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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 師走に入ったというのに、今日の日差しはぽかぽかです。

東京
上野彦馬賞フォトコンテスト:受賞作一堂に--都写真美術館 /東京
上野彦馬賞フォトコンテスト:受賞作一堂に--都写真美術館 /東京
 才能ある若手写真家の発掘を目指す「第9回上野彦馬賞-九州産業大学フォトコンテスト」(九州産業大、毎日新聞社主催)の受賞作品展が6日、目黒区三田の都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)で始まった。風景、人物など国内外のモチーフを多彩に切り取った受賞作102点が一堂に会した。14日まで。
 同賞は、幕末から明治にかけて長崎で写真館を開業し「日本の写真の祖」と称された上野彦馬の名を冠して00年に始まった。今回のコンテストには一般部門1509点、中高生部門1919点の作品が寄せられ、大賞の上野彦馬賞は中国・上海市の張笑秋さんが獲得した。都内からは、ウガンダの孤児らを活写した丸山耕さんが九州産業大学賞に輝いた。入場無料。8日は休館。【真野森作】


ブックレビュー
【書評】『京都守護職日誌』全5巻 菊地明編
■「日誌」形式の史料集成

 本書は一見、その書名から京都守護職を務めた松平容保の日記であるように見える。しかし、その内容は幕末の京都に関する史料集成ともいうべきものになっている。
 本書は、文久2(1862)年5月より慶応3(1867)年12月に至るまでの間のさまざまな出来事や事件を日付ごとに整理した「日誌」形式となっている。なお、各事項について当事者もしくは同時代の人々によって記された史料を引用。当時の人々の見解を容易に知り得るように配慮されているのが特色であり、評者が本書を史料集成とみるゆえんである。
 これらの史料は幕末史研究家の菊地明氏が編者となり、公刊・未公刊の別なく、150点以上に及ぶ膨大な史・資料より引用箇所の選定がなされ、幕末史研究に用いられる史料の多くを網羅したものとなっている。
 さらに、公家や武士、幕府や諸藩による記録のみならず、幕末の動乱の渦中にある京都の市井の人々の声を拾った史料も引用するなど、実に多岐にわたる観点から幕末史をとらえる試みがなされている。
 幕末史には実に多くのアクターが登場し、そしてまた、彼らの行動も時勢に応じて刻々と変化した。
 かように多様で躍動感にあふれる一面があるからこそ、幕末史は多くの人々の心をひき付けてやまない。その半面、多様で躍動感にあふれるがゆえに、正確に幕末史の全体像を把握することが難しい一面もある。かような幕末史の持つ「難しさ」は研究者にとっても同様であろう。
 本書第5巻のあとがきにもあるように、多様な史料を用いた「日誌」である本書は、幕末の京都の「鳥瞰(ちょうかん)図」である。本書を手掛かりとすることで、より多くの人が幕末史をひもとく楽しみに触れることができるのではないか。また、研究者にとっても本書は幕末史全体の把握に有益であろう。本書の刊行による幕末史研究のさらなる発展に期待したい。(新人物往来社・各1万2600円)
 評・門松秀樹(慶応大非常勤講師)

 た、高いなぁ、しかも全5巻(汗)……労作、ですね。いずれ購入しようと思っていますが。

【書評】『論語と算盤(そろばん)』渋沢栄一著
■現代に通じる渋沢の嘆き

 大航海時代からほぼ5世紀の間、白色人種による植民地化が着々進行していた。わが国は徳川幕府の鎖国が長年続いていた。その泰平の世を破るが如(ごと)く、ペリーがやってきた。1853年。先人たちの気づきが良く、明治維新という近代化に成功した。
 そのような波乱の時代を生き抜いたのが、渋沢栄一である。幕臣となり、徳川昭武に随行し、欧州諸国を歴訪した。近代国家の有りようをつぶさに学んだことが、わが国にも渋沢自身にも幸せなことであった。
 新政府にも仕え、高位の官職につきえたであろう。その地位を捨て、実業の世界に挑んだ。第一国立銀行をはじめ500もの企業の創立にかかわり、まさに近代企業の生みの親である。
 筆者の経営の師、アサヒビールの山本為三郎は論語を常時携帯し、「恕(じょ)の精神」を徹底した。弟子を任じた筆者も論語研究に没頭した。本書の初版が筆者と同じ昭和2年の誕生だったことが、さらに異常な好意と研究を重ねる因となった。
 士農工商といわれた社会秩序が維新で壊れ、藩校で四書五経の道学を身につけた武士たちはその地位をことごとく失い、富国策で商人の活躍が目立った。渋沢はそのど真ん中を生き、実相に触れ、心を傷(いた)めた。
 商人たちが拝金主義に陥り、他を顧みる心の全くない行動に嘆き、本書となった。教育も、徳育が欠け、智にのみ傾いていく。孟子のいわゆる「上下交々(こもごも)利を征(と)らば、国危し」と説いたのだ。明治の指導者たちの道学の学びを説き、結論で「人の禽獣(きんじゅう)に異なる所は徳を修め、智を啓(ひら)き、世に有益なる貢献をなし得るに至って、初めてそれが眞人と認める」とさえ断言する。
 戦後63年。昨今のわが国の現状は、渋沢の感じた時代とあまりにも似ている。
 加地伸行氏解説で再び世に出た本書は平成世直しの本である。難しい漢字もあるが、渋沢のころは10代の若者がすべて読んでいたことを思いだし、読みこなすべく努めよう。漢字そのものに大いなる意味がある。(角川ソフィア文庫・740円)

 評・中條高徳(アサヒビール名誉顧問)

【プロフィル】渋沢栄一
 しぶさわ・えいいち 天保11(1840)年、武蔵国(埼玉県)生まれ。
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