10月23日の幕末ニュース

　気がつけば、めっきり涼しくなりました。

岩手
釜石、産業遺産群に　経産省が原案

　経済産業省が、日本の近代化をけん引した歴史的な工場跡や鉱山などについて、「製鉄」「石油」といったテーマごとにまとめた「産業遺産群」の原案が２２日明らかになった。ほぼ全国にまたがり、３３の遺産群と計約３００カ所の個別遺産で構成される。本県からは幕末に国内で初めて洋式高炉による銑鉄生産を成功させた釜石市の高炉跡などが「製鉄」の産業遺産群にリストアップされた。
(中略)
　原案によると、綿産業では、江戸末期に輸入品に押されていた日本で、政財界の努力により大阪が「東洋のマンチェスター」と呼ばれるまでに成長した過程を紹介。岡山県倉敷市や愛媛県八幡浜市などの工場跡を含めて遺産群とした。
　本県関係は釜石市と遠野市にまたがる「鉄鋼の国産化に向けた過程を物語る『製鉄』」の遺産群。洋式高炉導入期の「橋野高炉跡および採掘場」などと、官営期以降の「釜石鉱山」「小川レンガ橋梁（きょうりょう）」などで構成されている。「製鉄」には北九州市（福岡県）の八幡製鉄所関連施設も含まれている。

東京
「都市への思い共有を」安藤忠雄氏、東京に「歴史の回廊」提唱

　建築家の安藤忠雄氏が再開発で様変わりの激しい東京に「歴史の回廊」を提案している。東京駅が元の形に復元され、丸の内の三菱１号館も再建される。日本橋の景観を昔の姿へ戻す動きもある。「それらをつなぐプロムナードを整備すれば、東京は国際社会に向けたカオを持てる。保存か再開発かで揺れる東京中央郵便局も残し、先人の記憶と夢を語り継げる東京に」と訴える安藤氏に話を聞いた。
(中略)
――三菱１号館（１８９４年）は、維新後、日本の建築家を育てたジョサイア・コンドルの設計によるもので、オフィス街、丸の内の象徴だった。高度成長期に取り壊したその赤れんがが再建される。東京駅（設計・辰野葛西建築事務所、１９１４年）は戦災で焼失した３階部分とドーム屋根を復元。日本橋（設計・妻木頼黄ら、１９１１年）は高架の高速道路を地下に移して景観を取り戻す計画だ。

石川
大英博物館に古九谷あった　数少ない海外流失

　英国・ロンドンの大英博物館に古九谷が所蔵されていることが二十二日までに分かった。濃厚な色使いや独特の紋様などの特徴が明らかで、幕末から明治初期にかけて、英国側に収集されたとみられる。石川県立美術館の嶋崎丞館長は「海外に流失した古九谷はわずかで、貴重な一点と言えるだろう」と話している。