5月3日の幕末ニュース

　ゴールデンウィーク後半、皆様いかがお過ごしですか。

宮城
史実に学ぶ地域づくり　「関の密談」舞台
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　奥州と羽州を結んだ街道の宿場町、宮城県七ケ宿町で２４、２５の両日、「戊辰戦争１４０年ｉｎ七ケ宿」と銘打ったシンポジウムが開かれる。七ケ宿では幕末の戊辰戦争のさなか、奥羽越列藩同盟締結につながった「関の密談」が行われた経緯がある。シンポでは東北がかつて１つになろうとした史実を踏まえ、県境を越えた地域づくりを考える。
　シンポジウムは、出羽三山詣でや大名の参勤交代でにぎわった山中七ケ宿街道の「関本陣」そば、町活性化センターで開幕する。
　初日の第一部は、戊辰戦争研究会主宰の作家星亮一氏と、みやぎ街道交流会長の高倉淳氏が基調講演。「戊辰戦争から七ケ宿の地域づくりを考える」と題し、宮城大教授の宮原育子氏ら５人がパネル討論を行う。
　第二部では湯原ふれあい館で交流会を開き、街道談議に花を咲かせる。２日目の歴史街道探訪会では、羽州街道を中心に戊辰戦争関連の史跡旧跡をバスや徒歩で回る。
　「関の密談」は関本陣を会場に、旧暦の１８６８年４月２９日（現在の５月２１日）から翌閏（うるう）４月１日にかけて行われた。
　仙台、会津をはじめ米沢、二本松、相馬各藩の重臣らが集まり会津藩救済について会談。その成果は閏４月１１日の白石列藩会議、５月６日の奥羽越列藩同盟成立として結実した。

新潟
新潟の「モボ・モガ」を探せ

　大正から昭和初期に新しいファッションに身を包み「モダンボーイ」（モボ）、「モダンガール」（モガ）と呼ばれた人たちの当時の写真を集め、展示などを通じて都市内外で新たな交流を生み出そうという試みが、幕末から明治初期にかけて開港した新潟市など５都市で始まった。参加する新潟大の学生らは「写真をきっかけに、たくさんの人々をつなげるプロジェクトにしたい」と話している。
　プロジェクト名は「開港５都市モボ・モガを探せ！」。開港以降、文明の窓口として発展してきた函館、新潟、横浜、神戸、長崎の５市に眠る「モボ・モガ」写真を探し出し、当時の街並みや風俗を読み解き市内外に発信することで、人やまちの新たなネットワークを作ることを目指す。

石川
七ツ島、幕末の絵図あった　金沢の高森さん所有

　輪島沖の七ツ島を幕末の一八五二（嘉永五）年に描いた絵図が保管されていることが二日までに分かった。絵図には各島の高さや長さ、幅が書き込まれている。近世史の専門家によると、藩政期の絵図で記されている七ツ島は大半が点景で、同島だけをテーマに大きさや形を克明に示した絵図は珍しい。
　絵図は金沢市横川四丁目、高森正史さん（６０）が所有する。輪島市の生家で、祖父萬次郎さんの遺品として軍刀や古銭などと一緒に大事に収納されていた。一九三七（昭和十二）年に「富山市の堀」という人が祖父に贈ったことを記す封筒の中に入っていたが、経緯や絵図製作の目的などは分かっていない。
　絵図は縦横約五十五センチ。「能登國鳳至郡外浦ノ沖七ツ島全絵図」として、大嶋（現・大島）鳫股島（現・狩又島）龍島（現・竜島）赤島（現・同）荒神子（あらみこ）島（現・荒三子島）コシキ島（現・烏帽子（えぼし）島）御厨屋（みくりや）島（現・御厨島）の七つの島と各島の大きさを記入している。

岐阜
中津川に首級、勤皇の志士　横田元綱を慰霊

　幕末期に水戸浪士天狗（てんぐ）党の一員として戦死した勤皇の志士・横田元綱を慰霊する「御霊祭（みたままつり）」が、中津川市実戸（さんと）の元綱墓前と実戸クラブで開かれた。　（山本哲正）
　元綱は信州和田峠（長野県）で幕府方と戦って被弾、味方の介錯（かいしゃく）で亡くなった。当時１８歳。父・藤四郎は、平田篤胤（国学）門人の多かった中津川宿に息子の首級（しるし）を持参した。
　願いを受けた本陣の市岡殷政（しげまさ）は、同宿の肥田九郎兵衛、間秀矩（ひでのり）と相談の上、首級を埋葬した。時の幕府に逆らう死を覚悟した行動だったが、埋葬の翌日から線香や花が絶えなかったという。