名は「末摘花」(『源氏物語』でそう呼ばれた姫様は、お鼻が……汗)。今でも山形県の花。リンク先の記事によると「江戸後期に栄えた山形の紅花商人は現在の金融・商業会のような中心的な存在」だそうで、それで「紅花大尽」なのかと感心しました。実在の「紅花大尽」鈴木清風は俳人でもあり、芭蕉が「奥の細道」で奥州を旅した時にもてなしもしているのですね。

・「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」……または「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」。庄内藩にはあまり詳しくない自分でも、酒田といえばこの戯れ歌が思い浮かぶ。wikipedia「本間氏」の項では「酒田本間氏(ほんまし)は佐渡本間の分家で、山形県酒田市を中心に農地解放による解体まで日本最大の地主だった家」。つい60年ほど前まで日本最大の地主だったのだ。代々、地元酒田のインフラ整備に出資したり(たとえば植林)、藩主上杉鷹山で知られる米沢藩の財政改革を支えたり、戊辰戦争の時には庄内藩の戦費を支えたりなど、利益の一部を公共に還元していることを明記しておきたい。
本間家旧本邸(注・リンク先に飛ぶとmidiが鳴ります・汗)

・相場の神様・本間宗久……以下、日本証券新聞サイトの記事にリンク。
最強の相場師、本間宗久とは?
相場の名人・本間宗久 【酒田五法は風林火山】
 どこで読んだか忘れてしまったが、幕末に日本が開国した時、大坂・堂島の米商人が欧米の先物取引の仕組みを知って「大したことはない」と言ったというほど日本の先物取引は先進的だったとか。遡ること、第八代将軍吉宗公の時代に、こんな人物がいたんだなぁ(汗)。
 さて宗久は本間家を嗣いだ光丘とはからって大量の庄内米を酒田港から積み出した。この米は日本海沿いに西下、難所といわれた能登半島沖を乗り切って福井県の敦賀、小浜から大津を経て京都に回米、ここで売りまくる一方、京都と大阪の米会所を舞台に期米相場に挑んだ。
 なにしろ当時の本間家は二十四、五万石といわれた豪農であり、この現物を背景にしているから強い。しかも米の作柄の情報も刻々入る。
 こうした恵まれた条件もさることながら、宗久は天才的相場師であった。年々の記録を集積して天然・気象を予見、作柄の豊凶を割り出すという自然の法則に従って売買する合理性に加えて、大胆不敵で進退自在な攻防はいつも仕手戦に花を咲かせ百戦連勝、常勝不敗の大記録を打ち立てるとともに、たちまちのうちに巨万の富を築き上げた。
 当時“出羽の天狗”の異名をとるほど畏敬され、業界の大立物にのしあがったのは当然である。

 関西市場を席捲して相場の神様とさわがれた宗久は、こんどは江戸をねらった。当時の江戸は将軍のお膝元だけに経済力と物資の動きは大阪をはるかにしのいでいた。米の取引所も神田、浅草、深川、永島町、通三丁と五つもあって殷賑を極めていた。ここに乗り込んだ宗久はスケールの大きい売買を展開、天才的相場師の面目を遺憾なく発揮して空前の巨利を得た。“出羽の天狗”はここでも米穀問屋を慄え上がらせたのである。その神出鬼没、進退ぶりはまことにあざやかで、当時江戸の町々では、

  酒田照る照る
    堂島くもる
      江戸の蔵前雨が降る

という俗謡がはやったほどで、宗久の天才ぶりは、いまでも日本の米市場史に燦然と輝いている。

 うーむ、紀伊国屋文左衛門奈良屋茂左衛門も霞んで見える(汗)。

・「天保のおすわり」……『風雲児たち』読者にはお馴染み、老中水野忠邦の天保の改革中に検討された三方領地替え。この庄内藩と越後長岡藩と武蔵国川越藩の藩主を玉突きで動かそうという大規模な領地替え(川越藩松平家が裕福な庄内藩領を狙ったものらしい)だったのが、庄内藩領民の直訴などによって断念されたとか。一回や二回の直訴ではなく、大老から老中、近隣の大藩の藩主たちに対して合計数百人が住民代表で直訴しているのだから、総じて善政だったのでしょう。そして、その訴状について水野老中から調べるように命令されたのが江戸町奉行の矢部駿河守定謙なんですよ……鳥居甲斐守耀蔵の陰謀によって罷免させられ、伊勢桑名藩お預かりになって憤死した方です(涙)。罷免させられる前、矢部お奉行様は庄内の農民の肩を持ったので、お奉行様が亡くなった後、庄内では稲荷様に祀ったそうです。

 ……とても楽しく読みましたが、目が疲れてきました(涙)。『陽炎の辻3』本放送の時間ですし(爆)。ちなみに今日の土スタ、『組!』山本土方のあの場面あり、お約束通りに山本耕史さんがビビる大木さんをいじってくれたりする場面もあり、去年の『組!』関係者忘年会の様子もちらっと知れるトークもあり、大満足でした(^^)。

 戊辰戦争前後を含む幕末の庄内藩史については、明日以降ということでm(__)m。



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『飽海史話』富沢襄 読書メモ その2
URL 2009/05/24 11:38
 読書メモその1の続きです。  「いよいよ幕末……」と思ったら、「5ページ半!」(涙)。戦国時代より長いんだけど、5ページ半……(泣笑)。  「明治零年」という見出しの章、いきなり西郷隆盛と勝海舟の江戸城引き渡し会見から始まります(汗)。  庄内出身の清河八郎(酒田出身ではなく清川村の出身ですが)の事績も紹介されないし、清河が幕府に建策して組織された浪士組の一件も出てこないし、清河が暗殺されてから改組されて庄内藩預かりになった新徴組についても出てきません(汗)。  さらに、鳥...
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