2006年12月31日～2007年1月1日の幕末ニュース

　あけましておめでとうございます。今年も引き続き幕末関係ニュースをクリップしてご紹介しますので、どうぞよろしくお願いします。

北海道
咸臨丸で町おこし、転換点に

　町亀川の更木岬沖に沈んだという旧幕府軍の戦艦・咸臨丸で町おこし運動を展開している「咸臨丸とサラキ岬に夢見る会」（久保義則会長）が活動開始から、ことしで４年目を迎える。
(中略)
　ことしはさらに、咸臨丸モニュメントやイベント舞台、老朽化した入り口看板の新設に取りかかる。

高知
絵金：街づくりの拠点「弁天座」完成へ－－香南市（その１）　／高知

　◇「赤岡を元気に」と熱い思い　絵金蔵と相乗効果期待
　幕末の絵師・金蔵（通称・絵金）。香南市赤岡町には絵金のびょうぶ絵２３枚が残り、歌舞伎をモチーフにした鮮やかな色彩となまめかしさを一目見ようと、全国から人が集まる。商店街の真ん中には「絵金蔵」（０５年オープン）に続き、今年３月、芝居小屋「弁天座」が完成する。合併前は全国一面積が小さな町だった赤岡。二つの施設の相乗効果で２００７年、絵金を核にした新たな街づくりがスタートする。

山口
未来の傑人：０７年猛進　長州ファイブに続け（その１）　／山口

　団塊世代が一斉退職する今年。労働人口の激減で、生産現場は人手不足になり、後継者難はいっそう深刻化するといわれている。しかし取材班が実情を探ると――。生きのいいホープが結構いるのだ。昨年来話題の「長州ファイブ」のように頼もしい未来の傑人たちが。

ことば：長州ファイブ

　長州藩士の伊藤博文、井上馨、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三は幕末の１８６３年、藩の密命を受け英国へ密航した。５人はロンドン大などで先進技術を学んだ後にそれぞれ帰国。伊藤は初代首相、井上馨は初代外相、井上勝は「日本鉄道の父」、遠藤は後の大阪造幣局長、山尾は工部大学（現東京大工学部）創始者――などとして、近代日本の礎を築いた。

コラム
【ひとすじの蛍火－吉田松陰　人とことば】序

人は本来、仁愛や慈悲の心を持っている　安政２年元日、野山獄で

　１５２年前の安政２（１８５５）年元日。吉田松陰が２歳下の妹、千代にあてた年賀状はこんな風にはじまっている。

　《まずは新年おめでとうございます。でも、なぜこう言うのかしっているか？

　「目出度（めでた）い」というが、この目というのは目玉のことではない。目玉がともに元日早々に出て行ってしまったら、ろくなことになるまい。目というのは木の芽、草の芽のことじゃわい。草木の芽は冬至から、一日一日と陽気（はるのき）が生じるに従って萌（も）えいずる。この陽気というものは物を育てる気のことで、人の仁愛や慈悲の心と同じ、天地にとっても人間にとっても好ましい気なのじゃ。

　陽気が生じて草も木もめでたいと思うのが「御（お）目出度い」。一方、大晦日（おおみそか）が明けると人は、気がしゃんとして、投げやりな気持ちも汚れた心もみな洗い流され、本来持っている仁愛や慈悲の心が生まれてくる。これは、ちょうど草木の芽が出るのと同じこと。だから「新年おめでとうございます」なのじゃ》

　24歳の松陰の言葉なんですか。すでに教師の風格が感じられますね。