5月14日の幕末ニュース

　今日は朝から雨です……かなり降ってますね。

新潟
雑記帳：「秘仏」修復終え、開眼供養…中越地震で破損

　０４年の新潟県中越地震で破損した同県小千谷市の古刹（こさつ）、慈眼寺（じげんじ）の本尊「聖観世音菩薩（ぼさつ）像」が修復を終え１３日、開眼供養が行われた。
　寺は地震で、戊辰（ぼしん）戦争で長岡藩家老、河井継之助が官軍と直談判した本堂などが壊滅。檀家（だんか）や、かつて敵対した鹿児島（薩摩）、山口（長州）両県民などからの支援を受け、約３年半かけて寺の全面再建にこぎ着けた。
　古来、御開帳の記録も残さない「秘仏」だが、寺は「今後は皆さんをお守りするのが役割」と常時公開を決めた。戊辰戦争から１４０年。泉下の継之助たちもさぞ、感慨深げ？【五十嵐和大】

愛知
映画共同製作でプロ魂見た　名古屋学芸大生

　名古屋学芸大（日進市）で映像を学ぶ学生が、プロと共同製作した映画「ライフ・イン・モーション」が、名古屋市中区の伏見ミリオン座で十七日から公開される。撮影から興行まで学生とプロがタッグを組んだ異色の“産学連携映画”だ。　（広瀬和実）
　「ライフ・イン・モーション」は、名古屋学芸大生たちが、幕末から明治初期に活躍した日本初の写真家上野彦馬をモチーフに、劇映画を製作するまでの奮闘ぶりを描いた八十八分の作品。二〇〇四年四月「学内で映画を作り、カンヌをめざそう」と話が上がり、プロの撮影監督で同大メディア造形学部の渡部真教授を中心に学生約八十人によるプロジェクトを結成。製作費二千五百万円の半額を文部科学省から補助を得た。

京都
ゆかりの子孫　邸跡訪問

　幕末の志士で、明治維新の立役者となった木戸孝允の妻、幾松の弟の子孫らが１３日、中京区の木戸孝允邸跡を訪れた。幕末の歴史を研究している「維新を語る会」（伏見区、大西荘三郎会長）らが子孫を探し出して、実現。木戸邸跡を訪ねたのは初めてといい、「木戸孝允と幾松の存在が身近に感じられました」と話していた。
　幾松の弟政治郎のひ孫にあたる岡山市の生咲(きさき)幸矢(さつや)さん（６９）と妹の和子さん（６３）。この日は、同会のメンバーらの案内で木戸邸跡や東山区の寺院などを訪問した。現在は職員会館かもがわの敷地内にある木戸邸跡では、孝允の息子が収集したダルマや、庭と建物を見学。

鳥取
北海道領地　鳥取藩入植者送らず
公文書館調査　活用せぬまま廃藩置県

　鳥取藩が１８７０年（明治３年）、政府から北海道の領地を譲り受けたのに、入植者を１人も送らないまま、７２年の廃藩置県を迎えていたことが、県立公文書館の伊藤康・総括専門員の藩の公文書などの調査でわかった。これまで鳥取藩が道内に領地を得たことは知られていたが、どう活用したかは不明だった。伊藤専門員は「せっかくの領地を生かせず、明治維新直後の藩の混乱ぶりがわかる」と話している。３月発行の同館の研究紀要で発表した。
　政府は維新直後から、ロシアの南下対策と士族の懐柔を狙い、諸藩などに北海道の領地を分け与える「分領支配」を進めた。鳥取藩も手を挙げ、道南西部の現在のせたな町に領地を得ていた。
　県立博物館に残る藩の業務日誌「日記抄」には、分領後の７１年５月、藩の役人が東京に呼び出され、「誰も領地に入っていない理由を説明しろ」と迫られたことが記されていた。藩側は「資金不足。荒れ地の開墾も困難が予想される」と釈明したうえで「近々人選して渡海させる」と約束。その数か月後、廃藩置県が実施され、分領制度もなくなった。