新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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今日は昼間の最高気温が21度と2月にしては異常な陽気でした。暖かかったおかげで、サーキットトレーニングでたっぷり汗をかけました。
明日の午後には一桁台の気温に下がるそうです。関東山間部では雪も降るとか。気温の上下についていけるよう、着るものや暖房を調節しなくては。
茨城
映画:「桜田門外ノ変」 千波湖畔で出演俳優ら意気込み /茨城
埼玉
「龍馬コーヒーうまいぜよ」・JUNEが龍馬会埼玉支部事務局に
東京
旧三井家拝島別邸 都文化財指定を答申
当ブログによくコメント頂く、日野宿本陣文書検討会のMUNNさんからお知らせいただいたニュース記事です……ただし、同会は、旧佐藤邸(下佐藤家)は日野宿「脇本陣」でなく「本陣」であったという見解で、この答申内容に異論があるとのことです。
幕末の多摩の歴史に関心を寄せる白牡丹としては、実証的な検討と議論が発展することを期待したくと思っております。
静岡
全国高校生パンコンテスト:静岡農高から全国2、3位--伊豆の国 /静岡
福井
龍馬で福井を売り込め-県観光連盟がHP
高知
四国ミュージアム回廊:四十館目 高知市立龍馬の生まれたまち記念館/1 /高知
山口
映画:古川薫さん原作「獄に咲く花」公開 「下関発信の松陰像を」 /山口
佐賀
閉幕まで1週間切る 特別展「近代との遭遇」
ビジネス
感謝を込めて贈りたい!歴女とっておきの”幕末ショコラ”
文化芸能
トータス松本「龍馬伝」にジョン万次郎役で出演
ブックレビュー
『日本SF精神史』 長山靖生著 (河出書房新社・1260円)
明日の午後には一桁台の気温に下がるそうです。関東山間部では雪も降るとか。気温の上下についていけるよう、着るものや暖房を調節しなくては。
茨城
映画:「桜田門外ノ変」 千波湖畔で出演俳優ら意気込み /茨城
1月20日から県内で撮影が始まった映画「桜田門外ノ変」に出演している俳優らが、水戸市の千波湖畔に作られたオープンセット内で会見し「作品を通して勇気を届けたい」と意気込みを語った。
会見には関鉄之助を演じる主演の大沢たかおさん、徳川斉昭役の北大路欣也さん、監督の佐藤純彌さんのほか、水戸市の加藤浩一市長、映画化支援の会の関係者らが顔をそろえた。大沢さんは「自分のできることをすべて出し尽くしたい。秋の作品を楽しみに応援していただければ」と県民にメッセージを送った。北大路さんは、桜田門外の変について、「日本国というものを愛し思い、情熱を爆発させた事件だと思う」と当時の時代状況に思いをはせた。
撮影は3月まで続けられる予定。佐藤監督によると、撮影は現在までに5分の1が終了したという。【山崎理絵】
埼玉
「龍馬コーヒーうまいぜよ」・JUNEが龍馬会埼玉支部事務局に
土佐藩郷士であった坂本龍馬は脱藩後、貿易会社と政治組織「亀山社中」(後の海援隊)を結成、明治維新の志士として活躍した。高知の坂本龍馬記念館では昨年「坂本龍馬検定」(第2回目は今月18日)が行われ、今年1月3日からはNHK大河ドラマ「龍馬伝」が放映スタートされるなどタイムリーな人物だ。
高知県に本部を置く「坂本龍馬会」は全都道府県に分布している。埼玉でも1997年、鴻巣を拠点として事務局が立ち上がったが旗揚げ後、消滅に近い状態だった。昨年11月15日(龍馬の命日)に草加市松原駅近くのTEA ROOM JUNE(早川純一さん経営)を事務局として再結成。97年当時の発起人でもある麻生八たさんを弁士に活動写真を上映し30人が集った。
JUNではこれを機に長崎から「龍馬が愛した珈琲(コーヒー)」を取り寄せ1杯400円で販売。ブーツを履いて江戸の街を闊歩した龍馬が幕末の出島で好んで飲んでいたとされるコーヒーは1865年当時の豆の仕入れルーツと焙煎方法を忠実に再現したもの。
例会は年6回を予定。本部と「土佐・龍馬であい博」(開催中~11年1月10日まで)への赴きも計画中。次回例会は4月4日(日)予定。勝海舟の玄孫に当たる人が来店予定。また、幕末列伝に詳しい長谷川勤さん(松蔭大学、吉田松蔭教育研究センター講師・センター長)との会合も。
<問い合わせ>早川さん(草加市栄町3-6-91F)TEL936・4211。
東京
旧三井家拝島別邸 都文化財指定を答申
都文化財保護審議会は5日、1927年(昭和2年)に建築された大規模近代和風邸宅の「旧三井家拝島別邸」(昭島市)を、都の有形文化財に指定するよう都教育委員会に答申した。
都教委によると、別邸は現在の千代田区永田町に建てられた旧鍋島直大(なおひろ)侯爵邸の一部を、旧三井家が別荘として移築したもので、その後は同家が創設した私学の寮として使われた。
建物は木造一部2階建てで、延べ床面積は約1600平方メートル。外観は和風だが、内部には洋室もあり、当時の建築文化をうかがうことができる。
同審議会ではこのほか、「稲荷台遺跡出土品」(板橋区)、「武蔵府中のくらやみ祭(まつり)」(府中市)、「日野宿脇(しゅくわき)本陣跡」(日野市)の3件についても、都指定文化財などにするよう求めた。
当ブログによくコメント頂く、日野宿本陣文書検討会のMUNNさんからお知らせいただいたニュース記事です……ただし、同会は、旧佐藤邸(下佐藤家)は日野宿「脇本陣」でなく「本陣」であったという見解で、この答申内容に異論があるとのことです。
幕末の多摩の歴史に関心を寄せる白牡丹としては、実証的な検討と議論が発展することを期待したくと思っております。
静岡
全国高校生パンコンテスト:静岡農高から全国2、3位--伊豆の国 /静岡
◇「パン祖」坦庵の情熱、脈々と
伊豆の国市の特産であるミニトマトを使ったパン作りの技能と出来栄えを競う「全国高校生パンコンテスト」の実技審査が7日、同市長岡総合会館であった。デニッシュにケーキを挟み、富士山の形に仕立てた岩手県立盛岡農業高校2年、森まどかさん(17)のパン「よくばり富士山」が優勝した。準優勝は静岡農業高校3年、山中綾乃さんの「きびっとトマトブレッド」。3位には同校2年、片山莉香子さんの「六つ編みロングとまパン」がそれぞれ輝いた。
パンを日本で初めて焼いた「パン祖」とされる幕末の韮山代官、江川坦庵(たんなん)(太郎左衛門)の出身地にちなんで開かれた「パン祖のパン祭」の関連行事。市観光協会と同祭実行委員会が主催し、4回目の今年は、17都道府県24校から過去最多の231人が応募。レシピ審査を通過した19人が6日、6時間かけてパンを作った。
優勝した森さんのパンは、ドライトマトとトマトジュースをデニッシュ生地に混ぜた。ケーキには学校で育てた、あきたこまちの規格外の米粉100%を使った。2年から学校の「パン研究班」に所属し、パン作りを本格的に始めた。コンテストに向けて昨年11月からデニッシュは23回、ケーキは約40回試作したという。森さんは「納得いくまで練習した。まさか優勝できるなんて。協力してもらった研究班の仲間や先生、地元の指導者の方に恩返しできた」と話した。
パン祭総合プロデューサーで審査員も務めた俳優、藤田弓子さんは「出場者の情熱と発想力は計り知れない」と絶賛した。祭りは6~7日に行われ、全国の有名パン店が出店するなど延べ約8000人でにぎわった。【安味伸一】
福井
龍馬で福井を売り込め-県観光連盟がHP
県観光連盟は春の観光シーズンに向け、8日からホームページ「ふくいドットコム」(http://www.fuku-e.com/)に「歴史ロマンあふれる 熱き幕末の福井へ」を開設した=写真。NHK大河ドラマで人気を集める坂本龍馬と福井藩とのかかわりを解説している。
龍馬は文久3(1863)年に勝海舟の命を受け、神戸海軍操練所の費用5千両を福井藩主・松平春嶽公から借用するため初めて来県し、慶応3(1867)年には土佐藩主・山内容堂の親書を春嶽公に手渡すため、2度目の来県を果たしたとされている。2度目の際には三岡八郎(由利公正)と莨屋(たばこや)旅館で新しい政府について語り合ったが、その後間もなく、龍馬は京都で暗殺された。
当時の福井藩には新しい国をつくろうとする龍馬が頼りにした春嶽公や志の高い藩士たちが活躍していた。ホームページでは影の立役者となった福井藩の横顔を紹介している。
「ふくい龍馬伝」のコーナーでは福井市立郷土歴史博物館の角鹿尚計氏がなぜ龍馬が来県したのかを考察。春嶽公の人柄の解説などで活躍する同市歴史ボランティアグループの語り部、宮下一志さん、龍馬ファンでつくる越前龍馬会の柳芳隆氏ら、龍馬の時代を熱く語る人々をピックアップしている。
また春嶽公や橋本左内らを紹介する幕末偉人のコーナー、偉人らにちなんだ観光案内などを掲載した。
近年、龍馬が3度来県したとする説も登場しており、観光連盟では幕末ロマンで観光の魅力アップにつなぎたい考えだ。
高知
四国ミュージアム回廊:四十館目 高知市立龍馬の生まれたまち記念館/1 /高知
◇伝わる、若き日の息づかい 脱藩が追体験できるCGも 離れの“本人”にびっくり
「日本を今一度せんたくいたし申候」と志高く、幕末の混乱期を駆け抜けた坂本龍馬(1835~67)。「高知市立龍馬の生まれたまち記念館」は、龍馬が産声を上げた同市上町にあり、大河ドラマによる「龍馬ブーム」でにわかに注目を集めている。土佐弁にあふれ、若き日の龍馬の息づかいが聞こえてくるような館内を案内したい。【千脇康平】
同館は、龍馬が生まれ育った環境を紹介するとともに、地域住民が集える公民館として総事業費は約6億円で建設された。04年3月にオープンし、現在は指定管理者が運営している。
建物は展示棟と交流棟の2棟。ともに屋根は和瓦ぶきで、外壁はしっくい塗り。杉の柱にヒノキのフローリング(ともに高知県産材)、土佐和紙の照明など凝った造りに、建築関係者も見学に訪れるという。
交流棟1階には関連書籍約1000冊が並ぶ。専門書や小説のほか、「お~い!龍馬」(原作・武田鉄矢、作画・小山ゆう)などの漫画もそろっている。龍馬研究グループが発行している「龍馬研究」「龍馬速報」「龍馬タイムズ」といった機関誌も創刊号から閲覧でき、同館の山本保事務長(60)は「気軽に待ち合わせに使って」とPRしている。
展示棟入り口正面の画面の前に立つと、少年時代の龍馬を描いた絵が浮き上がり、「まっことよう来たねえ。ゆっくり見とうせ」と歓迎の言葉が流れる。展示物に添えられた説明はすべて土佐弁だ。
「龍馬と家族」コーナーは、生誕から脱藩までの龍馬をパネルで紹介。家の中の模型に映像を投射して見せる装置もあり、「ある日の坂本家」と題した漫才のような坂本家のやりとりが放映される。中庭には坂本家の離れをイメージした空間を再現。腕組みをして座敷の奥でどっかり腰を下ろす等身大の龍馬の模型に、驚く客もいるとか。机のノートには、来館者の龍馬へのメッセージがしたためられている。
2階には、鏡川での姉乙女による水泳特訓や脱藩などを龍馬の視点で追体験できるコンピューターグラフィックスを使った「龍馬、その時」が設置されている。座布団に座り、手元の球状コントローラーをひねると正面の画面に映る視野が動く仕組みだ。また、幕末の上町周辺を、当時の町割図を参考に再現したジオラマや龍馬の書簡(複製)など資料類も展示されている。
龍馬ブームで今、注目を浴びる同館。07年度約2万9300人だった来館者は、08年度に約3万5200人に増加。今年度はさらに高速道路の休日1000円化も相まって、1月末までで早くも約4万5300人を突破。連日のにぎわいに、龍馬もびっくりしているに違いない。
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◇ミュージアムガイド
【住所】高知市上町2の6の33
【電話番号】088・820・1115
【入館料】300円(高校生以下無料)
【開館時間】午前8時~午後7時(ふれあいセンターは午前9時~午後10時)
【休館日】年中無休
【行き方】土佐電鉄上町1丁目電停下車、徒歩約3分。バス停上町1丁目もしくは上町2丁目下車、徒歩約3分
山口
映画:古川薫さん原作「獄に咲く花」公開 「下関発信の松陰像を」 /山口
◇出演者らがヒット祈願
下関市在住の直木賞作家、古川薫さん(84)の小説「野山獄相聞抄」が原作の映画「獄(ひとや)に咲く花」の先行公開が6日、県内と福岡県で始まった。幕末の思想家、吉田松陰の生涯1度の恋を描く。7日には同市竹崎町の「下関スカラ座シアター・ゼロ」で主演の近衛はなさんらが舞台あいさつし「下関発信の映画。新しい松陰像を伝えたい」とヒット祈願した。【取違剛】
幕末、米国密航を企てた罪で獄舎「野山獄」に入れられた松陰。持ち前の明るさと人間性で囚人に希望を与え、女囚の高須久とも心を通わせていく。
松陰を演じたのは下関出身の俳優、前田倫良さん(33)。松陰役に推した原作者の古川さんは「彼は10キロ減量して役作りした。その努力は大変なもの」と称賛。共演の目黒祐樹さんも「前田さんのさわやかな心と劇中の松陰が重なった。共演者も感情移入しやすかった」とたたえた。
久役の人選は難しかったという。古川さんによると、久は「美人で高い教養をもった人」。難航した末、松竹が近衛さんに白羽の矢を立てた。古川さんは「名実共にぴったりの人を探してくれた」と絶賛。映画も「原作を超えた」と手放しで称賛した。製作は下関市の映画会社「グローカル・ピクチャーズ」。近衛さんらは「下関から全国へ、世界へ」とPRしていた。
先行公開はシアター・ゼロ(083・231・8243)など県内7館、福岡県2館で。
〔下関版〕
佐賀
閉幕まで1週間切る 特別展「近代との遭遇」
佐賀県立美術館で開かれている特別展「近代との遭遇-世界を見る・日本を創(つく)る-」(佐賀新聞社などでつくる実行委主催)は14日の閉幕まで、残り1週間を切った。終盤を迎えて多くの人が鑑賞に訪れている。
幕末から明治にかけて海外に渡った人々の足跡や功績をたどり、佐賀の先人たちの気概や進取の精神を浮かび上がらせる展覧会。貴重な歴史資料や、日本近代洋画の主流を成した岡田三郎助らの名画など計約150点を展示し、歴史ファンや美術愛好家らが鑑賞に訪れている。
土、日曜は随時、展示解説も行われ、学芸員が幕末・明治史や近代美術史の流れを追いながら展示品を紹介している。
7日は高辻知義東京大名誉教授が「久米邦武の見なかった町と国・マイセン、ザクセン」のテーマで講演。高辻教授は17世紀に有田の磁器がヨーロッパに輸出され、魅了されたザクセン王の命令によってドイツ・マイセンでの磁器制作が始まった経緯を紹介。詰めかけた約200人が熱心に聞きいった。
特別展の観覧料は一般1000円、大学生800円、高校生以下と障害者は無料。
ビジネス
感謝を込めて贈りたい!歴女とっておきの”幕末ショコラ”
NHK大河ドラマ「龍馬伝」の相乗効果で2010年は「幕末」が大注目。坂本龍馬をはじめ、個性あふれるイケメン男子たちが動乱の日本を熱く生き抜いた時代は、戦国時代同様、歴女にはとっては特別な時代。そんな歴女の思い入れがたっぷりの時代をヒントにした、バレンタインチョコが日本橋三越本店から限定アイテムとして販売されます。
「幕末ショコラ」は、坂本龍馬、土方歳三、西郷隆盛、ペルリ(ペリー)といった幕末の重要人物の4人をイメージしたオリジナルチョコ。龍馬は高知、土方歳三は東京、西郷隆盛は鹿児島、ペルリ(ペリー)はアメリカと、それぞれの出身地にちなんだお酒をチョコレートに入れ、豊かな香りと風味が楽しめる、大人の逸品に仕上がっています。
このチョコは、歴女はもちろん、歴史好きの男性にもたまらない逸品!上司や気の置おけない友人たちのイメージを4人の人物に合わせ、日頃の感謝を込めてユーモアあふれる義理チョコとしてプレゼントすれば、会話も盛り上げること間違いなしです!ほか、メリーチョコレートによる、信長、秀吉などの戦国武将をイメージした新チョコレートブランド「TUWAMONO」も登場予定。こちらも合わせて、ぜひチェックしてみてはいかがですか?
・日本橋三越本店
文化芸能
トータス松本「龍馬伝」にジョン万次郎役で出演
現在NHKで放送中の大河ドラマ「龍馬伝」に、トータス松本が出演することが発表された。
「龍馬伝」は福山雅治が主人公・坂本龍馬を演じているほか、土佐藩郷士・溝渕広之丞をピエール瀧が、龍馬の姪・坂本春猪を前田敦子(AKB48)が演じるなど、ミュージシャンやアイドルの出演でも話題を呼んでいる作品。トータスは土佐藩出身の漁師、ジョン万次郎こと中浜万次郎を演じる。彼がNHKのドラマに出演するのは今回が初。
ジョン万次郎は漁の最中に遭難し、アメリカ船に救出されて約10年にわたるアメリカ生活を送った人物。帰国後はアメリカで学んだ語学や技術を生かし、幕末期の日本で幅広く活躍した。
また、土佐藩郷士・岡田以蔵の恋人役として臼田あさ美が出演することも決定。今後彼らがどのような物語を繰り広げるのか、楽しみにしておこう。
ブックレビュー
『日本SF精神史』 長山靖生著 (河出書房新社・1260円)
●未来に希望と驚きを求めて 波潟剛 九州大准教授
最近、大学院のゼミで末広鉄腸『雪中梅』を読む機会があった。
ふだんは読まない明治の文体。四苦八苦しつつも、面白いところはないかとあちこちめくる。すると、尾崎行雄の書いた序文に目が留(とど)まった。
気になったのは、「小説」という用語に関するくだり。「今妥当の訳語を得ざるが故暫(しばら)く小説二字を以(もっ)てnovelに充つ」と、novelの訳語として便宜的に充てる旨が記述されている。
現代では「novel」といえば当然「小説」を指す。それに対して、明治半ばはまだまだ過渡期であったのだなあと実感した。
本書の著者も実は同じ文章に注目している。書店で立ち読みしながら序文の引用が出てきた時には正直驚いた。ただし関心の矛先は少々異なる。明治19年のこの序文に「科学小説」という用語が登場する。本書でより重要なのはSF史における記念碑的事実である。
「科学小説」と「空想科学小説」。あるいは「古典SF」と戦後のSF。こうした区分にようやく気づいた私はSF初心者の1人。
19世紀後半の未来小説が『天空の城ラピュタ』に似ていたり、幸田露伴が科学小説、冒険小説好きだったりしたという話も初耳。幕末から戦後までの「想像力の系譜」に興味はつきない。
なかでも村井弦斎が面白かった。『日の出島』は尾崎紅葉を凌(しの)ぎ、『食道楽』には夏目漱石が嫉妬(しっと)したという逸話の持ち主。エピソードを聞くだけでも興味をそそる。
この人物が日立製作所の創始者小平浪平の家庭教師でもあったという。日立市出身の私にとっては目から鱗(うろこ)の話である。
昭和5年には雑誌『科学画報』が懸賞科学小説を募集した。そこに稲垣足穂、伊藤整、中河与一、龍胆寺雄(りゅうたんじゆう)などが入選している。モダニズムとSFの接点となる錚々(そうそう)たるメンバーに俄然(がぜん)興味がわいた。
正統的SFの系譜に並べられた安部公房についても面白く読んだ。SF作家としての側面をどのように評価するのかは議論が分かれるところ。SF精神史における位置づけもたしかに必要だと感じた。
本書は読んでいて楽しい。それは「未来」に「希望と驚き」を求め「仮定の思考」を前向きに受けとめるSF的発想が面白いからか。
それとも「書いているあいだ中、ずっと楽しかった」という著者の喜びが伝わるからか。こんなあとがきが書けるなんて羨(うらや)ましい。
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